難しすぎると話題!頴娃(エイ)弁は暗号レベルの方言!韓国語と似てる?

頴娃弁、という方言は、鹿児島弁の中でもかなり難解な方言として有名です。人気バラエティ「月曜から夜更かし」でも紹介され、「まるで暗号」「韓国語みたい」と言われた頴娃弁がどんなものなのか、標準語をどう変換しているのか、などについて、ご紹介します。

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目次

  1. 1頴娃弁とは?
  2. 2頴娃弁の特徴
  3. 3頴娃弁講座!例文や意味を紹介
  4. 4頴娃弁の難しさの原因は?
  5. 5頴娃弁を使って自己紹介をしてみよう!

頴娃弁とは?

鹿児島県の頴娃(えい)町という町を知っているでしょうか。鹿児島県南部にあるこの町は、あることについて非常に有名で、全国的に知られるようになりました。その「あること」というのが、「頴娃弁」という方言です。どうしてそんなに有名なものになったのか、その理由や内容について、ご紹介します。

鹿児島県の方言でも最も難解な方言

基本的に、鹿児島県で話されている鹿児島弁というのは、日本の方言の中でも難しいということで有名ですよね。その中でも特に頴娃弁というのは、鹿児島県の方言の中でも最も難解な方言という風に言われています。

テレビで取り上げられることも多く、そのこともあって全国的に有名になっています。頴娃弁がテレビで紹介される際には、本来の言葉からは全く想像できない言葉に変換されて訳が紹介されたりもするので、なかなか面白いですよ。

頴娃弁の特徴

難解であると言われる頴娃弁ですが、どんな特徴を持っているのでしょうか。鹿児島の人でも聞き取れないことがあるという頴娃弁には、大きな特徴がいくつか存在しているようです。その特徴について、6つほどご紹介しようと思います。

「濁音」に変換される

まず一つ目は、言葉に濁点が多いことが挙げられます。特に、言葉の途中にある「かきくけこ」と「たちつてと」は、「ガギグゲゴ」「ダヂヅデド」に変換されます。たったこれだけのことでも、かなり言葉が聞き取りづらくなってしまいます。頴娃弁で意味がわからない言葉があったら、まずは頭の中で、言われた言葉を濁音から清音に変換してみるといいかもしれません。

使い方による男女の差が少ない

方言に限らず、言葉というものは基本的に、男性と女性で使い方に差があったりするものです。しかし、頴娃弁というのは男女で言葉に違いがあまり出てこない、というのも、大きな特徴となります。男性でも女性でも同じような言葉を使いますので、他の地方からやってきた人からすると、ちょっと珍しく感じるかもしれません。

独特の感嘆詞が使われる

さらに、独特の感嘆詞が使われる、というのも大きな特徴です。感嘆詞というのは、感動したときや誰かからの呼びかけに対する応答、逆に呼びかけるときに使われる言葉のことです。「ああ」「まあ」「おはよう」「ちょっと」などの言葉ということですね。こういった言葉に、頴娃弁独特の言葉が存在するということです。

「鼻音」「鼻濁音」が多く使われている

頴娃弁は、全体を通して鼻音や鼻濁音が使われている傾向があります。鼻音・鼻濁音というのは、その名の通り「鼻にかかったような声」のことです。鼻を通して空気を出すように声を出すので、少し聞き取りづらいという特徴もあります。

発音やイントネーションは韓国語と似ている

古くから、頴娃弁は発音やイントネーションが韓国語にとてもよく似ている、ということが言われてきました。そもそも薩摩焼自体、韓国から伝わってきた韓国技術であるということもありますので、本当に頴娃弁は韓国語を元に構築されていったのかもしれません。

頴娃語(えいご)は英語といわれるほど特徴的

また、頴娃弁のことを揶揄して「頴娃語(えいご=英語)」という人も多く存在します。それだけ、頴娃弁をはじめとする鹿児島弁は、他の地域の人たちからすると難解な、暗号のようなものであると思われているのかもしれません。

「月曜から夜更かし」でも紹介

ちなみに、この頴娃弁の難解さは人気バラエティである「月曜から夜更かし」でも取り上げられたことがあります。月曜から夜更かしでは、頴娃弁の他にも多くの難解な方言を紹介したことがありますが、そんな月曜から夜更かしの中でも、MCの二人をびっくりさせる難解さを見せたようです。

頴娃弁講座!例文や意味を紹介

それでは、実際に使われている頴娃弁がどんなものなのか、みてみることにしましょう。もしかしたら、これであなたも頴娃弁の暗号解読ができるようになるかもしれませんよ。

挨拶

まず、頴娃弁で挨拶をするときの言い方です。頴娃弁の挨拶で最も代表的なのが「おやっとさあ」という言葉です。標準語では「お疲れ様」という意味で、焼酎の名前にもなっているほどよく使われています。他にも、「あいがともさげもした(ありがとう)」や「いだぐっじぇなー(いってきます)」なども、よく使われる挨拶言葉ですね。

簡単な会話

次に、簡単な会話の中でよく利用される頴娃弁です。よく使われるのは「わがった(わかった・了解)」や「じゃっど(そうだよ)」、「しっど(好き)」「しかん(嫌い)」、「ごやっけさま(お世話になりました)」などですね。なんとなく想像がつくものから、まったくわからないものまで様々です。

人の呼び方

人を呼ぶときの言葉は、わりと分かりやすいものが多いです。「〜どん(〜さん)」「おいどん(私)」「わい(あなた)」「いさどん(お医者さん)」「ぼいどん(お坊さん)」などが代表的な言い方で、西郷隆盛を主人公にした大河ドラマなどでもよく利用されていたことから、今では広く一般的になっていますね。

数え方

頴娃弁では、何かを数えるときの言い方も少し独特なものになっています。1から10までの数え方は、「ひと、ふた、みー、よー、いじゅ、むー、なな、やー、ここの、とー」というような形で数えていきます。特徴的なのは、やはり5の言い方です。「いじゅ」は、「いつつ」が頴娃弁なまりになった言い方ですが、濁音混じりになる頴娃弁らしい言い方です。

物の名前

鹿児島の方言なので、鹿児島でよく使用される単語もいくつかご紹介します。鹿児島と言えばやっぱり焼酎ですが、焼酎のことは頴娃弁で「しょじゅ」といいます。また、特産のさつまいもは「カライモ」、さつま揚げのことは「ちけあげ」と呼んでいます。

接頭語ひん・けん

なお、頴娃弁では時々、動詞の前に接頭語がつきます。「け」「けん」「ひん」などがそれにあたり、例えば「ひん飲んだ(=飲んでいた)」「ひんねっちょど(=今寝ているよ)」「けんだれた(=疲れた)」というように変換されています。

感嘆詞

頴娃弁の感嘆詞は、非常に独特なものが多いです。標準語に比べて、センテンスが少し長くなるのが特徴です。代表的なものでいうと、肯定を表す「じゃっど(=そうだよ)」、相槌を打つときの「じゃーかにー(=そうなんだ)」、驚きを表す「うんだ!(=えっ!)」、疑問を表す「うんだもしたん(=なんだって?)」などですね。こういったものは全て早口で発音されるため、さらに難解さを増します。

ミゴデ

ここからは、具体的な頴娃弁をいくつか挙げて、使い方をご紹介します。まず、「ミゴテ」という言葉です。これは、標準語で「見事」という意味を持つ言葉です。例えば「マダ、ミゴテ ケシッ ヂャッドナ(また、見事な景色ですね)」というような使い方をします。

ホンノコヂ

次に「ホンノコヂ」という言葉です。これは、標準語で「本当に」という意味を持っています。「ホンノコヂ イマニモ トッカガックソナ(本当に、今にも飛びかかってきそうだ)」というような使い方をします。また、「ホンノコヂ」ではなく「ホンノコチ」という言い方をする人もいます。

フトガ

標準語の「大きい」は、頴娃弁では「フトガ」と変換されます。逆に、「小さい」は「コマガ」と変換します。「フトガ カライモガ ワッゼーガシコ トレモシタ(大きなサツマイモが、たくさん取れました)」という風に使います。県外の人からは「太い」という意味に間違えられてしまうようなので、注意してください。

ワゲッ

頴娃弁の「ワゲッ」というのは、標準語で「分けて」という意味の言葉です。「カライモヲ ワゲッ クイヤイ(サツマイモを分けてください)」というように使います。「クイヤイ」というのが「ください」という言葉で、合わせて覚えておくと、他にもよく出てくる単語なので便利です。

ニュッカ

最後に「ニュッカ」という言葉をご紹介します。これは標準語で「暑い」という意味の単語です。「ホンノコヂ ニュッカー(本当に暑いなあ)」というように使います。鹿児島は特に日本の中でも温暖な気候の地域なので、特に夏になるとこの単語はよく耳にするようになりますよ。

頴娃弁の難しさの原因は?

ところで、どうしてこんなにも頴娃弁は難しいのでしょうか。月曜から夜更かしを始めとした、全国ネットのテレビでは、総じて頴娃弁が非常に難解な言葉というように紹介されています。

特に月曜から夜更かしでは、「暗号のよう」「韓国語に聞こえる」などという風に言われます。何が頴娃弁をそんなに難しい言語にしているのか、その理由に触れてみましょう。

南方からの黒潮に乗った海の伝承の影響

鹿児島というのは、元々黒潮に乗って南方から海外の人たちが多くやってくる、一大貿易港がある場所です。そのため、頴娃弁は日本だけでなく、海外の言葉の影響を多く受けているのではないか、という説があります。言われてみれば、それこそ中国語や韓国語などの影響を色濃く受けていてもおかしくないような言葉の響きをしています。

また、貿易港であったが故に、商談内容を知られないよう、まるで暗号のような言葉を使ってやりとりをしていたこともあり、それがそのまま鹿児島弁のルーツになっているという説も残っています。頴娃弁が難解なのは、元々他県の人に伝わらないよう、わざと難しい言葉にしていたのかもしれません。

最も古い鹿児島弁が残っている

さらに、頴娃弁が使われている頴娃地方というのは、最も古い鹿児島弁が残っている地域でもあります。そのため、先ほどお話ししたような時代背景が色濃く残っている地域でもあります。

鹿児島に貿易港があったのは本当ですし、海外から多くの人がやってきていた記録も残されています。中でも、当時最も使われていた言葉がそのまま残っている地域が頴娃なのであれば、この言葉の難解さも納得です。

暗号としても使われた?

ちなみに、頴娃弁はその難解さから、第二次世界大戦中には暗号として使われていたという歴史も持っています。当然最初は日本も暗号電報を利用していたのですが、戦況が悪くなって電報の使用ができなくなってくると、鹿児島出身の乗組員が堂々と国際電話で話をしていたそうです。

アメリカは当然のようにこの電話を登頂しますが、あまりにも頴娃弁が難しすぎて、どこの国のどの言語なのかを特定するのに、相当の時間を費やしたと言います。最終的に、鹿児島出身の日系人が解明するまでは、アメリカでは頴娃弁を特定することができなかったそうです。

頴娃弁を使って自己紹介をしてみよう!

頴娃弁が、とても興味深い方言であるということがお分かりいただけたでしょうか。人気バラエティ「月曜から夜更かし」でも紹介された頴娃弁の難しさは本物で、まるで韓国語だ、外国語だというのにも納得できる響きとなっています。

鹿児島に訪れる際には、是非事前に頴娃弁を勉強して、自己紹介ができるくらいにはなっておくと、鹿児島の旅がとても楽しいものになることは間違いありません。たかが自己紹介とは言え、頴娃弁での会話は困難だと思いますが、是非挑戦してみてくださいね。

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この記事のライター
ゆきえ
三児の子育てをしながら兼業ライターをやっています♪ 趣味は旅行で、独身時代は海外もちょこちょこ行っていましたが、...

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