駒場車庫を見学!市電好きには堪らない観光スポット!様々な車両が勢揃い!

駒場車庫は函館市電の唯一の車両基地です。ここでは大正時代の車両から21世紀に製造された最新鋭低床車両まで多彩な車両が揃っています。駒場車庫は整備拠点でもあるので整備工場の様子も見学でき、子供や鉄道ファンにはたまらないスポットです。

駒場車庫を見学!市電好きには堪らない観光スポット!様々な車両が勢揃い!のイメージ

目次

  1. 1函館の駒場車庫とは?
  2. 2駒場車庫の様子
  3. 3駒場車庫の詳細情報
  4. 4駒場車庫で函館市電を知ろう!

函館の駒場車庫とは?

函館市電駒場車庫は唯一の車両拠点です。鉄道には必ず車両基地と車両を整備する拠点が必要ですが、駒場車庫はその全部を保管した車庫です。その函館のチンチン電車の駒場車庫をみていきましょう。

函館市電の車両を収容する運行拠点

函館市電の「駒場車庫前」電停を降りると、本線とは別の敷地へ向かう軌道が走っています。街の中に大きな引き込み線を有した敷地が駒場車庫です。この駒場車庫は函館市電唯一の車両拠点ですが、元は唯一ではありませんでした。

駒場車庫の歴史は一番最後の項目でご案内しますが、現在の函館市電の客車在籍車両は32両(平成27年3月末現在)ありますが、その運行拠点が駒場車庫です。

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駒場車庫の様子

函館市電駒場車庫は明治の終わりから続く歴史ある函館市電の車庫であり、車庫の敷地を見学できるイベントもあります。車両の点検、車両交換はもちろん整備工場も見学できます。

また7月には駒場車庫感謝祭イベントを行っていて、模擬運転台で運転体験ができます。そんなワクワク楽しめる駒場車庫の様子をみていきましょう。

駒場車庫の見学の様子

ここ駒場車庫は以前は事前申し込みで見学することは可能でしたが、2019年9月現在は駒場車庫の見学は断っています。

但し2年に一度の路面電車感謝祭と函館市運転体験会の日に車庫見学を実施してます。2019年度の函館市運転体験会は鉄道の日記念として行われます。

1番線から7番線で車両や点検が見れる!

函館市電駒場車庫では車両や点検の様子を見ることができます。1番線から7番線までは屋内車庫になっていて、1番線から4番線は昭和9年(1934年)に建てられた木造車庫がそのまま使われています。1,2番線は主にイベント車両系が留置、3,4番線は日常的な車両点検と日中の車両の留置に使われています。

5番線から7番線までは一か月点検などの仕業点検と整備、車体広告の塗り替え、車両の夜間留置に使われています。

外留置線では車両交換などが見れる!

駒場車庫外留置線では外留置線の様子も見学できます。外留置線は外からも見学することもできます。駒場車庫から線路が出ているので、そこから間近に見ることができ、中での見学もより理解できます。

外留置線は通常業務に入る車両の留置場所です。夜終電の時間に業務が終わった車両が、朝の時間に出ていくまでの滞留線です。昼間の留置はダイヤ調整と整備の目的で、車両交換のための入出庫作業と運行している車両が何かあった時の予備車の滞留線として使われています。

整備工場としての姿もすごい!

駒場車庫5~7番線の屋内車庫では毎日法定で定められた点検を行っています。毎朝の「始業検査」、3日ごとにブレーキ点検を行う「3日点検」、パンタグラフなどの点検を1か月ごとに行う「1か月点検」、4年に一度に車両の重要部分の点検を行う「重要部検査」、8年ごとにすべての車両の部品を点検する「全般検査」です。

これらの様子をすべて車庫で行われるのですが、その様子を見学することができます。どうしても修理が対応不可能な場合には外注するのですが、もしかするとこの動画の光景を目にするチャンスがあるかもしれません。

教習所実験室では系統板や資料が見れる!

駒場車庫は車両保管、点検整備だけでなく乗務員養成も行っています。駒場車庫に併設された運転実習室には実際に使用された廃車済み車両の台車が置かれていて、マスコン(アクセル)とブレーキを操作すれば実際に車輪が回る様子とブレーキがかかる様子を見ることができます。

乗車券売り場では函館市電グッズも!

駒場車庫に併設している乗車券売り場には、1日、2日乗車券、定期券など乗車に必要な券の他、市電グッズを販売してます。

駒場車庫乗車券売り場の子細と、グッズの種類を表にまとめますのでご覧ください。

名称 駒場車庫乗車券売り場
住所 函館市駒場町15番1号
TEL 0138-51-5171 
営業時間 午前8時45分 ~ 午後5時30分
定休日 12月30日~1月3日
グッズの種類 函館の路面電車カレンダー 卓上 540円 壁掛け 1296円
プルバック式ダイキャストカー「らっくる号」 1300円
プルバック式ダイキャストカー「ハイカラ號」 1600円
箱館ハイカラ號サブレ 580円

*価格は2019年9月現在の消費税込です。
 参考価格ですのでそれ以降の価格はお問い合わせください。
公式HP https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014012101028/

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駒場車庫のイベントの様子

駒場車庫では一年に数回のイベントを開催しますが、特に2年に一回の大きな定期的なイベントが路面電車感謝祭です。この日は駒場車庫の構内に無料で入ることができます。

この感謝祭以外のイベントは函館市企業局のホームページをチェックする必要があります。今回は駒場車庫路面電車感謝祭について詳しく見ていきましょう。

7月には感謝祭が開催

路面電車感謝祭は事前予約がなくても、車庫の様子を見ることができる、1年に1回の函館市電の大きなイベントです。毎年7月の最終週の土曜日か日曜日に行われます。

普段見ることができない駒場車庫の構内を観ることはもちろん、限定日しか運行しないハイカラ號の車内を駒場車庫で乗ることができますし、運転台を目の前に見ることができます。他にも方向幕など鉄道廃品の販売もあります。家族連れや鉄道マニアで賑わうイベントです。

2019年の感謝祭のイベントの様子の動画がありましたので、ご覧ください。普段体験できないイベントです。

模擬運転台で運転体験ができる!

駒場車庫路面電車感謝祭では、併設している乗務員養成所の運転実習室で運転体験ができます。普段は乗務員の運転訓練などの乗務員を養成する部署ですが、この日は来場者に模擬運転台で運転体験ができます。

運転実習室には模擬運転台と路面電車の台車が置かれており、レバーを回すとモーターと歯車を伝って車輪が回り始めます。ブレーキを操作するとブレーキシューが車輪に働いて止まる様子を見ることができます。まるでリアルでゲームの「電車でGO!」をプレイしている面白さです。

駒場車庫でみれる主な車両

駒場車庫には全部で37両が在籍してます。その内訳は客車が32両、除雪車が2両、装飾車が3両でそれぞれ製造年や車体が違います。なかには華やかな車両もありますので、代表的な車両をみていきましょう。

車両①箱館ハイカラ號

ハイカラ號は函館市電で最も歴史が古い車両です。2019年の運行は4月15日~10月31日の基本的には土日限定です。見た目はレトロですが客車車体は平成4年(1992年)に新造されたものです。但しボギーなどの台車部分は新造された以前のものを使っています。

この車両の歴史は、明治43年(1910年)、函館水電(現在の北海道電力)が千葉県の成田山辺りに開業した成宗電気軌道(現在の千葉交通)から車両を買収、以来、昭和12年(1937年)まで函館で現役として活躍しました。その後ササラ電車(除雪車)として改造され、車体復元される平成4年(1992年)まで活躍しました。

車体が復元されたきっかけは、平成4年(1992年)、函館市になって70年の記念事業として復元がなされました。車両の部品は製造当時とは更新されていますが、製造後100年を超える車体であることには間違いありません。

春から秋にかけての観光列車という意味合いで運行しています。

車両②710形

駒場車庫に在籍している710形は函館市電の主力車両です。戦後の昭和25年(1950年)に製造された500型の塗装を踏襲したもので、前扉は2枚引戸、中扉は片扉の一枚扉で、側窓は上窓Hゴム固定、下窓上昇式の鉄道マニアで言われている「バス窓」という形です。

全部で14両製作されましたが、現存する車両は8両(平成28年(2016年))在籍で、製造年は昭和35年(1960年)~昭和36年(1961年)のものです。

車両③2000形

この2000形は800形の登場以来27年ぶりに新車として3000形と同時に登場しました。2000形は2車両しか製造されなかったのですが、VVVVFインバーター方式が函館市電で初めて採用されました。この方式は動力原である電力をただ使うだけでなく、一部を架線に戻す省エネ方式で、現在日本の鉄道のほとんどの電車がこの方式を採用してます。

登場した車両制御方式は電磁チョッパ方式が主流でしたが、この車両はVVVVF方式の先駆けとなった車両といえます。この車両はカルダン駆動車でもありましたが、車内は非冷房で、2両製造の後の増備は後継の3000形に委ねられました。

車両④花電車

通常駒場車庫の検車場に留置されている花電車ですが、毎年8月に行われる「函館港祭り」に合わせて運行されます。在籍は3両で、夏に運行されるので、函館の「夏の風物詩」として市民に親しまれています。

 

函館港祭りの夜は花電車の電飾がきれいに見えます。在籍している3両とも、装飾・電飾が異なり、スピーカーから函館音頭、いか踊りなど祭らしい音楽を流しながら運行する花電車は、夏の函館港祭りを盛り上げてくれます。

この花電車は元々旅客車両でしたが、昭和42年(1972年)に改造したものです。以外と歴史のある車両だったのですね。

車両⑤ササラ電車

ササラ電車は函館が大雪の時に出動する車両です。2両在籍していますが、めったに本線に出てくることはありません。大雪でも程度によっては委託している民間に排雪作業をやってもらっているので、駒場車庫以外見かけません。

ササラ電車の出動は、民間の排雪業者が手に負えなくなったときです。そのときは前のブラシで雪を排徐していきます。ちなみにブラシは市販のものを使っています。

車両⑥AMUSEMENT TRAM

駒場車庫にいるAMUSEMENT TRAMは主に夏の「カラオケビール電車」として運行されます。それ以外は個人・団体の貸切列車として運行されます。

この車両の原型は、戦後すぐ製造された500形を、平成7年(1995年)カラオケ電車として改造したものです。車内の改造点としては、シンセサンザーカラオケ装置、テーブルが設置されています。

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駒場車庫の詳細情報

函館市のなくてはならない交通機関として、また函館の顔として走る、函館市電の本拠地である駒場車庫は、子供や鉄道好きな方の面白スポットです。

ここでは駒場車庫についての歴史とアクセス、時間について見ていきます。

駒場車庫の歴史

函館市電の歴史は、19世紀終わりの明治30年(1897年)弁天町(後の函館どつく前)から東川町(後の東雲町)の間に、車両を馬で引く馬車鉄道として開業したのが始まりです。翌年から路線を伸ばし、大正に入った大正2年(1913年)、東雲町(後の労働会館前)から湯川の間が北海道初の路面電車として電化しました。

同時にこの年に駒場車庫の前身となる新川車庫が完成しました。それから路面電車として路線を広げ、貨物電車の運転も開始し順調な業績に見えました。

昭和9年に新川車庫に代わって完成

函館市の路面電車はそんな順調な業績と見えるような時間もありましたが、新川車庫の完成から13年後に車庫火災が発生、その火災を乗り越え復興したものの、今度は函館の街全体を襲った昭和9年(1934年)の函館大火により、またもや車庫が全焼しました。

そして再建するとき新たに場所を変えて完成したのが今の駒場車庫です。

現在では函館市電唯一の車庫

函館市電には3つの車庫がありました。新川車庫から移転した駒場車庫の他、柏木車庫と梁川車庫がありました。しかし昭和48年(19743年)、経営難によるリストラの為、梁川車庫を閉鎖、それでも経営難は止まらず、翌年ついに地方公営交通事業の破綻にあたる交通事業財政再建団体に指定されて、リストラ策として新川車庫を手放しました。

昭和63年(1988年)に再建が終了し、交通事業財政再建団体の指定は解除されましたが、現在では残っている駒場車庫が唯一の函館市電の車両基地となっています。

駒場車庫の開庁日&時間

駒場車庫の開庁日は基本的に月曜日から金曜日の平日で、閉庁日は土日、祝日と年末年始です。開庁時間は午前8時45分から午後5時30分までです。

駒場車庫へのアクセス

駒場車庫へのアクセスは断然函館市電利用が便利です。函館駅から湯の川行きに乗車し、「駒場車庫前」電停で下車します

市電電停を下車すぐ!

函館市電「駒場車庫前」電停を降りると、目の前に見える路面電車の車庫が駒場車庫です。「駒場車庫前」電停から車庫への引き込み線が連なっています。そこから車庫へ入る車両、車庫から出る車両を観るのも一つの楽しみです。但し他の乗客の通行の邪魔にならない程度にはマナーを守ってください。

駒場車庫の基本情報

名称 企業局(駒場車庫内)
住所 函館市駒場町15番1号
開庁時間 午前8時45分 ~ 午後5時30分
閉庁日 土日祝、年末年始
アクセス 函館市電「駒場車庫前」電停下車 徒歩すぐ
公式HP https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014020400281/
備考 駐車場はありません。
車庫内見学不可。但しイベント時に見学イベントあり。(無料)

*実際の車両を使った運転体験イベントあり(無料)
詳しい詳細は函館市企業局営業課まで TEL0138-32-1730
URL https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2019091800053/

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駒場車庫で函館市電を知ろう!

函館市電の駒場車庫には通常の営業車だけでなく、夏の函館港祭りに走る花電車やハイカラ號など年代や用途がそれぞれ多彩な電車が走っています。函館駅前にいけば会える路面電車は函館市民の足とシンボルとして今日も走り続けています。

最新鋭の低床式車両や昭和の初めの車両たちに会える駒場車庫の2年に一度の感謝祭で、運転体験や車庫見学などでササラ電車のような作業車に会えるのも駒場車庫の魅力です。今年2019年には実際に車両運転できるイベントを10月に開催するので、体験してみてはいかがでしょうか?駒場車庫を見学できる数少ないチャンスです。

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この記事のライター
渡部和幸

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