岡山デニムが愛される理由とは?児島・倉敷デニムストリートを歩く旅

国産デニムの発祥地として知られているのは岡山県です。岡山デニムは世界中のデニム愛好家から愛されているデニム。岡山デニムが愛される理由について迫ってみました。児島デニムストリート、倉敷デニムストリートについてもご紹介しましょう。

岡山デニムが愛される理由とは?児島・倉敷デニムストリートを歩く旅のイメージ

目次

  1. 1岡山デニムが有名な理由
  2. 2岡山デニムの特徴とは
  3. 3何が違う?2つの岡山デニムストリート
  4. 4岡山デニムアイテムを紹介!トートバッグや財布も
  5. 5岡山デニムを使った手作り体験
  6. 6アクセス&駐車場情報
  7. 7ジーンズ初心者にも愛好家にも愛される岡山デニム

岡山デニムが有名な理由

桃やブドウが名産として知られる岡山ですが、デニムが特産品であることでも知られています。では、どうして岡山デニムが有名なのかご存知でしょうか?実は岡山は国産デニムの発祥地で、その技術の高さは世界からも認められる程です。

世界に認められる岡山デニムの誕生秘話や、デニムといえばジーパンや小物などのファッションが思いつきますが、岡山ではデニムに因んだ食品もあり、世界に誇る名産を生み出したその発想力は岡山でしか味わえません。今回は、岡山デニムの詳細について触れていくので参考にしてください。

「綿花」が支えるデニム産業

デニムで最も重要となるのは綿花です。他の素材でも作ることは可能ですが、コットンとも言われる綿花はデニムを形成するものとして代表的な素材になります。コットンは通気性や吸水性、耐熱性に優れ、元々作業着として作られていたジーンズには最適な素材です。

ジーンズといえば、特に色味に魅了される人も多いです。コットンは染色しやすいという特徴もあり、他の繊維と違って気候に左右され無いため、比較的希望通りの色味に仕上げやすいです。なので模様のようなデザインも作ることができます。

デニムを作る上で欠かせない綿花ですが、岡山県倉敷市の児島は綿花の栽培を盛んに行っています。同じ県内にある井原地区(井原市)は、藍の栽培と藍染めを得意とする地域で、岡谷県はそういった事からデニムを製造するのに適した場所でした。

学生服、作業着の製造ノウハウ

岡山は元々、学生服や作業服の製造地として全国的に有名で、県内には「ユニフォームミュージアム」という場所がある程です。高度で高性能な縫製や裁断の技術を有している岡山ですが、時代と共に危機が訪れ、それが岡山デニムを産んだきっかけにもなっています。

学生服は元々綿から製造されていましたが、昭和27年頃から合成繊維に変わっていき、合成繊維を取り扱わない生地の製造工場や縫製工場は仕事が減ってしまいます。窮地に陥っている中、技術を活かした新たな道を切り開くため「ジーンズ」に目を付け、製造を開始します。

日本で発売された初めてのジーンズは昭和40年頃で、当時はジーンズどころかデニム生地の製造方法を一切知らなかったため、生地自体はアメリカから輸入する形だったと言われています。

ジーンズの製造を開始してからしばらくし、昭和30年頃にはデニム生地の生産も開始され、岡山では製造のノウハウを活かした新たな道が切り開かれていきました。現在では岡山デニムを使った小物も多く、その質の良さが窺い知れます。

岡山デニムの特徴とは

今ではどこでも見かけるデニムですが、中でも岡山デニムは他とは違った魅力を持っているので、ぜひ気にかけてみてください。世界中に認められている岡山デニムは、認められるだけの想いと技術があります。ここでは岡山デニムの魅力について説明します。

岡山デニムの3つの魅力

岡山デニムの魅力は多くありますが、その中でも3つを抜粋して紹介します。技術だけでなく、生地に対するこだわり、製造の効率など詳細を知れば、岡山デニムを購入する際に違った見方ができて楽しいですよ。

育てて長く付き合えるのが岡山デニムです。ぜひ購入時には参考にしてみてください。

魅力①藍染めの技術

前述で少し記述した通り、岡山は藍染めが得意な地域で、その技術は得意という言葉で収められない程の技術を持ち合わせています。

岡山デニムが世界に認められた要因の一つは藍染めの技術にあり、特に「芯白」については岡山デニムの最大の魅力と言っても過言ではありません。

「芯白(しんぱく・しんじろ)」とは、「中白(なかじろ)」とも呼ばれ、白い糸を藍色に染める際、糸の芯まで藍染めしない技術のことを言います。

芯白の状態でジーンズを作ると、ジーンズが日焼けや洗濯で色落ちした時、美しい風合いに仕上がりつつも一着一着の個性も出て、いつまでも楽しめるので大切な技術です。

魅力②生地の柔らかさ

次は、生地の柔らかさに焦点を当てます。元々アメリカが発祥であったデニム生地は、作業用ということもあり、その肌触りは硬くて履き心地の良い物ではありませんでした。ですが、岡山デニムは全国へ販売地域を広めるため、生地を柔らかくして履き心地を良いものにするために試行錯誤を繰り返します。

そして昭和48年に初めて生産した岡山デニムの生地は、その2つの願望が揃った物が完成し、現在ではそういったこだわりが功を成して世界中に知れ渡る要因となりました。生地が柔らかいことで、財布やトートバッグなどの小物の生産もしやすくなり、人々が手に触れる機会も増えたのです。

魅力③ワンストップ製造

岡山デニムは、工程の全てを岡山内で終える「ワンストップ製造」を基本としています。紡績(糸を紡ぐ作業)から縫製・加工まで、工程によって専門の工場に送るようにはなりますが、全て県内で収めていることで商品とその納期の安定を図ることができ、外注に頼む際にかかる費用を抑えることもできます。

また、ワンストップ製造で行うことで各工場との連携も取りやすくなり、高品質な物が安定して供給できるようになっています。

何が違う?2つの岡山デニムストリート

岡山県には、名産の岡山デニムに因んだ「デニムストリート」と呼ばれる場所が2つ有ります。一つは岡山デニムの歴史を語るには欠かせない児島にある「児島ジーンズストリート」と、もう一つは観光地でもある倉敷駅から徒歩20分程の場所にある「倉敷デニムストリート」です。

では、「児島ジーンズストリート」と「倉敷デニムストリート」の何が違うのか気になりますよね。ここでは、2つのデニムストリートの違いについて紹介するので、旅行の際は参考にして行ってみてください。

児島ジーンズストリート

「児島ジーンズストリート」は正式名称で、別称「児島デニムストリート」とも呼ばれる観光地です。児島駅から徒歩圏内の場所にあり、海に近い立地でイベントなども行っているので、行きや帰りにも寄りやすいです。

また、香川から繋がる瀬戸大橋からも程近い場所にあるので、交通手段が車の人達にはこちらのデニムストリートをお勧めします。近くには歴史を学べる観光スポットや公園、飲食店もあるので、ゆっくりと楽しむこともできます。

国産デニム発祥の地、児島

国産デニムを初めて作った児島のデニムストリートは、全長400m程にわたり地元メーカーのお店が中心に並んでいます。元々味野商店街という、児島で最も賑わっていた商店街でしたが、時代の流れと共に空き店舗が増えていきました。

そして平成22年から、町おこしの一環として児島ジーンズストリートを考案し、徐々に新しい形で活性化します。生産地であるが故にこだわりの商品を取り揃えており、ファッションやデニム自体にこだわりのある人にはたまらないスポットです。

倉敷デニムストリート

児島ジーンズストリートが出来て程ない平成26年には、倉敷駅の近くに「倉敷デニムストリート」が完成しました。全国的にも知名度の高い「美観地区」の奥の一角であることから、観光客が立ち寄りやすいのがこの倉敷デニムストリートです。

観光ついでに名産のデニムを楽しみたいという人には、倉敷デニムストリートがおすすめです。美観地区の一部を倉敷デニムストリートとして区切っていますが、美観地区内には方々に岡山デニムを使った服や、トートバッグや財布などの小物を販売しているので、ぜひチェックしてみてください。

小物や雑貨も幅広く楽しめる、倉敷

倉敷デニムストリートは、服だけでなく小物や雑貨類なども多く取り扱っています。岡山県内でもメインの駅の一つである倉敷駅に近いことや、美観地区に並ぶ形である点でも、お土産向きの小物や雑貨などの商品が豊富なことが特徴です。

服や帽子などのファッションも良いですが、トートバッグや財布などの小物や雑貨だと人を選ばないものがたくさんあるのでおすすめです。

また、倉敷デニムストリートでは服や小物だけでなく、デニムに関連する奇抜な商品も多くあります。よく話題に挙がるのは「デニムまん」という青い見た目の肉まんや、「デニムソフト」というラムネ味のソフトクリームなど、デニムを連想する青色のグルメを食べ歩きできる点も、倉敷デニムストリートのメリットです。

お土産はだけでなく、映える写真を撮りたい人は行ってみてください。

岡山デニムアイテムを紹介!トートバッグや財布も

岡山デニムを使ったアイテムは多くあります。持っているだけでオシャレに見えるデニムアイテムをいくつか紹介するので、お買い物の際は参考にしてください。

デニム小物が充実

岡山デニムは柔らかい生地ということもあり、小物にも利用しやすいので、各デニムストリートでは多くの種類の小物が揃えられています。今回は日常遣いのできる「トートバッグ」や「財布」などの小物や、アウトドアでも役立つ「エプロン」の3つに絞ってご紹介します。

トートバッグ

岡山デニムを使った小物の中でもよく見かけるのは「トートバッグ」です。デニム生地のトートバッグを専門的に販売するお店も多く、その人気具合が分かります。特に岡山デニムは生地が柔らかいため、エプロンのポケットにも物が入れやすかったり、オシャレな見た目以上に大容量なトートバッグも多いです。

メーカーにもよりますが、トートバッグの裏地には倉敷市名産の帆布を利用しているものもあり、岡山デニムと2重に使うことでトートバッグをより丈夫なものに仕上げます。岡山デニムは評価が高い分金額もそれなりの物が多いので、長く使えるトートバッグを購入したいですよね。

岡山デニムのトートバッグは手作り体験ができるお店もあるので、唯一無二なトートバッグを作りたい方は調べてみてください。見栄えだけでなく、利便性や丈夫さも兼ね備えたトートバッグを購入してみてはいかがでしょうか。

財布

普段はカバンやポケットに仕舞われている「財布」が見えた瞬間、デニム生地の財布だと渋くてカッコ良いですよね。岡山デニムの財布はカジュアルさが目立ちますが、例えば皮革と合わせればシックさも兼ね備えることができ、生地の使い方やデザインでその人の個性を表す財布が完成します。

価格は1万以下の財布もあれば、3万を超えるものもあり、物によっては購入を躊躇う金額の物もあるでしょう。ですが、岡山デニムの経年劣化はあらゆる表情を見せ、耐久性と使い勝手も良いのでコストパフォーマンスの良い財布を手に入れることができます。

リーズナブルなものでも高級感が出るので、家族や友人へのプレゼントに岡山デニムの財布を選んでみるのはいかがでしょうか。最近では女性に人気のがまぐち財布もあり、可愛いながらもモダンな雰囲気も感じられる財布も販売しています。

アウトドアエプロン

昨今、アニメやドラマの影響で人気の高いキャンプに、岡山デニムのエプロンを持参するのはいかがでしょうか。元々作業着などで使われていたデニムはアウトドアと相性が良く、エプロンにすることでその魅力を活かしています。

家庭で使用するエプロンをデニム生地で仕立てるのも良いですが、アウトドア用のエプロンには特別な加工を施しており、様々な機能が付いて利便性のあるエプロンです。

BBQをしているとどうしても火元に近づくようになりますが、アウトドアエプロンは加工により防炎機能が搭載されています。燃えにくいだけでなく、自己消火性もあるため「火に強いデニム」のエプロンと謳われています。

また、キャンプはたくさんの道具や用具を使いますが、それを置く場所は限られています。そんな悩みにも対応し、エプロンにはたくさんのポケットやループがあるため、スマホをポケットに入れたり、ホルダーにはドリンクやトングなどをかけることができ、エプロンとは思えない収納力を持っています。

また、耐火性を利用して、エプロンのポケットに手を入れた状態で火の上にある鍋を掴めば鍋つかみにもなります。燃えるどころか焦げつくことも無く、エプロンに付いている様々な機能性はアウトドアの質を上げてくれます。アウトドアはもちろん、家庭で利用する場合でもアウトドアエプロンは万能です。

岡山デニムを使った手作り体験

岡山デニムは手作り体験もできます。観光の思い出にも最適ですし、ファッション好きにとっては、自分の趣味嗜好に合ったジーンズ作りができるなんて嬉しい限りですよね。そんなジーンズ作りの詳細を紹介するので、ぜひ体験してみてください。

ベティスミスでジーンズ作り

ベティスミスとは、国内で初めてできたレディース用のジーンズメーカーです。また、自分の体に合わせて作る「オーダージーンズ」を初めて行ったメーカーでもあり、同業者の中でもその行動力や発想力は高い評価を得ています。

オーダーメイドと言えば、採寸やパーツを選んで後は工場などで完成した物が届くといった流れですが、ベティスミスでは裁断や縫製を目の前で見るだけでなく、一部自身で行う作業もあるので、完成品が手元に渡った時の感動はひとしおです。

今回はオーダーデニムについて紹介しますが、ベティスミスではジーパンだけでなく、岡山デニムを使ったスーツを注文することもでき、小物作り体験などもあるので、訪れる前に色々と調べてみるのがおすすめです。

①ジーンズを選ぶ

まずは要のジーンズ選びです。オーダーメイドは通常、採寸をすることから始まりますが、ジーンズの場合はサイズサンプルを試着して、自分の体に合うサイズや着心地を確認します。サンプルを基準にして裾を上げたり、ウエストや腰骨の位置を確かめてバランスを取ることが大切です。

②パーツを決める

次はパーツを選びます。ここで選ぶパーツは前留めのボタンと、生地の重なりで厚くなっている部分を補強するリベットという金具です。それぞれ24種類ずつあるデザインの中から選ぶ作業は、体験の中で最もデザイナー性を感じられる所かもしれません。

おすすめはボタンを先に決めて、次に色合いのバランスを見ながらリベットを選ぶと良いでしょう。リベットは計6ヶ所で、場所によって違うデザインを選ぶことができるので、唯一無二のデザインが出来上がります。

③ボタンとリベット打ち

選んだボタンとリベットを取り付けます。ベティスミスの手作り体験では、リベットは自身で打ち込むことができます。何十にも重なる生地にリベットを打つのは難しく、想像より強い力が必要です。思い切り踏み込んで取り付けましょう。

④革パッチを選び、仕上げ

最後に革パッチを付けて完成です。パッチとは、ブランド名などが記載されている所謂名刺のようなもので、ベルトループのバックに付けます。ベティスミスでは、ボタンやリベットの種類よりも豊富な約50種類のパッチが取り揃えられています。

中にはキャラクター物もあるので、人それぞれの好みで選ぶことができます。

約1時間ほどかかりますが、時間を忘れる程に夢中になれる体験です。自分自身が作業の一部を体験できるというのは中々無いので、訪れた際にはぜひ体験して行ってください。作り方を実際に見た後でデニムストリートなどを回れば、また違う見方もできるでしょう。

ベティスミスの店舗情報

店名 ベティスミス ジーンズミュージアム&ヴィレッジ
住所 岡山県倉敷市児島下の町5-2-70
アクセス JR児島駅からタクシー約10分
電話番号 086-473-4460
営業時間 10:00〜17:00 ※平日のみ12:00〜13:00の間昼休憩
定休日 年末年始
料金 見学は無料(体験ジーンズ税別¥7000〜)
URL 公式サイト

アクセス&駐車場情報

各デニムストリートへ車で来る人も多いと思います。ここでは、それぞれのアクセスと駐車場の情報について記載するので参考にしてください。

児島ジーンズストリートへのアクセス情報

児島ジーンズストリートへのアクセスは、瀬戸中央自動車道の児島ICから約10分、または水島ICから約15分となっています。

​​​​​​​公共の交通機関を利用する場合には、JR瀬戸大橋線児島駅から徒歩約15分でアクセスすることができます。または、バスで約3分から6分で、児島文化センター前、大正橋、野崎家旧宅前で下車しましょう。

駐車場は?

児島ジーンズストリートには専用の駐車場が10台あり、無料で駐車することができます。市営駐車場もあり、こちらは1時間100円です。

児島ジーンズストリートの基本情報

名称 児島ジーンズストリート
住所 岡山県倉敷市児島味野2丁目
アクセス JR児島駅から徒歩約15分
駐車場 専用駐車場10台(無料)、市営駐車場(1時間100円)
URL 公式サイト

倉敷デニムストリートへのアクセス情報

倉敷デニムストリートは倉敷駅から徒歩12分でアクセスすることができます。「倉敷美観地区」の一角にあるので、児島までアクセスする時間がない時におすすめです。

車でアクセスする場合には、山陽自動車道倉敷ICまたは、瀬戸中央自動車道早島ICから約20分かかります。

駐車場は?

倉敷デニムストリートには専用駐車場はありませんので、美観地区周辺有料駐車場を利用しましょう。駅の周辺にはたくさんの駐車場がありますが、土日祝日や長期休暇などには混雑しやすいので気をつけてください。

倉敷デニムストリートの基本情報

名称 倉敷デニムストリート
住所 岡山県倉敷市中央1-10-11
アクセス JR倉敷駅から徒歩約20分
電話番号 086-435-9135
営業時間 9:30~17:30(季節により変動)
駐車場 美観地区周辺有料駐車場利用
URL 倉敷市観光公式サイト

ジーンズ初心者にも愛好家にも愛される岡山デニム

岡山デニムは、生産者や技術者のこだわりにより国内だけでなく、世界中に愛されるブランドです。ジーンズ初心者でも買い求めやすいエプロンやトートバッグ、財布など、小物も豊富に揃っていて、愛好家にはたまらない商品が並んでいたりと、どんな人でも楽しめます。

岡山に訪れた際には、ぜひ児島と倉敷のデニムストリートへ足を運んでみてください。

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この記事のライター
maki
スキューバダイビングのインストラクターであり、海外旅行好きの海好き女子です

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