萩城の歴史や見所は?世界遺産の城下町や食べ歩きスポットも紹介!

日本海に面した指月山とその麓に築城された萩城は260年にわたり毛利氏の居城として栄えました。世界遺産に登録された萩城と城下町には歴史的スポットや城下町唯一の宿・北門屋敷など見所が豊富。そんな萩城や城下町の観光名所、周辺の食べ歩きスポットもご案内します。

萩城の歴史や見所は?世界遺産の城下町や食べ歩きスポットも紹介!のイメージ

目次

  1. 1萩城の歴史を解説!
  2. 2萩城跡指月公園の見所は?
  3. 3萩城跡指月公園の基本情報
  4. 4世界遺産となっている萩城下町の人気スポットを紹介!
  5. 5萩城下町周辺の食べ歩きスポットを紹介!
  6. 6歴史ある萩城城下町へ行ってみよう

萩城の歴史を解説!

萩城は山口県萩市にあった城で、萩市の西北端にある日本海に突き出た標高143mの指月山と山麓にありました。関ヶ原の戦いで敗れた毛利輝元が広島城に代わり新たな居城として指月山麓に築城したことから、別名指月城と呼ばれています。

現在は石垣と堀の一部が残されているのみですが、この一帯は国の史跡に指定されています。松下村塾とともに萩市の観光名所となっている萩城について詳しく見ていきましょう。

毛利輝元が築いた名城

萩城は、今から400年前の1604年に毛利輝元によって築かれた城です。日本海に突き出た標高143mの花こう岩でできた指月山とその山麓の2か所から成り、三角州に建てられているため三方を海に囲まれています。

指月山山頂部には石垣に造られた詰の丸、内堀で囲まれた山麓部には本丸、二の丸、三の丸で構成されています。本丸は現在萩城跡となっていますが、当時は高さ14.4mの五層の天守が建てられていました。

毛利輝元は1553年、祖父・毛利元就の跡を継ぐ形で毛利家の当主となりました。中国112万石の大大名となり、1589年に広島城を築城、豊臣家の五大老に数えられます。

しかし関ヶ原の戦いで西軍が大敗したため所領が減少し周防・長門36万9千石に移り、萩城が居城となりました。

現在は萩城跡指月公園に

明治期に入ると役割を終えた萩城の天守や矢倉などは残念ながら取り壊されてしまいました。

しかし、旧本丸跡に歴代藩主を祀る志都岐山神社が創建された際に、広大な境内が萩城跡指月公園として整備され、石垣のほか、石切り場跡、花江茶亭など、当時の面影を残しています。

萩城跡指月公園は夜になると天守跡の石垣などがライトアップされ、闇に浮かび上がる城跡の美しい光景を通年見ることができます。

また、二の丸付近には毛利家一門・厚狭毛利家の武家屋敷、旧厚狭毛利家萩屋敷長屋が現存しており、萩に現存する武家屋敷の中でも最大の規模を誇ります。

近くには毛利家墓所や武家屋敷跡の旅館・北門屋敷などの毛利家にゆかりのあるスポットが点在しているので、併せて訪れてみましょう。

春には公園内の約600本のソメイヨシノがが咲き誇り、桜の名所となっています。中でも志都岐山神社のミドリヨシノは必見で、日本では萩でしか見られない純白の花を咲かせる珍しい桜です。

萩城跡指月公園の見所は?

桜やツツジをはじめ、四季折々の花々に囲まれた萩城跡指月公園は、地元の人々や観光客の憩いの場所となっています。そんな萩城跡指月公園の見どころをピックアップしてご紹介しましょう。

見所①天守跡と指月山

指月山山麓の本丸にあった萩城の天守は5重5階の複合式望楼型天守で高さ14.4mあったと言われています。明治期に解体されたため現在は天守台の石垣のみが残されており、萩城跡指月公園のメイン観光スポットとして人気です。

城内側から天守谷に登ることが可能で、公園一帯が見渡せます。内堀もほぼ当時のまま残されているので、萩城の防御システムを考察できるのではないでしょうか。

天守台背後にそびえる標高143mの指月山は花崗岩からなる円錐形の山で、デルタ(三角州)によって陸地とつながっています。

指月山には詰め丸が置かれ城内と海を監視する役割を行っていました。別名指月城、二の丸と本丸から成り周囲を石垣と土塀で囲まれていた山城です。

残念ながら詰め丸には現存する建物はありませんが、池の跡や矢穴(石を切り取るときに掘られた穴)が残されています。

指月山は城山として保護されていたため樹齢600年を超えるとされる巨木も多く、シイノキヤクスノキなどうっそうとした森林エリアとなっており、国の天然記念物に指定されています。

現在は登山道が整備され約20分ほどで山頂の詰め丸に到達可能なので、原生林が茂り、萩市の指定文化財ミカドアゲハも生息する手つかずの自然を体験してみてはいかがでしょうか。

見所②万歳橋

万歳橋は、萩城跡指月公園内にある志都岐山神社の庭池に架かる石橋で、もともと藩校・明倫館にあったものを1849年に現在の場所に移築しました。

端は花こう岩で造られており、長さ4.05m、幅員3.15mの中国風のデザインの太鼓橋です。

万歳橋が架かる先にある志都岐山神社は1879年に創建され、毛利元就、輝元ら5柱として初代から12代の萩藩の歴代藩主が祀られています。

本殿・幣殿・拝殿が建ち並び、珍しい品種の桜の木・ミドリヨシノはこの神社の参道にあるのでぜひ立ち寄ってみてください。

見所③東園

萩城跡指月公園の北東端にある池の周りはかつて藩主の安息の回遊式庭園でした。6代藩主毛利宗広が池を堀削し庭を造ったのが東園の始まりとされています。現存する庭園は1925年に復元されたものです。

東園の見どころは5月に咲くツツジで、新緑とのコラボレーションは心和ませてくれます。

萩城跡指月公園の基本情報

萩城跡指月公園では歴史散策のほかに、季節ごとにさまざまな風景が楽しめます。公園の入場料金や営業時間、アクセス方法や駐車場についてもご案内しますのでぜひ参考にして訪れてください。

入園料金と営業時間

入場料金 高校生~大人:220円
小学生・中学生:100円
営業時間 8:00~18:30(4月~10月
8:30~16:30(11月~2月
8:30~18:00(3月)
定休日 なし
住所 山口県萩市堀内1-1
問い合わせ先 0838-25-1826(指月公園料金所)

アクセス&駐車場情報

アクセス方法
(交通機関)
・JR萩駅から徒歩約20分
・萩循環まぁーるバス(西回りコース)
「萩城跡・指月公園入口 北門屋敷入口」バス停より
徒歩5分
アクセス方法
(車)
山陽自動車道萩ICから車で約10分
駐車場 指月第1駐車場(無料)普通車51台

世界遺産となっている萩城下町の人気スポットを紹介!

260年にわたり城下町として栄えた街並みは、江戸時代の風景が感じられます。三の丸跡の重厚な武家屋敷や城下町の建物群は重要伝統的建造物群保存地区に指定され、2015年には世界遺産として認定を受けました。

三の丸北門屋敷、長州の志士・高杉晋作、木戸孝允の生家が残り、その足跡が垣間見られます。歴史に詳しくなくても、夏ミカンの清々しい香り漂う白壁を散歩するだけで十分楽しめるスポットです。

人気スポット①菊屋横丁

呉服町から南古萩町にかけて南北に250m続く風情のある通りで、真っ白ななまこ壁(土塀)が続く美しい風景は、日本の道100選に選ばれているほどです。

伊勢屋、菊屋、久保田家、木戸孝允住宅など多くの武家屋敷が残されている地域で、江戸時代にタイムトリップしたような雰囲気が味わえます。城下町風情溢れる通りは散策に最適です。

人気スポット②高杉晋作立志像

高杉晋作誕生地の近くの晋作広場にあるのが高杉晋作立志像です。銅像の高さは1.8m、台座を含めると3mあります。

明倫館や松下村塾に通っていた若き日の晋作をイメージしたもので、誕生地や萩城の方向を向いて立つ凛々しい姿です。周囲には萩の特産、夏ミカンや晋作の好きな梅の木も植えられています。

人気スポット③高杉晋作誕生地

幕末の風雲児と呼ばれた高杉晋作が生まれ育った家が残っています。敷地内には晋作ゆかりの品や写真などが展示されており、産湯に使用したと伝えられる井戸と自作の句碑は誕生地の見所です。

幕末長州藩の尊王攘夷の志士として活躍するも、肺結核を患い27歳の若さで亡くなるまでの波乱に満ちた生涯を感じ取れるかも知れません。現在は個人所有のため不定期の開館となるため、見学したい場合は事前に確認しておくことをおすすめします。

人気スポット④旧久保田家住宅

呉服商・酒造業を営んでいた久保田家の邸宅で、城下町のメインストリート・御成通り(藩主が参勤交代で使用した通り)沿いにあります。江戸時代後期に建てられた建物で、萩市指定有形文化財、国指定史跡です。

久保田家は江戸時代後期に近江の国(滋賀県)から萩に移り、萩随一の豪商・菊屋家の向かいで呉服商を開業した近江商人。2代目が造り酒屋のあらたま酒店を営んでいました。明治期にはたびたび名士の宿舎としても利用されています。

邸内を案内してくれるガイドさんが常駐し、施設の説明を詳しく聞くことができます。枯山水庭園を眺めながら繁栄していたころの様子を想像してみるのもいいでしょう。

人気スポット⑤木戸孝允(桂小五郎)旧宅・誕生地

木戸孝允が生まれてから江戸に出るまでの20年間を過ごした住宅で、木造瓦葺の2階建てのうち1階部分が見学可能です。幼少時代の手習いの書の掛け軸、写真などが展示されており、常駐するガイドさんに詳しい案内を聞くことができます。

萩藩医の家に生まれますが、藩士・桂家の養子となり幕末期に尊王攘夷の中心人物として奔走、西郷隆盛、大久保利通とともに維新の三傑と呼ばれました。

人気スポット⑥円政寺

江戸屋横町沿いにある月輪山・円政寺は高杉晋作や伊藤博文らが幼少期学んだ真言宗の寺院です。鎌倉時代に大内氏の祈願所として山口市円政寺町に建立され、大内氏滅亡後、毛利輝元が萩城築城とともに城下に移築されました。

境内には十二支が彫刻された珍しい金毘羅社があり、神仏習合の貴重なスポットとなっています。その他、県下最大の玄武岩の石灯籠や日本最大級の大鏡など見どころも多数。洋食期の高杉晋作も見た、金毘羅社の拝殿にある大きな天狗のお面は迫力満点です!

人気スポット⑦三の丸 北門屋敷

かつて主要大名が屋敷を構えた三の丸。毛利家一門・吉敷毛利屋敷跡に建つのが「萩城三の丸 北門屋敷」です。白壁が続く街並みに溶け込んだ萩城下町で唯一の風情溢れる老舗旅館で、武家屋敷を思わせる表門が特徴です。

3000坪の敷地には四季の花が咲き誇るガーデン、欧風のロビー、総欅造りの重厚なレストラン、ジャパンーズモダンの館内など、三の丸 北門屋敷には和と洋が一体となった空間が広がっています。

三の丸 北門屋敷での楽しみは、四季の草木を眺めながら入る萩温泉の露天や大浴場、旬の地元の魚や萩の野菜をふんだんに使用した会席。三の丸 北門屋敷ならではのこだわりがいっぱい詰まった客室でゆったりのんびり贅沢な時間が過ごせます。

世界遺産の宿・三の丸 北門屋敷で歴史を感じ、四季を感じながら癒しのひと時を過ごしてみませんか?

萩城下町周辺の食べ歩きスポットを紹介!

三の丸跡の武家屋敷や白壁が続く街並みは江戸の風情が残されています。萩城跡指月公園の自然や萩城下町の風情を感じながら味わうグルメは最高のご馳走です。

そんな萩城下町周辺で堪能できる食べ歩きスポットをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

食べ歩き①Kimono Style Café

江戸情緒が感じられる城下町を着物を着て楽しみたいという方におすすめしたいのが「Kimono Style Cafe」です。100種類以上の着物が揃うレンタルショップ&カフェで、毛利藩士が過ごした130年の古民家を再生利用しているのが特徴です。

カフェで味わえるこだわりの萩珈琲、抹茶、スイーツなどは萩焼の器で提供しています。また、若手作家の萩焼の作品やオリジナル和雑貨など、ここでしか手に入らないお土産も注目です。

食べ歩き②指月茶寮

萩城下町内にある落ち着いた雰囲気のカフェ「指月茶寮」。周囲には幕末維新関連の資料を展示する歴史博物館・萩博物館や、木戸孝允旧宅など城下町散策の合間に食べ歩きしやすい立地にあります。

厳選された豆を自家焙煎したコーヒーや種類豊富な紅茶が味わえます。ドリンクに合うパスタやピザなどのランチも充実。毎月行われるジャズライブや萩焼ギャラリーといったイベントも開催されています。指月山を目の前に臨むテラス席は自然が間近に感じられておすすめです。

・食べ歩き③珈琲 蔵

萩城下町の一角、高杉晋作誕生地からほど近い場所にあり、萩らしい白壁の外観が目印のカフェ「珈琲 蔵」。市内からの常連客が多いのも納得のアットホームな雰囲気の居心地よさが魅力です。

看板メニューのご主人が作る焼きたての手作りパンとピザが人気で、酒酵母で作った幕末パンもぜひ味わってみてください。萩焼の器でコーヒーが楽しめるのもおすすめポイント。城下町の雰囲気を楽しみながらほぅと寛げるティータイムが過ごせます。

食べ歩き④ホトリテイ(畔亭)

萩で日本庭園を見ながら食事を楽しみたい人におすすめしたいお店が、萩城の外堀に沿った道路沿いにあるカフェレストラン「ホトリテイ(畔亭)」です。手入れの行き届いた約800坪の日本庭園は四季折々の風景を眺めることができます。

築70年以上の古民家を利用した建物で、内部はモダンに改装され椅子席と和室の2タイプから選択できます。ワンプレーとランチや喫茶メニューが豊富で、萩ブランド牛「長萩黒毛和牛」とブランド豚「むつみ豚」を使用したハンバーグはぜひ味わっておきたい一品です。

バリスタであるオーナーが淹れるカフェラテは、おしゃれなコーヒーカウンター前で、枯山水庭園を眺めながらゆっくり味わってみてください。

人気店なので週末は混雑必至、できるだけ事前に予約しておくことをおすすめします。

食べ歩き⑤俥宿天十平

萩城下町にある古民家カフェ&ギャラリー「俥宿天十平」。大正時代の洋館と庭でティータイムを楽しみ、江戸時代の和室では陶器、ガラス、キリム、アクセサリーなどの雑貨を販売しています。

ティールームでは紅茶と自家製スコーン、ケーキを味わいながらゆっくりとした時間が過ごせます。人力車で萩城城下町を巡るのも情緒がありおすすめです。

 

食べ歩き⑥晦事(コトコト)

萩の街並みを眺めながら、ゆっくり食事を楽しみたいという方におすすめの食べ歩きスポットが「晦事(コトコト)」です。築200年以上の古民家を改装したカフェで、土間、格子戸、木枠の窓など江戸末期から明治の頃の面影が残されています。

落ち着いた店内ではカレーをメインとした食事メニューと、夏ミカンジュースや萩産の食材を利用したスイーツが味わえます。カフェスペースの隣は萩焼やセレクト雑貨など、センスのいいアイテムが並ぶ販売スペースです。

歴史ある萩城城下町へ行ってみよう

萩城には萩城跡をはじめ江戸時代の風情を感じる城下町や世界遺産に宿泊できる三の丸 北門屋敷といった歴史に触れることができるスポットが多く存在しています。

毛利家が居城を置いた時代から幕末の志士を多く生んだ萩は今もそのころの面影を残しています。萩城の城下町を散歩したり北門屋敷に宿泊するなど、歴史ロマンに触れてみてはいかがでしょうか。

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pakumama
旅行と寺社巡りが好きで、特に京都にはよく行きます。いまは宮古島の海の青さに魅せられ、また次いつ行こうかと考えている...

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