幕末ファン必見!「萩・明倫学舎」は明治維新ゆかりの聖地!偉大な歴史を体感!

吉田松陰など幕末に活躍した多くの志士と深いゆかりを持つ明倫館は2018年、萩・明倫学舎として生まれ変わりました。この記事ではそんな萩・明倫学舎について、その概要や歴史、見所、お土産や世界遺産との関りなどについてご紹介致しますので、この機会に是非ご覧ください。

幕末ファン必見!「萩・明倫学舎」は明治維新ゆかりの聖地!偉大な歴史を体感!のイメージ

目次

  1. 1「萩・明倫学舎」は萩にある江戸時代の藩校跡
  2. 2「萩・明倫学舎」の歴史と概要について
  3. 3「萩・明倫学舎」の見どころを解説!
  4. 4「萩・明倫学舎」のおすすめ展示施設やレストラン
  5. 5「萩・明倫学舎」のアクセス&駐車場情報
  6. 6「萩・明倫学舎」で幕末の歴史を体感しよう!

「萩・明倫学舎」は萩にある江戸時代の藩校跡

萩・明倫学舎は旧名を明倫小学校と言いますが、小学校になる以前は長州藩の子弟教育を担った藩校・明倫館でした。敷地面積は5万平米に達し、全国に数多あった藩校の中でも最大規模のものです。

明倫館からは多くの志士が巣立ち、明治維新の一翼を担い、日本の近代化において各方面に多大な足跡を残しました。萩・明倫学舎はそんな明倫館の功績を残すべく、明治維新から150年と言う節目の年に新たな観光スポットとして生まれ変わりました。

幕末ファン必見の歴史を感じる聖地

萩・明倫学舎では、明倫館時代に使われていた貴重な建物を始め、往時を偲ばせる建造物や幕末の豊富な資料を展示しており、幕末ファンにとっては世界遺産にも登録されている萩城や吉田松陰の松下村塾と並ぶ必見の聖地となっています。

この記事ではそんな萩・明倫学舎について、その成り立ちから今に至るまでの歴史、見所、お土産や世界遺産との関りなどについてわかりやすくご紹介致しますので、萩観光の参考に是非ご覧ください。

「萩・明倫学舎」の歴史と概要について

それでは早速、萩・明倫学舎の歴史と概要についてご紹介致します。そもそも藩校とは、3代将軍・徳川家光までの戦国の気風を残す武断政治から4代将軍・徳川家綱の文治政治へと世の趨勢が移り行く中で、優秀な藩士を育成するために各地の藩が設けたものです。

その歴史は1669年に岡山藩主・池田光政が設立した岡山学校に始まるとされ、会津藩の日新館、佐賀藩の弘道館、熊本藩の時習館、薩摩藩の造士館などが著名です。明倫館もまた、このような時流に沿って作られました。

1718年に萩藩主の毛利吉元が創設

明倫館は1718年、長州藩の5代藩主・毛利吉元によって作られました。江戸時代における毛利家と池田家の関係は深く、毛利吉元の母は池田光政の娘、正室は池田光政の孫娘と言う間柄でした。藩校を作るというアイデアも池田家から影響を受けたものとされています。

作られた当初は萩城三の丸追廻し筋にあり、敷地面積も940坪に過ぎませんでした。しかし、13代藩主・毛利敬親の時代に藩政改革の一環として萩城下へと移され、敷地面積も約15,000坪に拡張されました。

吉田松陰も教鞭をとっていた

明倫館は吉田松陰とも深い縁があります。「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として世界遺産にも登録されている私塾・松下村塾を主宰し、高杉晋作、久坂玄瑞、吉田稔麿、入江九一らを育成した吉田松陰は1830年、長州藩士・杉百合之助の次男として生まれ、叔父の山鹿流兵学師範・吉田大助の養子となりました。

幼い頃から神童と目されていた吉田松陰は僅か9歳にして明倫館の兵学師範に就任し、教鞭を執っています。その後、11歳の時には藩主・毛利敬親への御前講義を行い、13歳の時には長州軍を率いて西洋の艦隊との戦いを想定した演習を実施するなど吉田松陰の早熟ぶりには目を瞠るものがあります。

あの坂本龍馬も剣術を学んだ!

明倫館では単に学問を学ぶだけではなく、剣術や槍術の稽古も行われていました。これらの稽古においては他藩の強者と交わる事もいい修行になるという理由で、他国の修行者も受け入れていました。

その中に日本の歴史上、有数の人気を誇るスーパースター・坂本龍馬も居ました。北辰一刀流の達人でもあった坂本龍馬は1862年1月に明倫館を訪れ、他流試合を行ったとされています。

廃校後は明倫小学校を建設

明倫館は1867年にその歴史を終えましたが、その跡地に1885年、明倫小学校が開校します。最盛期の1958年には在籍児童数が3,000名を超えるなど、新校舎へと移転するまで約130年に亘って多くの人材を輩出してきました。

その教育の根幹にあるのは孔子や孟子、吉田松陰の教えであり、特に「立志」「至誠」「知行合一」「師弟同行」「個性の伸長」「憤非啓発」に代表される「松蔭教学」が軸となっています。

1929年に国の史跡に指定!

明倫小学校は1929年に国の史跡に指定されました。敷地内には、明倫館創設の理由や学問の目的を刻んだ「明倫館碑」、遊泳術の鍛錬に使われた「水練池」、剣術道場と槍術道場からなる「有備館」などがあります。また、観徳門や南門、聖賢堂が市の指定有形文化財に指定されています。

木造校舎としては日本最大級の規模

現在の木造二階建ての本館は1935年に建てられたもので、木造の校舎としては日本最大級の規模を誇ります。

東西両端及び中央玄関の棟に明倫館の聖廟と同じく鴟尾が置かれ、屋根のフランス瓦や窓の意匠にモダニズム的な要素が含まれている点が特徴的です。その歴史的価値の高さから山口県で第1号となる文化庁登録有形文化財に指定されています。

「萩・明倫学舎」の見どころを解説!

萩・明倫学舎の歴史と概要についてご紹介致しました。毛利敬親が藩主に就任した頃、長州藩は財政難に喘いでいましたが、毛利敬親は自らは粗末な着物で耐えつつ、明倫館を拡張し、年若い吉田松陰を登用するなど人材育成に注力しました。

家臣の進言を滅多に否定しなかった事から「そうせい候」と揶揄される事もありますが、彼が主導した藩政改革によって長州藩は雄藩となり、明倫館は多くの志士を輩出し、日本の歴史を大きく動かす事となります。続いてはそんな志士たちを輩出した明倫館の遺構など萩・明倫学舎の見所についてご紹介致します。

①萩・明倫学舎本館

萩・明倫学舎の見所、1か所目は「萩・明倫学舎本館」です。4棟ある明倫小学校の校舎の内、本館と2号館を改修し、新たな観光施設として2019年にオープンしました。

館内では藩校であった明倫館の歴史や小学校となった後の歴史などの資料が展示されている他、萩の大地1億年の歴史を紹介するジオパークビジターセンター観光インフォメーションセンターなどがあり、萩観光における一つの拠点としての役割も担っています。

②有備館

萩・明倫学舎の見所、2か所目は「有備館」です。入母屋造桟瓦葺の木造平屋建で、旧明倫館の剣術場と槍術場を一つの建物に纏めたものです。

建物は南北に長い構造となっており、北半分は板の間の剣術場、南半分は土間の槍術場として用いられました。それぞれ西側に藩主の上覧場を設け、中間には試合などの際に用いる控室があります。坂本龍馬が他流試合を行ったのも、この有備館だとされています。

③観徳門

萩・明倫学舎の見所、3か所目は「観徳門」です。明倫館の遺構の一つで、1849年に建てられました。当時は孔子を祀る宣聖殿の前門として用いられていました。木造瓦棒銅板葺き、左右に唐破風を備えているのが特徴で、桁行は2.5m、梁間は1.45mです。

明倫館が閉校となった後、本願寺萩別院に移築されていましたが、2004年に元あった場所に戻されて今に至っています。

④明倫館南門

萩・明倫学舎の見所、4か所目は「明倫館南門」です。明倫館の遺構の一つで、当時は明倫館の正門としての役割を果たしていました。切妻造り本瓦葺きで、桁行は3.94m、梁間は3.15mあります。

通常出入りする際には左右の袖に設けられた潜門を用い、門自体が開けられるのは年に2回、藩主が聖廟を拝する「釈祭」などの公式行事の際のみに限られていました。明倫館閉校後は観徳門と同じく本願寺萩別院に移築され、2004年に元の位置に移築されました。

⑤水練池

萩・明倫学舎の見所、5か所目は「水練池」です。遊泳術や水中騎馬の訓練を行うためのプールで、「日本最古のプール」とも言われています。藩校で水練池を設ける例は少なく、明倫館と会津の日新館だけで、現存するものとしては明倫館のものが唯一です。

吉田松陰や高杉晋作も泳いだかもしれない水練池は東西39m、南北16m、深さ1.5mで、水源には地下水が用いられています。

⑥聖賢堂

萩・明倫学舎の見所、6か所目は「聖賢堂」です。元々観徳門の左右にあった東塾・西塾の遺構で、明倫館閉校後、纏めて1棟とし、阿呼社境内に移築されていました。その後、1918年に元の位置に移築され、今に至っています。

切妻造り、起こり屋根桟瓦葺で桁行は7.68m、梁間は2.86mです。当時は釈祭の道具を収めたり、準備を行う場として用いられたもので、大棟の両端にある毛利家の家紋に当時の面影が残っています。

「萩・明倫学舎」のおすすめ展示施設やレストラン

萩・明倫学舎の見所についてご紹介致しました。明倫館時代の貴重な遺構が残るなど、実に見応えがあります。しかし、萩・明倫学舎の見所は貴重な建物だけではありません

幕末や世界遺産、明倫小学校時代の復元教室など館内に展示されている内容やレストラン、お土産などまだまだ魅力的な要素があります。そこで、続いてはそんな萩・明倫学舎でおすすめの展示施設やレストラン、お土産についてご紹介致します。

本館は復元教室や展示室などがある

萩・明倫学舎の本館には全国最大規模を誇った藩校・明倫館や多くの人材を送り出してきた明倫小学校に纏わる様々な資料が展示されています。

その中でも人気なのが「明倫小学校の復元教室」です。どこか懐かしい雰囲気のする教室や多目的室、歴代校長が執務した校長室が再現されており、ノスタルジックな雰囲気を堪能する事ができます。

天井裏見学もできる

少し変わった展示室としては「天井裏見学室」が人気です。萩・明倫学舎の本館は登録有形文化財にも指定されている貴重な建造物で、天井裏見学室はその名の通り、本館の屋根を支える天井裏を見学する事ができます。複雑な木組みからは匠の確かな技術が伝わってきます。

レストラン萩暦やお土産販売も!

萩・明倫学舎の本館にはレストランやお土産屋もあります。レストラン萩暦は、市内で人気の割烹千代監修の下、甘鯛や見蘭牛、むつみ豚など萩自慢の食材を用いた料理の数々を堪能する事が可能です。

お土産屋では「巻物タオル」など吉田松陰、小田村伊之助、久坂玄瑞、文と言った大河ドラマ『花燃ゆ』の登場人物に関連するお土産や萩・明倫学舎オリジナルのお菓子「萩夏錦上菓」などが好評を博しています。また、これらのお土産はオンラインショップでも販売しています。

2号館は有料の施設になる

萩・明倫学舎の2号館は有料の施設となっており、大人300円、高校生200円、小中学生100円の観覧料を払う事で、「世界遺産ビジターセンター」「幕末ミュージアム」を見学する事ができます。

世界遺産ビジターセンター

2015年に世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」は広域に点在する資産を一括で世界遺産候補として推薦するシリアルノミネーションの日本初の事例で、登録された23の構成資産は8県11市に点在しています。この内、萩では萩反射炉、恵美須ヶ鼻造船所跡、大板山たたら製鉄遺跡、萩城下町、松下村塾の5つが世界遺産に登録されました。
 

世界遺産ビジターセンターでは、世界遺産に登録された5つの施設が「19世紀の奇跡」とも言われる日本の急速な近代化に果たした役割や吉田松陰の先駆的な役割などについて映像やパネル、レプリカなどを用いてわかりやすく展示がされています。

幕末ミュージアム

幕末ミュージアムでは日本有数の収集家として著名な下関市在住の小川忠文氏から寄贈を請けたものを中心とする6,000点もの貴重な資料の中から特に厳選した実物資料を展示しています。

長州征伐や戊辰戦争など幕末の動乱期に用いられたゲベール銃やエンフィールド銃、伊能忠敬が用いたものと同じ測量関係資料、平賀源内が発明したエレキテルなどの医療関係資料、江戸時代の扇風機などジャンルは多岐にわたり、そのコレクションの量と質はともに日本屈指のレベルです。

「萩・明倫学舎」のアクセス&駐車場情報

萩・明倫学舎には毛利吉元による創設以来約300年、吉田松陰を始め多くの人材を輩出してきた歴史的な価値だけでなく、萩の美食を堪能できるレストランや旅のお土産を購入できるお土産屋など、観光地としての多くの魅力もあります。

続いて、そんな萩・明倫学舎に足を運ぶ際に気になるアクセスや駐車場、営業時間、定休日に関する情報をご紹介致しますので、実際に現地に赴かれる際の参考に是非ご覧ください。

アクセス情報

萩・明倫学舎にアクセスする際、最も便利なのが萩市内を循環している「萩循環まぁーるバス」です。最寄りのバス停は「萩・明倫センター」で、萩・明倫学舎までは徒歩1分程です。また、新幹線の場合は新山口駅から萩・明倫学舎まで直通のバスも出ています。所要時間は約1時間です。

飛行機でアクセスする場合、萩・石見空港、山口・宇部空港のいずれからでも乗り合いタクシーで約70分ですが、前日までの予約制ですので、注意する必要があります。車でアクセスする場合、最寄りのICは小郡萩道路の絵堂ICで、萩・明倫学舎まではおよそ20分ほど掛かります。

駐車場は?

萩・明倫学舎最寄りの駐車場は萩・明倫学舎センター駐車場で、収容台数は普通車180台、大型車10台、料金は310円です。

また、萩市内を観光する方向けのサービスとして、萩・明倫センター駐車場、中央公園駐車場、萩博物館前駐車場の3か所で、1か所目のレシートを提示する事で2か所目以降の駐車料金が無料となるサービスを実施しています。

営業時間&定休日について

萩・明倫学舎の営業時間は午前9時~午後5時までで、定休日は2月の第1週の火曜日と水曜日です。見学所要時間はおおよそ本館で20分程度、2号館で40分程度、明倫館跡で20分程度となっています。また、20名以上の団体であれば事前予約で無料ガイドツアーも利用が可能です。

「萩・明倫学舎」の基本情報

【名称】 萩・明倫学舎
【住所】 山口県萩市江向602
【TEL】 0838-21-2018
【営業時間】 9:00~17:00
【定休日】 2月の第1週の火曜日と水曜日
【料金】 【2号館】
大人300円
高校生200円
小中学生100円
【アクセス】 【バス】
萩・明倫センターバス停より徒歩1分

【新幹線】
新山口駅から直通バスで約1時間

【飛行機】
萩・石見空港または山口・宇部空港から乗り合いタクシーで約70分

【車】
小郡萩道路絵堂ICより約20分
【駐車場】 有り
【URL】 公式HP

「萩・明倫学舎」で幕末の歴史を体感しよう!

以上、萩・明倫学舎について、その概要や歴史、見所、お土産や世界遺産との関りなどについてご紹介致しました。

幕末ファン必見の聖地であるとともに、木造教室など幕末ファンでなくとも懐かしさを感じる事ができるのも萩・明倫学舎の魅力の一つです。この記事が萩・明倫学舎に足を運び、幕末の歴史やノスタルジックな雰囲気を体感するきっかけになりましたら幸いです。

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この記事のライター
majisaru
はじめまして、旅行大好き、温泉ソムリエのmajisaruです。 温泉や観光地などのスポットについてご紹介させてい...

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