水攻めを受けた備中高松城の歴史と城主清水宗治を解説!御城印情報も

備中高松城は清水宗治の居城として知られる備中七城の一つです。羽柴秀吉により水攻めにされた備中高松城の戦いの舞台でもあります。そんな備中高松城の歴史と清水宗治について、現在の城址公園の見どころ、限定の御城印やスタンプについての情報もご紹介します。

水攻めを受けた備中高松城の歴史と城主清水宗治を解説!御城印情報ものイメージ

目次

  1. 1備中高松城は水攻めの舞台として有名な城
  2. 2備中高松城の歴史
  3. 3備中高松城の見どころ
  4. 4備中高松城の御城印&スタンプ情報
  5. 5備中高松城へのアクセス&駐車場情報
  6. 6水攻めを受けた備中高松城を訪れて歴史に触れよう!

備中高松城は水攻めの舞台として有名な城

備中高松城は、現在の岡山県の岡山市北区にありました。この辺りは古くから繫栄し中国地方の中でも重要な地です。城主清水宗治の居城にして境目七城の一つとされており、水攻めを受けた城としても有名な城です。

沼地に臨む平城で、石垣がなく本丸を中心に、堀を隔てて南に二の丸、さらに三の丸と家中屋敷がコの字型に並ぶ土壇だけで築かれた土城でした。

現在は歴史公園に!

備中高松城跡は、足守川左岸にある平野の部分にあります。城跡は国の史跡に指定されており、周囲の水田から約2mの丘陵にある本丸跡と二の丸跡の一部分が城址公園として整備されました。

本丸跡を囲むように沼の名残りの堀が一部残されており、かつてここが沼城だったことがうかがえます。周辺は住宅や田畑などが広がり、閑静な佇まいの地域です。今から440年前に壮絶な戦いが行われていた場所とは想像し難い穏やかな光景が広がっています。

現在の城跡では秀吉が築いた水攻めの堤防跡や宗治自刃の碑、首塚などが見られます。水攻めされた時の資料や、それに関連する展示が見どころの歴史資料館も見逃せません。

国の史跡に指定されている史跡公園として堀や土塁などが整備され、夏には花菖蒲、宗治蓮が咲き乱れるスポットとしても人気となっています。

公園の周辺には関連史跡も!

高松城址公園の周辺にも、難攻不落だった城を想像させる史跡や、水攻めに関連するものが残してあります。

まずは水攻築堤跡「蛙ヶ鼻(かわずがはな)」も見ておきましょう。蛙ケ鼻は堤防が唯一残った史跡で、ここから堤防が造られという説があります。

城の南東にある約700mの蛙ケ鼻から、西北西の約1,500mの足守川上流までの堤防をたった12日間で造り上げたとされています。足守川から引き込んだ水は200haの湖となり、高松城を孤立させました。

蛙ケ鼻の北には、秀吉が本陣を置いた石井山があります。石井山には清水宗治の首塚跡、秀吉が腰掛けていたとされる太閤腰掛岩など、今もその歴史を感じることができる遺跡が残っています。

城跡と築堤跡は「高松城跡 附水攻築堤跡」の名称で国の史跡、日本の歴史公園100選に指定されました。

備中高松城の歴史

備中高松城は備前・備中の国境に近い場所にあり、天下統一を目指す織田信長の命を受けた羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)と毛利氏が攻防戦が繰り広げられた最前線でした。歴史上まれな奇策・水攻めによって城主清水宗治を自刃に追い込み落城した城です。

そんな波乱に満ちた当城の歴史と城主清水宗治について詳しくご説明していきます。

戦国時代に築城された備中高松城

備中高松城は、足守川下流域の両側の岸に築かれた宮路山城、冠山城、加茂城、日幡(ひばた)城、庭瀬城、松島城が毛利氏の防衛城となった「境目七城」の一つとして重要な役割を担っていました。

備中高松城の築城時期ははっきりと分かっていませんが、備中松山城城主三村元親の重臣・石川久孝によって築かれた城です。備中高松城は天然の地形を生かした最新式の城で、三方が山、水田や沼地に囲まれた低湿地に築かれ、人馬の進みがたい要害の城だったと言います。

清水宗治が城主に

1575年、毛利氏が三村元親を滅ぼすと、備中高松城の城主石川久弐も追放し、幸山城城主だった清水宗治を小早川隆景の配下に入れて、備中高松城の主としました。

清水宗治の最期

1582年、羽柴秀吉は、3万の大軍を率いて備中南東部に侵入し、毛利方の所領を次々と攻略、ついに備中高松城を包囲しました。しかし、難攻不落の城と言われた自然の要害の城のため、秀吉は攻めあぐねていました。

そこで秀吉は、参謀黒田官兵衛の奇策を採用し、城の立地を逆手に取り、堤防を築いて足守川の水を引き込んで備中高松城を兵糧攻め、水攻めをするというもの。高さ7m、長さ3kmにも及ぶ堤防をわずか12日間で完成させたと言われています。

おりしも梅雨時期で、雨で増水した足守川の水を流し込んだ結果、たちまち高松城は湖上の城となってしまいました。

秀吉は毛利軍の軍師を仲介人として呼び、「本日中に和を結べば、毛利から領土は取らない。宗治の首だけで城兵の命は助ける」と伝え、宗治を説き伏せました。

ついに清水宗治は敗北を悟り、自分の命と引き換えに和議を成立させ、城兵たちの命を救うことを決心しました。
 

宗治は湖上に舟を浮かべ、秀吉から贈られた酒の肴で最後の宴を張り、誓願寺の曲舞を舞い、辞世の句を残し秀吉ら両軍が見守るなか見事に切腹したそうです。そして、介錯したのは高市之允でした。

首塚には五輪塔前部に1体、後部に2体の地蔵尊が刻まれました。前部が清水宗治で後部の2体が月清入道と末近信賀と伝えられています。高松城水攻め史跡公園(蛙ヶ鼻築堤跡)と同じく、備中高松城が水攻めを受けた城ということが伝えられる、現在でも存在する貴重な古い建造物です。

このとき明智光秀の謀反による本能寺の変が起こり、羽柴秀吉は主君織田信長の仇を討つべく毛利家との和議を急ぎ、すぐさま山崎へと引き返したのが世に言う「中国大返し」です。

結果はご存じの通り秀吉が大勝し、主君が到達できなかった天下統一を見事成し遂げました。

毎年6月に宗治祭が開催されている

国指定史跡の⾼松城址公園では、6月第一日曜日に享年47歳でこの世を去った清水宗治の遺徳を偲ぶ「宗治祭」を毎年開催しています。首塚の前には祭壇が設けられ、清水家末裔や地元住民が参列し、僧侶の読経のあと太鼓や舞いが奉納されるという内容です。

2022年で440回を迎える宗治祭、自らの命をもって部下の命を守った清水宗治公の人柄が、今もなお、地元の人々に慕われ称えられていることがよく分かります。

備中高松城の見どころ

吉備路は文化財・史跡の宝庫です。備中高松城址とその周辺には戦国時代を彷彿とさせる史跡や資料が多く残されています。そんな、歴史が多く残る備中高松城の見どころを順に巡ってみましょう。

見どころ①高松城址公園資料館

公園の中央には備中高松城が水攻めがあったことに関係する資料を中心に、高松一帯から出土された遺物、文化財を多数展示しています。展示の中で特に目を引くのは、合戦時を想像させるジオラマです。高松城は、名の知れた武将たちから包囲されていたことがよく分かります。

秀吉軍と毛利軍との和睦の駆け引きや、自らの切腹により部下たちの命を救った清水宗治のエピソードを紹介する映像も必見です。

見どころ②公園中央の堀に咲く蓮

岡山市が1982年に備中高松城跡を公園として整備するときに、本丸と二の丸との間の蓮池があったとされ、これを復元したところ沼に自然に生えてきた蓮に名付けられたのが「宗治蓮」です。

7月中旬ごろには花菖蒲や宗治蓮が美しく咲き乱れます。数百年地下に眠っていた蓮が生き返り、毎年立派な花を付けて来園者を楽しませてくれます。

見どころ③史跡舟橋

備中高松城は沼地で、その自然の沼を利用して八反堀という堀を創り要害としました。この堀に川舟を並べてつなぎ、その上に板を渡して舟橋を造ります。場外との行き来や物資の往来などを行い、必要に応じて舟橋を撤去して敵の侵入を防ぐなどの役割です。

舟橋とは河川に舟を並べてその上に板を置くなどして橋の役割を果たすためのもので、各地に存在しています。

見どころ④辞世の句の碑

秀吉の水攻めと説得により家臣の命と引き換えに自刃をした宗治。「浮世をば 今こそ渡れ 武士(もののふ)の 名を高松の 苔に残して」と詠んで逝った宗治の辞世の句が刻まれています。

秀吉は宗治の最後を見届け、「宗治は武士のかがみであった」とのちに小早川隆景に称賛し、その後秀吉は清水宗治を手厚く葬りました。宗治は義を貫いた武将として後世にまでその名を残しています。宗治の胴塚と自刃之跡も城跡周辺に存在するのでぜひ巡ってみてください。

備中高松城の御城印&スタンプ情報

御城印とは、お城が発行している登城記念証のことを言います。神社やお寺で発行される御朱印とは意味合いが異なり、御朱印のようにその場で書いてもらうのではなく、あらかじめ書かれたものを購入するのが一般的。

御城印は、城名の墨書きに城主の家紋や花押があしらわれているものが多いのが特徴で、お城を巡った記念として御城印を集める人も多いです。備中高松城にもオリジナルや季節ごとの御城印があるので、興味のある人はぜひ手に入れましょう。

備中高松城のオリジナル御城印は、秀吉の水攻めに合い城兵の命と引き換えに自害した城主清水宗治の肖像画や辞世の句、家紋・右三つ巴などがデザインされた高貴なものになっています。

寺社で授かる御朱印と異なる点は、デザイン以外にも紙質や城主にちなんだ色の紙を使うなど、書置きの御城印ならではの地元の魅力がたくさん詰まっています。

御城印の販売場所と料金

備中高松城の御城印は登城記念として、清水宗治と家紋、最後に詠んだ辞世の句、城名が書かれています。

公園内の高松城址公園資料館で1枚300円で販売、販売時間は10時から15時、月曜日と年末年始はお休みです。水攻めや歴史資料が豊富な城址資料館もぜひ見学しておきましょう。

通常版と併せて季節限定版の御城印も販売

備中高松城の御城印は通常版とは別に、季節ごとの限定の御城印が発行されています。春は桜、夏は高松城の有名な蓮、秋のカエデ、冬の椿の4種類です。

散りゆく桜とともに自刃した清水宗治の肖像、清水家の家紋と蓮、宗治の首塚とカエデ、家紋と椿があしらわれた季節ごとに異なるデザインは魅力たっぷりで、季節ごとに訪れてコレクションする人も多いようです。

季節限定の御城印は通常の御城印と同じく1枚300円で高松城址公園資料館で販売されています。

続日本100名城に選定されスタンプも!

続日本百名城とは、日本100名城を定めた財団法人日本城郭協会が2017年に創立50年を記念して新たに選定した日本の名城です。「優れた文化財・史跡」「著名な歴史の舞台」「地域・時代の代表」といった選定基準で選ばれています。

2017年にこの続日本100名城にも備中高松城が選ばれました。併せて日本100名城のスタンプラリーが2018年4月8日のお城の日から開始されています。

続日本100名城スタンプの設置場所と料金

備中高山城のスタンプは、御城印と同じく高松城址公園資料館に設置されています。スタンプを押すだけなら無料なので、登城記念として、また続日本100名城選定記念にスタンプをもらっておくといいでしょう。

資料館が休館日の場合は、本丸横にある御菓子司清鏡庵の店頭に設置されていますので、こちらでスタンプの押印可能です。

公式スタンプ帳を持っていくと便利

続日本100名城の登城制覇を目指す方におすすめしたいのがスタンプ帳です。公式スタンプ帳は日本城郭協会公認の公式ガイドブックに付属しています。1冊3,709円で販売されており、インターネットでも購入可能です。

すべてのスタンプが揃ったときには、100名城の達成と同じく日本城郭協会事務局宛にスタンプ帳を送ります。登城スタンプの確認などが行われ、スタンプラリー参加者の登城順位がサイト上に公開されます。スタンプ帳は返送されますのでご心配なく!

備中高松城へのアクセス&駐車場情報

戦国時代のターニングポイントとなった備中高松城の戦いの舞台、備中高松城址へのアクセス方法をご紹介します。

電車でも車でもアクセスしやすい場所ですので、吉備路観光のルートに組み込んでみてはいかがでしょうか。

アクセス方法

備中高松城へのアクセス方法は、JR岡山駅から吉備線(桃太郎線)で22分、備中高松駅で下車し徒歩約5分と大変便利。周辺の関連史跡・蛙ヶ鼻(かわずがはな)の築提跡までは、徒歩約10分です。

車でのアクセスは、山陽自動車道岡山ICから約10分、もしくは岡山自動車道岡山総社ICから約15分の距離です。

駐車場は?

高松城址公園南側の駐車場が約25台、西側の駐車場に約12台の駐車スペースがあります。何れも駐車料金は無料です。蛙ヶ鼻築提跡駐車場は3台しか駐車できるスペースがないのでご注意ください。

備中高松城の基本情報

名称 備中高松城址公園
住所 岡山市北区高松558-2
料金 公園・資料館への入場は無料
URL おかやま観光コンベンション協会
問い合わせ 086-287-5554(高松城址公園資料館)
営業時間 備中高松城址公園内の散策は自由
備中高松城址公園資料館
 10:00~15:00
 定休日:月曜、年末年始

水攻めを受けた備中高松城を訪れて歴史に触れよう!

公園内とその周辺には、合戦当時の様子を想像させるスポットが数多く残されています。天下統一の野心に燃える戦国時代に、義に厚く勇猛果敢な備中高松城城主・清水宗治の死が時代の転換期を迎える一つのきっかけになったのは言うまでもないでしょう。

秀吉に武士の鑑と言わしめた清水宗治の足跡をたどりながら史跡を巡ると何倍も楽しめるのではないでしょうか。歴史に名高い高松城と美しい宗治蓮を実際にご覧になってみてください。

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pakumama
旅行と寺社巡りが好きで、特に京都にはよく行きます。いまは宮古島の海の青さに魅せられ、また次いつ行こうかと考えている...

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