【鳥取県鳥取市】河原城はぜひ一度訪れるべき!知られざる魅力とは?
戦国の世に豊臣秀吉が鳥取城を兵糧攻めした話は有名ですが、その時に陣を敷いた場所が現在「河原城」が建っているお城山であったということをご存じでしょうか。秀吉がなぜこの地に陣を張ったのか、河原城の城主は誰だったのか、河原城の歴史や魅力についてご紹介します。
【鳥取】河原城(かわはらじょう)とは
日本の原風景が残る鳥取県旧河原町(現在は鳥取市)を走っていると、標高92mの山の山頂に河原城が見えてきます。かつては武田孝信が城主であった丸山城といわれ、かの豊臣秀吉が「鳥取城の兵糧攻め(ひょうろうぜめ)」をした際に陣を張った場所として知られています。
元々、天守閣があったわけではなく、現在のお城は実在したお城を復元したものではありませんが、町のシンボルとして1994年(平成6年)に建てられました。河原城という城名は、公募によって決定され、「若鮎城(わかあゆじょう)」という愛称もついているそうです。
河原城の歴史
現在の鳥取県東部にあたる因幡地方(いなばちほう)は、初代将軍足利尊氏の下、室町幕府の重臣であった山名時氏(やまなときうじ)が支配していました。
戦国時代になると山名氏の重臣であった武田高信 (たけだ たかのぶ) が守る大振袖山城(おおふりそでやまじょう)の出城砦(でじろとりで)として建造されたのが「丸山城」であり、築城主は武田高信とされています。
1580年(天正8年)、織田信長の命を受け、当時はまだ羽柴秀吉だった豊臣秀吉が鳥取城の山名豊国を攻める際に陣が敷かれ、歴史上有名な鳥取城兵糧攻めが行われました。
文政元年 (1818年) に行われた調査記録によれば、お城山は三段に切り成らされており、上段が20間 (36.4㎡) 、中段が40間 (72.4㎡) 、下段が60間 (109.2㎡) の陣跡が確認されています。
天気の良かった先週の土曜日に撮影した鳥取城跡です。
— 鳥取県観光連盟(とっとり旅【公式】) (@tottori_guide) March 30, 2021
立派な石垣と桜、仁風閣に復元された大手門が加わり、周辺の景観がグンと魅力的になりました😊 pic.twitter.com/2LMUBy8Sov
1991年(平成3年)、ふるさと創生事業の一環として山頂に河原城展望台建設の話が決まった際、建設の前に行われた発掘調査の結果、堀切、柱穴、郭などの多くの遺構が発見され中世山城跡と確認できたそうです。
お城山からの眺望はとても良く、はるか昔、豊臣秀吉が鳥取城落城のためにこのお城山の地に陣を置くには、最もふさわしい場所であったといえます。
河原城の城主
では、河原城の城主はいったい誰だったのでしょうか。戦国時代、丸山城の城主は「武田孝信」とされています。因幡地方の守護であった山名豊国の重臣であった武田孝信が守る大振袖山城 の出城砦 が「丸山城」でした。
天正8年 (1580年)、豊臣秀吉がこの城山に陣を敷き鳥取城に出陣し落城した後は、丸山城は廃城となったと言われています。秀吉が陣を敷いた時には、城主もしくは改修者は秀吉ということになりますが、廃城となった後は、城主不在のお城山となったようです。
河原城の魅力
4階建ての河原城は、各フロア、テーマごとに写真やパネル、模型、ジオラマなどを使って河原町の歴史や伝説から人々の暮らしや文化、そしてや産業などに至るまで、とてもわかりやすく紹介しています。
そして、河原城の一番のおすすめは、何といっても最上階の天守閣にある展望台です。標高115mの高さから観る風景は、河原町だけでなく、遠くは鳥取砂丘や中国山地まで見渡せる絶景です。
お城山展望台「河原城」に、梅の花を見に行ってきました!
— 鳥取県観光連盟(とっとり旅【公式】) (@tottori_guide) March 8, 2021
城の周囲には約800本の梅の木が植えられ、2月下旬~3月中旬にかけて、赤や白、ピンクの花が咲き誇ります。漂う梅の香りを楽しみながら、春の訪れを感じてみませんか。 pic.twitter.com/mFifa837c5
山頂に位置する河原城は遠くからも確認することができ、夜間ライトアップされた姿はまさに天空の城。
また、お城の周りは河原中央公園として整備され、季節ごとに咲き誇る梅、さつき、もみじ、桜の花との共演や冬の雪景色など、四季を通じて人々の目を楽しませてくれます。
河原城内はどうなっているのか
河原城は、1階から4階まで各フロアごとにテーマが決まっていて、河原町の歴史や文化、産業などを写真やパネル、ジオラマやマジカルビジョンなどで紹介しています。さらに、最上階の展望台からは、360度、河原町のパノラマ絶景を楽しむことができます。
ここからは、河原城の館内の様子をご紹介します。
1階 town guide
河原城!
— カーリーチャンネル⚀最長航続距離(自称) (@carli_channel) May 30, 2020
梅酒シャーベット! pic.twitter.com/pDrQJr5Pze
1階は「町のインフォメーションコーナー」で、河原町の自然や町の様子を写真で展示している他、地元の特産品を販売しているお土産コーナーもあります。
河原町産のお米、八上姫(やかみひめ)の桜米や兎さ米(うさまい)や、城内でとれた梅の実で使ったシャーベットやジェラードの他、 県指定郷土工芸品である牛ノ戸焼(うしのとやき)の焼き物なども購入することができます。
2階 culture
2階フロアのテーマは「くらしと手づくり文化と自然」です。山と川に囲まれた河原町の自然や人々の暮らし、さらには町の観光やイベント情報、産業などについて、写真やパネル、紙人形のジオラマなどで紹介しています。
因幡 河原城なう pic.twitter.com/1zufEKk5EN
— じゅんぼう (@nagajun93) April 6, 2023
河原町では昔から千代川(せんだいがわ)での淡水漁業が盛んで、特にあゆの町と呼ばれるほど鮎は有名で、今でも毎年「あゆ祭」が開催されているほどです。ここでは、鮎の調理法や実際に鮎漁で使う道具も展示されています。
また、実りの秋をテーマにした紙人形の大型ジオラマはとても精巧に作られており、昭和30年頃の人々の生活がよく再現されていて、とても見ごたえがあります。
鳥取市河原町に行った時に「牛ノ戸焼」のお皿買ってきたから見てけれ。
— sanachin (@Sanachin_) May 13, 2021
独特の黒と青っぽい緑がきれいでしょ。
江戸時代から同町に伝わる焼き物なのよ pic.twitter.com/mbFJUsnL8P
また、河原町では工芸も盛んで、 県指定郷土工芸品の「牛ノ戸焼(うしのとやき)」の展示や「因州中井窯(いんしゅうなかいがま)」についてなど、河原町の焼きものの歴史や歩みを伝えるコーナーもあります。
自然豊かな里山の河原町には、県内外から移住してくる工芸作家が多く、陶芸以外にも、ガラス工芸、木工芸、手芸、日本画など、さまざまな工芸品の展示をする「工芸祭り」が開催されている、まさに工芸の里なのです。
3階 history
3階フロアは「伝説と歴史」がテーマとなっており、河原町の古代からの歴史や神話「八上姫(やかみひめ)の伝説」について、写真やパネル、模型、立体的な映像が楽しめるマジカルビジョンなどで紹介されています。
興味深いところでは、鳥取城兵糧攻めの際に与えられた豊臣秀吉の感状や禁制をはじめ、河原町内の遺跡からの出土品など、歴史的な価値のある資料も多数展示されています。
#河原城#鳥取 では唯一の天守かな?#模擬天守 ですが。#城 にかかる雲が好き pic.twitter.com/q98IO5dktX
— 日本の旅侍(公式) (@tabi_samurai_) July 20, 2022
日本最古の書物である古事記の中の神話、「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」の話は有名ですが、実はそこにはあまり知られてない神話の続きがあります。
白兎を助けた大国主命(おおくにぬしのみこと)が、八上姫という美しい娘と出逢った地が、八上姫の故郷でもあるここ河原町でした。八上姫の伝説についてのお話は3Dの「マジカルビジョン」で見ることが出来ます。
4階 展望台
4階フロアのテーマは「町の姿」です。河原町の全体が一目でわかるように大型の地形模型が置かれていて、山や川の名前の他、歴史や観光のスポットが紹介されていますので、まずはそちらをじっくり見たあと、いよいよお待ちかねの展望台に足を踏み入れてみてください。
360度パノラマ展望台では、町の中心を流れる一級河川の千代川(せんだいがわ)とその流域に広がる山や田畑、町並だけでなく、お天気が良ければ鳥取砂丘や日本海、中国山地まで一望できる絶景が待っています。
原風景が残る山里の四季折々の美しい景観を楽しむと同時に、かつて豊臣秀吉が同じ風景を観て何を思っていたのか、思いを馳せてみるのも良いかもしれませんね。
河原城の基本情報
鳥取 河原城#鳥取 #鳥取県 pic.twitter.com/L6vDryGHA3
— ころ丸🐬✨📶🎧☕️4/2Liella!2nd (@koromaru2) June 28, 2021
ここからは、河原城の開館時間や入館料などの基本情報やアクセス方法について、ホームページの情報をもとにご紹介します。
お城山展望台河原城公式サイト
開館時間
河原城の開館時間は季節によって異なります。
4~9月 | 9:30~18:00 |
10~3月 | 9:30~17:00 |
入館料
一般 | 個人300円 団体(20人以上)250円 |
高校生以下 | 無料 |
65歳以上 | 無料 |
障がい者など(付添人含む) | 無料 |
休館日
毎週月曜日・年末年始
※月曜日が祝日の場合は翌日
河原城へのアクセス
河原町へのアクセスですが、鉄道、バス、飛行機を利用される場合は、まずはJR鳥取駅を目指すと良いです。そこから、バスやタクシーで移動するようになります。
自然豊かな里山ですので、自動車でのんびりドライブもおすすめです。ここからは、それぞれのアクセス方法について、ご紹介します。
自動車
3か月ぶり〜💕
— ゆなーな (@D8HDUcS9mM2Y7rd) March 20, 2019
河原城&道の駅かわはら
コーヒー美味しかった〜☕️(o^^o) pic.twitter.com/Zri9hQ5K0a
自動車の場合は、大阪から中国自動車道 佐用JCT〜鳥取自動車道 河原IC~県道32号線 、姫路からは、鳥取自動車道〜河原IC~県道32号線、山陽方面から中国自動車道 津山IC〜国道53号線 で、到着します。
河原ICを降りてすぐのところにある「道の駅清流茶屋かわはら」からも、山の上に建つ河原城を観ることができますよ。なお、現在、河原城の進入口は土砂崩落のため通行止めとなっており、迂回路を利用するようです。詳細はホームページをご覧ください。
バス
各方面から、JR鳥取駅まで高速バスを利用する方法もおすすめです。
大阪梅田から高速バスで約2時間50分、神戸三ノ宮から約2時間40分、京都駅八条口から約3時間30分、広島バスセンターから約4時間50分で、JR鳥取駅に到着します。
JR鳥取駅からは、タクシーで20分、バスを利用の場合は、智頭線で河原下車 徒歩13分です。
鉄道
鉄道をする場合は、まず新幹線でJR京都、JR新大阪、JR岡山まで行き、「鳥取特急スーパ−はくと」に乗り換えてJR鳥取駅に移動すると良いです。
京都から約3時間00分、大阪から約2時間30分、三宮から約2時間15分、岡山から約1時間50分で、JR鳥取駅に到着します。鳥取駅からは、タクシー20分、バスを利用の場合は、智頭線で河原下車 徒歩13分です。
飛行機
東京から向かう場合は、飛行機が時間短縮になりおすすめです。
東京(羽田)からは、鳥取ANAが1日4便 運行されおり、約70分で鳥取空港に到着します。鳥取空港からJR鳥取駅までは車で約25分です。タクシーを利用するか、バスの場合は、賀露循環線で30分程で鳥取駅に到着します。
河原城はとても魅力的!ぜひ訪れてみよう!
山の山頂に建ち、自然豊かな山里を静かに見下ろしている河原城をご紹介してきました。鳥取に訪れた際には、鳥取城兵糧攻めの舞台となった河原城にも、是非訪れてみてください。歴史好きな方、必見です。