宍道湖に浮かぶ「嫁ヶ島」に伝わる伝説とは?歩いて渡るイベントも紹介!
「嫁ヶ島」は島根県宍道湖にただ一つ浮かぶ小さな島です。宍道湖は夕日が美しく日本の夕日100選に選ばれていますが、嫁ヶ島の向こうに沈む夕日は格別です。ライトアップや島へ渡るイベント、松江水郷祭など、美しい伝説の島、嫁ヶ島の魅力をたっぷりご紹介します。
「嫁ヶ島」は島根の宍道湖に浮かぶ島!
宍道湖(しんじこ)は島根県松江市と出雲市にまたがるように広がる湖です。わずかに塩分が混ざる汽水湖で、日本で7番目に大きな湖です。シジミや白魚などが有名です。「嫁ヶ島」は、宍道湖にぽっかりと浮かぶ、ただ一つの島です。
宍道湖は日本百景に選ばれている風光明媚な湖で、特に夕日が素晴らしいのが有名です。宍道湖に浮かぶ嫁ヶ島と、刻々と移り行く夕日のコントラストは絶景で、カメラに収めようとする人たちが多く訪れるフォトスポットです。
周囲240mの偏平な小さな島
宍道湖に浮かぶ唯一の島、嫁ヶ島
— さんいんキラリ (@sanin_kirari) July 4, 2016
残照に映える島影も素敵ですが
長く伸びる黒松の影も印象的でした pic.twitter.com/eAxKcRjR2S
「嫁ヶ島」は宍道湖に浮かぶたった一つの島です。全長は約110m、幅27m、周囲約24mの扁平で小さな島です。悲しい伝説が残る島で、夕日とのコントラストやライトアップが美しく人気です。様々なイベントも行われています。
「嫁ヶ島」はどんな島?名前の由来は?
宍道湖に浮かぶ嫁ヶ島
— たかし (@takashi522) October 14, 2018
三日月と一緒に pic.twitter.com/PSUceqCIY1
日本百景にも選ばれている美しい湖宍道湖に、ぽっかりと浮かぶただ一つの島「嫁ヶ島」。悲しい伝説も残る夕日に映える島です。嫁ヶ島とはどんな島なのでしょうか?詳しくご紹介します。
島ができたのは1200万年前!
嫁ヶ島が浮かぶ宍道湖は、約1万年前に浅い海の部分が堆積物でせき止められ形成されました。嫁ヶ島ができたのは、今から1200万年前、第三紀中新世の火山活動で噴出した溶岩の玄武岩でできたと言われています。
以前は蚊島と呼ばれていた
松江の宝。
— 柄木孝志 7/17 書籍『風景写真の7ピース 撮影イメージがひらめくアイデアノート』発売 (@karakky0918) May 15, 2020
宍道湖•嫁ヶ島七変化。#松江出雲は島根県 pic.twitter.com/PaVDk7lY4z
嫁ヶ島は昔「蚊島」と呼ばれていました。出雲に伝わる神話などが記された「出雲風土記」に「蚊島」として登場します。島の周囲は約110mとあり、現在の半分以下の大きさしかなかったようです。島の中央に小さな木が一本生え、磯に貝や海藻があると記されています。
江戸時代に江戸時代松江二代藩主堀尾忠晴が竹生島神社の祠を祀り、数本の松を植えました。1907年に鳥居が寄進され、1953年に江出身の政治家、若槻礼次郎が松が数本しかなかった島に、20本の松を植樹しました。
大正初期に島の周りに現在の防波堤が築かれましたが、景観が損なわれたと大きな批判意見がありました。芥川龍之介も手記の中でこの防波堤を批判しています。
現在の名前の由来は?
現在の嫁ヶ島の名前は嫁ヶ島伝説が由来となっていると言われています。元の名前の蚊島にいつのまにか嫁の字が当てられ嫁島となり、後に嫁ヶ島と呼ばれるようになったそうです。日本百景にも選ばれている宍道湖の唯一の島にぴったりの名前ではないでしょうか。
島に伝わる悲運の若妻の伝説
嫁ヶ島の名前の由来になったと言われる「嫁ヶ島伝説」は悲しい若妻の物語です。嫁ぎ先の姑に毎日いびられ、我慢の限界になった嫁はある寒い夜、とうとう嫁ぎ先を飛び出し実家へ帰ろうと決心します。一刻も早く実家へ帰りたい嫁は凍った宍道湖を渡ることにしました。
急いで湖を渡ろうと急ぎますが、何かの弾みで突然氷が割れてしまいます。嫁はそのまま湖に沈んでしまいました。これを見ていた水神様が、嫁を哀れに思い、夜が明ける前に小さな島を浮き上がらせ、嫁の亡骸を引き上げました。
嫁の亡骸と一緒に現れた島なので、嫁ヶ島と名前がついたと言われています。「嫁ヶ島の伝説」は2019年に短編映画が製作され話題となりました。
夕日の名所として有名
宍道湖は夕日の名所として有名です。特に夕日を背にした嫁ヶ島のシルエットは美しく、悲しい嫁ヶ島伝説と相まって、人々の心を捉えます。夕刻時には、美しい夕暮れを眺めに、たくさんの人たちが訪れ、美しい光景にカメラを向けています。
宍道湖では遊覧船「はくちょう」を運行しています。乗船時間は約1時間で、夕日を見るサンセットクルーズも行われています。第1乗船場を出発後、「宍道湖」「嫁ヶ島」「松江温泉近辺」などを巡るコースです。料金は大人1500円、子供750円です。
3月1日から11月30日は通常営業です。12月1日から2月28日は冬季営業となっています。10名以上で好きな時間に運行してくれます。無料駐車場がありますので、車の場合は第1乗船場を利用しましょう。
日本の夕日100選にも選定
「日本の夕日100選」は、NPO法人日本列島夕陽と朝日の郷づくり協会が選んだ、日本の美しい夕日の名所です。宍道湖は有名な夕日絶景スポットがあちこちに点在します。「島根県美術館」から見る夕日が特に美しいと、日本の夕日100選に選ばれてます。
島根美術館の宍道湖に面している無料のエントランスロビーは、全面ガラス張り。ソファベンチに座って夕日を眺めることが出来ます。ガラスに映る夕日も美しいと評判です。有料のコレクション展を観覧すれば展望テラスにも入ることができます。
たくさんの歴史的な偉人が愛していた場所
宍道湖に浮かぶ嫁ヶ島の眺めは、多くの歴史的偉人たちから愛されました。松江城を建てた堀尾吉晴は、天守閣から見る嫁ヶ島に感動し「湖中の一勝地なり」と語りました。吉晴の孫の堀尾忠晴は江戸時代初期に、嫁ヶ島へ竹生島神社の祠を作り多くの松の木を植えました。
小泉八雲(ラフかディオ・ハーン)も宍道湖の眺めを大変愛し、暇があると近くのそば屋まで人力車でやってきて、宍道湖の夕日を飽きることなく眺めていたと言われます。
「嫁ヶ島」のイベント情報
花火ロス
— kazuo (@kazuo_a) July 5, 2020
2019松江水郷祭より。 pic.twitter.com/7JEKrmB6dd
宍道湖のシンボルであり、古くから多くの人々に愛されてきた嫁ヶ島。現在もその神秘的な美しさは変わることはありません。嫁ヶ島では1年を通して様々なイベントが行われています。楽しいイベント情報をご紹介します。
イベント①ライトアップ
宍道湖に浮かぶ嫁ヶ島のライトアップ😊#宍道湖#嫁ヶ島#松江 pic.twitter.com/Cdw3tBwDWx
— keiji (@keiji514) October 9, 2017
嫁ヶ島では10月から11月末頃まで、土曜日曜と祝日に、ライトアップイベントが行われています。夕暮れから宍道湖が闇に沈むまでの光の変化を楽しむことが出来ます。日が落ちてからは、夜の宍道湖に嫁ヶ島が幻想的に浮かび上がります。
LEDライトを使用し、夕日をイメージしたライトアップから、少しづつ月の光のイメージへ時間を追って変化するライトアップを楽しめます。
嫁ヶ島ライトアップは、日没前約15分から22:00まで行われます。悪天候の場合は中止になることもあります。ライトアップで、日中とは全く違う夜の神秘的な嫁ヶ島を堪能しましょう。
イベント②島に歩いて渡る
嫁ヶ島では毎年8月に「歩いて渡る嫁ヶ島」というイベントが行われています。嫁ヶ島は岸から200mしか離れておらず、水深も深いところで130cmほどなので、子供でも渡ることが出来ます。参加者たちは一列になり、サポーターに誘導されながら島を目指します。
親子連れの参加も多い
普段は行く事の出来ない嫁ヶ島へ渡るイベントのため、多毎年くの人が参加します。夏休みに開催されることもあり、親子連れでの参加が多いようです。子供たちは浮き輪を使い、慎重に島を目指します。島へ渡ると、水際で遊ぶことも出来、夏の良い思い出になります。
イベント③湖上茶会
10月12日、13日、14日3日間限定,宍道湖の嫁ヶ島ー伝説の島に渡るイベント
— あっぱれ松江観光情報 (@kankou_matsue) October 11, 2013
宍道湖を眺めならが、お抹茶一服いかがですか。 pic.twitter.com/WQue1cGaZV
毎年中秋の名月の前後に、嫁ヶ島へ渡るイベントが行われています。岸公園桟橋から船に乗り、嫁ヶ島へ渡ります。島では湖上茶席があり、お抹茶を頂く事が出来ます。またミニコンサートや嫁ヶ島ガイドが歴史や景観の説明をしてくれ、特別な湖上のひと時を楽しめます。
イベント④松江水郷祭
2017年松江水郷祭から
— てつ(佐々木徹也) (@TetsubowlU) April 13, 2020
嫁ヶ島とのコラボ✨
これもかなりお気に入りの一枚ですo(^o^)o pic.twitter.com/T0Dmz0n9go
毎年8月上旬「松江水郷祭」が華々しく開催されます。初日に1万発、翌日は3千発の花火が宍道湖に打ち上げられ、湖面を彩ります。会場ではライブやサーカス、抽選会など様々な催し物があります。松江水郷祭でも、嫁ヶ島へ渡るイベントが行われます。
松江水郷祭は毎年48万人もの観客が訪れる人気のイベントです。宍道湖ならではの水上花火、水中花火、ナイアガラなどの花火が見られます。当日は無料駐車場もありますが、交通規制もあり混雑が予想されます。
花火と島のコラボが格別
写真追加と速報アップした分の再調整です(^^)#松江水郷祭 #宍道湖 #花火 #嫁が島 #嫁ヶ島 pic.twitter.com/irKTJkc4zY
— いしはらやすひろ (@s7t73pf71) August 4, 2018
宍道湖夏の風物詩、水郷祭では初日に1万発、翌日に3千発の花火が打ち上げられます。湖水を彩る花火は見るものを圧倒しますが、特に花火を背に黒く浮かび上がる嫁ヶ島は美しく、素晴らしいコラボレーションを披露してくれます。
「嫁ヶ島」のアクセス&駐車場情報
美しい夕日で有名な宍道湖に浮かぶ、神話の島嫁ヶ島。夕日を背にする神々しい姿から、ライトアップされ月の光とのコラボレーションまで、四季折々に違った美しい表情を見せてくれます。嫁ヶ島へのアクセス方法や駐車場情報などをご紹介します。
アクセス情報
電車を利用する場合は、山陰本線乃木駅より徒歩20分です。路線バスでは、山陰本線松江駅から、一畑バス玉造温泉・大東方面に乗車し、「浜乃木嫁が島」で下車します。または、山陰本線松江駅より松江市営バスの南循環線に乗車、「袖師町西」で下車します。
「ぐるっと松江レイクライン(松江市営バス)」が運行されていて、夕方のみ嫁ヶ島へのコースがあります。車でのアクセスは、山陰自動車道松江西インターチェンジから5分です。
駐車場は?
駐車場はすぐそばに「宍道湖夕日スポット駐車場」があります。「岸公園利用者専用駐車場」「島根県立美術館駐車場」「島根警察署駐車場」なども利用できます。
「嫁ヶ島」の基本情報
住所 | 690-0049 島根県松江市袖師町12 |
電話番号 | 0852-27-5843(松江観光協会) |
URL | しまね観光ナビ |
「嫁ヶ島」に夕日の絶景を見に行こう!
宍道湖の夕日
— たかし (@takashi522) October 21, 2018
嫁ヶ島 pic.twitter.com/nXgWAVIH0D
宍道湖の夕日は日本の夕日100選にも選ばれている絶景ポイントです。特に嫁ヶ島の背景に沈む夕日は格別と言われています。暮れ行く嫁ヶ島、ライトアップされた月夜の嫁ヶ島、ノスタルジックな風景を心に刻む、極上の旅へ出かけましょう。