広島から行きたいおすすめの離島16選！観光の魅力満載スポットはどこ？

シルクロードの名付け親としても著名な近代的地形学の祖フェルディナント・フォン・リヒトホーフェンが「これ以上のものは世界のどこにもないであろう」と絶賛した瀬戸内海。自然が生み出した絶景は日本を代表する観光地の一つとして国際的にも人気です。

瀬戸内海は1万年ほど前までは陸地でしたが、氷河期後の気温上昇に伴う海面上昇によって約6,000年前までに現在のような形になりました。東西約450㎞、南北最大55㎞の範囲内に数千に及ぶ島があり、美しい絶景を形成しています。この記事ではそんな瀬戸内海の内、広島から行くことのできる人気の離島に焦点を絞って特集致します。

2019年、アメリカの新聞ニューヨーク・タイムズ紙が発表した「2019年に行くべき52の場所」で第7位に選ばれた瀬戸内の島々。日本からのランクインが唯一瀬戸内だけだったこともあって、大いに注目されました。

自然が生み出した絶景もさることながら瀬戸内の島々が世界的に高く評価された理由の一つが、それぞれの島に息づく個性です。それぞれの島に独特の文化や「島時間」とも呼ばれる時間感覚があり、穏やかに瀬戸内の自然に抱かれ、浮かんでいるような心地を堪能する事ができます。この記事ではそんな島々の絶景スポットや観光の魅力を徹底解説致します。

それでは早速、広島から行きたいおすすめの離島16選をご紹介致します。自然が生み出した絶景や古代から水上交通の要として栄えてきた歴史など、魅力がたくさん詰まった島ばかりが登場しますので、どうぞご期待ください。

広島から行きたいおすすめの離島、1か所目は「因島」です。広島県尾道市にある約35㎢の島で、平地が少なく丘陵及び山で構成されている点が特徴的です。島の北側は古くから瀬戸内海の主要航路とされてきた「安芸地乗り」に面しています。その為、中世には村上海賊の拠点として栄えました。

江戸時代には廻船事業、明治以降は造船業と常に船や海と深く関わりを持ってきた島です。また、棋聖・本因坊秀策の故郷である事から「囲碁の島」としても知られています。近年では小説家の湊かなえさんやロックバンド・ポルノグラフィティの出身地としても著名です。

広島から行きたいおすすめの離島、2か所目は「向島」です。その名の通り、尾道市街から幅約300mの尾道水道を挟んだ向かいにある面積約22.2㎢の島です。縄文時代の遺跡が発見されるなど古くから人が生活してきた島で、古墳時代には古墳も造営されました。

平安時代に源順が編纂した辞書『和名類聚抄』にも「宇多乃之萬（うたのしま）」として登場します。中世には南にある因島同様村上海賊の拠点となり、現在瀬戸内海の絶景を一望できる名所として人気の高見山には海賊の物見台が置かれていました。

広島から行きたいおすすめの離島、3か所目は「生口島」です。瀬戸内海を縦断するしまなみ海道のほぼ中心にある面積約31.2㎢の島で、島の最高峰・観音山（標高408.1m）は芸予諸島の最高峰でもあり、古代には雨乞いの祈祷場、中世には村上海賊の狼煙台として用いられてきた歴史があります。

現在では「アートとレモンの島」として知られ、平山郁夫美術館や西の日光とも呼ばれる耕三寺博物館、国産レモン発祥の地であるレモン谷、人形劇『ひょっこりひょうたん島』のモデルとなったともされる瓢箪島を望むサンセットビーチなどがある人気の観光地です。

広島から行きたいおすすめの離島、4か所目は「生名島」です。因島からフェリーで僅か3分の距離にありますが、愛媛県に属する面積約3.67㎢の離島です。歴史は古く、島内からは弥生時代や古墳時代の遺跡も多く発見されています。

中でも独特なのが巨石信仰を想起させる巨岩で、標高138.6ｍの立石山山頂にある磐座や三秀園と言う公園にある高さ7ｍの巨石、近づくと蛙の鳴き声が聞こえるというガール石などのミステリースポットが点在し、ミステリーやパワースポットを好む観光客に人気です。

広島から行きたいおすすめの離島、5か所目は「大久野島」です。広島県竹原市の沖合約3㎞に位置する面積0.7㎢の島で、ほぼ全島が環境省所有の国有地となっています。1929年から1945年まで、大日本帝国陸軍唯一の毒ガス工場があり、血液剤、催涙剤、びらん剤、嘔吐剤などが作られていました。その為、別名を「毒ガスの島」と言います。

現在では「ウサギの島」としても有名です。1971年に地元の小学校で飼育されていた8羽のウサギが放たれ野生化したもので、自然繁殖を繰り返した結果、現在では900羽ほどに増えています。長閑な自然の風景と負の歴史を偲ばせる廃墟、そして愛らしいウサギとのコントラストが独特な景観を生み、世界的にも注目されています。

広島から行きたいおすすめの離島、6か所目は「似島」です。広島湾に浮かぶ島で、面積は3.87㎢と広島市内では最も大きな島です。江戸時代、広島湾の水深が浅く、大型船が入港できなかったため、この島の沖合で荷を小型船に積み替えていました。その為、元々は「荷継ぎの島」と言う意味で「荷の島」と呼ばれていました。

また、島の北側にある山が富士山に似ている事から「安芸小富士」と呼ばれ、いつの頃からか自然と似島という漢字が使われるようになりました。かつて陸軍の検疫所や捕虜収容所が置かれていた歴史があり、第一次世界大戦時のドイツ人捕虜カール・ユーハイムが収容中にバウムクーヘンを焼いた事から「日本におけるバウムクーヘン発祥地」としても有名です。

広島から行きたいおすすめの離島、7か所目は「下蒲刈島」です。呉市の沖合にある蒲刈群島に属する面積7.97㎢の島で、古来より瀬戸内海の交通の要衝として栄えてきた歴史を持っています。

江戸時代には瀬戸内海に2つある海の関所の1つがこの地に置かれ、李氏朝鮮から江戸幕府に朝貢するために遣わされていた外交使節・朝鮮通信使の宿泊地の一つとしても利用されました。三之瀬御本陣芸術文化館や松濤園、御番所跡など往時の面影を残すスポットもある人気の観光地です。

広島から行きたいおすすめの離島、8か所目は「江田島」です。広島湾に浮かぶ面積91.3㎢の島で、地続きの能美島や幾つかの島と共に中国地方で最も人口の少ない市・江田島市を構成しています。1888年に海軍兵学校が東京の築地から移転して以降、海軍ゆかりの島となり、「江田島」と言う言葉自体が海軍兵学校の代名詞として用いられました。

戦後も海上自衛隊の第一術科学校や幹部候補生学校があり、日本の国防を担う優秀な人材を輩出しています。海軍と言えばカレーが有名で、部隊毎にレシピが異なる事でも知られています。島内にある飲食店では様々な部隊のレシピを再現したカレーを食べられるお店も多く、カレー巡りの聖地として観光客に人気です。

広島から行きたいおすすめの離島、9か所目は「佐木島」です。芸予諸島に属する面積8.72㎢の島で、三原駅から最短20分で行く事が可能な事から「日本一新幹線駅から近い島」とも呼ばれています。さほど観光地化されていない事から豊かな自然の絶景を堪能する事が可能で、長閑な「島時間」が流れる島として人気です。

島の表玄関である向田港には1300年に彫られ、県の重要文化財にも指定されている、満潮時には胸まで海水に浸かる地蔵があり「磨崖和霊石地蔵」と呼ばれています。その碑文には「この像の周辺を殺生禁断の地とする」と刻まれており、現在でも佐木島の人々は島でありながら漁業に従事せず、柑橘類などの農業で生計を立てています。

広島から行きたいおすすめの離島、10か所目は「倉橋島」です。芸予諸島に属する面積69.47㎢の島で、本州との間を隔てる「音戸の瀬戸」が有名です。この音戸の瀬戸は平清盛によって開削されたという伝説を持ち、「瀬戸内銀座」と呼ばれるほど、瀬戸内海有数の航路として栄えました。

また、倉橋島はかつて「長門島」と呼ばれ、造船が盛んに行われていました。遣唐使船や白村江の戦いで用いられた軍船などもこの地で造られたものとされ、桂浜にある「長門の造船歴史館」では遣唐使船が実物大で復元され、船内を見学する事も可能です。

広島から行きたいおすすめの離島、11か所目は「百島」です。芸予諸島に属する面積3.08㎢の島で、昔、桃の木が多くあったことから「桃島」と呼ばれていたのが、いつの頃から「百島」となったのが島名の由来とされています。

百島の人々は我慢強さと開拓精神に溢れ、近代以降、北海道をはじめ、ハワイ、フィリピン、朝鮮などに移民を輩出、各地で成功を収めた歴史を持っています。近年では、その開拓精神が芸術面に発揮され、「アートの島」として注目されています。特に旧中学校を再生した「アートベース百島」が人気です。

広島から行きたいおすすめの離島、12か所目は「大崎上島」です。芸予諸島に属する面積38.27㎢の島で、中世には大崎衆と呼ばれる海賊の拠点となりました。海賊の伝統は現在でも「櫂伝馬競争」として息づき、人気の観光イベントとなっています。また、瀬戸内海の絶景を楽しめるホテル清風館の絶景露天風呂もおすすめです。

大崎上島は古墳時代から江戸時代初期頃まで製塩が盛んに行われ、江戸時代中期以降は廻船・造船業で賑わいました。特に廻船問屋・御下屋を営む望月家は大いに栄え、明治期には九州北部の炭鉱で産出される石炭の輸送を一手に担いました。「激情の人」「人使いの名人」として知られる大正・昭和期の政治家・望月圭介はこの望月家出身です。

広島から行きたいおすすめの離島、13か所目は「大崎下島」です。芸予諸島に属する面積17.82㎢の島で、御手洗地区は江戸時代以降、潮待ち・風待ちの港町として栄えてきた歴史があります。1863年には八月十八日の政変で失脚した三條実美ら七卿が京を追放され、長州に逃れる際に立ち寄ったとされています。

この時に七卿が立ち寄ったとされる屋敷が現在、七卿落遺跡として県の史跡に指定されています。また、1994年には「豊町御手洗伝統的建造物群保存地区」として重要伝統的建造物群保存地区に選定されるなど、往時の風情を色濃く残す観光地として人気です。

広島から行きたいおすすめの離島、14か所目は「仙酔島」です。福山市・鞆の浦にある外周5㎞ほどの無人島です。鞆の浦は古代より潮待ちの港として栄えた地で、戦国時代には織田信長によって追放された足利義昭がこの地に下向し、「鞆幕府」を開いた事でも知られています。

対岸にある福禅寺対潮楼は江戸時代、朝鮮通信使をもてなす迎賓館として用いられ、この地に滞在した李邦彦は仙酔島を望む絶景を「日東第一景勝（朝鮮より東で一番美しい景勝地）」と讃えました。島の名前は「仙人も酔うほど美しい島」と言う意味で、日本で唯一、ここにしかない五色岩などの自然が生み出した絶景が人気です。

広島から行きたいおすすめの離島、15か所目は「高根島」です。芸予諸島に属する面積5.57㎢の島で、高根山と龍王山と言う二つの高嶺の山がある事が島名の由来とされています。みかん栽培が盛んに行われている事でも有名ですが、おすすめなのが「高根島灯台」です。

1894年初点灯と言う歴史ある灯台で、海上保安庁が選定する「日本の灯台50選」にも選ばれています。塔高4.85mと言う小さな灯台ですが、海峡を見守る姿は凛々しく、灯台周辺から望む絶景と相俟って人気の観光地です。

広島から行きたいおすすめの離島、最後の16か所目は「横島」です。芸予諸島に属する面積4.06㎢の島で、横山海岸やドルフィンビーチなど美しいビーチを持つ穴場的なスポットです。

観光地化されていない事から自然そのものの島時間が流れ、都会の喧騒を離れ、ゆったりとした寛ぎの時間を過ごす事ができるとあって、近年注目度が上昇しつつあります。特に夕刻、ビーチから望む夕日は絶景です。

以上、広島から行きたいおすすめの離島16選をご紹介致しました。自然が生み出した絶景や歴史的に重要な役割を果たしてきた島、独特の文化を継承し、ゆったりとした「島時間」が流れる暮らしなど瀬戸内の島ならではの魅力に旅情が掻き立てられます。この記事が広島から離島巡りを満喫するきっかけになりましたら幸いです。