山口県萩市「笠山」は世界最小の火山!噴火口や椿群生林など見所満点!
山口県萩市にある世界最小の火山「笠山」には噴火口や椿群生林、明神池など見所が満載です。明神池は池なのに鯛やヒラメが泳ぐ不思議スポットです。山口県萩市は歴史ある町ですが、笠山のように自然に恵まれた街でもあります。笠山の魅力をご紹介します。
山口県萩市にある「笠山」
萩市、笠山山頂ナウ。 pic.twitter.com/zb9ZvM0tQD
— jyoumaru (@taiyounokaze) May 17, 2020
山口県萩市には「笠山」という世界的に見ても小さすぎる活火山があります。日本海に突出した島で玄武岩類からなる成層火山は60mの火山台地の上に噴火口があり、火山丘には小規模ながら完全な形の火口が残っています。
笠山は6万年前から21万年前に陸上で噴火した火山で、独特な自然環境のあるため周囲には溶岩のすき間から海水や風が出入りする池や風穴が多く存在し、暖・寒地性の植物も多く、コウライタチバナの自生地(国・市指定天然記念物)でもあります。今では整備されて誰でも気軽に登山もできます。
世界最小の火山は見所満載の不思議スポット!
山口県萩市にある世界最小の火山「笠山」には不思議スポットがたくさんあるのが特徴で、空中高く噴き上げられたマグマのしぶき(スコリア)が降り積もってできたスコリア丘でできていて、その姿が笠の形に似ているため、「笠山」と呼ばれるようになりました。
笠山には温暖な土地に自生するバクチノキ、タマシダなどがある反面、冷たい風穴の影響で寒地性のコタニワタリ、ホソイノデなども同時に自生する珍しい植物環境です。これは学術的にも希少価値があるとされています。
山口県「笠山」はどんな場所?
笠山は、北長門国定公園の中心に位置し、山頂に直径30m、深さ30mの小噴火口を持つ標高112mの世界的に見ても最小の火山です。眼下に広がる日本海に浮かぶ平らな島々は6万年前から21万年前に陸上で噴火した火山です。
これらは笠山と同じ「阿武火山群」という、萩市の北東部を中心に広がる50個近くある小さな火山の集まりに属しています。萩沖にはこうした小さな島々が点在していて、笠山はその中でも、安山岩でできた小さな溶岩台地が海に浮かぶ島として世界でもここでしか見ることができません。
スコリアが降り積もってできた
萩市沖に浮かぶ島々。これ全部火山島。
— かずあ (@KAZ_Aizawa) September 5, 2016
この周辺の海上・陸上に40個ほどの火山を形成した阿武火山群に属していて、多くは1回噴火して溶岩流して活動を終わる単成火山。
平べったい溶岩台地の上にスコリア丘を載せた笠山は8000年前に噴火。 pic.twitter.com/YzAo7L5dEy
笠山では流れ出した溶岩が固まった溶岩大地の上に、スコリアと呼ばれるマグマのしぶきからガスが抜けてできた穴の多い岩石が積み重なり、スコリア丘を作りました。笠山のスコリアは噴火した時に空中の酸素と結びつき、赤色になっています。
山頂にある噴火口には赤いスコリアが積み重なったスクリア丘の内部を見ることができます。こうした現象は世界でも数少ない物として注目されます。
現在は火山活動は止まっている?
現在、笠山の火山活動はどうなっているのでしょうか?2003年(平成15)年1月21日、火山噴火予知連絡会において国際標準に準拠して「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と定義しました。これにより笠山及び萩沖の島しょ部を含む「阿武火山群」は活火山であると定義されています。
暖地性植物が自生する
椿咲く春。( E-P5 M ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro ) 萩市笠山 椿群生林、今年も2/14から椿まつりが開催されます。写真は昨年初めて訪れ、撮ったものです。今年も平日狙って行こうかな。 pic.twitter.com/jvQR9qxSF1
— ぷいん (@puins) February 12, 2015
笠山は、日本では数少ない暖地性、寒地性植物が混在して自生する島として古くから知られています。山中は暖地性植物が自生する一方で、冷気が流れ出す「風穴」の影響で寒地性の植物も自生しています。暖地性と寒地性の植物が混生するのは非常に珍しく、学術上も高い価値があります。
気軽に登山することができる!
登山もできる笠山は山口県萩市にある標高 112m の火山で北長門海岸国定公園に指定されています。頂上には大きく深い火口があります。笠山には、誰でも気軽に登山ができるおすすめの登山道があり、笠山椿群生林を抜け約1.4kmの遊歩道を歩いて行きます。途中には夏みかん畑など萩らしい光景が続きます。
登山の途中に風穴と呼ばれる溶岩の透き間から、天然のクーラーと呼ばれる冷たい風が流れて来る場所があり、暑い夏には生き返るほどの涼しさを味わうことができます。この辺りは年間を通しておよそ13度の冷風が吹いています。登山の途中一息入れるのに絶好のスポットです。
日本の夕陽百選に選ばれた絶景名所
山口県萩市 笠山に到着。
— ASUPARA (@asuparider) January 13, 2019
笠山は世界一小さい火山だそうです🌋
小さな火口まで降りていけました。
展望台は眺めが素晴らしかった✨ pic.twitter.com/V5DOSuXf37
笠山は「日本の夕陽百選に選ばれた絶景名所」としても有名です。笠山から最西端にある虎ケ崎灯台まで続くやぶ椿の群生林、約2万5千本あるというその深緑色の葉の森がつやつやと夕陽に映えてまぶしく、初冬から早春は咲き乱れる椿の花を愛でるような柔らかい夕陽を見ることができます。
桜の名所としても有名!
@dstfmy 萩に来てるよ♪桜満開!風にハラハラ桜吹雪が超キレイ〜(*≧∀≦)
— だいくんママ (@dai1ib2hkr3mam) April 2, 2015
これは笠山山頂の桜 pic.twitter.com/OkNtE96nHI
萩市街地、日本海、萩六島などを一望できる火口が間近で見られる笠山山頂付近にある山道には、ソメイヨシノが咲き誇り、日本海を眺めながらの花見ができる絶景スポットになっています。また、登山道には八重桜が咲き乱れます。見頃は3月下旬から4月上旬となっています。
山口県「笠山」の見所ポイント
ゴツゴツした岩肌がむき出しの笠山は独特の風情が楽しめるスポットです。そして自然が体感できるので一年を通じて訪れることができます。たくさんある見所のポイントを解説します。
①噴火口
世界最小火山の笠山にもアースキャッシュができていたので寄ってみました。これ、噴火口ね。 pic.twitter.com/5umdpufr69
— つがたく (@tsugataku) March 24, 2018
笠山の山頂には直径30m、深さ30mの小さな噴火口があります。約1万年ほど前に噴火したとされていて、現在は遊歩道も整備されていて噴火口内まで降りることができます。噴火口には絶壁のように聳える溶岩を間近で見ることができて、火山活動の物凄さを感じることができる貴重な場所です。
②明神池
笠山の麓にある明神池は汽水湖です。
— nyaildtiger (@nyaildtiger) March 20, 2020
ボラや鯛、ちょっと分かりにくいけどエイも泳いでいて、餌やりできるんですが、掠め取ろうと鳶が群がってきます💦 pic.twitter.com/fhMjMH5a1w
「明神池」は笠山と本土との間に砂州ができて陸続きになった時、埋め残されてできた池で、大池、中の池、奥の池と世界的に見ても珍しい3部分からできていて、明神池は溶岩塊の隙間を通して外海とつながっており、外海の干満に応じて池の水も増減します。つまり明神池は淡水湖ではないのです。
そのため、池の中を覗いて見ると明神池には「マダイ」「ボラ」「イシダイ」「ヒラメ」「エイ」など海に生きる生物を見ることができます。明神池にいるこれらの生物は自然に繁殖したわけではなく、地元の漁師達が近くにある厳島神社に豊漁を祈願して奉納した魚が明神池で繁殖したものです。
明神池では観光の名物として、売店で販売している餌を購入して餌付けをすることもできます。明神池は天然の水族館でもあるのです。
③風穴
萩の避暑スポット笠山の風穴。
— のふ”ちゃん (@real_nagato) July 22, 2018
地下からの冷たい空気が出てきて20度ちょいくらいである。(体感
一応萩城の前通ったけど城の隣の海水浴場はごった返していた。 pic.twitter.com/XkrT9phvGQ
笠山の名所といえば、大小無数の風穴が有名です。風穴からは年間を通じて冷たい風が吹いているため寒地性の植物「ホソイノデ」などが自生しています。明神池・厳島神社の裏にある風穴は、夏でも12~13℃という涼しさで、天然クーラーとして気軽に楽しめます。
風穴の仕組みですが、冬は外より温かいので冷たい空気が流れ込み、夏は外のほうが温かいので、冬の間に貯められた冷たい風が外に向かって流れ出します。そのためほぼ一定の温度の風が吹いているのです。
④笠山椿群生林
わたし、萩の
— もちもちこ。 (@photo_mochiko) March 2, 2020
笠山椿群生林で写真撮るの夢なんです
いつか、誰かには撮ってもらいたいです……( ᵒ̴̶̷᷄௰ᵒ̴̶̷᷅ ) pic.twitter.com/a20sDxgNg4
笠山の北端にあたる虎ヶ崎には笠山椿群生林が広がります。約10haの広さに約25,000本のヤブツバキが自生していて、笠山椿群生林を形成しています。開花期間は12月上旬~3月下旬で、例年2月中旬~3月下旬頃に見ごろを迎えます。
笠山では例年見頃を迎える時期になると、恒例の「萩・椿まつり」が開催されます。笠山椿群生林内には遊歩道が整備されていて、地上約13mの展望台からは笠山椿群生林全体と日本海を見渡すことができます。
明治時代になると笠山の樹木の伐採や鳥獣の捕獲が解禁され大木は用材に、雑木類は薪炭用に伐採され面影がなくなったのですが、昭和40年以降整備が進んで、現在のような笠山椿群生林が生まれました。平成14 年8月1日には笠山椿群生林は市指定天然記念物に指定されました。
⑤厳島神社
今朝、萩市の厳島神社参拝しました。
— しまね☆もんちゃん (@starcross01) February 24, 2020
朝日を浴びて海の魚が沢山見えました✨ pic.twitter.com/sULs7vv6nv
萩市にある「厳島神社」は、安芸の宮島のある厳島神社とは深い縁があります。毛利元就の時代は中国地方一帯を治めていて、元就自身も安芸の宮島のある厳島神社を熱く信仰していました。その後、萩の2代藩主毛利綱広が元就が信仰していた厳島神社をこの地に勧請したのです。
⑥笠山展望台
萩市笠山展望台 高所恐怖症の私 足がすくんでおります pic.twitter.com/jhTFVCXXSt
— 蒼鬼王牙 (@sokiouga) September 19, 2019
笠山の麓にある明神池付近から笠山椿群生林、山頂へは「笠山自然研究路」があり散策やトレッキングコースに人気があります。笠山頂上公園にある展望台からは萩市街地や日本海に浮かぶ島々の美しい景色が楽しめます。
山口県「笠山」のアクセス方法や駐車場
絶景が楽しめる山口県萩市の笠山へのアクセス方法と駐車場情報についてまとめておきます。電車とバスを使いアクセスする方法と車でアクセスする方法がもっともポピュラーです。
アクセスや駐車場について
電車を利用する場合は、JR山陰本線東萩駅で下車してバスで20分、さらに徒歩20分かかります。車を利用する場合は、中国自動車道美祢東JCTから車で20分、小郡萩道路絵堂ICから車で20分、萩市街地からなら国道191号線から車で10分また県道294号線からも行くことができます。
駐車場ですが山頂に大型・中型バスを除き駐車できます。途中の道路幅が狭いため大型・中型バスでは山頂に行くことができません。
自転車で行くのもおすすめ!
JR東萩駅から明神池までは、自転車で約25分となっていますで、景色を楽しみながら自然探索がてらサイクリングをするのもおすすめです。山頂まで行くのは流石に厳しいので明神池の横にある駐輪スペースを利用しましょう。
JR東萩駅にある「萩ロイヤルインテリジェントホテル」1階にレンタサイクルショップがあるのでここで自転車を借りることができます。
笠山の基本情報
名称 | 笠山 |
住所 | 山口県萩市椿東越ヶ浜 |
電話番号 | 0838-25-3139 (萩市観光課) |
URL | 萩市観光協会公式サイト |
山口県「笠山」で噴火口を間近で見よう!
山口県萩市にある「笠山」は、山頂にある噴火口が間近で見ることができまる世界でも稀なスポットです。約1万年前の噴火の跡が残る貴重な山です。その他にも風穴・明神池・笠山椿群生林など笠山には見所がいっぱいあります。
山口県萩市に行く機会があれば、是非世界最小の火山「笠山」に立ち寄ってみて下さい。また、山頂からの絶景も素晴らしいです。