萩焼って何?特徴や作家、体験情報などを知りたいあなたへ!

古より日本では、各地にその土地に根付いた窯元がありました。中でも「萩焼」は屈指の有名な陶器。特に「枇杷釉」の萩焼は多くの人が見たことがあるのではないかと思います。今回は萩焼の特徴や作家、体験情報などをたっぷりお伝えします。

萩焼って何?特徴や作家、体験情報などを知りたいあなたへ!のイメージ

目次

  1. 1萩焼(はぎやき)の特徴
  2. 2萩焼の有名な作家・窯元
  3. 3かわいい!萩焼の茶碗・マグカップ
  4. 4萩焼を体験したいあなたへ
  5. 5萩焼会館を訪れて、萩焼に触れよう!
  6. 6萩焼をもっと知って楽しもう!

萩焼(はぎやき)の特徴

陶磁器の有名な萩焼の特徴は、素地(きじ)や釉薬の風合いがストレートに伝わるシンプルさと使い込んだ時に見られる変化があります。あの優しさ、柔らかさは焼き締まりの弱さから放たれるようです。まずは萩焼の素地やその特徴、歴史からご紹介いたします。

萩焼の素地

素地(きじ)とは陶磁器の場合、土を成型して焼成する前の状態を指すことが多い言葉です。萩焼では主に「大道土(だいどうつち)」「見島土(みしまつち)」「金峯土(みたけつち)」を調合して使います

特徴は大道土は鉄分の少ない白色粘土で、可塑性も高いので主要原土として用いられています。見島土は鉄分が多いため、素地や化粧掛け(成型後、別の土を掛けたり浸したり塗ったりすること)にも使われます。

金峯土は白色土でカオリン質(焼成温度を高める性質)。大道土に混ぜて耐火温度を高めます。そして、これらの土は焼き締まりが弱く保温性に優れているという特徴があるため、湯吞みやマグカップなどにしてゆっくりお茶を楽しむのに適しています

素地はこれらの特徴を踏まえ、作家さんのイメージに合わせて配合されます。

萩焼の歴史

萩焼の始まりは1604年です。萩へ本拠を移した後、萩城下の松本(現在の萩市椿東中の倉)に萩藩御用窯として開窯しました。この頃高麗茶碗が珍重されており、李朝から李勺光 (りしゃっこう) ・李敬 (りけい)兄弟ら陶芸作家が招かれ、中心的な役割を果たしました

江戸時代には李勺光の孫・山村光俊が深川(現在の長門市深川湯本)に御用窯を開き、半官半民として萩本藩以外とも広く交流を持ちます。松本の御用窯では1663年初代佐伯半六と初代三輪休雪が御雇細工人に任命され、様々な特徴の流派が生まれ発展を遂げました。

御用窯が民営化された明治時代、経営面では苦境にたたされたものの、明治政府主導の「内国勧業博覧会」で萩焼の陶工たちが受賞、名工として有名になり宮内省買い上げで窮地を脱します。が、長引く不況で生産性重視の商品を手掛けるようになっていきました。

大正時代には「1楽、2萩、3唐津」と言われるほど有名になり、再び伝統的な工法の茶陶生産が行われました。戦後の混乱期には生活雑器の生産が中心となりますが、技術の継承は続き今も引き継がれています。

萩焼の現在

技術の継承が続いた結果、2002年には伝統工芸品に指定されました。かつては茶陶中心でしたが、今はマグカップや茶碗など日常使いの多様性に富んだ作品も多く、有名な陶芸作家たちが技術の向上のため日々鍛錬しています。

萩焼会館などの施設もあり、観光客が気軽に萩焼に触れることができる環境も整っています(萩焼会館については後述)。

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萩焼の有名な作家・窯元

萩焼の歴史は御用窯を開いてからざっと400年以上。その間、多くの陶工たちが萩焼を支えてきました。その中でも特に有名な江戸時代から続く宗家の陶芸作家は人間国宝に認定されています

窯元とは

「窯元」には2つの意味があります。1つは陶磁器を焼いて作品を作るところ、もう1つは陶磁器を作る人のことです。萩市には約10軒の窯元があり、それぞれ個性豊かな萩焼の器やオブジェなどを作っています。

ここでは「有名な窯元」つまり特に評価の高い作品を残した(作った)方をご紹介します。

三輪壽雪(みわじゅせつ)氏

三輪壽雪氏は1910年、萩藩御用窯だった三輪窯の窯元に生まれました。三輪家では当主は代々「三輪休雪(きゅうせつ)」を襲名しており、三輪壽雪氏は10代三輪休雪の実弟で11代の三輪休雪でもあります

壽雪は中学校を卒業すると兄の休和氏(10代休雪)を支えながら技法を学び、その後、津市の川喜田半泥子(かわきたはんでいし)の下でひたすら陶芸に打ち込みました。

1967年兄の10代休雪が隠居後、11代休雪を襲名します。1976年紫綬褒章、1982年勲四等瑞宝章を受章した後、1983年に重要無形文化財「萩焼」保持者に認定(人間国宝)されました。2003年長男龍作氏に休雪を譲っても、創作への意欲は衰えませんでした。

萩焼の伝統を受け継ぎつつ独特の感性で新たな萩焼の魅力を展開します。特に純白の藁灰釉による有名な「休雪白」は豪快で大胆な作風が特徴的です。作陶では全ての工程を一人で行うことに最期までこだわり、晩年まで活動します。2012年102歳で死去しました。

三輪休和(みわきゅうわ)氏

三輪休和氏は1895年萩藩御用窯だった三輪窯の窯元の次男として生まれました。萩中学校に入学しましたが、祖父より「職人に学問は不要」と説得され中退、陶芸作家の道へ入門しました。1937年父から三輪窯を継承し10代休雪を襲名します

1956年県指定の無形文化財萩焼保持者に認定、1967年紫綬褒章受章しました。同年、実弟の壽雪氏に休雪を譲り隠居します。1970年には重要無形文化財「萩焼」保持者(人間国宝)に認定されました。弟の壽雪氏と兄弟揃っての人間国宝認定です。

その後も1972年萩名誉市民、1973年勲四等旭日小綬章を受章し、人間国宝に認定された1970年から毎年萩市に寄付金を贈っており、今でも「三輪休和芸術文化奨学金」として活用されています。

休和氏は高麗茶碗をベースに和の要素を取り込み、温和で温もりがある作風が特徴的な作家でしたが1981年86歳で死去しました。

坂高麗左衛門(さかこうらいざえもん)氏

坂高麗左衛門は萩焼創始当初、李朝より招かれた作家李敬 (りけい)を初代とする窯元で代々当主が襲名する名跡です三輪窯と共に萩焼の御用窯でした。それまでは順調に継承されてきましたが、12代の坂高麗左衛門は54歳だった2004年に死去すると暫く当主不在になります。

12代坂高麗左衛門は11代の息女と結婚し、その母と養子縁組を結び坂窯の窯元となり1984年から作家活動に入りました。ところが2004年に転落事故による脳挫傷で死去します。13代である義理の妹が襲名したのは2011年、7年後でした。

坂高麗左衛門を女性が名乗るのは13代が初めてのことでした。が、その13代も2014年肺炎のため62歳で亡くなってしまいます。それから現在(2022年)まで再び当主不在の状態ですが、今は13代の長男が陶芸作家として活動をしています

坂倉新兵衛(さかくらしんべえ)氏

坂倉新兵衛は萩焼創始にあたり、李朝より招かれた陶芸作家・李勺光 (りしゃっこう)の孫が、深川(現在の長門市深川湯本)に開いた坂倉新兵衛窯の当主の名跡で、現在(2022年)の窯元は15代坂倉新兵衛氏です。

坂倉窯の過去を紐解くと、12代坂倉新兵衛氏は萩焼の中興の祖と言われたほどの人物でした。藩の御用窯だった坂倉新兵衛窯は、廃藩後は衰退の一途をたどります。そんな中、12代坂倉新兵衛は10代三輪休雪と共に萩焼の振興に尽力しました。

また、萩焼の陶工の中でも屈指の名工としても有名です。1881年、11代坂倉新兵衛の長男として生まれ、16歳で12代坂倉新兵衛を襲名すると、1898年坂高麗左衛門の下で萩焼を学び、坂倉新兵衛窯を復興させました。

生産性を重視せざるを得ない苦しい状況下でも、表千家12代千宗左・13代千宗左や杉民治に茶道を学び、茶陶萩のイメージを確立します。1948年萩焼美術陶芸協会会長に就任、1957年無形文化財保持者認定、1960年79歳で死去しました。

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かわいい!萩焼の茶碗・マグカップ

萩焼はシンプルで絵付けがあまりないのが特徴ですが、土の配合や釉薬のかかり具合、刷毛目やヘラ目など同じものが2つとないところも魅力です。また、用途やデザインにも多様性が求められるようになり、日常使いのマグカップや小物などバラエティも豊富です。

柔らかい肌やほんのりとした色味など「かわいい」要素もたくさんあります。ここでは萩焼の特徴である「萩の七化け」や萩焼の茶碗やマグカップを入手できるところなど、さらに「かわいい」萩焼を身近に感じられる情報をお伝えします。

「萩の七化け」~色合いの変化を楽しむ

萩焼の土は焼き締まりが弱く、その粗さから浸透性や保温性に優れているのが特徴です。焼いた時の土と釉薬の収縮率の違いで、表面に細かなひび(貫入)が入ります。茶碗やマグカップに注いだ飲み物が少しずつ貫入に浸透していく様子を楽しむ、という文化があります。

飲み物の色などが少しずつ浸透していくことで、徐々に変化が現れることから有名な「萩の七化け」という言葉が生まれました。「萩の七化け」も萩焼の大きな特徴のひとつです。

萩焼の茶碗・マグカップはどこで手に入る?

地元の山口県や近県に住んでいるならともかく、遠いところにいる者にとってはお店に足を運ぶことが困難です。ここまで萩焼の魅力を知ったからには、何とか萩焼の茶碗やマグカップが欲しい!というあなたに朗報です。

オンラインで萩焼の茶碗やマグカップが買えます!

「萩焼屋」オンラインショップ

山口県宇部市に店舗を構える「萩焼屋」のオンラインショップでは、主に萩焼を中心に山口県の工芸品の販売をしており、取り扱う作品は主に作家さんがひとつひとつ丁寧に作り上げた1点物です。

そのため、同じ作家さんの器でも全く同じものが2つとありません。茶碗やマグカップなど各種食器から花器や香炉と種類も豊富で、贈答品向けに桐箱入りもあります。たくさんの有名な作家さんの作品があるので、好みの茶碗にきっと出会えるでしょう。

萩焼屋オンライン基本情報

名称 合同会社萩焼屋-HAGIYAKIYA LLC-
URL 萩焼屋オンライン
※購入には会員登録が必要です。

「たち吉」オンラインショップ

陶磁器で有名なたち吉のオンラインショップでも萩焼の茶碗の取り扱いがあります。萩焼の取り扱い数はそれほど多くはありませんが、他の有名な産地の茶碗やマグカップも眺めて楽しんだり買うにはぴったりと言えます。

また進物品には無料で包装・熨斗紙(表書き)のサービスや、海外への配送など「さすがたち吉」の特徴あるショップです。

たち吉オンラインショップ基本情報

名称 株式会社たち吉
URL たち吉オンラインショップ
※購入には会員登録が必要です。

「萩焼窯元泉流山」オンラインショップ

泉流山の窯始は江戸時代末期まで遡ります。財政難に苦しんでいた長州藩は商業用陶磁器の作陶を奨励していました。それにより、萩や周辺地域以外にも窯が開かれ泉流山もその頃築かれます。磁器の生産から始まり、萩焼の生産に転嫁したという変遷があります。

1915年(大正4年)泉流山の窯元に生まれた吉賀大眉は、当時の萩焼が工芸品や商業製品として扱われることに疑問を感じ、東京美術学校(現在の東京藝術大学)で彫刻を学んだり陶芸作家の下で学んだりしたのちに帰郷します。

その後は「伝統にとらわれない陶芸の美しさ」を追求し、精力的に作陶しました。日展では北斗賞・特選・文部大臣賞など受賞、晩年には代表作「暁雲シリーズ」を発表し高い評価を得ます。芸術会会員を務め、文化功労者にも選定されたり多大な功績を残した有名な人物

現在も大眉に学んだ多くの弟子が創作に励んでいます。また、泉流山オンラインショップでは日常使いできる湯吞みやマグカップなども取り揃えています。

萩焼窯元泉流山オンラインショップ基本情報

名称 萩焼窯元 泉流山
URL 萩焼窯元 泉流山オンラインショップ
※購入には会員登録が必要です。

萩焼を体験したいあなたへ

萩焼の茶碗やマグカップを買うのもいいけど、自作の茶碗やマグカップが欲しい!というあなたには、萩焼の体験がおすすめです。土を触っていると気持ちが落ち着いてきたり、ストレスが解消されたりといいことがたくさんあります。

自作の茶碗やマグカップは少々出来が悪くてもかわいいし、それで頂くごはんやお茶はこの上なく美味しいに違いありません。

萩焼はどのように作るの?

茶碗やマグカップの完成までにはどんな工程があるんでしょう。ここでは完成までの手順を簡単にご紹介します。

萩焼完成までの手順は1.原土作り、2.水こし、3.土踏み、4.土もみ、5.成形、6.陰干し、7.仕上げ(削り)、8.仕上げ(化粧掛け)、9.素焼き、10.施釉、11.窯詰め、12.焼成、13.窯出し、となります。詳細は下表にまとめました。

工程 内容
1.原土作り 大道土・見島土・金峯土を調合して原土を作る
2.水こし 1を乾燥させ粉砕、水槽で撹拌を繰り返し砂や小石を取り除いていき、最後に残った粘土状の土を乾燥させる
3.土踏み 水分が抜けたら土を踏み気泡を抜く
4.土もみ 手で土をこね整える(70~80回、方向を変えて70~80回)
5.成形 ろくろや手ひねり、型を使って成形
6.陰干し 2~3日陰干しして水分を抜く
7.仕上げ
(削り)
カンナで削り形を整える、必要に応じた高台の削り・刷毛目・花瓶の耳付けはこの工程で行う
8.仕上げ
(化粧掛け)
生乾きになったら白土を水で溶き作品にかけ色合いを調整
9.素焼き 再び乾燥させ700°~800°で15~16時間素焼き(場合によっては省略)
10.施釉 灰釉やワラ灰釉などをかける、または漬ける、釉薬は焼成でガラス質になる
11.窯詰め 天秤詰め(円形の板の上に複数の作品を重ねる)、棚積み、匣鉢積み(こうばちつみ・容器に入れたものを積み重ねる)
12.焼成 1250°~1300°で焼成、焼成時はつきっきりで炎の色を観察、「色見」で焼き上がりを確認
13.窯出し 火を落とし数日かけて温度を自然に下げる、冷やされたら取り出す

萩焼を体験できる場所

ここでは萩焼が体験できる施設(窯元)をご紹介しています。新型ウィルスの感染状況によって内容が変わる可能性がありますので、あらかじめ確認されることをおすすめします

萩焼会館

萩焼会館は有名な萩焼の総合施設です。気軽に使える茶碗やマグカップから個性的な焼き物、格式の高い茶道具など実に幅広い品ぞろえです。

また、有田焼の有名窯元とのコラボ作品など他にはないような特徴的な作品に出会えます。銘菓や特産品などもあり、体験とお土産の購入がここ萩焼会館で完結します

萩焼会館で体験できるのは手びねり、絵付け、電動ろくろです。手びねり体験は所要時間約1時間ほどで2,200円、絵付け体験は約30分ほどで1,320円~、電動ろくろ体験は約30分ほどで4,400円となっています。

どれも気軽に体験できるものばかりなので、1度試してはいかがでしょうか。萩焼会館で作品を眺めているだけでも楽しめますが、体験できたらさらに思い出深い旅行になりそうですね。また萩焼会館では団体も受入れOKです。詳細は後述しています

元萩窯(げんしゅうがま)

何とも風情ある佇まいの元萩窯は築100年以上の古民家を改築しています。こんな建物でお茶を一服いただいたらいい思い出になりそうですね。体験できるのは絵付けや電動ろくろでどちらも予約が必要です。もちろん、萩焼の茶碗も購入できます。

元萩窯萩焼体験基本情報

住所 山口県萩市川島14
0838-25-0842
営業時間 9:00~17:30
定休日 不定休
駐車場 普通車2台
藍場川観光駐車場(無料・普通車のみ)
料金 絵付け:2,000円~
電動ろくろ:2,000円~
(要予約/当日予約可)
URL 萩市観光協会公式サイト

千春楽城山(せんしゅんらくじょうざん)

千春楽城山窯は金子信彦氏の作品がずらりと並ぶ萩焼の窯元です。日展や日本陶芸展など、数々の権威ある賞を受賞している金子氏の作品を心ゆくまで堪能し、その上陶芸体験もできます。内容はろくろ体験、絵付け体験、手びねり体験です。

どれも1週間前までの予約をおすすめします。

千春楽城山萩焼体験基本情報

住所 山口県萩市堀内萩城跡(石彫公園前)
0838-25-1666
営業時間 8:00~17:00(受付時間16:00まで)
定休日 無休
駐車場 普通車20台 大型車8台
料金 絵付け体験:1,050円~(約30分)
手びねり体験:1,870円(約60分)
電動ろくろ:4,000円(約20分)
URL 千春楽城山 公式サイト

天龍窯(てんりゅうがま)

天龍窯は登り窯やろくろなどの伝統的な技術が受け継がれている一方で、コンピュータ制御や機械形成などの設備も整い、作品も伝統的なものから現代アートまで取り揃えています。その天龍窯では電動ろくろ体験ができます。

ギャラリーの中から自分の理想に近いものを選び、先生と相談しながら進めていけるので、納得のいく作品になりそうです。

天龍窯萩焼体験基本情報

住所 山口県萩市大字椿3162-4
0838-25-2649
営業時間 9:00~12:00
13:00~17:00(受付16:00まで)
定休日 年末年始
駐車場 5台
料金 ろくろ体験:3,300円~(約20分)
URL 天龍窯公式サイト
天龍窯オンラインストア

吉賀大眉記念館(よしがたいびきねんかん)

吉賀大眉は前述の通り文化功労者にも認定された萩焼最高峰の一人です。吉賀大眉の作品はもちろん、制作道具や原材料の展示もあります。体験できるのは手びねり体験、電動ろくろ体験、絵付け体験です。

こちらでは体験者の「体験」をできるだけ大切に、指導者はなるべく手を出さないようにしています。苦労してできあがった世界にひとつの器は愛着もひとしおです。そんな体験ができる吉賀大眉記念館でオリジナルの器を作ってみませんか?

吉賀大眉記念館萩焼体験基本情報

住所 山口県萩市大字椿東10426-1
0838-26-5180
営業時間 9:00~17:00
定休日 毎週水曜日
年末年始
駐車場 普通車20台
大型バス4台
料金 手びねり体験:2,500円(約60分)
電動ろくろ体験:
・1点/3,850円(約50分)
・2点/5,500円(約90分)
絵付け体験:1,400円~(約30分)
※別途要送料
URL 吉賀大眉記念館公式サイト

陶房大桂庵樋口窯(とうぼうたいけいあんひぐちがま)

樋口窯は萩焼伝統工芸士の樋口大桂の作品を取り扱う窯元です。ホームページを見ると思わず手に取ってみたくなるような、かわいい(失礼!)ものからこだわりがつまった作品まで取り揃えています。体験は4人までの受け入れで、一人一人じっくり指導してもらえます。

内容は手びねり、ろくろ、釉薬掛け、土もみなどです。また、タオルやエプロンの貸し出しもあり、まさに「手ぶらで来て体験できる」窯元です。

陶房大桂庵樋口窯萩焼体験基本情報

住所 山口県萩市椿東椎原1505-1
0838-22-1447
営業時間 9:30~16:30(時短あり)
定休日 毎週木曜日・ほか(臨時休業あり)
駐車場 店舗裏5台
店舗前2台
料金 【基本プラン】
ろくろ1時間コース:5,500円(約1時間)
ろくろ3時間コース:14,300円(約3時間)
手びねり1時間コース:5,500円
【オプションプランー釉薬指定】
①透青釉・白姫・鉄赤釉:+1個1,100円
②鉄青釉・御本手・白萩掛分け:+1個1,650円
【オプションプランー技体験(体験のみ)】
土もみ:+1,100円(約20分)
削り:+2,200円(約30分)
刷毛目:+1,100円(約10分)
釉薬掛け:+1,100円(約10分)
URL 陶房大桂庵樋口窯公式サイト

陶華山松尾藻風窯(とうかざんまつおそうふうがま)

陶華山松尾藻風窯は1937年開窯しました。初代藻風は佐賀県有田町に生まれ17歳で作家活動開始、その作品は東久邇宮殿下、高松宮殿下に献上されました。磁器で有名な有田焼との融合で萩では唯一、陶器と磁器を制作する窯としてオンリーワンの存在です。

陶華山窯独自の「萩むらさき」や女流作家による絵付けなど、伝統を重んじつつも縛られない作品などが特徴的です。ろくろ体験と絵付け体験ができます。

陶華山松尾藻風窯萩焼体験基本情報

住所 山口県萩市椿沖原414-19
0838-25-2136
営業時間 8:30~17:00
定休日 日祝
駐車場 普通車8台
大型車1台
料金 ろくろ体験:3,300円~(約20分)
絵付け体験:2,750円~(約30分)
※別途要送料
URL 陶華山松尾藻風窯公式サイト

緑栄窯(りょくえいがま)

緑栄窯の開窯は1974年と比較的新しい窯元です。現在は2代目・松野創平氏が代表兼窯主を務めています。窯主の松野創平氏は1978年生まれと若く、それだけに作品も瑞々しく、その感性が生かされています

第1回の萩市美術展をはじめ多くの受賞歴もあり、体験では優しい指導に定評があります。電動ろくろや手びねりが体験できるコースの中から、自分に合ったものが選べます。

緑栄窯萩焼体験基本情報

住所 山口県萩市椿2153-4
0838-25-2088
営業時間 9:00~18:00
定休日 不定休
駐車場 4台
料金 【特別コース】電動ろくろを全て自力で体験
電動ろくろ体験:5,500円(約30分)
【手びねりコース】いくつでもOK(別途料金)
手びねり体験:2,400円~(約1時間)
【電動ろくろコース】マンツーマン指導
電動ろくろ体験:3,000円(約10~15分)
【コンビコース】マンツーマンで電動ろくろ・手びねり・手ろくろを体験
電動ろくろ体験(マンツーマン)で1個+手びねり体験(粘土使い放題)で1個
合計2個の体験:4,850円(約1時間15分)
【ダブルコース】電動ろくろ体験
マンツーマンで電動ろくろ体験1個+自力で電動ろくろ体験1個
合計2個の体験:5,000円(約30分)
URL 緑栄窯公式サイト

小萩窯(こはぎがま)

小萩窯では伝統を大切にしながらも新しい技法を取り入れ、次々と常識を打ち破るような作品を発表しています。例えば、化粧土で花を表現したり、色の異なる粘土の積み重ねでマーブル模様を表現したりと、新たな風を吹き込んでいます。

小萩窯で体験できるのは電動ろくろです。大皿なら1枚、飯碗や湯呑などは2個となっています。要望はできるだけ応えてくださるとのことなので、事前に問い合わせておくといいかも知れません。

小萩窯萩焼体験基本情報

住所 山口県萩市椿東4321
0838-25-3393
営業時間 10:00~17:00
定休日 不定休
駐車場 普通車6台
料金 電動ろくろ体験:2,000円(約90分)
※要予約(団体10名まで)
URL 小萩窯公式サイト
小萩窯オンラインショップ

土和窯(つちわがま)

土和窯は1976年開窯のまだ新しい窯元です。作品は伝統的な茶陶から日常使いの食器、革新的なオブジェまであります。特に止原理美氏の動物モチーフや竹炭黒陶製品は話題性も抜群です。竹炭黒陶とは竹炭を粘土に混ぜて作った作品のことです

萩焼ではなかった技法で、焼き上がりも全く新しいものです。竹炭には消臭・浄化・調湿作用やマイナスイオン効果などがあると言われていますが、その竹炭を土に混ぜることで、お茶が美味しくなったり、花が長持ちするなどの効果が期待できるそうです。

土和窯萩焼体験基本情報

住所 山口県萩市山田4425
0838-22-0393
営業時間 9:30~17:00
定休日 日祝
駐車場 普通車4台
料金 絵付け体験:3,500円(約45分)
手びねり体験:5,000円(約60分)
ろくろ体験:5,000円(約60分)
URL 土和窯公式サイト

山水工房(さんすいこうぼう)

従来の窯元のイメージとちょっと違うログハウスにワクワク感が止まらない山水工房は、大きな登り窯で焼成された独特の風合いが魅力の作品がずらりと並びます。高温で焼き上げるので、萩焼のやさしさ柔らかさに加え焼き締まりがあって日常使いにもぴったりです。

宿泊もできるので(自炊)、日常の慌ただしさから離れたい時、ゆっくり焼き物を堪能したい時訪れたくなります。体験は絵付け、手びねり、電動ろくろがあり、他の施設よりじっくり取り組むことができますので、体験メインがおすすめです。

山水工房萩焼体験基本情報

住所 山口県萩市明木2473-24
0838-55-0812
営業時間 9:00~17:00
定休日 不定休
駐車場 普通車5台
料金 絵付け体験:5,000円(約240分)
手びねり体験:5,000円(約240分)
電動ろくろ体験:5,000円(約240分)
URL 萩焼窯元山水工房
萩市観光協会公式サイト

自分で作った萩焼を大事にしよう!

土そのままの風合いや、使うことで現れてくる変化を楽しむのが萩焼です。また焼き締まりが弱く、場合によっては水分が染み出てきたり、油分が多い場合はベタベタが残りやすかったりします。そこで、使う時・しまう時にひと手間が必要です

家に届いたらまずやっておきたいのは水でさっと流したあと、一晩水に浸すことです。煮沸の場合は急激な温度変化に弱いので、ゆっくり温度を上げていく方がヒビなどのリスクが低くなります。煮沸ではすぐに器を取り出さずに、一晩そのまま浸しておきます

一晩かけてゆっくり水分を吸収させたら取り出し乾燥させます。乾燥したことが確認できたら、高台がざらざらしていないか確認して片付けます。ざらざらが気になる時は、テーブルや他の器を傷つけないくらいまでサンドペーパーでお手入れしておくと安心です。

次に器を使う時には事前に半日ほど水に浸しておきます。料理の汁や油分を吸わないようにするためで、食事が済んだら早めに洗うことをおすすめします。このように水に浸して使う、洗って乾燥させて片付ける、が基本のお手入れです

においや汚れが気になったら漂白剤ではなく、煮沸で対応しましょう。大きなお鍋に器を入れ、全部浸るまで水かぬるま湯を張って火にかけます。急激に温度が上がらないように火力は少し落としておきましょう。

グラグラする直前で弱火にして10~20分。火を止めたら十分に冷めるまでそのままにしておきます。冷めたら取り出して乾燥させてください。

最近では水が漏れないような加工がされている器もありますが、自分で作った茶碗などが加工されていなければ上記のようなお手入れをすることで、いつまでも良い状態で使うことができます

せっかく頑張って作ったんですから、湯吞みであれマグカップであれ末永く愛用したいものです。

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萩焼会館を訪れて、萩焼に触れよう!

萩焼体験もできる萩焼会館は、お土産が購入できるし食事もできる、一石三鳥の施設です。萩を訪れたらぜひ萩焼会館へ足を運びましょう。

アクセス情報

萩焼会館はJR東萩駅から徒歩10分ほどのところにあります。国道191号線にも面していてアクセスも抜群です。東萩駅からバスに乗る場合は「萩循環まぁーるバス東回り」乗車「萩焼会館前」下車徒歩1分です。

萩焼会館には駐車場もありますので車でも便利です。中国自動車 美祢東JCTから小郡萩道路へ入ります。 絵堂ICから約30分です。

駐車場は?

萩焼会館の建物のすぐ前に普通車30台、大型バス15台駐車可能な駐車場があります。

萩焼会館の基本情報

※萩焼会館では絵付け、手びねりは約150名まで体験できますが、10名以上の団体は事前に予約が必要です。

住所 山口県萩市椿東新川東区3155
0838‐25-9545
営業時間 8:00~17:00
【萩焼体験】
・9:00~11:30
・13:30~15:30
定休日 無休
駐車場 普通車30台
大型バス15台
料金 【萩焼体験】
絵付け:1,320円~(約30分)
手びねり:2,200円(約60分)
電動ろくろ:4,400円(約30分)
URL 萩焼会館公式サイト

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萩焼をもっと知って楽しもう!

400年以上の歴史がある萩焼がここまで長く愛されてきたのにはちゃんと理由がありました。萩焼を愛した人々のDNAが受け継がれているからこそ、私たちの心をつかんで離さないのでしょう。

萩焼について、知れば知るほどそのやさしさや温かみを感じることができますね。難しいことは何もありません。もっと知ってもっと楽しむのみです。

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