呉市「音戸の瀬戸」は平清盛ゆかりの海峡!渡船で真下から音戸大橋を観光!
音戸の瀬戸は、呉屈指の観光スポットです。つつじと桜の名所として知られるだけでなく、展望台からの眺めが、平清盛の日招き伝説を起こした場所であるということもあり、歴史を感じられる場所として知られています。音戸の瀬戸の渡船と展望台からの眺めをぜひ一度体験して下さい。
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呉の観光スポット「音戸の瀬戸」
音戸の瀬戸を通過中。
— takaさん (@gegangenpoipoi) November 13, 2020
もうすぐ呉に着きます。 pic.twitter.com/kgtSU9Nnkx
広島県呉市の有名観光スポットである「音戸の瀬戸」をご存知でしょうか?歴史的な価値も高く、また景観が非常に美しいことから、年間を通して写真が趣味の人たちを中心に、多くの人がこの地を訪れています。ここでは、音戸の瀬戸にまつわる歴史やおすすめ観光スポット、アクセス方法などについてご紹介します。
平清盛が切り開いた海峡
のんびり船で松山へ🚢
— なっきー (@NatsukiH0629) January 22, 2019
瀬戸内航路はは陸路とは違った風情があって落ち着くわ☺️
写真は平清盛が切り開いた音戸の瀬戸。 pic.twitter.com/1ivjQeM2O7
音戸の瀬戸は、かつて大河ドラマの主人公にもなったことのある武将・平清盛と深いゆかりのある場所です。かつて、この海峡は現在と違って陸続きになっていたのを、平清盛が開削して現在の地形になった、と言われているのです。
現代科学の調査で、開削したという話自体が嘘なのではないという説もありますが、その真偽は未だ不明です。ただ、地元には平清盛に関するさまざまな逸話があり、古くは江戸時代からそういった話が広められているようです。
「音戸の瀬戸」の歴史や観光情報
ではまず、音戸の瀬戸にまつわる歴史と観光情報についてご紹介します。音戸の瀬戸が、平清盛によって開削された土地であるという話は先ほどお話ししましたが、そこに付随して多くの人たちに語られるある伝説があることをご存知でしょうか。また、現在の音戸の瀬戸という海峡に架かっている橋についても、少し触れていこうと思います。
平清盛の日招き伝説
平清盛が音戸の瀬戸の開削工事をしているとき、あと少しという所で日が沈んだため、清盛が扇を広げ「かえせ、もどせ」と叫ぶと日は再び昇り、工事は完成したという「日招き伝説」があり、かの昔からサマータイムは余暇を増やさず労働時間増を招くということが語られているのである。 pic.twitter.com/6vtB3nVdNp
— 風のハルキゲニア (@hkazano) August 16, 2018
音戸の瀬戸は、平清盛が開削する際にある一つの伝説を残しています。それが「清盛日招き伝説」と呼ばれるものです。当時、莫大な人員とお金を費やして開削工事を行っていたものの、あと少しというところで日が暮れてしまったそうです。
そこで平清盛は、岩の上に立って扇を空に掲げ、「かえせ、もどせ」と叫びました。すると、不思議なことに夕日が呼び戻され、無事に1日で開削工事が完了した、という伝説です。この音戸の瀬戸には、当時平清盛が日招き伝説の際に立ったと言われる岩も残されており、一つの観光スポットとなっています。
海峡には「音戸大橋」が架かる
音戸大橋付近を走るブルーリボン
— 音二郎 (@8264mt) January 30, 2020
このクルマは広電カラーになっていますが、元は呉市交通局所属でした。
2015年12月 pic.twitter.com/5vilwYRCDP
音戸の瀬戸には、「音戸大橋」という大きな橋が架かっています。1961年に完成した、全長172mにもなるらせん式の橋は、当時からずっと、島の人たちの重要な交通ルートとして親しまれてきました。また、2013年には音戸大橋のすぐ近くに「第二音戸大橋」という橋が開通しました。こちらは全長492mのアーチ橋です。
音戸大橋が赤い理由
ちなみに、音戸の瀬戸に架かる「音戸大橋」「第二音戸大橋」は、どちらもきれいな赤で塗られています。これにも実はきちんとした理由があることをご存知でしょうか。実はこの橋が赤いのは、音戸の瀬戸を開削した平清盛が建立した、厳島神社の色に合わせていると言われています。ここにも、平清盛との大きな繋がりがあったという訳です。
橋の撮影スポット「清盛塚」
音戸大橋は、その見事な景観を写真に収めようとする人たちが多く訪れる場所でもあるのですが、特におすすめしたい橋の撮影スポットが、呉市から音戸大橋を渡った先にある「清盛塚」です。清盛塚は、音戸大橋を降りたふもとにある場所で、平清盛が、この地の開削を無事に終わらせた功徳をたたえ、供養するために建立したと言われています。
観光におすすめ!「音戸渡船」
また、海峡付近の観光にぜひ一度乗ってもらいたいのが「音戸渡船(おんどとせん)」です。音戸渡船は、日本で最も短い定期航路として有名で、今でも地元の人たちの大切な交通ルートの一つとなっています。音戸渡船で使用される船は非常に小さく、すぐそばを大型船が通ったり、時にはうずしおができていて運行中止になったりすることも多く、スリルたっぷりの観光スポットとなっています。
音戸の瀬戸に訪れたら、まずは音戸渡船を利用して島に渡り、清盛塚で音戸大橋を撮影し、周辺を観光して、今度はバスで帰るというルートを通ります。往路も渡船を利用しても良いですが、桜やつつじの時期には音戸大橋のらせん道路に見事な花が咲き誇るので、ぜひバスでその道を通ってみてください。
名称 | 音戸渡船口 |
住所 | 広島県呉市警固屋8-7 |
TEL | 0823-25-3239 |
URL | 呉市公式サイト |
営業時間 | 5:30〜21:00 |
定休日 | なし |
駐車場 | なし ※音戸大橋もしくは音戸の瀬戸公園内の 無料駐車場を利用可能 |
アクセス | ・音戸の瀬戸方面「音戸渡船口」バス停を下車後、徒歩で約1分 ・クレアライン・呉ICより車で約30分 |
海峡横断証明書の発行が可能
なお、希望者にはこちらの音戸渡船を利用した証として、海峡横断証明書を発行してくれるそうです。観光の思い出の一つとして、音戸渡船を利用した人の多くがこの証明書を購入しています。渡船は大人の運賃が100円で、渡船での横断証明書が100円なので、合わせて200円で、渡船に乗った思い出の証を手に入れることができるという訳です。
景観抜群のスポット「音戸の瀬戸公園」
音戸渡船で短い海の旅を楽しんだら、今度はぜひ、山の上にある音戸の瀬戸公園にも訪れてみてください。音戸大橋からは歩いてすぐで、音戸渡船からも10分程度の道のりなので、音戸の瀬戸観光のついでに訪れるにはぴったりです。ここでは、音戸の瀬戸公園の見所についていくつかご紹介します。
音戸大橋との景色が抜群!
音戸大橋はつつじの季節 pic.twitter.com/JK3temLyok
— もっくん“Mascara・2・etto” (@reipapa) April 22, 2016
音戸の瀬戸公園の特徴は、なんと言っても景色の良さです。音戸大橋のすぐ上に位置している公園のため、音戸大橋と海、そして音戸と呉の街並みをしっかりと見渡すことができて、非常に爽快な気分を味わうことができます。
特に、音戸大橋に続くらせん道路の両脇に咲いているつつじは非常に美しく、つつじが見頃の時期になると、音戸の瀬戸公園には多くの人たちが、音戸大橋とつつじの共演を楽しみに訪れます。音戸大橋のつつじは、ピンクと白が入り混じるように植えられているため、そのコントラストも面白いですよ。
桜やつつじの名スポット
ツツジが有名でがんすが、桜の時期の音戸大橋もなかなかやるのである pic.twitter.com/Su4BloDAYZ
— もっくん“Mascara・2・etto” (@reipapa) April 9, 2017
また、音戸大橋だけでなく、音戸の瀬戸公園も桜とつつじが非常に美しく咲き誇るスポットとして有名です。4月の桜、5月のつつじと、春先には音戸大橋だけでなく、桜やつつじなどの花が行き交う人たちの目を楽しませてくれます。
桜やつつじが咲く時期になると、音戸は特に観光客の数も多くなり、またカメラを片手に訪れる地元の人たちも多く訪れるため、よりいっそう活気づいた様子を楽しむことができます。音戸の瀬戸観光は、断然この時期がおすすめですよ。
吉川英治の文学碑が建立
吉川英治文学碑 pic.twitter.com/CNPSJTR6u9
— るーでる (@yyuuzzzz) August 31, 2016
音戸の瀬戸公園には、あの有名な小説家・吉川英治の文学碑も建立されています。吉川英治は、1950年の12月に音戸を訪れ、「新平家物語」という小説のための取材をしていました。その際、吉川英治が「君よ今昔の感如何」という感懐を残したことは非常に有名で、その言葉が文学碑には刻まれています。
この文学碑はちょうど富士山のような形をしているのですが、隣には実は丸い石が並べられています。こちらの丸い石は平清盛に準えたもので、ふたつの石がちょうど音戸の瀬戸を見下ろすような形で建てられているのです。
葛原繁氏の歌碑も!
また、呉市出身の歌人である葛原繁の歌碑も、同じくこちらの音戸の瀬戸公園内に建てられています。北原白秋に師事し、歌人としてだけでなく、実業家として株式会社日新の取締役にもなったという人なのですが、歌人として故郷である呉の様子を歌った歌が、こちらの公園に残されていますので、合わせてぜひそちらも見てみてください。
高烏台(展望台)にも平清盛像が!
平清盛像@高烏台
— YGGR (@YGGR_DR) September 8, 2015
この人は日本の歴史で唯一、国の代表を変えてしまおうとした人だと思うのでもう少し力強い像でいい気もする。 pic.twitter.com/r79CHVE8Ek
実は、先ほどご紹介した平清盛の日招き伝説で、平清盛が夕日を仰ぎ戻した場所というのが、この音戸の瀬戸公園だというのは、地元ではかなり有名な話なんだそうです。音戸の瀬戸公園には、その伝説になぞらえて平清盛像が建っているのですが、この像から少し下った展望台に「日招き岩」と呼ばれる岩があります。
展望台にあるこの岩の上で平清盛が夕日を仰ぎ戻したという証拠として、三つの窪みが残されています。展望台は、夕日が非常にきれいに見える場所で、当時の平清盛の様子に思いを馳せることができますよ。展望台というだけあって眺めが抜群なので、記念写真撮影にもぴったりです。
日招き岩の平の清盛の足跡は必見
先ほどご紹介した日招き岩の窪みというのは、この地では「平清盛の足跡」であると言われています。二つ並んでいる窪みが清盛の右足と左足で、少し離れた場所にある窪みが、当時平清盛がついていた杖の跡である、と解説されています。
夕日を仰ぎ戻した際に、ぐっと足を踏みしめたことでこの跡がついたと言われており、もしそれが事実であれば、非常に強い力が加わったということでもあります。確かに、太陽を仰ぎ戻すには相当の力が必要になるはずなので、これだけの窪みになったとしても不思議ではありません。
音戸の瀬戸公園の基本情報
「おんど観光文化会館うずしお」で休憩&お土産
海峡を渡船で渡って、音戸の瀬戸公園の展望台から平清盛が眺めた景色を楽しんだあとは、「おんど観光文化会館うずしお」でゆっくりと食事を楽しみ、お土産を選んでみるというのはどうでしょうか。こちらの会館では、音戸の名産品や呉の名物などが取り揃えられていて、食事をするにもお土産を選ぶにもぴったりです。
おんど観光文化会館うずしおは、4つのフロアに分かれていて、それぞれ趣の違った楽しみ方ができます。ここでは、各フロアの様子についてご紹介します。
歴史を学ぶ「海とまつりのミュージアム」
こちらの2階には、「海とまつりのミュージアム」と題して、音戸の歴史が学べるフロアとなっています。5年に一度行われるという「清盛際」の様子や、音戸でよく歌われている「音戸の舟唄」、海峡を実際に渡っている船の様子などが人形になって展示されていて、小さい子でも楽しみながら音戸の歴史を学べるようになっています。
キャナルテラスで記念撮影を!
2階にはさらに、「キャナルテラス」と呼ばれているテラスがあります。海峡と音戸大橋を間近にみながら、非常に気持ちの良い場所で記念撮影をすることができるようになっています。展望台と違って、こちらのテラスでは音戸大橋を見上げるような形で眺めることができるので、展望台とはまた違った角度で音戸の瀬戸を楽しむことができます。
また、こちらには平清盛像のレプリカも置かれていて、気持ち良い場所でもあります。記念撮影はもちろん、音戸の瀬戸海峡を眺めながらちょっと休憩をするというのにもぴったりです。
音戸のお土産処「特産品いいもんプラザ」
清盛塚にある「音戸観光文化会館 うずしお」の前を通過。 (バスでしたので建物全体が撮れませんでした。) pic.twitter.com/3g3pu6A0PX
— #Kuribo (@TakaKuribo) November 18, 2017
次に1階ですが、こちらには大きくお土産屋さんが配置されています。「特産品いいものプラザ」という店名の通り、地元の特産品が多く取り寄せられ、誰でも気軽に手に取ることができるようになっています。特に、地元でも人気の商品や、いいものプラザだけでしか取り扱われていない限定商品もありますので、音戸観光に訪れたのであればこちらのお土産屋さんは必見です。
海cafeで休憩を!
また、こちらのフロアには「特産品いいものプラザ」の他にも、「海cafe」というカフェが併設されています。海cafeでは、 コーヒーや紅茶、ケーキセットなどが用意されていて、さらに海に面した大きな窓があるので、外の景色を眺めながらのんびりとした時間を過ごすことができるようになっています。
また、夏になればスイーツメニューとしてソフトクリームが用意され、また冬の時期には体を温めるコーンスープがメニューに加わります。
海を眺めながら食事も可能!
呉カレー史上最高の景色(自分比)であいしまカレー🍛 (@ おんど観光文化会館うずしお in 呉市, 広島県) https://t.co/UQbMupOGaY pic.twitter.com/IMEUjASIdW
— ほむ (@homu_tann) March 4, 2018
最後に、4階は本格的に食事を楽しめるフロアとなっています。テーブル席に座席、また個室もたっぷりと用意されていて、地元食材をふんだんに利用した海鮮料理が楽しめます。店内は、海に面する壁が一面ガラス貼りになっているため、昼間は特に店内が明るく、開放的な雰囲気を味わいながら食事をとることができます。
漁師料理 かつら亭 音戸店の基本情報
名称 | 漁師料理 かつら亭 音戸店 |
住所 | 広島県呉市音戸町鰯浜1-2-3 |
TEL | 0823-51-4007 |
URL | 公式サイト |
営業時間 | 昼 11:00〜15:00 夜 17:00〜21:00 |
定休日 | 不定休 |
駐車場 | あり |
アクセス | ・JR呉駅より車で約20分 ・「清盛塚」バス停で下車後、徒歩で約1分 |
おんど観光文化会館うずしおの基本情報
名称 | おんど観光文化会館うずしお |
住所 | 広島県呉市音戸町鰯浜1-2-3 |
TEL | 0823-50-0321 |
URL | 公式サイト |
営業時間 | 9:30〜17:00 (4階・かつら亭のみ21:00まで営業) |
定休日 | なし |
駐車場 | あり |
アクセス | ・JR呉駅より車で約20分 ・「清盛塚」バス停で下車後、徒歩で約1分 |
「音戸の瀬戸」へのアクセス&駐車場情報
最後に、音戸の瀬戸へのアクセスと駐車場の情報についてご紹介します。音戸の瀬戸は、呉市内の中でも、中心となる呉駅からは少し離れてしまっているため、アクセスがちょっと複雑です。特に、地元以外の人間が音戸の瀬戸を訪れるのであれば、車よりもバスで行くのがおすすめです。
アクセス情報
呉駅から音戸の瀬戸に向かう場合、先ほども行った通りバスで行くのがおすすめです。呉駅のバスターミナルから、宮原線の音戸の瀬戸行きに乗り、「音戸大橋上」もしくは「音戸の瀬戸」バス停で降りて、徒歩1分程度で音戸大橋に辿り着くことができます。
車で向かう場合は、呉駅バスターミナルから右手方向に向かい、めがね橋交差点をさらに右折して国道487号線をまっすぐ進んでいくと、音戸大橋に着くことができます。国道487号線は、かなり曲がりくねっていてわかりづらいですが、基本的にまっすぐ進んでいけば問題ありませんので、脇道にそれないよう注意してください。
駐車場は?
ちなみに、音戸大橋を渡る直前に無料で利用可能な駐車場がありますので、音戸大橋を間近で眺めたい、音戸渡船に乗ってみたいという方は、こちらを利用するのがおすすめです。また、音戸の瀬戸公園にも無料駐車場はありますので、万が一音戸大橋直前の駐車場が満車の場合は、そちらを利用してください。
音戸の瀬戸の基本情報
平清盛の伝説が残る場所「音戸の瀬戸」へ!
音戸の瀬戸こえたー pic.twitter.com/dZ1Q5OX6m4
— N4K1 (@ZyemZyemuzugan) November 21, 2020
いかがだったでしょうか。音戸の瀬戸が、歴史を感じることのできる非常に魅力的な観光スポットであるということがおわかりいただけたでしょうか。つつじや桜の名所でもあり、春になると観光客だけでなく多くの地元民が、こちらの花景色を見に訪れています。
音戸の瀬戸に訪れることがあれば、ぜひ音戸の瀬戸公園にある展望台からの景色を眺め、平清盛が当時眺めていたとされる景色を楽しんでください。特に展望台から見ることのできる夕日は、一見の価値がありますよ。