銀山温泉は千と千尋の神隠しの聖地！？SNSで話題の旅館を紹介！

銀山温泉とは、山形県の東部、宮城県との県境にほど近い場所にあります。船形連峰御所山の地域内にある銀山温泉は、大正ロマン漂う街並みですが、緑が豊かで森林に囲まれた風景はとても長閑で美しい場所です。国内の有名な温泉地として上位に名前が挙がる銀山温泉ですが、どんな場所なのでしょうか。今回は銀山温泉の詳細を紹介します。

銀山温泉はレトロでシックな木造建築の旅館が並び、その後ろには豊かな緑が背景として視界を彩ります。朝と夜、そして春夏秋冬、どの時間に見ても、どの時期に来ても違う表情を見せてくれる街並みは、写真映えのする場所としても人気が高く、特に冬の夜は積もった雪が幻想的で、それを目的とした宿泊客が増加します。

銀山温泉には一級河川の銀山川が流れており、銀山川を挟むようにして旅館が立ち並ぶ光景を見たことがある人も多いのではないでしょうか。川があることで時間がゆっくりと流れている感覚になり、より自然を感じることもできます。

銀山温泉とは、そもそもどんな歴史を持った場所なのでしょうか。歴史的な場所なので、銀山温泉をモデルや舞台とした作品も多く存在します。過去放送されたテレビドラマの最高視聴率記録を保持している、連続テレビ小説「おしん」も銀山温泉を舞台にしている作品です。若い世代も名前だけなら聞いたことがある人も多いのでは無いでしょうか。

その幻想的な雰囲気から、ドラマやアニメの舞台になっているとされることも多く、ジブリ作品や、最近では鬼滅の刃などもその噂の一つとして挙げられています。

元々銀山温泉は500年以上もの歴史を持つ温泉地で、源泉が人に発見されたのは420年ほど前の1600年頃とされています。銀山温泉の名前の由来になっている銀山は、元々銀の採掘場となっていた鉱山で、当時の銀山温泉は鉱夫が利用していたとされています。

発見されると同時に鉱夫が仕事の疲れを癒しに訪れていましたが、鉱山が閉山したことで鉱夫の利用者は減り、湯治に訪れる人たちが増えたことで少しずつ温泉街として姿を変えていきます。

そんな中、銀山温泉に大きな転機が訪れたのは昭和時代でした。元々は大正2年に起こった大洪水が原因で、銀山温泉は壊滅状態に陥る程の被害を受けていました。一番の売りである温泉の湧出量は減少、街も壊滅となると衰退するしかありません。

ですが13年という短くも長い年月が経ち、時代が昭和に入って早々に良い方向へと転機が訪れます。湧出量が減った温泉とは別に、新たな源泉が見つかったことで飛躍的に復興が始まり、銀山温泉は温泉地として復活を遂げました。

昭和レトロや和モダンという言葉が似合う街並みは、銀山温泉ならではの景色です。災害によって建物が破壊されて再建した大正後期から昭和初期は、世間的に西洋文化を取り入れている真っ最中だったので、銀山温泉もそういった傾向を取り入れて多層木造に立て替えていったと考えられます。

そんな銀山温泉の景色を守っていこうと、昭和時代の末には「銀山温泉家並保存条例」が制定され、細かい規定を設けているので景観が崩される心配はありません。。和洋折衷でありながら、外装に鏝絵（こてえ）を残して歴史も感じられる街並みは、どれほどの年月が経っても多くの人に愛され続けています。

そんな情緒あふれる銀山温泉は、ジブリ映画で宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」のモデルになっているのではないかと話題になっています。国内だけでなく、海外からも評価が高い千と千尋の神隠しですが、なぜ似ていると言われるようになったのか、実際はどうなのかという点を説明します。

「千と千尋の神隠し」とは、ジブリ作品の中でも世界的に大ヒットした作品で、宮崎駿監督の代表作としても名前が挙がります。千と千尋の神隠しに対する海外の評価は、日本独自の価値観と映像技術が好評で、アカデミー長編アニメ映画賞も受賞しており、千と千尋の神隠しは宮崎駿の名を世界的に広めたきっかけの作品でもあります。

千と千尋の神隠しは日本でも根強い人気を誇り、地上波テレビでも1〜2年に一度で放送され、毎回15%以上の高視聴率を記録し、初回に至っては46.9%という異例の記録を残しており、金曜ロードショーでは20年近く千と千尋の神隠しの視聴率を超えていません。

宮崎駿監督作品は他にもトトロやナウシカなども高視聴率ですが、その中でも千と千尋の神隠しは圧倒的な人気があることが伺えます。千と千尋の神隠しの内容に少し触れると、引っ越しをすることになった千尋と両親ですが、引っ越し先に向かう途中に道に迷いこみ、車が通れない程の「トンネル」に辿り着きます。

誘われるようにトンネルの中に行く両親の後ろを、不安を隠せない千尋が付いていき、やがて不思議な町へと辿り着きますが、空腹だった両親は町の店に置いていた、神々にささげる筈の食べ物を勝手に食べて豚にされてしまいます。

そんな両親を助けるため油屋を営む湯婆婆の元で働くことになりますが、名前を取られたり、人間が忌み嫌われる世界のため邪魔者扱いされるなどして不遇の扱いを受けます。

先輩のリンやハクの助けを受けながら困難に立ち向かうその姿に仲間も増え、彼女の行いで両親や自身だけでなく多くの人を助け、影響をもたらします。

成長する千の姿に、国境を超えた多くの人から絶賛され、千と千尋の神隠しは2024年にロンドンでの舞台公演も決定しています。演出は、宮崎駿監督やスタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫氏が信頼を置いているジョン・ケアード氏で、「ハムレット」や「レ・ミゼラブル」などを手がける演出家です。

スタジオジブリと宮崎駿監督の色がたっぷりと反映された千と千尋の神隠しは、不朽の名作として現在でも多くの人に愛され続けています。
 

そんな千と千尋の神隠しに出てくるいくつかのシーンが、銀山温泉の旅館にそっくりだとSNSに投稿されています。銀山温泉内で千と千尋の神隠しの舞台と噂される旅館は2つあり、どちらも作品の雰囲気を醸し出しています。

千と千尋の神隠しの舞台とされる場所はいくつかありますが、銀山温泉にも多くの写真に共感の声が集められています。詳細については後ほど詳しく紹介するので、そちらも併せてご覧ください。

銀山温泉が千と千尋の神隠しのモデルという説は、あくまでも噂の範疇を超えません。宮崎駿監督やジブリ関係者が公言している千と千尋のモデル地は、東京の「江戸東京たてもの園」や愛媛の「道後温泉」など、いくつかの場所が挙げられていますが、宮崎駿監督含むジブリ関係者の発言で銀山温泉についての名言はありません。

ただ、千と千尋の神隠しのモデルと言われてもおかしく無いほど、作品の世界観とマッチしている町であり、もしかすると宮崎駿監督やジブリ関係者が公言していないだけで、参考にしている可能性も無いとは言えないという状況です。

ここからは、千と千尋の神隠しのモデルとされる旅館を紹介します。最初に紹介するのは「能登屋旅館（のとや-りょかん）」です。旅館が立ち並ぶ銀山温泉内で、特に千と千尋の神隠しに似ていると言われている宿で、予約が取りづらい宿としても知られています。

能登屋旅館は明治25年に創業した、130年以上の歴史を持つ老舗旅館です。平成9年には国指定登録有形文化財に指定され、歴史や芸術などの観点から価値の高いものとして国に認められています。

能登屋旅館の前には赤い橋が架かっており、先に進むと古き良き旅館の姿が聳え立ちます。館内でもインテリアや内装から大正ロマンを感じながらも、空調などの設備は整っており、快適に過ごすことのできる宿です。

能登屋旅館といえば「洞窟風呂」が有名な宿です。能登屋旅館の入口を抜けてロビーへ進むと、その横には洞窟風呂への入口があり、場所自体は小さなスペースですが洞窟の温泉ということで人気を博しています。但し、洞窟風呂は貸切のため、タイミング次第では入ることが難しいかもしれません。

また、能登屋旅館の近くには足湯があり、そちらも人気の高いスポットです。10人程が並べる空間になっていて、温泉や旅館と違って気兼ねなく立ち寄れる点がメリットです。

能登屋旅館が千と千尋の神隠しのモデルなっているという噂の所以は、能登屋旅館の正面にある橋にあります。朱色の橋と奥にある能登屋旅館の姿が、千と千尋の神隠しに出てくる油屋の姿と重なります。

宮崎駿監督やジブリ関係者からの公言はありませんが、モデルになっていると噂されてもおかしくないほど、その光景は異次元で幻想的な世界です。

もう一つ、千と千尋の神隠しのモデルとされている温泉は「古勢起屋別館（こせきや-べっかん）」です。古勢起屋別館は銀山温泉の中でも知名度が高く、3本の指に入る程名前が挙がります。

古勢起屋別館とは、客室が全て川側なのでどの部屋に宿泊しても銀山温泉の魅力を最大限に味わえます。半露天の寝湯が付いている贅沢な部屋もあれば、誰でも泊まりやすい標準的な部屋もあり、様々な用途で利用できます。

食事にも力を入れており、地元山形県産の食材を使用する地産地消を取り入れており、季節によって旬の食材を活かす献立を考えています。宿泊客からは、宿の雰囲気だけでなく、食事の美味しさにも定評があり、人気の高い宿です。

古勢起屋別館も、やはり銀山温泉を活かした温泉が売りです。他の旅館より目立つのは古勢起屋別館独自の名称で、「ほっこりのちか湯」と「ぬっくりの金太郎湯」という名前の2つの内湯があり、どちらも内装がガラッと違っています。

「ほっこりのちか湯」は、窓が色鮮やかなステンドグラスで、太陽が昇っている内に入ると、キラキラと反射してとても美しいです。「ぬっくりの金太郎湯」は、落ち着いた色使いで丸みが目立つため、視界的にもゆっくりとした気分で楽しめます。

古勢起屋別館がモデルと噂される所以として、油屋を彷彿とさせるその風貌にあります。銀山温泉は全体的に油屋に似た雰囲気の町ですが、古勢起屋別館はその中心地にあることで目に付きやすいこともあり、千と千尋の神隠しの油屋に似ていると言われているようです。

また、古勢起屋別館はその名の通り別館であり、近くには本館の「本館古勢起屋」もあります。長年、老朽化のため休館していましたが、2022年に改修工事を終えて復活しました。古勢起屋別館同様、本館古勢起屋も千と千尋の神隠しを彷彿とさせる外観をしているので、機会があればそちらもご利用ください。

銀山温泉では、千と千尋の神隠しの世界に入り込んだような気持ちを味合わせてくれます。宮崎駿監督が作るスタジオジブリの世界観を、自身の肌で感じてみるのはいかがでしょうか。

他にも、一部ではアニメの聖地とも言われているほど、多くの作品のモデルになっていると噂されている温泉地です。能登屋旅館や古勢起屋別館だけでなく、町全体が二次元のような空間なので、ぜひその世界観を楽しんでください。