噴火で地面に埋もれた?「黒神埋没鳥居」は桜島の噴火の威力を体感!
「黒神埋没鳥居」は桜島にある腹五社神社の鳥居です。ほとんとが地面に埋もれたその姿から、桜島の噴火の脅威を感じ取ることができます。「黒神埋没鳥居」はなぜ地に埋もれた状態になっているのでしょうか。心霊スポットとも噂のあるこの鳥居について解説していきたいと思います。
「黒神埋没鳥居」とは
「黒神埋没鳥居」とは鹿児島桜島の東側にある鳥居です。その姿はいつも皆さんが下から見上げるはずの笠木の部分が目の前に来る程、本体のほとんどが地面に埋もれています。一体なぜこのような状態で立っているのでしょうか。その歴史について説明していきます。
鹿児島市にある神社の鳥居
「黒神埋没鳥居」はもともとは腹五社神社(はらごしゃじんしゃ・黒神神社)という神社のごく普通の鳥居でした。大正時代に起こった大噴火が原因で今のような地に埋もれた状態になりました。
火山灰で半分以上埋もれている
「黒神埋没鳥居」は火山灰で半分以上が埋もれています。「黒神埋没鳥居」もともとは高さ3mもありましたが、今はそのほとんどが足元に埋もれて今では笠木だけが残っている状態です。
「黒神埋没鳥居」の概要
「黒神埋没鳥居」がなぜ地面に埋もれたままで残されているのか。大正の大噴火の様子とその後のことについてお話します。
大正3年に桜島が大噴火
「黒神埋没鳥居」が今のような姿になったのは大正3年の事でした。大正3年1月12日午前10時頃、桜島が大噴火を起こし、1時間もしないうちに鹿児島市内に灰が降り始めます。そして1時間後には桜島全島が黒煙に包まれました。
桜島はこの噴火までは完全に独立した島でしたが、錦江湾に流れ出た溶岩が冷えて固まり、桜島と大隅半島をの間の海峡を埋め尽くして桜島が陸続きになるほどでした。1か月にわたって30億トンもの溶岩が流れ出たのです。
腹五社神社の鳥居が火山灰で埋もれる
凄まじい噴火による大量の火山灰により腹五社神社の鳥居が火山灰で埋もれます。現在の鳥居の状態から2m以上の火山灰がこの地に降り注いだことが分かります。
1日で笠木の約60cmまで埋没
この火山灰は1日で腹五社神社の鳥居の笠木を60㎝残すだけとなりました。この時の噴煙は上空8,000㎞にも達し、遠くカムチャッカ半島にまで灰が届いたといいます。この大正の桜島大噴火は死者35人,行方不明23人を出す出来事となりました。
噴火の脅威を後世に伝えようとそののまま残す
大正噴火の際に一日で火山灰に埋まった黒神埋没鳥居 pic.twitter.com/kLzXjp1bCq
— yuki (@15yukit) October 1, 2017
「黒神埋没鳥居」は噴火の脅威を後世に伝えようと、埋没した状態のまま残されることとなりました。突然の大噴火、大量の溶岩により、腹五社神社とともに、この地にあった687戸の家々も溶岩と火山灰の中に埋もれてしまったのです。
昭和38年には県の天然記念物に指定
黒神埋没鳥居、当時の被害の甚大さを感じます。
— 杉山彰男 (@QTVU1CRE9aEzyVI) September 6, 2019
少し晴れてきて暑い! pic.twitter.com/hzU9AXBYwB
「黒神埋没鳥居」は大正の大噴火の凄まじさを思い起こさせるものとものとして、昭和38年4月28日に県の天然記念物に指定されました。
時は流れこの大惨事を目の当たりした人々はもう生き残ってはいないでしょう。しかし、桜島は今も活動を続けており、いつまた大噴火を起こすかわかりません。この恐怖を風化させないためにも、桜島では今日大噴火が起こったこの日に船舶を使った大規模な避難訓練が行われています。
「黒神埋没鳥居」の詳細情報
黒神埋没鳥居にて#桜島 pic.twitter.com/bZGCnbOJVz
— 白猫白乃 (@v8fJhSyWp7uqY7U) July 28, 2019
最後に「黒神埋没鳥居」の詳細情報についてご案内します。「黒神埋没鳥居」周辺はパワースポットである反面、心霊スポットとしての情報もあります。
鳥居の奥には社殿があり参拝できる
『腹五社神社』桜島
— KJ (@cool_japan1016) November 21, 2017
地面は全部火山灰です。コンクリ打ち放しの社殿が火山の島らしい。 pic.twitter.com/tISMeJ4aIx
「黒神埋没鳥居」の奥には社殿があり、参拝できるようになっています。社殿は石造りの強固なつくりになっており、万が一の噴火に備えられています。近くには駐車場があり、ここにも噴火の際に避難できる桜島でしか見られない避難郷が備えられています。
また、鳥居のすぐ脇には出入り自由の小屋が設置されており、桜島大噴火の際の資料などが展示されています。
鳥居の横には生き残ったアコウの老樹がある
高さ3mの鳥居が105年前の桜島の噴火で降ってきた噴石や火山灰が約2m積もったのが今いる場所。その脇でアコウの樹もその時の噴火に耐え生命力の強さを見せつけてくれるパワースポット#かぶりもの犬 #まんぺい #鹿児島 #桜島 #黒神埋没鳥居 #パワースポット pic.twitter.com/NnERSJRr2H
— かぶりもの犬@まんぺい (@manpei_papa) April 16, 2018
「黒神埋没鳥居」の横には奇跡的に生き残ったアコウの木がその姿を見守っています。大噴火でも耐え抜いたのですから凄いですよね。アコウの老樹がある黒神埋没鳥居と腹五社神社は鹿児島県のパワースポットともなっています。
心霊スポットとしても知られる
「黒神埋没鳥居」の辺りは心霊スポットとしても有名です。夜間にこの辺りで工場関係者の方が仕事をしているとプレハブを叩く音や白い影が横切ったのを目撃したり、崖の上を子供が走り回っていたのを見たなどの情報があげれらています。
「黒神埋没鳥居」の基本情報
名称 | 黒神埋没鳥居 |
住所 | 鹿児島県鹿児島市黒神町647(黒神中学校横) |
アクセス | 桜島の港より車で約30分 |
TEL | 099-298-5111(観光交流センター) |
駐車場 | あり |
公式HP | https://www.kagoshima-yokanavi.jp/spot/10024 |
「黒神埋没鳥居」に行こう!
大正噴火の際に一日で火山灰に埋まった黒神埋没鳥居 pic.twitter.com/kLzXjp1bCq
— yuki (@15yukit) October 1, 2017
いかがでしたでしょうか。「黒神埋没鳥居」は桜島の噴火の威力を知ることができるスポットです。いつ起きてもおかしくない自然の驚異を改めて感じ取れる場所でもあるのです。桜島にお越しの際は是非「黒神埋没鳥居」まで足をお運びください!