「ままかり寿司」は岡山の名物グルメ!美味しい食べ方や名店を紹介!

岡山県には「ままかり寿司」という有名な郷土料理があります。でも、ままかりと聞いてもご存じない方が多いのではないでしょうか?ままかりとはいったい何か、名前の由来や歴史、食べ方やおすすめ料理、そして美味しい「ままかり寿司」の作り方まで、詳しくご紹介します。

「ままかり寿司」は岡山の名物グルメ!美味しい食べ方や名店を紹介!のイメージ

目次

  1. 1「ままかり寿司」とは
  2. 2ままかり寿司の歴史や名前の由来について
  3. 3ままかり寿司の作り方
  4. 4ままかりの食べ方
  5. 5ままかり寿司の名店&通販情報
  6. 6岡山名物「ままかり寿司」をぜひ食べてみよう!

「ままかり寿司」とは

桃太郎で有名な岡山の特産品というと「桃」を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は桃に並ぶ特産品として「ままかり寿司」というものがあります。

新鮮なままかりという魚を使って作るままかり寿司は、岡山では有名な郷土料理で、昔から各家庭ごとの味で作り続けられてきた伝統のあるお寿司です。その長年の歴史が認められ、農林水産省の「郷土料理百選」にも選ばれました。

最近では様々な事情で収穫量や取引量が低下していますが、名産ままかりの支持者である地元民が、ままかりを主人公にした絵本を出版したり、アンチョビ風のままチョビや、バーニャカウダ風のままニャカウダという商品が作り出されるなど、話題に絶えない食品でもあります。

通販サイトのフェリシモでは、災害時にも食べられる「ままかりの缶詰」が販売されています。災害時は状況的に鬱々としてしまいますが、少しでも明るい気持ちになれる手助けができればと、パッケージには可愛らしい猫の絵柄が描かれているものも発売されています。

でも、岡山では有名な「ままかり」ですが、いったいどんな魚なのか、名前には何か由来があるのか、どんな食べ方があるのか、ままかり寿司の作り方など、多くの方はご存じないと思います。

今回は、ままかり寿司が岡山の郷土料理と言われるようになった歴史、名前の由来を含め、ままかり寿司の作り方やままかりを食べる方法、美味しいままかり寿司を食べられる名店、さらには岡山に行かずとも手に入れる通販の情報について詳細を紹介していきます。

岡山の名物料理

ままかり寿司は、岡山を代表する魚「ままかり」をあわせ酢に漬け込んだものをネタに握ったお寿司です。岡山では、お寿司屋さんではもちろん、スーパーやコンビニなどで購入することもできます。

また、新鮮なままかりが手に入る岡山では、作り方が簡単なままかり寿司は、手軽に作れる家庭料理として、昔から多くの地元県民に愛されているお寿司です。今では岡山の名物料理となり、観光で訪れた方にもとても喜ばれています。

ままかり寿司の歴史や名前の由来について

岡山の郷土料理の一つであるままかり寿司ですが、ままかり寿司に使われている魚「ままかり」は岡山での呼び名で、正式名は「サッパ」といいます。

そのサッパが、なぜ、ままかりと呼ばれるようになったのか、ままかりの歴史や名前はどうつけられたのか、どんな食べ方があるのかについても紹介します。

使う魚は「サッパ」

岡山で「ままかり」と呼ばれている魚は、実は正式名は「サッパ」という白身の小魚で、漢字で書くと「拶双魚」です。サッパという名前は、身の味がさっぱりしてるからとか、サッパという小舟の形に似てるからなどと言われています。

ままかり同様、サッパという名前の由来にも諸説あるようです。関東では「サッパ」、岡山では「ままかり」ですが、日本沿岸の各地に生息している魚とあって、実は地域によって、様々な呼び名があります。

広島では「ワチ」、関西では「ハラタカ」、佐賀・熊本では「ハダラ」など、その土地その土地で、違う呼び方をされているようです。サッパの体の特徴や漁の方法などが名前の由来になっているので、歴史も含めて調べてみるのも面白いですね。
 

サッパはニシン科の魚

「サッパ」はニシン科の魚で、体全体が銀白色で背中側は深い青緑色の最大でも20㎝程の小魚です。お寿司のネタにすると、見た目は光物(ひかりもの)と呼ばれるコハダやアジなどとよく似た感じです。最盛期は5月~11月で、日本各地の海で釣ることができます。

「サッパ」は体が平たくて、特に腹部は薄く、さばきにくい上に小骨も多い魚です。関東ではあまり馴染みがありませんが、西日本では人気があり、いろいろな食べ方をされています。

岡山には大きな川がいくつかあり、その多くは瀬戸内海の水が中心部まで流れ込んでくるため、漁師が収穫するだけでなく、子供たちも川で安全に釣ることができます。遊びの延長で触れることができたことで、岡山の人達にはとても馴染みの深い魚です。

ままかりの多くは成魚にして10センチから15センチ程の小魚という事もあり、力が弱い子供でも釣りやすいということも、身近な存在となった大きな要因なのかもしれません。

また、ままかりには栄養が豊富に含まれていて、血液の流れを良くしたり脳の働きを良くする脂質やカルシウム、ビタミンが多いです。淡白な味わいで食べやすいので、積極的に食べてみてはいかがでしょうか。

ご飯が足りなくなるほどの美味しさ

「ままかり」は漢字で「飯借り」と書きます。あまりの美味しさにご飯(まま)が足りなくなり、隣の家から借りてきたということが、名前の由来になっているそうです。

「ままかり寿司」は岡山の名物グルメ!美味しい食べ方や名店を紹介!

さらにもう1つの由来として語り継がれているのが、秋が旬のままかりは、稲刈りの時期に脂がよくのっていることから稲(まま)を狩る(かり)になったという説です。1匹の小さな魚にも、いくつもの由来があり、歴史を感じますね。

お寿司や南蛮漬けでいただく

では、岡山特産のままかりは、地元ではどのような食べ方をしているのでしょうか。

ままかりは味が淡白でさっぱりしているので、美味しさが一番わかる食べ方は、お寿司や南蛮漬けです。ままかりは酢で味をつけると絶品で、岡山では人気の食べ方です。他にも、唐揚げ、塩焼きなど、ままかりは癖がないので、いろいろな食べ方で頂くことができます。

岡山の代表的な家庭料理へ

岡山では、ままかり寿司をはじめ、ままかりを使った料理が夕食のおかずの1品として食卓に上ることは決して珍しいことではありません。各家庭ごとにアレンジして、いろいろな食べ方や味付けでままかりを食べています。

また、地元のスーパーの店頭には、新鮮な生のままかりの他に「ままかり寿司」「ままかりの酢漬け」「ままかりのみり干し」など、いろいろな加工品が並んでいて、家庭で気軽にままかり料理を食べることができます。

郷土料理百選に選出される

岡山の「ままかり寿司」「ばら寿司」は、2007年に農林水産省の「郷土料理百選」に選ばれました。

これは、全国各地の農山漁村で、それぞれの地域の風土や歴史の中で受け継がれてきた味を、広く国民に知ってもらおうと選定されたものです。ままかり寿司の長年にわたる歴史が認められ、知名度が上がるきっかけにもなりました。
 

ままかり寿司の作り方

ままかり寿司の作り方は意外と簡単で、自宅で作ることができます。新鮮なままかりが手に入ったら、是非挑戦してみてはいかがでしょうか。ここからは、ままかり寿司の作り方を詳しくご紹介します。

レシピ①材料を揃えよう

1人前(3個分)のままかり寿司の材料です。下処理を施したままかりと、あわせ酢の材料、酢飯を準備しましょう。

  • ままかり3匹 
  • 塩適量
  • 酢適量
  • あわせ酢(酢150㏄・砂糖45g・水50㏄)
  • 酢飯適量

レシピ②サッパの下処理

まず、作り方の中で一番大事な過程、下処理をしましょう。これによって、美味しいままかりの酢漬けを作ることができます。下処理が不十分だと、どんなに良い味付けや作り方をしても、臭みが出たりする原因になります。

  1. ままかりの表面のうろこを取ります。ままかりのうろこは量が多くて硬いので、包丁を垂直に立てて、尾びれから腹の方にこそげとっていくと良いです。
  2. 頭を包丁で切って内臓を取り除きます。
  3. 尾びれは残した状態で、包丁で腹開きにして中骨を取ります。
  4. 両面に軽く塩をふって、10~15分おきます。

レシピ③漬け込み時間は30分

「ままかり寿司」は岡山の名物グルメ!美味しい食べ方や名店を紹介!

作り方の大事なポイント2つめ、下処理済みのままかりを、軽く水洗いしてから酢で洗いましょう。血合いが取れてきれいになります。その後、あわせ酢(酢200㏄・砂糖大さじ1・みりん大さじ2)に30分程漬け込みます。

漬け込み時間は30分で大丈夫ですが、一晩冷蔵庫に入れて寝かせると味がなじんでさらに美味しくなります。あわせ酢は、お好みに合わせて調整してください。

レシピ④酢飯と一緒に握る

「ままかり寿司」は岡山の名物グルメ!美味しい食べ方や名店を紹介!

いよいよ最後の仕上げです。漬け込んだままかりをザルにあげて水気を切った後、酢飯と一緒に握れば美味しいままかり寿司の完成です。好みで、ままかりと酢飯の間におろし生姜を入れても美味しいです。

ままかりの食べ方

ままかりといえば、「ままかり寿司」が有名ですが、他にもままかりの味を堪能できる美味しい調理法があります。地元の方が作っているままかり料理の作り方を、ピックアップしてご紹介します。

ばら寿司

「ばら寿司」もままかり寿司と並んで、地元では有名な名物料理で、岡山の郷土料理として、秘密のケンミンショーでも紹介されました。

作り方は、好みの具材を混ぜた酢飯の上に、甘酢につけたままかり、魚介、旬の野菜、卵などを盛り付けます。彩りがあざやかなところから「まつりずし」ともいわれており、お祭りやお祝い事に定番として用意されます。

そんな「ばら寿司」にも、実はその発祥には歴史があるようです。

江戸時代に備前岡山藩の藩主池田光政が、藩の財政のため「食膳は一汁一菜(いちじるいっさい)にせよ」との倹約令を命じました。そこで庶民たちは、魚や野菜を混ぜ込んだ寿司飯を「一菜」とし、それに汁物を添えて「一汁一菜」としたのが発祥だそうです。

庶民たちのこうした知恵から登場した、歴史のある「ばら寿司」なのです。

塩焼き

こちらも家庭では定番でよく作られているままかりの「塩焼き」です。作り方は、まずはうろこを落とした後、丁寧に水洗いします。頭と内臓を取ったら、塩を振って焼くだけです。ポイントは、生臭さが残らないように、しっかり水で洗ってぬめりを取ることです。

旬の5月~11月のままかりは脂がのって旨味も強いので、この時期のままかりが手に入ったら、是非塩焼きで食べてください。12㎝程の小さいままかりでしたら、骨ごと食べられます。

酢漬け

「酢漬け」はままかりの代表的な調理法です。作り方は、新鮮なままかりのうろこを処理して、頭と内臓と小骨を取ってよく水洗いしたら、酢、砂糖、醤油、鷹の爪、だし、生姜など、好みの味付けのあわせ酢に半日から一日漬け込めば完成します。

ままかりは骨が固いといわれていますが、酢漬けにすると骨まで柔らかくなって、丸ごと食べられます。

ままかりの「酢漬け」の調理法として、一度ままかりを焼いた後、三杯酢などに漬けても美味しく食べられます。生のままかりとまた違った味わいが楽しめますよ。

から揚げ

カリカリで美味しい「ままかりのから揚げ」もおすすめです。作り方は、さばいたままかりをよく水洗いした後、塩コショウ。片栗粉をまぶして熱した油で揚げれば完成です。この時に、二度揚げすると、小さなままかりでしたら小骨も気にならず食べられます。
 

ままかり寿司の名店&通販情報

「ままかり寿司」は岡山の名物グルメ!美味しい食べ方や名店を紹介!

岡山では、美味しいままかり寿司が食べられる寿司店や料理屋が多く点在します。中でも人気の名店を厳選してご紹介します。

また、岡山まで行けない、岡山で食べたままかり寿司が忘れられないという方には通販がおすすめです。通販なら、気軽に家でままかり寿司を味えます。ここでは、通販についての情報もご紹介します。

名店① 鮨 山もと

岡山の寿司店の中でも名店と評判の「鮨 山もと」です。店主の実家は創業70年という歴史のある寿司の老舗「魚正」で、15年の修業の後に岡山で自らお店を始めたそうです。2021年には見事、ミシュラン1つ星店に輝いた名店中の名店です。

瀬戸内の海で獲れた新鮮なネタを使ったアテや握りはもちろん絶品ですが、シャリが口の中でホロホロとくずれ、まさに職人技が光るお寿司を味わえます。メニューは昼は完全予約制でおまかせコースのみですが、追加注文も可能です。

その人気ぶりは地元岡山だけにとどまらず、県外から訪れるお客さんも多く、今、予約のとれない名店として評判の人気店です。岡山に訪れた際には、是非「鮨 山もと」で名店のままかり寿司を堪能してみてはいかがでしょうか。

鮨 山もとは閉店いたしました。

鮨 山もとの基本情報

【名称】 鮨 山もと
【住所】 岡山県岡山市北区弓之町12-6 レジデンス弓之町 1F
【お問い合わせ】 086-232-3900
【営業時間】 ランチ 12:00~14:00 (12:00スタートの1回転のみ)
ディナー 18:00~22:00 (20:30最終入店)
【定休日】 日曜日・祝日
【アクセス】 岡山電気軌道 城下駅下車 徒歩6分
【駐車場】 なし(近くにコインパーキングあり)

名店② 福寿司

岡山駅から徒歩7分の「福寿司」は、お寿司や岡山の郷土料理をリーズナブルに味わえる、地元でも評判の人気店です。

「ままかり寿司」はもちろん、お刺身や天ぷら、岡山の特産品である黄にらを使った料理など、メニューはとても豊富です。

中でも、岡山の郷土料理である「ばら寿司」は、化学調味料や食品添加物はいっさい使わず、素材の味を大事に手間をかけて作られている絶品メニュー。食べたくなったら、必ず2日前までに予約してお出かけください。
 

福寿司の基本情報

【名称】 福寿司(ふくずし)
【住所】 岡山県岡山市北区奉還町2丁目16-17
【URL】 公式サイト
【お問い合わせ】 086-252-2402
【営業時間】 【昼】11:00~14:30(L.O.14:00)
【夜】17:00~22:00(L.O.21:30)
 ※日曜日は昼のみの営業
【定休日】 月曜日、第1・3火曜日
【アクセス】 岡山駅西口より徒歩7分
【駐車場】 あり(2台)

名店③ ままかり亭

岡山県倉敷市の代表的な観光地、美観地区の中心に位置する「浜吉 ままかり亭」は、180年前の米蔵を改装した風情のあるたたずまい。モダンで落ち着いた雰囲気の中、新鮮な旬魚や地酒を楽しめます。
 

一番人気はランチメニューの「ままかり定食」で、ままかりのお刺身・ままかりの酢漬け・ままかり寿司・小鉢・お味噌汁・甘味がついて2500円。ままかりを存分に堪能できるおすすめの定食です。

ままかりの他にも、下津井の活タコや寄島のさわら・六口島の平目など、岡山ならではの新鮮な海の幸を堪能できる料理屋さんです。

ままかり亭の基本情報

【名称】 浜吉 ままかり亭
【住所】 岡山県岡山県倉敷市本町3-12
【URL】 公式サイト
【お問い合わせ】 086-427-7112
【営業時間】 11:00~14:00(L.O)
17:00~22:00(L.O.21:30)
【定休日】 月曜日(祝日の場合は翌日)
【アクセス】 JR倉敷駅より徒歩15分
大原美術館より徒歩5分
【駐車場】 なし

ままかり寿司は通販で手に入る

岡山まで行くのは難しいけど、「ままかり寿司」を食べたい方におすすめ。「ままかりの押し寿司」でしたら、気軽に通信販売でお取り寄せすることができます。Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングなどの大手通販サイトでは、ままかり寿司が紹介されています。

また、駅の売店などでもよく見かける「美園食品」や「瀬戸乃屋」、「味の庄 伯備」などの通販サイト、他にも、ネットで検索すると多数の会社のショップから、直接通販で購入することも可能です。通販なら、お家で気軽にままかりを楽しめますね。

ままかり寿司以外にも、ままかりを使った商品が、通販サイトで多数販売されています。「ままかりの酢漬け」「ままかりの姿煮」、変わったところでは「ままかりのアヒージョ」など、種類も豊富で、手軽に通販で購入することが可能です。

岡山名物「ままかり寿司」をぜひ食べてみよう!

ままかり寿司の歴史や名前の由来から、作り方、ままかり寿司を味わえる名店などについて、ご紹介してきました。岡山に訪れた際には、是非、地元の郷土料理である「ままかり寿司」を食べてみてはいかがでしょうか。

おすすめの関連記事

Thumbこれを買えば間違いない!岡山駅のおすすめ人気お土産24選!
岡山駅の構内にはたくさんのお土産やさんが軒を連ねていて、見ているだけでも楽しくなるお店がいっ...
Thumb岡山駅周辺のおすすめランチ25選!名物グルメやオシャレなカフェも紹介!
岡山駅の近くには、美味しいランチを愉しめるお店が多くあります。この記事では、岡山駅周辺にある...
Thumb岡山の隠れた魅力的な観光名所は?おすすめ穴場スポット24選!
岡山の穴場の観光スポットをお探しではないですか?倉敷美観地区や鷲羽山ハイランドなど人気の観光...
Thumb岡山のおすすめ日本酒ランキングTOP20!有名な地酒はお土産にも!
『万葉集』に「吉備の酒」が登場するなど古くから酒処として知られてきた岡山県。この記事ではそん...

関連するまとめ

関連するキーワード

Missing
この記事のライター
ryosyuma

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ