雲仙普賢岳で自然の脅威を学ぶ!噴火や火砕流の恐ろしさや現在の状態とは?

長崎県になる雲仙普賢岳はかつて大規模な噴火で、大勢の人の命を奪いました。現在でも、その爪痕は残っており自然の恐怖を後世に伝えています。この記事では雲仙普賢岳の火山活動の歴史や、現地で自然災害から教訓を学ぶ事ができる施設を紹介します。

雲仙普賢岳で自然の脅威を学ぶ!噴火や火砕流の恐ろしさや現在の状態とは?のイメージ

目次

  1. 1雲仙普賢岳とは
  2. 2雲仙普賢岳の火山活動の歴史
  3. 3雲仙普賢岳の現在や観光情報
  4. 4雲仙普賢岳へのアクセスや詳細
  5. 5雲仙普賢岳で噴火の恐ろしさと歴史を知ろう!

雲仙普賢岳とは

長崎県にある雲仙普賢岳は、登山の名スポットで山頂からは平成新山を含む絶景のパノラマが広がります。雲仙普賢岳からは四季折々の自然を楽しむ事ができ、特に秋の紅葉は素晴らしく、紅葉のシーズンには多くの人が足を運ぶ人気スポットです。

雲仙普賢岳は自然を楽しむスポットであると同時に、自然の恐ろしさ、驚異を学ぶ事ができる場所としても知られています。過去に雲仙普賢岳で何があったのか、現在はどうなっているのかまとめました。

噴火する火山の恐ろしさを学ぼう

雲仙普賢岳は、現在では美しい自然が楽しめる観光名所ですが、過去には「平成の大噴火」と呼ばれる災害を引き起こした場所でもあります。雲仙普賢岳のかつての噴火により多くの死者が出ています。その為、雲仙普賢岳は噴火する火山の恐ろしさを学ぶ事ができ、現在でも多くの教訓を伝えている場所とされています。

雲仙普賢岳の火山活動の歴史

雲仙普賢岳は過去に大規模な自然災害を発生させました。どれほどの規模の災害だったので、現在にどのような影響を与えているのか、さらに雲仙普賢岳の火山活動の歴史をまとめました。

雲仙普賢岳の火山活動は?

雲仙普賢岳の火山活動の歴史は長く「有史以前」と「有史以後」に分類されています。雲仙普賢岳はいつから火山活動を始めていたのか、歴史を遡りまとめました。

有史以前

雲仙普賢岳の火山活動は約50万年前には始まったと言われています。有史以前の中でも前期と後期に分ける事ができ、特に前期では現在の雲仙普賢岳からは想像できないような火砕流や爆発が起こる程の激しい火山活動があったとされています。そうした火山活動により現在の山々の形の基礎ができていきました。

有史以後

雲仙普賢岳の有史以後の火山活動の記録で最も古いのが1663年の寛文3年のものです。この時の30マグマ噴火により30余命あまりの死者が出ています。それ以降も雲仙普賢岳は定期的にマグマ噴火を起こしており、平成にはいった1990年代にも大規模な災害を発生させています。

有史以来日本最大の火山災害も引き起こした

雲仙普賢岳は有史依頼日本最大の災害も引き起こしています。最も大きな災害となったのは1792年の寛政4年に発生した大噴火です。「島原大変」と呼ばれる、その大規模な災害は15000人を超える死者を出したと言われています。この時は火山性の地震が発生し、山が崩壊し、有明海に流れ込み津波が発生した事により、被害が拡大されました。

1990年から5年間の噴火

雲仙普賢岳は平成に入った1990年代も火山活動を続けていました。1792年の「島原大変」以降は大規模な火山活動はなかった雲仙普賢岳でしたが、1990年11月から1995年の2月までの5年間に噴火活動があり土石流や火砕流で甚大な被害を出しています。これにより人々は自然の恐ろしさを実感することとなりました。

成長と崩落を繰り返した溶岩ドーム

雲仙普賢岳の溶岩ドームは噴火活動で成長と崩壊を繰り返していきました。溶岩ドームは火口から押し出された溶岩が流れずに火口付近で積み重なる現象です。その為、火山活動が定期的に発生すると溶岩ドームの形は変化していきます。

溶岩ドームを見る事で、どれほどの火山活動が発生していたのかを知る事ができます。現在では溶岩ドームは平成大噴火のシンボルと言われています。

災害の様態は?

雲仙普賢岳は1990年から1995年の5年間噴火活動がありました。大きな被害をもたらす要因になったのが「火山灰」「火砕流」「土石流」でした。

火山灰により道路や鉄道などの交通網が絶たれ、溶岩ドームが砕けて山の斜面から落ちてくる火砕流に多くに人が飲み込まれました。結果、平成の大噴火では死者41人をだし、建物の損壊等の被害は2299億4197万円にまで上りました。

大きな人的被害を出した火砕流とは

最も大きな被害を出したのは雲仙普賢岳から流れてくる火砕流でした。火砕流とは溶岩ドームが、新たに発生した溶岩により押し出されて崩壊し、山の斜面から流れてくる高熱火山灰の塊です。これには火山ガスを多量に含んでいます。雲仙普賢岳の平成の大噴火の際は、流れてくる火砕流の速さは100キロ、温度は約100度もありました。

火砕流の危険性が周知されていなかった

雲仙普賢岳から流れてくる火砕流は多くの人だけでなく建物、集落まで飲み込んでいきました。これほどの被害が出たのは「人々が火砕流の危険性を認識していなかった、周知されていなかった」点が指摘されています。その為、火砕流が発生していても避難する人が少なく、これほどまでの災害に発展したと言われています。

データに異常があった?

最も多くの人的被害を出したのは1991年6月3日に発生した大規模な火砕流でした。同年の5月29日の時点で専門家は火砕流が高温化しており、異常な事態に気づいており、それを受けた市災害対策本部が「データに異常がある」と発表しました。

しかし、その後地震火山観測所の所長が異常から変化という言葉に変えてしまった為に、緊急感が薄まってしまい危機感が伝わる報道ができなかったと言われています。

地域住民の認識は?

火砕流に対しての地域住民の認識は高くなく「車で逃げ切れる」「そこまで高温ではない」と理解していました。しかし、実際には火砕流は発生してからは逃げ切れる様なスピードではなく、焼け焦げる程の高温である事を知る事になりました。

こうした認識を持ってしまったのは、当時「混乱を避けるため」という理由で、正確な危険性を報道していなかった事があげられます。

噴火後も火山噴火予知連絡会による監視

甚大な被害と共に教訓を残した雲仙普賢岳の噴火は、現在でも自然の驚異を伝えるものとなっています。ここまで大きな被害が出た要因として「自然の恐ろしさを過小評価していた」事があげられます。痛みから学んだ結果、噴火後の現在でも雲仙普賢岳は火山噴火予知連絡会により定期的に監視されています。

雲仙普賢岳の現在や観光情報

かつては大規模な噴火によって大きな悲しみと爪痕を残した雲仙普賢岳ですが、現在はどうなっているのでしょうか?雲仙普賢岳の現在や自然のパワーと知る事ができる観光名所の情報を紹介します。

雲仙岳災害記念館・がまだすドームがある

雲仙岳災害記念館・がまだすドームは平成の大噴火の教訓を後の時代に残す為に建てられました。記念館では展示ブースや学習ブースで自然の力や、ここまでの復興の歴史を知る事ができます。

全国初の火山体験学習施設

記念館は全国で初の火山体験学習施設です。記念館では体験アトラクションを通して学ぶ事ができると子供にも人気です。記念館内にある「火砕流の道」は最も大きな被害を出した火砕流の実際のスピードと猛威が再現されています。

施設の公式HPからは「事前学習用資料」などがダウンロードする事ができるので、そこから雲仙普賢岳の歴史を予習しておくと火山体験学習がより効果的になります。

平成大噴火シアターで噴火の恐怖を実感しよう!

雲仙岳災害記念館・がまだすドームの「平成大噴火シアター」では、噴火、土石流、火砕流の恐怖を4K化した映像で実感する事ができます。実際にどれほどの被害があったのか、現在ここまで復興するのにどの様な歩みがあったのかが紹介されます。

【住所】 長崎県島原市平成町1-1
【開演時間】 9:00~18:00
【料金】 大人:1050円
中高生:740円
小学生530円
【アクセス】 島原港からバス
【駐車場】 あり
【公式HP】 https://www.udmh.or.jp/

被災した旧大野木場小学校

旧大野木場小学校は火砕流により全焼した学校で、今でも当時のまま保存されています。ここに来ると自然災害の恐ろしさを肌で感じる事ができます。

併設された砂防みらい館にも行ってみよう

旧大野木場小学校には「大野木場砂防みらい館」が併設されており、ここでは雲仙普賢岳を監視し災害に備えています。緊急時の避難場所としても使われる場所です。加えて展示物を飾る事で火山砂防の大切さ、自然災害の驚異を継承する働きもしています。

【住所】 長崎県南島原市深江町戊2100-1
【アクセス】 島原外港から車で約15分
【駐車場】 あり
【参考サイト】 http://www.city.minamishimabara.lg.jp/

土石流被災家屋保存公園で土石流の怖さを知る

土石流被災家屋保存公園には平成4年に発生した土石流で埋まった家屋が展示されています。ありのままの当時の姿を見る事でき、噴火から発生する被害の広さを知る事ができます。教訓的な観光名所です。

隣の道の駅みずなし本陣ふかえにもよってみよう!

土石流被災家屋保存公園は道の駅みずなし本陣ふかに隣接しています。道の駅ではお食事処やお土産屋があります。食事処では地元の新鮮な素材をふんだんにつかった料理を楽しめます。

【住所】 長崎県南島原市深江町丁6077番地
【営業時間】 9:00~17:00
【アクセス】 島原外港から車で約10分
【駐車場】 あり
【公式HP】 http://mizunashi-honjin.co.jp/publics/index/15/

現在は温泉や自然も楽しめる観光スポット

かつては大規模な災害を起こした雲仙普賢岳ですが、現在では豊かな自然や温泉を楽しめる観光名所になっています。特に雲仙温泉は全国でも屈指の温泉名所で、火山の恵みとも言われています。雲仙普賢岳は教訓的で、自然を楽しみ、温泉でリフレッシュするといった色々な観光スタイルが楽しめます。

雲仙普賢岳へのアクセスや詳細

雲仙普賢岳の過去の災害から現在の私たちも災害の備えに関して学ぶ事ができます。最後に雲仙普賢岳までのアクセスの詳細や駐車場の有無を紹介します。

アクセス詳細は?

雲仙普賢岳までのアクセス情報です。雲仙普賢岳までは公共交通機関を使用する場合は島原駅からバスで約50分の距離です。車で行く場合は駐車場から雲仙普賢岳までは距離があるので注意してください。

駐車場はある?

雲仙普賢岳に車で来た際には雲仙仁田峠駐車場を利用する事ができます。そこから雲仙普賢岳までは徒歩約2時間です。雲仙普賢岳は登山コースなのでしっかりと準備して臨む必要があります。

災害に備えよう!

雲仙普賢岳は、1990年代に入り噴火するまで活動が停止していると思われていました。しかし、大規模な噴火が起こり大規模な災害に発展しました。今でも雲仙普賢岳は完全に活動を停止しているわけではないかもしれません。雲仙普賢岳に訪れる際には災害に備える意識が大切です。

雲仙普賢岳の基本情報

【住所】 長崎県雲仙市小浜町雲仙320
【アクセス】 雲仙仁田峠駐車場から徒歩で約2時間
【駐車場】 あり
【公式HP】 http://www.unzen.org/about/

雲仙普賢岳で噴火の恐ろしさと歴史を知ろう!

雲仙普賢岳が引き起こした災害は日本の歴史に残る程の大きな出来事でした。今では自然災害は年々増えており、雲仙普賢岳の噴火は全ての前触れだったのではと言われている程。現在でも雲仙普賢岳の噴火の爪痕を現地では見て知る事ができます。

雲仙岳災害記念館・がまだすドームなどの施設では楽しみながら歴史を学ぶ事ができます。雲仙普賢岳で噴火の恐怖と復興の歴史を学ぶのはいかがでしょうか?

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この記事のライター
かかし
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