天草「大江天主堂」は白亜のカトリック教会!イルミネーションが幻想的!

熊本県天草市にある「大江天主堂」は、岡の上に佇む白亜の教会です。潜伏キリシタンの歴史を持ち、世界遺産に登録された崎津集落とも深く関係しています。クリスマスシーズンには美しいイルミネーションでも有名で、たくさんの人が訪れます。「大江天主堂」の魅力をご紹介します。

天草「大江天主堂」は白亜のカトリック教会!イルミネーションが幻想的!のイメージ

目次

  1. 1天草にある「大江天主堂」
  2. 2「大江天主堂」の歴史について
  3. 3「大江天主堂」の観光ポイント
  4. 4「大江天主堂」の近くにある天草ロザリオ館
  5. 5「大江天主堂」へのアクセス&駐車場情報
  6. 6「大江天主堂」で幻想的な空間を味わう旅へ

天草にある「大江天主堂」

熊本県天草市の街を見下ろす斜面に真っ白な「大江天主堂」が佇んでいます。1933年にフランス人宣教師ガルニエ神父が建てた、歴史ある美しい教会堂で、信者のみならず住民からも町のシンボルとして長く愛されてきました。

天草には多くの隠れキリシタンが潜伏した歴史があります。大江地区の隣の崎津集落は、2018年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として、世界遺産に構成遺産として登録されました。大江地区にも多くの潜伏キリシタンがいました。

大江天主堂では現在もキリスト教信者たちが、敬虔な祈りを捧げています。崎津集落が世界遺産に登録されてから、大江天主堂も注目されるようになり、新しい観光スポットとなりました。クリスマス時期のイルミネーションも有名です。

隠れキリシタンを守った場所

大江天主堂がある天草大江地区は、世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産、崎津集落の近くです。大江地区にも多くの潜伏キリシタンが存在していました。キリスト教禁制下、キリシタンたちは身を潜め信仰を守りました

Thumb天草&長崎をフェリーで巡る最高の旅行を!世界遺産の教会を鑑賞しよう!
九州の人気観光地の天草、長崎をフェリーで巡る旅行を楽しみませんか。世界遺産に登録された教会な...

「大江天主堂」の歴史について

1873年明治6年に、禁教の高札が下ろされ、長いキリスト教の禁教が終わりました。潜伏キリシタンとして300年近く、息をひそめて信仰を守ってきた信者たちは、宣教師たちとコンタクトを取り、キリスト教信仰が復活します。

1882年明治15年に初代神父として、ボンネ神父が大江、崎津に着任、12月にはフェリェ神父と交替します。そして1891年明治25年にガルニエ神父が着任しました。ガルニエ神父により、1933年に大江天主堂が建てられました。

天草下島のキリシタン

天草下島には数多くの隠れキリシタンに関する遺構が残されていて、日本でのキリスト教の歴史を学ぶことが出来る非常に重要な場所です。崎津集落は世界遺産の構成遺産として登録され、天草下島は注目の観光スポットとなりました

ロマネスク様式の美しい教会

大江天主堂は、1933年にフランス人宣教師ガルニエ神父が私財を投じて建設しました。歴史ある白亜に輝く教会堂は、ステンドグラスが美しいロマネスク様式です。

ロマネスク様式は11世紀から12世紀頃にヨーロッパでさかんに建てられた建築で、これといった一定のルールはありません。小さな窓やアーチが特徴でとてもシンプルなデザインですが、どっしりとした安定感があります

大江天主堂は、鉄川与助が設計施工を請け負いました。鉄川与助は、世界遺産の登録資産グループ「江上教会」「旧野首教会」「頭ヶ島天主堂」「崎津教会」も施工しています。

世界遺産にも登録されている?

世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産として、大江天主堂の近くの崎津集落が登録されました。大江天主堂は世界遺産として登録はされていませんが、大江地区は潜伏キリシタンの歴史にとって大変重要な地域です

教会を建てたガニエル神父

大江天主堂は1933年、フランス人宣教師ガルニエ神父によって建てられました。ガルニエ神父は47歳の時、300年近くもの長い間信仰を捨てず守り続けた潜伏キリシタンたちと暮らすため、自ら希望して大江と崎津の神父として赴任しました

ガルニエ神父は生活費を切り詰め、新しい服も買わずお金を貯め、飢饉の時はそのお金で人々を助け、後に大江天主堂を建てました。土地の言葉で人々に声をかけるガルニエ神父は「パアテルさん」と呼ばれ親しまれました。

ガルニエ神父は1941年84歳で亡くなるまで、生涯フランスに帰らず、天草の信徒とキリスト教伝道に生涯を捧げました。大江天主堂のすぐ下、教会を見上げるかのようにガルニエ神父のお墓があります。

都会から来た「五足の靴」

五足の靴」は、1907年に新聞紙上で連載された紀行文です。当時は「五人づれ」の表題で発表されました。与謝野寛がまだ学生だった北原白秋、木下杢太郎、平野万里、吉井勇の4人を連れて九州を旅する様子が描かれています。

8月7日から9月10日にかけての旅行の中で、8月10日に大江のガルニエ神父を訪れます。5人は遠い異国の地で質素に暮らし、ひたすら布教に励むガルニエ神父の姿に驚き、感動します。この頃はまだ現在の大江天主堂は出来ておらず、以前の古い教会のままでした。

この後五人は、この旅行で得た着想を生かした作品をそれぞれ発表し、後の文壇「南蛮趣味」の流行につながっていきます。「五足の靴」は、南蛮文化やキリシタンが研究者以外の人々へ、幅広く伝わっていく、重要な作品となりました。

「大江天主堂」の観光ポイント

ステンドグラスが美しい、歴史ある白亜の大江天主堂は現在も信徒たちの大切な祈りの場所です。教会の行事がある際などは、内部に入れないこともあります。大きな声を立てず、マナーを守って見学しましょう

祭壇の聖画

教会の内部はステンドグラスの光が優しく差し込み、神聖な空気が漂います。正面の祭壇の上に「お告げのマリア(受胎告知)」の絵があります。この絵はガルニエ神父の姪ソフィー・ルイズ・ガルニエさんが描いた作品で、大江天主堂献堂記念に贈られたものです。

大天使ガブリエルがマリアへ、イエス・キリストを身ごもったことを告げる場面を描いた絵で、はるばるフランスからこの絵が届いたとき、ガルニエ神父は大変喜んだと伝えられています。一緒に送られたベレー帽もお気に入りで、いつも身に着けていたそうです。

ガルニエ神父の像

大江教会の敷地内に、優しい表情をしたガルニエ神父の銅像があり、見所のひとつです。もうひとつ、ガルニエ塔と呼ばれる十字架の塔があります。ガルニエ神父は健康が自慢の人でしたが、82歳の時、風邪をこじらせて病床に臥してしまいます。

天草の信者のために一生を捧げたガルニエ神父の為に、信者たちは祈り続けましたが、1941年1月19日にガルニエ神父は神に召されました。息を引き取る前、墓石は金をかけず、山石を持ってきて置けばよい、そのお金で、困っている人に使うよう言い残しました。

信者たちは神父の遺言にはとても従うことができませんでした。恩師の為に立派な御影石で墓塔を作り「汝らゆきて万民に教えよ」という聖書の言葉を刻み、まさにその言葉を実践したガルニエ神父への敬愛を示しました。

ルルドの聖母マリア

大江天主堂の敷地内には、「ルルドの泉」を模したマリア像と洞窟があります。ルルドの泉はフランスのピレネー山脈の麓、ルルドの街にあります。ある日少女が洞窟のそばで薪拾いをしていると、聖母マリアが現れました。聖母マリアは何度も現れました。

マリアのお告げ通り、水を飲むと病気が治ったという人たちが現れ、ルルドの泉は奇跡の泉として有名になり多くの参拝者が訪れるようになりました。その後1862年カトリック教会から聖地として認められ、1864年にルルドの聖母マリア像と、聖堂が整備されました。

ルルドの泉からはピレネー山脈からの美しい水が湧き出し、現代医学では手の施しようのない、不治の病と言われた多くの人々を癒してきました。現在は全世界から年間500万人の人がルルドの泉の奇跡を求めて訪れる大巡礼地です。

クリスマスシーズンの絶景イルミネーション

大江天主堂は、クリスマスシーズンに美しいイルミネーションで彩られます。「大江クリスマスイルミネーション」は、毎年12月1日から1月5日頃に行われ、幻想的なイルミネーションを見に多くの観光客が訪れる有名スポットです。

イルミネーションは17時30分~22時頃まで点灯され、12月24日、25日、31日は17時30分~翌朝6時まで延長されます。12月24日には、大江天主堂や天草ロザリオ館周辺でサンタクロースが登場し、子どもたちへお菓子のプレゼントやコンサートの催し物もあります。

Thumb世界遺産!長崎の教会群を巡ってキリスト文化を味わう魅惑の旅へ!
長崎には数多くの歴史ある教会があり、世界遺産にも登録されている教会もあります。長崎の教会群を...

「大江天主堂」の近くにある天草ロザリオ館

大江天主堂から歩いて5分ほどのところに「天草ロザリオ館」があります。天草のキリシタンに関する資料を集めた資料館です。映像ホールでは、3D映像で天草キリシタンの姿を見ることも出来ます。「大江イルミネーション」でのイベント会場にもなります。

隠れキリシタンの遺物を展示

「天草ロザリオ館」では、天草キリシタンの生活や文化を知る貴重な遺物を展示しています。1587年豊臣秀吉のキリスト教の弾圧開始から、1614年のキリスト禁教令発布、1873年に禁教令が解かれるまで、厳しい弾圧に耐え忍び、信者たちは信仰を守り続けました。

その長い間の遺品や資料を集め、天草キリシタンの役割や日本歴史でのキリシタン文化の重要性を知るうえで、貴重な資料館となっています。

開館時間は?

「天草ロザリオ館」の開館時間は、8:30~17:00までとなっています。入館は16:30までです。定休日は水曜日で、祝日の場合は翌日となります。12月30日~1月1日もお休みです。

入館料金は?

「天草ロザリオ館」の入館料金は、大人300円、高校生200円、小中学生150円です。20名以上の団体は2割引きで入館できます。

天草ロザリオ館の基本情報

住所 〒863-2801 熊本県天草市天草町大江1749番地
電話番号 0969-42-5259
営業時間 8:30~17:00(入館は16:30まで)
定休日 水曜日で(祝日の場合は翌日)
12月30日~1月1日
入館料 人300円、高校生200円、小中学生150円
20名以上の団体は2割引き
アクセス 天草市内から車で約50分
駐車場 あり 無料
URL 天草Webの駅ポータルサイト

併設された天草市立天草玩具資料館もおすすめ!

「天草ロザリオ館」の隣に、「天草市立天草玩具資料館」があります。天草地方に伝わる伝統玩具を展示しています。バラモン凧や現在は作られていない泥人形など、天草地方の玩具の他、日本各地の民俗玩具など、貴重な約3000点以上の玩具が展示されています。

住所 〒863-2801 天草市天草町大江1740-1
電話番号 0969-42-5259
営業時間 8:30~17:00
定休日 水曜日(祝日の場合翌日)、12月30日~1月1日
料金 大人 210円 高校生 160円 小中学生 110円
<ロザリオ館とのセット券> 
大人470円、高校生320円、小・中学生150円

「大江天主堂」へのアクセス&駐車場情報

大江天主堂は、大江の町を見下ろす丘に建つ、白亜のロマネスク様式教会堂です。天草キリシタンの歴史を巡る旅には外せないポイントです。大江天主堂へのアクセス方法や駐車場情報などをご紹介します。

アクセス詳細

大江天主堂へのアクセスは、車でアクセスする場合は、熊本市から下田横断道路経由で2時間50分、九州自動車道松橋インターチェンジから2時間40分、天草空港から65分です。天草市内からは約50分です。

バスでアクセスする場合は、天草市内「本渡バスセンター」から「一町田中央」で乗り換え「天主堂入口」で下車します。バス停から徒歩5分でアクセスできます。

駐車場情報

大江天主堂の駐車場は、教会前に10台駐車可能な駐車場があります。観光シーズンは込み合いますので、心配な場合は、歩いて5分ほどの場所にある「天草ロザリオ館」の無料駐車場を利用することをおすすめします。

教会内部は撮影は禁止なので注意!

大江天主堂の内部は一般の方は撮影禁止となっていますので気を付けましょう。教会は祈りの場所です。中で教会行事が行われている場合は入場が出来ません。大きな声を立てたり騒いだりせず、マナーを守って見学しましょう。

「大江天主堂」の基本情報

住所 〒863-2801 熊本県天草市天草町大江1782
電話番号 969222243
開館時間 9:00~17:00
ミサや教会行事の場合は入館制限があります
休館日 なし
アクセス 天草市内から車で約50分
駐車場 あり 10台無料
URL 天草観光協会サイト

「大江天主堂」で幻想的な空間を味わう旅へ

長い歴史の中で、大江の町の人々や信者を優しく見守ってきた大江天主堂。今でもガルニエ神父の愛に溢れた幻想的な空気が漂います。大江天主堂に静かに座り、柔らかいステンドグラスからの光を浴びる、癒しの旅へ出かけましょう

おすすめの関連記事

Thumb五島「福江島」で美しい教会群と海を観光!フェリーでの行き方も紹介!
五島列島にある福江島は非常に美しい海と教会群があり1日では廻ることが出来ない観光スポットが沢...
Thumb五島「福江島」で美しい教会群と海を観光!フェリーでの行き方も紹介!
五島列島にある福江島は非常に美しい海と教会群があり1日では廻ることが出来ない観光スポットが沢...
Thumb九州の世界遺産!「大浦天主堂」は異国文化が漂うカトリック教会!
大浦天主堂は世界遺産の構成遺産に登録された貴重な建築物です。敷地内にあるキリシタン博物館では...

関連するまとめ

関連するキーワード

Original
この記事のライター
ORANGE77
旅行大好きです。特に博物館や神社仏閣巡りが好きです。歴女というほどではありませんが、日本史、世界史にとても興味があ...

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ