九州醤油はなぜ甘い?その理由や原料・料理への使い方を徹底解説!

九州で生産されている醤油が、ほかの地域と比べて甘いのはみなさんご存じでしょうか。九州産の醤油がなぜ甘いのかの訳や、醤油の原料、九州醤油に合う料理など、今日から食卓で使える九州醤油のについて、歴史や魅力についてご紹介していきます。

九州醤油はなぜ甘い?その理由や原料・料理への使い方を徹底解説!のイメージ

目次

  1. 1九州醤油が甘いワケや使い方も解説!
  2. 2九州の醤油が甘い理由とは?
  3. 3九州の醤油の原料について
  4. 4九州の醤油に合う料理や使い方
  5. 5九州の甘い醤油を食卓に是非!

九州醤油が甘いワケや使い方も解説!

全国の中でも九州地方の醤油は甘くなっており、九州出身の方に「九州の醤油はなぜ甘いのか?」と尋ねれば、「逆に、なんで関東はしょっぱいの?」と答えが返ってくるほど、九州地方では甘い醤油がポピュラーとなり根付いた食文化となっています。

調味料の一つである醤油ですが分類がそれぞれあり、醤油にはJAS規格(日本農林規格)により定められている「濃口醤油・淡口醤油・溜醤油・再仕込醤油・白醤油」の5種類に分けられています。

九州地方の甘い醤油は「濃口醤油」の分類になり、甘くて濃厚な味わいが特徴で、風味を生かしながら塩分を抑えてうま味と甘みを増したマイルドな口当たりになっています。

九州では甘い醤油が定番

醤油には地域によって味に差があり、その背景には土地の風土や食文化が大きく関係しています。日本海側の地域でも甘い醤油が主流となっていますが、九州地方ではさらに甘い醤油が好まれています。

よくスーパーやお寿司屋さんなどでみかける刺身醤油ですが、九州の刺身醤油は甘みが強く、ねばつきをだすためにベースとなる醤油に糖分(砂糖類や甘味料)を増やしており、ほとんどの刺身醤油が甘口の醤油となっています。

もともと、刺身醤油は刺身のうま味を引き出すため甘みを加えられていますが、九州のメーカーが作る刺身醤油はかなり甘く、コクと甘み、とろみが強いのが特徴です。よりおいしく鮮魚を味わえる調味料として使われています。

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九州の醤油が甘い理由とは?

九州醤油はいわゆる普通の濃口醤油もあるのですが、さらに甘みを加えたものがとても多くなっています。甘くなった理由にはさまざまな説があり、江戸時代にまでさかのぼる歴史があります。九州ならでは土地柄や、醤油の原料、九州の食文化に合わせた理由など、九州の醤油が甘くなった理由についてご紹介していきます。

①気候と甘味の関係

九州以外でも東北地方や北陸地方でも好まれている甘口醤油ですが、九州から南に行くほど甘さが増していきます。気温が高くなればなるほど人間は生理的に甘いものは欲するという要因が説としてあるようです。

また、九州沿岸の海で働く漁師たちが、肉体労働の中で醤油に砂糖を溶かし、エネルギー補給をしていたという話もあります。気候や産業などの要素が合わさって九州の醤油は甘くなっていったようです。実際に甘口醤油は九州地方を南下するほど甘みが強くなる傾向があります。

②砂糖が豊富にあった

九州醤油が甘い理由として、砂糖が手に入りやすい環境が要因としてあるようです。長崎の出島を通したオランダとの貿易によって、砂糖の大量輸入があったことが根付く要因として挙げられます。

同じく料理に砂糖を使うオランダの食文化が、九州の食文化になじんことも影響を与えたと言われ、九州に広まりをみせていきました。

また、日本西南部の温暖な地域である沖縄や奄美大島などでは砂糖の生産が多く、当時の幕府が砂糖の国産化を進めていた背景もあり、九州地方に砂糖が手に入りやすい環境が整っていたことも理由としてあります。

③焼酎に合う味

九州では多くの人が焼酎を好んで飲みます。特に辛口の焼酎は九州では人気があります。焼酎の成分には糖分がほとんど入っていないため、焼酎のお供となるつまみ料理などは、甘口のものが好まれています。

煮物、天ぷらなど甘口醤油で作られる料理が多く、辛いお酒には甘い味付けである料理の相性がいいとされるため、辛口の焼酎に合わせて、味付けの調味料である醤油が甘くなったという説が理由としてあるようです。

④新鮮な魚の為の調味料

九州は海に囲まれた県が多く、新鮮な魚を食べる機会が多いです。甘い醤油は生臭さを消してくれる作用があり魚との相性がよく、新鮮な魚のために使う調味料として九州の食文化になじんていきました。

特に鹿児島では魚を食べる機会が多く、ほかの九州の県と比べても甘い醤油になっています。南に位置する鹿児島は温暖な気候のためカロリー消費が多い県です。それを補うため甘い味付けが好まれたと言われています。

九州の醤油の原料について

九州醤油は郷土料理には欠かせない調味料です。甘さを加えた煮物、焼き物、出汁などさまざまな調理に幅広く使われています。醤油というものは、大豆と小麦を原料とした麹(こうじ)に食塩水を加え、発酵させたものを絞った調味料です。

九州醤油の甘さの源となる、原料の詳細についてや、ジャンル、味の違いなど九州醤油の特徴をさらに深掘りして魅力をご紹介していきます。

ジャンルは「濃口醤油」

九州醤油は関東地方で多く消費されている「濃口醤油」とジャンルは一緒になりますが、作る地域によって特徴が生まれてきます。関東地方の醤油と違う点は九州醤油のほうが甘みが強く、香りがマイルドなところです。

関東地方の醤油は、塩分量が濃口で16パーセント、薄口で19パーセントほどですが、九州醤油は15パーセント程度の塩分量となっており、関東地方とは大きく異なります。この塩分量の違いで、関東地方の醤油は「しょっぱい」、九州地方の醤油は「あまい」という味の違いに繋がっています。

あまくちとうまくちとは

九州のスーパーなどでは醤油は「あまくち」と「うまくち」の2つがよく見かけられスタンダードとなっています。どちらも濃口醤油よりも甘みやうま味がある醤油ですが、この2つの違いとなる詳細をご紹介します。

商品のラベルに「あまくち」と書いてあるものは、文字通り甘さがしっかりしている味の醤油です。原材料は砂糖、甘草エキス、ステビアなどの甘味料が成分となり加えられています。

次に「うまくち」はグルタミン酸(アミノ酸)、イノシン酸などのうま味成分を含んで作られたものです。「うまくち」と書かれた醤油でも甘味料が足されていることが多いので、九州の醤油はほとんどが甘く仕上げられています。

「うまくち」は他の県でも使われる表現ではありますが、九州醤油は特にその表現が多く使用されるケースがあるそうです。そのあたりも九州醤油「うまくち」の特徴といえるでしょう。

九州醤油の甘さの原料

九州醤油は砂糖類や甘味料などの原料が多く入っています。主な甘さの元となる原料は以下の通りになります。

砂糖類(砂糖・ブドウ糖・ブドウ糖果糖液糖・水あめ・麦芽糖)
甘味料(カンゾウ抽出物・グリチルリチン酸・サッカリン・ステビア抽出物)

九州の醤油に合う料理や使い方

九州醤油に興味を持った方に、おすすめの料理や使い方をご紹介していきます。九州では魚を中心に使うことが多いですが、その他の料理でも九州醤油と相性のいい料理を紹介しますので、食卓でご活用していただければと思います。

おすすめの使い方①刺身

まず最初に紹介する、料理と使い方は「刺身」です。九州醤油のとろみが新鮮な魚としっかりなじんで、魚特有の生臭さも消してくれます。刺身嫌いの方でも九州醤油を付けると食べられた、という方もいるそうです。

おすすめの使い方②卵かけご飯

次に紹介するおすすめの料理と使い方は「卵かけご飯」です。普通の醤油で食べてきた方であれば、九州醤油で変化を付けてみてはいかがでしょうか。普通の醤油とは一味違う、マイルドな味わいになります。

おすすめの使い方③煮物

次に紹介するおすすめの料理と使い方は「煮物」です。砂糖やほかの調味料の量を減らしても、九州醤油のうま味とコクで味がしっかりと決まります。火を通す料理にも九州醤油は相性のいい使い方です。

おすすめの使い方④冷奴

次に紹介するおすすめの料理と使い方は「冷奴」です。甘い醤油を感じることができるシンプルな食べ方です。豆腐本来の素材の味を活かしてくれますので、焼酎など、お酒のつまみに最適な食べ方です。

おすすめの使い方⑤天ぷら

次に紹介するおすすめの料理と使い方は「天ぷら」です。通常であれば天つゆを使うところですが、九州醤油と天ぷらはとても相性がよく、天ぷらなどの揚げ物が天つゆいらずでいたただける、九州醤油ならではの食べ方です。

おすすめの使い方⑥焼きもち

次に紹介するおすすめの料理と使い方は「焼きもち」です。香ばしいおもちと甘い九州醤油がバランスよく合わさり、どこか懐かしい味わいになります。年末年始だけでなく、1年を通しておすすめできる使い方です。

おすすめの使い方⑦パスタ

次に紹介するおすすめの料理と使い方は「パスタ」です。レシピサイトにも醤油ベースのクリームパスタが多く紹介されており、九州醤油を使えば、甘みとコクをさらに引き出します。材料も少なめで手軽に料理もできます。

九州の甘い醤油を食卓に是非!

九州醤油は刺身、冷奴、天ぷら、卵かけご飯、煮物など多くの料理に使えるおすすめの醤油です。甘みとコクがあり、塩分も控えめなので余分な調味料がいらないのがメリットです。全国の生産量のうち、九州醤油はわずか1パーセントしか作られていませんが、最近はネットで簡単に購入できますので、ぜひ食卓にお使いください。

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