東山温泉「向瀧」は文化財に登録された木造旅館!中庭の絶景や温泉は?

会津東山温泉の老舗旅館「向瀧」は、国の有形文化財に宿泊できる貴重な宿です。職人の技が光る美しい木造建築、それと調和する中庭、そして会津藩士が愛した温泉。人生で一度は訪れたい、会津東山温泉「向瀧」の魅力をご紹介しましょう。

東山温泉「向瀧」は文化財に登録された木造旅館!中庭の絶景や温泉は?のイメージ

目次

  1. 1会津の老舗旅館「向瀧」
  2. 2会津東山温泉「向瀧」の魅力
  3. 3会津東山温泉 「向瀧」の客室の種類
  4. 4会津東山温泉「向瀧」のかけ流し温泉
  5. 5会津東山温泉「向瀧」の施設詳細情報
  6. 6会津東山温泉「向瀧」で至福の時間を!

会津の老舗旅館「向瀧」

会津東山温泉にある旅館「向瀧(むかいたき)」は、東山温泉の中でも長い歴史を誇る老舗旅館です。東山温泉の歴史は今から約1300年前の奈良時代、行基(ぎょうき)という僧侶によって発見されたのが始まりとされ、今では20軒ほどの温泉旅館が並びます。

東山温泉は白虎隊でも有名な会津藩の湯治場として栄え、会津の奥座敷として発展を遂げてきました。東山温泉の中でも、主に上級藩士の保養所として利用されていた「きつね湯」があります。明治維新の廃藩置県によって、会津藩からこのきつね湯を譲り受けたのが現在の向瀧です。

登録有形文化財に指定された木造旅館

会津東山温泉「向瀧」で特筆すべきはその「建物」です。江戸時代中頃からあるとされる向瀧の建物は、その建築の素晴らしさから国の有形文化財に登録されています(有形登録文化財第1号)。長い時の中で増築をしてきた向瀧ですが、匠の技術によって造られた向瀧の建物は、現代では再現不可能とも言われています。

外観はもちろん玄関に一歩足を踏み入れれば、美しい日本建築に圧倒されることでしょう。選びぬかれた木材を贅沢に使い、会津の大工と東京の大工が切磋琢磨して造り上げた木造建築は、随所に職人の技と心がちりばめられ、いつまででも見ていたくなる美しさです。

値段も安いと顧客満足度が高い

会津東山温泉「向瀧」は値段が安いと評判です。1泊2日の一番安い料金は18,000円~と、普通に考えれば決して安いとは言えません。それでも利用した人たちが「安い」という理由は一体何なのでしょうか?それは、向瀧という温泉旅館の素晴らしさにあります。

国の有形文化財にも登録されるほどの美しい日本建築、美味しい料理、心身ともにほぐれる温泉、客人を迎える最高のおもてなし。向瀧に宿泊することによって得られる感動は、まさにプライスレスです。お金の高い・安いの価値観は人それぞれですが、きっとほとんどの人が「安い」と感じてしまうことでしょう。

会津東山温泉「向瀧」の魅力

ここからは会津東山温泉「向瀧」の魅力についてお伝えしていきます。数ある魅力の中から4つのポイントに絞ってご紹介します。会津東山温泉の老舗旅館「向瀧」の人気の理由に迫ります。

魅力①歴史感じる宿の景観

会津東山温泉「向瀧」の魅力1つ目は、歴史を感じる宿の景観にあります。江戸時代中期頃からあると言われる向瀧の建物は、ひと目で分かる老舗の貫禄・荘厳さを感じさせる佇まいです。あえて少し離れた場所から見てみると、周囲の景観と相まってより一層美しい景観が堪能できます。

東山温泉街の中を流れる湯川(ゆがわ)、そこに架かる橋、裏山の木々。四季折々に美しい景観を楽しませてくれますが、中でも一番のおすすめ時期は冬です。雪景色に包まれた向瀧は荘厳さを増し、それでいて不思議な温かさも感じさせます。日が落ちた後、ほのかな灯りに照らされる姿もぜひ見ておきたい景観です。

屋内にも見どころ満載

会津東山温泉「向瀧」の館内では、文化財に登録されるに相応しい日本建築の髄を見ることができます。床・天井・廊下・障子・欄間など、至るところにちりばめられている職人の技術は、建築にさほど興味がない人でも思わず見入ってしまうほどの美しさです。

さらに、建物を守り続けている向瀧の手入れの素晴らしさにも感動することでしょう。塗りの廊下や階段、柱は光るほどに磨き上げられ、細かい欄間なども綺麗に保たれている様を見ると、いかに丁寧にこの優れた登録文化財の木造建築を守っているのかが伝わってきます。

魅力②美しい中庭

会津東山温泉「向瀧」の2つ目の魅力は、美しい中庭です。およそ3,000坪もの敷地の中にある中庭は四季折々に表情を変え、訪れる旅人を楽しませてくれます。傾斜を活かしつつどこから眺めても美しいように配置された木々、苔むした地面、揺れる水面。見れば思わず足を止めてしまう、素晴らしい中庭です。

中庭は時間帯によっても表情を変えます。陽の光に輝く昼間、ライトアップされる夜、それぞれに趣の異なる美しさがあります。また、中庭と向瀧の建物との組み合わせも美しい景観です。雪がない時期は中庭を歩くこともできるので、ぜひ自分好みのアングルを探してみてください。

冬には「雪見ろうそく」が美しい

会津東山温泉「向瀧」の冬のお楽しみとして有名なのが「雪見ろうそく」です。雪見ろうそくは、細工を施した竹筒の中にろうそくを灯して、雪が積もった中庭を楽しむ向瀧の冬の風物詩です。その幻想的な美しさはまた格別で、雪見ろうそくを楽しむために毎年冬の時期に向瀧を予約する人もいるのだとか。

中庭の雪見ろうそくは、例年会津地方に雪が積もり始める12月下旬頃~始まります。近年は暖冬の影響で積雪が少なく、雪見ろうそくの開始が遅れているそうです。雪見ろうそくの開始状況は向瀧の公式HPでも案内されていますので、予約される際にチェックしてみてください。

魅力③季節毎の郷土料理コース

会津東山温泉「向瀧」の3つ目の魅力は、料理です。向瀧で提供される料理は季節ごとに献立が変わり、その時期の旬にこだわった老舗旅館の料理を楽しむことができます。化学調味料を使わず、会津の伝統・文化を大切にし、自然からの恵みを存分に活かした料理は身体にも心にも優しい料理です。

山と川に囲まれた会津にある向瀧では、無理にマグロやカニを使うことはしません。地元で採れる野菜や米・川魚などを使い、趣向を凝らした手作りの料理が並びます。派手さや豪華さは少ないかもしれませんが、一品一品が滋味深く、身体が喜ぶ味わいです。

鯉料理の持ち帰りが可能

向瀧で必ず提供される料理として「鯉料理」があります。会津地方で鯉が食べられるようになったのは江戸時代以降、大飢饉を乗り切るため会津藩が鯉の養殖を奨励したのが始まりとされています。海の魚が手に入りにくい会津地方において、鯉は貴重なタンパク源でした。

鯉料理の中でも老舗旅館向瀧の名物とも言えるのが「鯉の甘煮」です。昔は高級であった砂糖をふんだんに使っていることから、「殿様の料理」とされていたそうです。甘辛く煮込まれた鯉は、お酒にもご飯にも相性抜群。ボリュームがあって食べきれない場合でも、真空パックに入れてお持ち帰りできる嬉しいサービスもあります。

魅力④行き届いたおもてなし

会津東山温泉「向瀧」の4つ目の魅力は、おもてなしです。訪れた人の多くが、向瀧でのおもてなしに大満足しています。料理や温泉、素晴らしい中庭や登録文化財である建物など、目に見えるおもてなしはもちろん、向瀧で働くスタッフの目に見えないおもてなしも評判です。

宿に到着すれば温かな笑顔で出迎えてくれ、滞在中も過度でもない、過少でもない心地よいおもてなしが続きます。そのような「おもてなし」ができるのは、すべてのスタッフが会津東山温泉「向瀧」に愛情とプライドを持っている証。千利休に始まる「客人を思い、もてなす」、老舗のおもてなしを体感できます。

会津東山温泉 「向瀧」の客室の種類

会津東山温泉「向瀧」の客室は全部で24室。それぞれに間取りやつくりが異なり、1つとして同じ客室はありません。職人の技やこだわりが随所に光る、登録文化財の旅館客室はどのような種類があるのか、ご紹介していきましょう。

なお会津東山温泉「向瀧」は登録文化財第1号であるほど歴史ある老舗温泉旅館ですが、快適に過ごせるための設備も充実しています。温水洗浄便座Wi-Fiの他、空調も完備されていますので、寒い季節も安心です。

客室①中庭側や湯川向き

会津東山温泉「向瀧」では、中庭向きや湯川向き・山向きなど、客室から見える景色別に客室のタイプが分けられています。客室から見える景色と料理の内容によって料金設定がされているため、公式HPでもどの景色が見えるのか、などが詳しく明示されています。

一番人気はやはり中庭が見えるお部屋で、平日1泊2日(2名1室)大人1名あたり21,000円~です。客室からの眺めに特にこだわりがない場合には少々安い料金となり、大人1名あたり18,000円~となります。なお、公式HPから予約すると最も安い料金で予約ができ、部屋の希望を第3希望まで出すことができます。

客室②温泉付き

温泉付きの客室は2部屋あります。部屋付きの温泉は内風呂で、大浴場と同じくこちらも24時間源泉かけ流し、いつでも気兼ねなく東山温泉のお湯を楽しめます。部屋からは山側の景色、料金は平日1泊2日(2名1室)大人1名あたり2,1000円~です。

客室③はなれの間

1部屋のみの特別室はなれの間」は、3部屋続きで20畳もの広さがあり、専用風呂も付いている豪華な書院造りの部屋です。かつては皇族の方々もお泊りになられた宮内庁指定棟として記録にも残されているそうです。昔から格式高い部屋に施されてきた折り上げ式格天井など、建築技術の素晴らしさも光ります。

部屋からは中庭を眺めることができ、料金は平日1泊2日(2名1室)大人1名あたり35,000円~。畳に座り、障子を開けて見る中庭の景色は何とも言えない風情があります。凛とした空気の中に流れる静かな時間、歴史に思いを馳せる豊かな時間を過ごすことができるでしょう。

野口英世も訪れた

はなれの間には、福島を代表する偉人野口英世も宿泊したことがあるそうです。その際、向瀧のおもてなしにたいそう感動し、「美酒佳肴(びしゅかこう・酒も美味しく料理も美味しかった)」という言葉を書に残しています。

はなれの間では、野口英世のこの書を見ながらお酒を楽しむことができます。歴史上の偉人が残した書を見ながら飲むお酒は、また格別の味がすることでしょう。野口英世の言葉をヒントに、向瀧では宿の料理に合う日本酒を開発し「美酒佳肴」と名付けました。会津東山温泉「向瀧」のみの限定販売です。

会津東山温泉「向瀧」のかけ流し温泉

会津東山温泉「向瀧」の温泉は、源泉100%かけ流しです。湯船には常に温泉が流れ入り、24時間いつでも新鮮な温泉に入ることができます。泉質はナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉で、無色透明・無味無臭の温泉です。

神経痛や筋肉痛など一般的な効能の他、訪れた人からは「よく温まる」「肌がすべすべになる」という評判も多く聞かれています。はるか昔から愛されてきた東山温泉の湯を贅沢に味わえる向瀧の温泉は、どのような種類があるのか?日帰り入浴は行っているか?など詳しくお伝えしていきます。

温泉①きつね湯

会津東山温泉「向瀧」の温泉1つ目は「きつね湯」です。江戸時代には会津藩の保養所として利用されていた歴史ある湯です。シャワーや洗い場はないので、「さるの湯」で身体を洗ってからの入浴がおすすめです。

45℃ほどある熱めのお湯で、ゆっくり静かに浸かればジワーッと身体に温泉成分が染み入るかのような感覚。湯口には温泉成分が結晶となってびっしり付着し、温泉好きには堪らない光景です。見逃せないのが洗面台や浴室内の石やタイル達。今となってはなかなか見ることのできない貴重な年代物ばかりです。

温泉②さるの湯

会津東山温泉「向瀧」の温泉2つ目は「さるの湯」です。大理石の湯船に、大きな窓で開放感溢れる内湯です。四季折々の景観、流れ落ちる滝の音を楽しみながら入浴ができます。露天風呂感覚で入れるので、冬の雪景色も寒さの心配がありません。

さるの湯の温度は42℃ほど。ちょうどよいお湯加減で、のんびりゆったり温泉に浸かることができます。シャワーと洗い場があり、温泉はぬるめから熱めに入るほうが体に優しいとされていることから、まずは「さるの湯」に入られることをおすすめします。

温泉③貸切風呂

会津東山温泉「向瀧」には、3つの貸切風呂があります。予約不要・時間制限なしで、空いていればいつでも好きなだけ利用できる、というのは宿泊者にとって非常に嬉しいポイントです。利用する時は内側から鍵を掛けることで、入浴中であることを知らせます。貸切風呂には洗い場はありません

3つの貸切風呂はそれぞれ「蔦の湯」「瓢の湯」「鈴の湯」。天井には湯の名前の彫刻が彫られています。1人でも、家族や友人と一緒でも、気兼ねせずにのんびり入れる貸切風呂は、心と身体の奥からリラックスできます。

日帰り入浴は不可

会津東山温泉「向瀧」では、日帰り入浴は行っていません。人気の老舗宿であるため、日帰り入浴でもいいから行ってみたい!という方も多いでしょう。しかし歴史ある老舗宿であるが故に、日帰り入浴を受け入れるだけのスペースが足りないことから、日帰り入浴は行っていないそうです。

日帰り入浴ができない代わりに、宿泊の際には日帰り客による混雑を心配せずに入浴を楽しめる、という別の視点から見たメリットもあります。安い料金で気軽に楽しめる日帰り入浴は人気がありますが、向瀧の素晴らしい建築物・温泉を守り維持していくためには致し方ないことかもしれません。

東山温泉には日帰り入浴ができる温泉施設もあります。安い所では400円~日帰り入浴が利用できますので、歴史ある東山温泉のお湯を楽しみたい方は、日帰り入浴施設情報も合わせてチェックしておくと良いでしょう。

会津東山温泉観光協会
公式WEBサイト
http://www.aizu-higashiyama.com/history.html

会津東山温泉「向瀧」の施設詳細情報

これまでご紹介してきた会津東山温泉の老舗旅館「向瀧」の施設情報をお伝えします。お土産やアクセス情報などもありますので、訪れる際の参考にしてください。

会津東山温泉「向瀧」の詳細情報

名称 会津東山温泉 向瀧(むかいたき)
住所 〒965-0814
福島県会津若松市東山町大字湯本字川向200
電話番号 0242-27-7501
客室数 24部屋
温泉 内湯:2、貸切風呂(内湯):3
泉質 ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉
公式HP https://www.mukaitaki.com/

アクセスの詳細

会津東山温泉「向瀧」へのアクセスは、車またはJR磐越西線「会津若松駅」からバスかタクシーとなります。「ハイカラさん」「あかべぇ」は、会津若松市内の観光スポットを巡る周遊バスです。1回210円・1日乗り放題フリーパス600円という安い料金で利用でき、鶴ヶ城や七日町など会津若松市内の観光もされる方には非常にお得です。

「ハイカラさん」と「あかべぇ」は30分間隔で運行していて、それぞれ逆まわりに走ります。会津若松駅から直接東山温泉へ向かわれる場合は、「あかべぇ」を利用した方が短い乗車時間(約15分)で到着します。その他のアクセス方法についても下の表にまとめていますので、参考にしてください。

アクセス ○磐越自動車道「会津若松IC」より車で約15分
※冬期は要スタッドレスタイヤ
○JR磐越西線「会津若松駅」より
まちなか周遊バス「ハイカラさん」「あかべぇ」利用
「東山温泉駅」下車、徒歩約90秒
○JR磐越西線「会津若松駅」よりタクシーで約15分
※送迎バスの運行なし
駐車場 あり
※旅館前へ車寄せ後、係員の方が移動します

向瀧限定のお土産が購入可能

会津東山温泉「向瀧」では、限定のお土産を購入することができます。野口英世が残した言葉にちなんだ日本酒「美酒佳肴」や、名物料理「鯉の甘煮」「棒たら」など、宿で楽しんだまさしく「美酒佳肴」が自宅でも楽しめると人気です。美味しいと評判の会津産のお米も販売しています。

会津東山温泉「向瀧」で至福の時間を!

会津東山温泉が誇る老舗旅館「向瀧」の魅力についてご紹介してきました。国の登録有形文化財に宿泊できるというのは、なかなか経験できることではありません。日本の素晴らしい技術と文化、そして最高のおもてなしを体験できる会津東山温泉「向瀧」で、至福の時間を過ごしてみませんか?

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この記事のライター
てんきんまる
転勤で日本各地を転々としながらも、その土地ならではの観光スポットや美味しいもの巡りを楽しんでいます。温泉と美味しい...

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