秋田「中嶋記念図書館」が日本一美しい!撮影地にもなるデザインとは?

秋田には、日本で最も美しく24時間365日眠らない図書館があることを知っていますか。国際教養大学の「中嶋記念図書館」です。古代ローマのコロシアムを思わせる特徴あるデザインに利用者を第一に考えた設計。今回は「中嶋記念図書館」の魅了や利用方法についてご紹介します。

秋田「中嶋記念図書館」が日本一美しい!撮影地にもなるデザインとは?のイメージ

目次

  1. 1日本一美しい図書館「中嶋記念図書館」
  2. 2中嶋記念図書館の設計・デザインについて
  3. 3中嶋記念図書館の魅力とは
  4. 4中嶋記念図書館の施設詳細情報
  5. 5美しい図書館「中嶋記念図書館」に足を運んでみよう!

日本一美しい図書館「中嶋記念図書館」

秋田県は、自然豊かな美しい街として印象がありますが、その秋田に話題を振りまいている大学があります。国際教養大学です。国際教養大学は、2004年に開校した新しい大学ですが、今までの日本の大学とは違った校風で、人気を集めています。

そして、その図書館がまた美しすぎるとして、CMやドラマの撮影場所としても注目を浴びています。その図書館こそが、「中嶋記念図書館」です。24時間365日眠らない図書館で、今までに見たこともない円形のデザインが特徴です。グッドデザイン賞など様々な賞を受賞していて、日本一美しい図書館とも言われています。

国際教養大学にある図書館

「中嶋記念図書館」は、国際教養大学の図書館で2008年に建設されました。学生達に時間の制限なく集中できる環境を与えたい、そして、もっと沢山の本と向き合って欲しいという大学の想いから出来た図書館です。ところで、国際教養大学とはどんな大学なのでしょうか。

国際教養大学の学部は、国際教養学部のみで授業は全て英語というユニークなスタイルが特徴です。教員の半分が外国国籍で、しかも留学生は46カ国から受け入れています。5人に1人は留学生だそうです。日本国内からも、都心でもないのに、全国各地から入学希望者が集まる人気の大学なのです。

授業は全て英語!

国際教養大学の大きな特色として、授業が全て英語ということがあげられます。しかし、それは英語を学ぶために行なっているわけではありません。英語で考え、英語で意見を主張できる能力を養う事が目的だそうです。

また、クラスは少人数制で、1クラス18人程です。それは、教員と学生のコミュニケーションを大切にしていて、学生が自分の意見を述べる機会を増やす目的もあるそうです。もう1つこの大学がユニークなのは、学生は在学中に1年間海外留学が義務付けられていることです。英語にこだわった大学なのです。ちなみに、図書館の本も英語のものが多いそうです。

就職率は脅威の100%

国際教養大学がすごいのは、なんと就職率が100%ということです。優秀な大学として代表的な東大、早稲田、慶応よりも就職率が上なのです。しかも、その就職先は、誰もが知っている大企業ばかりです。

ある団体が実地した大手企業へのアンケート調査で、学生に求めるもので一番大事なものはコミュニケーション能力と結果がでていたそうです。英語を身につけておけば、臆することなく海外にでてもコミュニケーションがとれるということですね。英語力とコミュニケーション力を養う事を大切にしている国際教養大学は、まさにモデル的な大学かもしれません。

日本の美しい図書館第一位に輝く

日本には、大小さまざまな図書館がありますが、国際教養大学の「中嶋記念図書館」は、その中でも最も美しい図書館としてCMや撮影などにも使用される有名な図書館です。また、その美しさを一目見たいと、学生以外にも沢山の人が訪れています。

2008年に建設された「中嶋記念図書館」のテーマは、“本のコロセウム”とし古代ローマの闘技場を思わせるデザインになっています。館内は、地元秋田の秋田杉をふんだんに使用しているので、どことなく木の優しいぬくもりを感じます。そんな美しさが認められ、「中嶋記念図書館」はグッドデザイン賞や、国際建築賞2010など数多くの賞を受賞しています。

中嶋記念図書館の設計・デザインについて

日本国内、そして世界中には、一度は訪れてみたくなる美しい図書館が数多くあります。例えば、スウェーデンのストックホルムにあるストックホルム市立図書館や、オーストリアにある国立図書館などはため息が出てしまうほど素敵な図書館です。

世界の美しい図書館は、CMやテレビの撮影などでも使われることが多いので、一度は見たことがあるのではないでしょうか。そんな世界の有名な美しい図書館と比べても引けを取らない図書館が、この“中嶋記念図書館”です。ここからは、世界からも注目される“中嶋記念図書館”のデザインや設計についてご紹介していきます。

建築家 仙田 満氏により設計

“中嶋記念図書館”は、東京工業大学名誉教授でもある、建築家仙田満氏によって設計されました。仙田氏は、26歳の時に独立し事務所を立ち上げましたが、事務所の屋号を自分の名前を使わず、「環境デザイン研究所」としました。

それは、仙田氏が、建築物だけでなく、都市やその環境、インテリア、展示方法など様々な事も含めて、設計していくと決めていたからだそうです。

仙田氏は、“中嶋記念図書館”以外にも、建築家・環境デザイナーとしてたくさんの建物の建築・設計に携わり、様々な賞を受賞しています。現在は、「環境デザイン研究所」の会長に就任しています。

ローマの「コロシアム」をイメージ

ところで「コロシアム」ってご存知ですか?「コロッセオ」ともいわれますが、古代ローマの円形闘技場で、現在はイタリアの首都・ローマの代表的な観光スポットです。実際の「コロシアム」は、真ん中にアリーナつまり戦士が闘う場所があります。そのアリーナを囲むように、観客席が1階から4階まで設置されています。

“中嶋記念図書館”は、この「コロシアム」をイメージし、テーマを「本のコロシアム」として建築・設計が計画されたそうです。半円形の空間の真ん中に閲覧スペースを作り、そこを中心に段状の大空間を作り、書籍が収められています。

デザインに関する賞を数々受賞

“中嶋記念図書館”は、今までにないユニークさと美しさを持った図書館として、日本建築家協会賞、国際建築賞2010、村野藤吾賞、建築家ファーラムアワード優秀賞、グッドデザイン賞などさまざまな賞を受賞しています。

2013年国連寄託図書館にも認定

ところで、国連寄託図書館って聞いたことがありますか。国連寄託図書館とは、国連との契約の元、国連関係の文書や出版物を寄贈され、図書館で一般に公開することです。日本では、東京大学総合図書館や国立国会図書館など14か所だけしか国連寄託図書館として認められていません。その国連寄託図書館に“中嶋記念図書館”は2013年に認定されました。

秋田の伝統技術「傘型屋根構造」を採用

“中嶋記念図書館”の天井をみると、なにか思い浮かぶものがないでしょうか。私たちがよく使用する、傘を広げたように見えませんか。これは、秋田の伝統技術で「傘型屋根構造」というものです。傘のように円形状に、秋田杉が四方に広がっているのです。訪れた人が、うっとりと眺めしまうほど美しいデザインです。

木材には「秋田杉」

“中嶋記念図書館”は、先ほどご紹介したように秋田伝統技術の「傘型屋根構造」を採用しています。その傘の部分には、地元秋田の秋田杉をふんだんに使っています。秋田杉とは、秋田県の天然杉で、青森のひば、木曽のひのきとならぶ日本の三大美林の1つで、大変高級な木材です。

秋田杉は、秋田の特産品曲げわっぱなどにも使われています。そんな最高級の秋田杉を惜しみなく使い、木の優しいぬくもりと、どこからともなく香る木の匂いはほっと落ち着く空間を創り出しています。

中嶋記念図書館の魅力とは

ここまで、“中嶋記念図書館”のデザインや設計の素晴らしさについてご紹介してきましたが、“中嶋記念図書館”の魅力は、それだけではありません。

“中嶋記念図書館”の魅力を語る際に忘れてはならないのが、“中嶋記念図書館”は、図書館を利用する人の事を第一に考え作られているという事です。ここでは、その魅力ある工夫についてご紹介します。

魅力①24時間365日開館

“中嶋記念図書館”は、24時間365日眠らない図書館として有名です。これは、学生達が思い立った時いつでも、本と向き合い勉強に打ち込むことができるようにとの、大学側の考えです。古代ローマの円形闘技場が戦士達の闘いの場であったように、“中嶋記念図書館”もまた学生達の闘いの場なのです。

一般利用者は制限あり

“中嶋記念図書館”は、一般の方もご利用頂けますが、24時間図書館を利用できるのは、在学生と教職員だけです。一般の方は、時間制限があるので気を付けてください。

平日は8:30~22:00、土曜・祝日・長期休暇期間は10:00~18:00、日曜は10:00~22:00となっています。一般の方には制限があっても、公共の図書館よりはずっと長い時間開放してくれているので、便利ですね。

魅力②所蔵図書は8万冊以上!

“中嶋記念図書館”は、膨大な本を所蔵しており、その数はなんと8万冊以上です。そのうち6割以上の本が洋書だそうです。学生達がどれほど日頃から英語に触れているのかが想像できますね。また、外国人の観光客の方には、活用しやすい図書館ともいえます。また、本以外にも雑誌や新聞も洋雑誌、和雑誌と200以上の種類が揃えられています。

データ書籍も充実

“中嶋記念図書館”は、豊富な紙媒体の図書の所蔵がありながら、電子書籍、データーベース、電子ジャーナルといった電子資料も積極的に導入しています。

特に、授業がすべて英語ということで、それをサポートするために33万タイトル以上の洋書の電子書籍を揃えているそうです。そして、独自の検索システムを使って、自宅でもそれらの電子書籍が利用できるそうです。

魅力③学習スペースが充実

“中嶋記念図書館”は、学習スペースもとても充実しています。例えば、個人が学習するスペースは、階段状に書棚が設置されているその裏側になります。人目を避け、落ち着いて勉強に集中できる空間です。

また、図書館の1階には、図書館ラウンジが設けられていて、ディスカッションができたり、宿題をしたり、グループワークをしたり、飲食ができたりと、自由に使える空間です。

全座席にコンセント付き

“中嶋記念図書館”の館内には、多くの学習スペースが用意されていますが、それらの席すべてにコンセントが設置されています。自由に使用可能なので、学生をはじめ一般の利用者にとっても嬉しいサービスですね。

学生はフリーwifiが使用可能

“中嶋記念図書館”の学習スペースの席には、コンセントが設置されているとご紹介しましたが、国際教養大学の学生に限っては、大学のフリーWiFiにアクセスして、ネットを利用することもできます。学生には、至れり尽くせりの図書館ですね。

魅力④高さの違う3種類の椅子

また、図書館の利用者が長時間椅子に座ることを想定し、高さの違う3種類の椅子が用意されています。利用者は、自分の背丈や好みで3種類の中から自分にあった椅子を選ぶことが出来るのです。

特に、背の高い学生には喜ばれるサービスですね。座り心地の良い椅子に、居心地の良い空間があれば、ずっと図書館に缶詰状態になったとしても、勉学に励めそうな気がします。

中嶋記念図書館の施設詳細情報

ここまで、“中嶋記念図書館”の素晴らしさと魅力についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。こんなに素敵な図書館なら、一度は実際に行ってみたくなりますよね。

“中嶋記念図書館”は、時間制限がありますが、一般の方にも開放しています。本を読まなくても、どんな図書館なのか見に行くだけでも、楽しませてくれる図書館です。ここからは、一般の方が“中嶋記念図書館”を利用する方法やアクセス・駐車場情報をご案内します。

一般の人の利用方法

一般の方が“中嶋記念図書館”を利用する場合は、ほぼ学生と同じように図書館を利用することができますが、利用時間に制限があるので、そこだけお気をつけ下さい。
 

【平日】 8:30~22:00
【土曜・祝日・長期休暇期間】 10:00~18:00
【日曜日】 10:00~22:00

また、図書の借り出し希望の方は、身分証明書を持参して、レファレンスデスクで図書利用カードを作ってもらえば、読みたい図書を借りることが出来ます。貸出期間は、図書は1ヶ月間、CD・DVD・語学教材は1週間で、5点まで借りられます。

中嶋記念図書館の詳細情報

【名称】 中嶋記念図書館
【住所】 秋田県秋田市雄和椿川字奥椿岱193-2
【開館時間】 【在学生・教職員】 24時間
【一般利用者】 平日 8:30~22:00
        土・祝・長期休暇期間 10:00~18:00
        日曜日 10:00~22:00   
【休館日】 なし
【アクセス】 【車の場合】
JR奥羽本線「和田駅」から車で約10分
【路線バスの場合】
JR奥羽本線「四ツ小屋駅」→イオンモール秋田→国際教養大学 
所要時間約25分
【駐車場】 来客用駐車場あり
【公式HP】 https://web.aiu.ac.jp/

アクセスの詳細

“中嶋記念図書館”へのアクセス方法をご紹介します。車で行かれる方は、日本海東北自動車道「秋田空港IC」から約5分です。最寄り駅のJR奥羽本線「和田駅」からは、車またはタクシーで約10分です。

バスをご利用されたい方は、国際教養大学、イオンモール秋田(ショッピングセンター)、JR奥羽本線「四ツ小屋」駅の間を路線バスが運行されています。料金は、片道200円です。バスの運行時刻表は、国際教養大学のHPから確認で出来ます。

駐車場の詳細

“中嶋記念図書館”に車で来られた方は、国際教養大学の構内に来客用の駐車場があります。基本、来客用駐車場は無料です。駐車場の時間制限などの記述がないため、長時間駐車場のご利用予定がある方、大学の方にお問い合わせください。

CMやドラマなどの撮影に使用される!

“中嶋記念図書館”は、今までに連続ドラマ「戦う!図書ガール」や様々なCMやポスターに使用されています。ニベア花王株式会社のリップクリームのCMを作成した際には、国際教養大学の学生達がエキストラとしてCMに出演したそうです。

映画「図書館戦争」のロケ地との噂は?

2013年に公開された映画「図書館戦争」は、図書館を舞台にした小説「図書館戦争」が映画化されたものです。その「図書館戦争」の撮影場所になったのが“中嶋記念図書館”ではないかと当時注目を浴びていました。

実際に「図書館戦争」で撮影された図書館は、1つではなく、シーンごとに幾つもの図書館で撮影されたみたいですね。撮影に使用された図書館は、全国に広がっていますが、残念ながら“中嶋記念図書館”では、「図書館戦争」の撮影は行われていませんでした。

「図書館戦争」のシーンには出てきませんが、“中嶋記念図書館”の魅力を知って映画「図書館戦争」をみるとまた違った感覚で「図書館戦争」が楽しめるかもしれませんね。

美しい図書館「中嶋記念図書館」に足を運んでみよう!

日本で最も美しい図書館として有名な“中嶋記念図書館”に足を運んでみませんか。CMやポスターで一度は見たことがある光景かもしれませんが、実際にその空間に身を置くと、木の温もりと本の優しい香りに包まれ、心地良い時間が過ぎていくでしょう。たとえ、本に興味がなくても、その秋田の自然の溶け込んでいる美しい図書館は一見の価値があります。

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