「旧弘前市立図書館」はまるで洋風のお城?その歴史やライトアップなど!

旧弘前市立図書館は館の左右にある八角形の双塔が特徴です。現在は歴史的建造物として愛される旧弘前市立図書館。時期や時間帯によりはライトアップされた姿は幻想的です。近くに瀟洒なカフェがあり、時間を忘れたロマンある館の余韻に浸れます。アクセスもよく駐車場も充実です。

「旧弘前市立図書館」はまるで洋風のお城?その歴史やライトアップなど!のイメージ

目次

  1. 1「旧弘前市立図書館」とは
  2. 2「旧弘前市立図書館」の歴史
  3. 3「旧弘前市立図書館」の特徴・見所
  4. 4「旧弘前市立図書館」へ行ったら寄りたいカフェ
  5. 5「旧弘前市立図書館」の関連情報
  6. 6青森観光に加えたい「旧弘前市立図書館」

「旧弘前市立図書館」とは

旧弘前市立図書館が建設されたのは1906年(明治39年)、当時では珍しい西洋建築物でした。建物は白を基調として緑と赤のコントラストが印象的です。名称にもあるように旧弘前市立図書館は過去、図書館として使用さていましたが、現在は歴史的建造物として中を見学できます。

存在感のある素敵な洋館

旧弘前市立図書館は明治から時間が止まったままのような錯覚すら感じます。元が図書館だけに静寂な印象と、歴史ある建造物のもつ独特の存在感に満ちています。館の左右を飾る八角形の双塔、窓の多さもデザイン性の高さを感じます。

八角形の双塔をもつルネッサンス様式の洋風木造モルタル3階建を基調に、随所に和風様式が取りこまれた旧弘前市立図書館。そんな郷愁感溢れる旧弘前市立図書館ですが、現在はライトアップにより美しさと幻想的なただずまいがさらに魅力的なものに。

ライトアップされた旧弘前市立図書館は必見です。都心からのアクセスも良く駐車場完備なので、歴史を重ねるたびに魅力を増す旧弘前市立図書館を堪能してください。

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「旧弘前市立図書館」の歴史

1906年(明治39年)、青森県弘前市に旧弘前市立図書館は建設され、昭和6年(1931)までは市立図書館として利用されました。現在では弘前市に残る明治時代の西洋建築物でも屈指の、歴史的建造物である旧弘前市立図書館です。

ライトアップによる演出や、付近のおしゃれなカフェなどと調和する穏やかな姿からは想像できない、旧弘前市立図書館がここに至るまでの波乱があったのです。

明治39年東奥義塾高校敷地内に建設

旧弘前市立図書館は当初、市立東奥義塾(現在の東奥義塾高等学校)の敷地内に建設されました。その後1930年(昭和5年)、図書館の移転や東奥義塾の拡張などいくつかの理由が重なり移築されることになりました。

旧弘前市立図書館は移築の際、設計・施工を手がけた堀江家に払い下げられました。さらに旧弘前市立図書館はその際、弘前市富野町へ移築されるという波乱の来歴をたどることになります。

当時の名称は「日露戦捷記念弘前市立図書館」

旧弘前市立図書館が建設される以前、当時の弘前市には図書館がありませんでした。私立図書館が1903年(明治36年)に開館したものの日露戦争勃発により施設は軍に徴発されてしまったのです。堀江佐吉等5人の篤志家によって建設されることになったのが旧弘前市立図書館です。

また旧弘前市立図書館の建設当時の正式名称は「日露戦捷記念弘前市立図書館」でした。しかし、旧弘前市立図書館はこの後も数奇な運命をたどります。姿はそのままに役割を変えて弘前市へと貢献します。

昭和6年弘前市富野町に移築

市立東奥義塾の拡張や図書館の移転にともない、設計・施工を手がけた堀江家に払い下げられた旧弘前市立図書館は1931年(昭和6年)に弘前市富野町へ移築されます。こうして旧弘前市立図書館は堀江家のものとなりました。

堀江佐吉は、津軽藩の御用大工の家に生まれ、日露戦争時多くの軍施設の建築をし、そこで得た資金を元に弘前市へ寄付したのが旧弘前市立図書館です。

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賃貸アパートや喫茶店として利用

弘前市富野町へ移築された旧弘前市立図書館は、賃貸アパートや喫茶店として活躍することになります。3階建ての西洋建築を飾る八角形の2つの塔屋が住居としてしようされた贅沢な時代ともいえます。もちろん当時入居希望者は殺到、アパート時代の旧弘前市立図書館も人々に愛されていました。

平成2年現在地に修復・復元

弘前市制100周年記念の一つとして平成2年(1990年)、弘前市富野町より現在地に復元されました。そして平成5年(1993年)に青森県重宝に指定されています。現在は市立郷土文学館の施設となっており、郷土出版物や文芸資料などが展示・一般公開されいまの姿となっています。

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「旧弘前市立図書館」の特徴・見所

ルネッサンス様式をベースに、随所へ和風様式が取り入れられた魅力ある外観。双塔や屋根、窓にこらされた装飾を良く見れば、どこも細かな意匠がなされています。内部も魅力的で、八角の塔内部は角度を活かした部屋の構成は一見の価値ありです。

特徴①外観

旧弘前市立図書館は、八角形の双塔が特徴的な木造洋3階建の西洋建築です。白い壁面と赤い屋根、緑のアクセントが鮮やかな弘前市屈指の歴史的建造物です。周囲の景観に調和し、眺めていると海外にいるような錯覚に陥る異国情緒溢れる旧弘前市立図書館。

八角形の双塔のドーム

八角形の双塔、それが旧弘前市立図書館が普通の西洋建築と違う特徴です。三階建ての本体よりもさらに高く両側に建つ塔屋は天を突いています。一見優美な装飾見える塔屋頭頂部の避雷針。塔屋部分の赤い屋根は鉄板葺きで綺麗なドーム型を作っています。

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正面のドーマー窓

旧弘前市立図書館の建物全体に配置された多くの窓、その正面中央には窓枠がエンブレムのように飾られたドーマー窓が特徴的です。ドーマーとは、屋根裏などに採光や通風を目的として屋根の上へ設けられた窓をいいます。環境と採光を考えた図書館ならではの作りです。

玄関ポーチのペディメント

旧弘前市立図書館の左の塔屋1階に玄関正面があります。その深緑の玄関扉の上、張り出した屋根がひさしのようになっています。切妻屋根下部分、三角形の空間をペディメントといいます。日本建築でいうところの破風ですね。このペディメントの装飾も美しいのがこの館の特徴です。

特徴②内観

旧弘前市立図書館は、年末以外は無休で開館しています。9時から17時までの間なら自由に館内を見学できます。多くの役割を果たし時を経てきた旧弘前市立図書館は、今も当時の雰囲気そのままに。館内に残された家具や調度から当時の雰囲気を想像するのも楽しいですね。

1階 婦人閲覧室

1階婦人閲覧室は、八角の塔の内部。壁の形から分かるように独特の部屋の構成をしていますが、全ての窓がら明かりが入り、風が通る集中すには最高の環境です。細い格子の飾りが入った窓から伸びる西日の影は、切なくも満たされていく何かを感じられます。

1階 図書室

静謐さがが心地よいのが図書室がもたらさう独特の世界観。ここ旧弘前市立図書館は特にそう感じさせられます。窓の日差しが書棚のガラスケース表面を光らせ、日の傾きや風の流れで変わる採光が図書室の表情を変えていきます。この部屋は歴史好き、本好きにはたまらない場所です。

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2階 普通閲覧室

2階普通閲覧室は広めのホールのようです。特別閲覧室と左右の塔へと三室への扉があり、それでいて7つもある窓からは柔らかな明かりが行ってくる場所。木目のケース中、郷土の出版物と弘前市内の遺跡より出土した品が展示されています。

2階 評議室

八角塔内部、角度のついた部屋壁には連続水平窓がリズミカルに並び風と光を室内へ運びます。開放的な部屋の壁に向け、執務机といすなどの調度が品良く配置された部屋。旧弘前市立図書館はアパート時代だったこともあり、この部屋に暮らせた人に羨望を感じてしまう場所です。

2階 特別閲覧室

展示されているのはセピア色の写真。旧弘前市立図書館の過去の記録が見られます。喫茶店として使用されていた頃の貴重な写真や、弘前の文学マップが展示してあります。またこの部屋も夕暮れ時になると、窓からのぞく景色と差し込む夕日がとても幻想的です。

特徴③庭の洋館ミニチュア模型

「旧東奥義塾外人教師館」と「旧弘前市立図書館」の背面にミニチュアは展示されてます。明治・大正時代の建造物が、実物の10分の1の大きさで再現されています。また、既に現存していない洋風建築の精巧な展示もあり建築マニアにはおすすめの場所です。

特徴④冬のライトアップ

夜になると下からのライトアップにより、旧弘前市立図書館はさらに魅力的な演出で飾られます。過去企画された「弘前フィンランドクリスマスマーケット」イベントでは、冬を暖かく感じる素敵なライトアップをされています。

プロジェクションマッピングでライトアップされた旧弘前市立図書館はとても幻想的です。ライトアップの演出がされる時期や時刻は事前にぜひチェックしてください。

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「旧弘前市立図書館」へ行ったら寄りたいカフェ

弘前公園前に建つ旧弘前市立図書館は、少し歩けば観光・グルメ・ショッピングが楽しめるアクセスの良さも魅力です。レトロで瀟洒な旧弘前市立図書館を堪能した後は、おしゃれなカフェで余韻とともにスイーツを楽しむ。そんなおしゃれなカフェのうち3件をご紹介いたします。

カフェ①salon de café Ande

旧弘前市立図書館のすぐ側、県重要文化財の旧東奥義塾外人教師館1階にあるsalon de café Ande。シェ・アンジュ系列のフレンチ風カフェです。こちらも歴史ある洋館を感じさせるアンティークな雰囲気。2階部分が無料で見学でき、洋館もつ雰囲気を堪能できます。

salon de café Andeの詳細

【名称】 salon de café Ande
【住所】 青森県弘前市下白銀町2-1
【営業時間】 9:30~18:00(L.O. 17:30)
【定休日】 年末年始
【アクセス】 中央弘前駅から673m
【駐車場】 有り
【公式HP】 https://tabelog.com/aomori/A0202/A020201/2000246/

カフェ②カフェレストランDUBOIS

少しの休憩に一息つける場所でもあり、ガッツリ食べたい人にもおすすめなのがカフェレストランDUBOIS。店内は木のぬくもりあるナチュラルモダンで居心地のいい空間です。ハンバーガー、カフェ、パスタが楽しめ本場アメリカの味を青森県産の牛肉により再現するお店。

カフェレストランDUBOISの詳細

【名称】 カフェレストランDUBOIS
【住所】 青森県弘前市上白銀町1-10 2F
【営業時間】 [日~木]
11:00~16:00(L.O 15:30)
[金・土]
11:00~16:00(L.O 15:30)
17:00~21:00(L.O 20:30)
【定休日】 無し
【アクセス】 中央弘前駅から774m
【駐車場】 無し(弘前市役所・観光館駐車場は1時間まで無料です)
【公式HP】 https://dubois-cafe.com/

カフェ③大正浪漫喫茶室

藤田記念庭園内、赤いとんがり屋根の洋館内にあるカフェです。広くゆったりとしたサンルームの窓際に置かれた席は、外の景色を楽しみながら食事ができる人気の特等席。大正時代の面影は今もそこにあり、ゆったりと感じる時の流れに包まれ食事を楽しめます。

大正浪漫喫茶室の詳細

【名称】 大正浪漫喫茶室
【住所】 青森県弘前市大字上白銀町8-1 藤田記念庭園内
【営業時間】 9:00~17:00
【アクセス】 中央弘前駅から徒歩約10分
【駐車場】 有(藤田記念庭園駐車場60台)
【公式HP】 https://bit.ly/2QLuhVb

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「旧弘前市立図書館」の関連情報

旧弘前市立図書館のある弘前公園周辺はアートにグルメにショッピングが楽しめる環境です。旧弘前市立図書館が隣接する旧東奥義塾外人教師館をはじめ少し足を伸ばせばアートとグルメといった文化的な楽しみを得られる場所が豊富にあります。

「旧弘前市立図書館」へのアクセス

旧弘前市立図書館は弘前市中心部にあるので、どの交通手段でもアクセスは良好。また、観光へのアナウンスも整備されているのでストレスもありません。旧弘前市立図書館に行く際の自動車やバスなど各種アクセス方法をご紹介いたします。

バスで行く

バスで旧弘前市立図書館に向かう際のアクセスです。JR「弘前駅前」より、土手町循環100円バスに乗車してください。約15分で到着する「市役所前」で下車すれば、ほぼ目の前に旧弘前市立図書館があります。

車で行く

自動車で旧弘前市立図書館に向かう際のアクセスです。「東北道大鰐弘前」インターチェンジから「国道7号線」を経由し、「県道260号」を20分程進んでください。方向は弘前城・弘前公園方面です。弘前公園へのアナウンス標識とともに旧弘前市立図書館への誘導案内が見えます。

駐車場情報

旧弘前市立図書館を見学する際は、弘前市立観光館の駐車場を利用するのがオススメです。観光館の地下駐車場は88台の収容が可能です。駐車料金は最初の1時間無料、以降30分毎100円で24時間最大料金1,000円となっています。

「旧弘前市立図書館」の開館時間・休館日

旧弘前市立図書館の休館日は、年末年始(12月29日~1月3日)となっています。開館時間は朝9時から夕方は17時までです。旧弘前市立図書館自体素晴らしい建築物ですが、季節や時間帯によってみせる表情は様々です。ライトアップも含め、旧弘前市立図書館魅力を堪能してください。

「旧弘前市立図書館」の基本情報

【名称】 旧弘前市立図書館
【住所】 弘前市下白銀町2-1
【営業時間】 9:00~17:00(定休日:無休)
年末年始(12月29日~1月3日)
【駐車場】 100台(最初の1時間無料。以降30分毎に100円)
【公式HP】 https://bit.ly/35sJvmg

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青森観光に加えたい「旧弘前市立図書館」

ここまで旧弘前市立図書館をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。旧弘前市立図書館がある弘前公園周辺は観光スポットの宝庫です。弘前城や各種美術館、春は大輪の桜など時期によって大変な混雑も予想されます。弘前市、青森観光の際はぜひ、旧弘前市立図書館に行ってみるのはいかがでしょうか。

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この記事のライター
椿丸
旅行先での体験から新たな興味関心が広がるのが好きです。食べ物、風景、歴史、芸術文化などなど。日々、アンテナを高くし...

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