阿蘇のえくぼ!「米塚」は美しい円錐状の火山でカルデラのシンボル!
熊本県の阿蘇にある米塚。可愛らしいフォルムの米塚は、火山の噴火によってできたカルデラのシンボルであり、米塚温泉の名前の由来となった場所でもあります。米塚の概要や特徴だけでなく、名前の由来や伝説、登山は禁止されているのかなどもご紹介していきます。
阿蘇のえくぼ!「米塚」とは?
熊本県阿蘇市の南西部にある米塚。山頂のくぼみが、人が笑ったときにできるえくぼに似ていることに由来して「阿蘇のえくぼ」との異名も持ちます。自然豊かな阿蘇市にあるこの米塚は、小さいながられっきとした火山でもあります。
本記事では、この興味深い形をした米塚について、詳しくご紹介していきます。登山や立ち入りは可能かどうかや、米塚にまつわる伝説もご紹介していきますので、最後までぜひご覧ください。
美しいフォルムの火山でカルデラのシンボル!
上空からの、米塚。
— 阿蘇地域観光推進協議会 (@asokansuikyo) July 28, 2018
今の時期、阿蘇の緑は濃いです。 pic.twitter.com/2PjF37CR5S
九州地方にある活火山の中でも、ひときわ存在感を放つのが、阿蘇にある「阿蘇山」と呼ばれる山々。活火山ですので、今でも活動を続ける火山が見られ、温泉地や黙々と上がる噴煙が時々メディアで取り上げられるような有名な場所でもあります。
阿蘇には世界有数のカルデラがあることで有名です。カルデラというのは火山活動によってできる小さなくぼみのことを指します。米塚はカルデラのシンボルとも呼ばれており、小さいながら立派な火山としての顔も持っています。
頂上にできた小さなくぼみがまさに噴火によってできたもので、美しいフォルムを醸し出しています。
米塚温泉の由来にも!
米塚から車で30分程度の場所にある阿蘇リゾートグランヴィリオホテル。こちらに源泉掛け流しの温泉がありますが、米塚の近くということに由来して、「米塚温泉」という名前がついています。こちらの温泉も評判が良く、ホテルに宿泊される方々が米塚を観た後に温泉に入られることもよくあるようです。
「米塚」の概要や特徴について
杵島岳の西側にあり、杵島岳からの眺めも美しい米塚。米塚には中心を通る縦の線が見えますが、これは土塁と呼ばれています。放牧の際に利用範囲の境界を決めるために引かれたものとされており、地域の境界を決める目印となっています。
平成25年には、米塚は国の名勝および天然記念物として指定されました。かつては登山する方々の姿もありましたが、登山によって植生が荒らされるというのが問題でした。現在では修復がなされ、登山や立ち入りは禁止されています。
標高差はおよそ80m
#米塚 って黒い轍がありますが、観光客が登った足あとです。標高954mの山ですが、私も小学生の頃に、無理やり父と登らされ、あまりの急斜面に、這いつくばって必死で登った。#阿蘇 #熊本 #Aso #Kumamoto #Geopark pic.twitter.com/3hEA6tgjzb
— イヌイヒロツグ (@Celtic_Airs) April 14, 2016
米塚がある場所は標高としては954mで、平地より高い位置にあります。そのため夏場でも比較的涼しい場所となります。米塚の麓から頂上までの高さはおよそ80mとなっています。米塚の周囲の山々と比べると標高は低い方であり、小さな山ということになります。米塚の近くの杵島岳に登って米塚の景色を堪能される方々もよくいらっしゃいます。
お皿を逆さにしたような形
今朝の私には抹茶プリンに見えた米塚 pic.twitter.com/zy1LBD0EAS
— Tomo (@asotomo) August 16, 2020
麓の底面の直径は約380mなのに対し、火口表面の直径は約100mとなっているため、きれいな円錐型になっています。「お皿を逆さにしたような形」や、「プリンのような形」といったように形容して表現されることがとても多いです。
頂上部分が大きくくぼんでいる
ほんとだ。米塚の山頂火口の真ん中に小さな穴が開いている。比較は、2015年10月31日撮影。 pic.twitter.com/cDSorZCK0X
— 早川由紀夫、この夏の読書に『火山はめざめる』 (@HayakawaYukio) July 22, 2016
頂上部分の大きなくぼみは火口にあたります。小さいようですが、直径は80mほどで、深さは20mほどになり、意外と深さがあります。このくぼみが、カルデラと呼ばれ親しまれているものです。約3000年前の火山活動による噴火でつくられました。
国内有数の均整のとれた形
米塚【熊本県】
— 土日に行きたい日本の絶景 (@111kjdkr) June 4, 2020
頂上の窪みは噴火によって出来た火口の跡となっています。
平成25年には国の名勝及び天然記念物に指定されています。pic.twitter.com/kpuFz4ilW2
火山内部から噴火によって吹き上げられたマグマが、地表に飛び散るときに冷え固まってできる岩塊の1つにスコリアがあります。このスコリアが火口の周りに積もって斜面をつくり、山となったものをスコリア丘といいますが、米塚はこのスコリア丘のなかでも均整のとれた形をしています。
季節によって色彩の変化が楽しめる!
熊本県
— 日本のいいとこ。 (@Goooood_Japan) August 20, 2019
「米塚」
かつての噴火でできた阿蘇の寄生火山。
円錐状の非常に美しい形をしており、その頂上部分が噴火の名残で大きくくぼんでいるのが特徴的!
ツーリングスポットとしてもオススメ! pic.twitter.com/VFqEo87I5d
季節によって色彩の変化が楽しめるのも米塚の醍醐味の1つです。現在は登山が禁止されている影響で中には入れませんが、遠くからでも十分景色を楽しむことができます。
春には山焼きによって黒くなった姿、夏には新緑の緑色の姿、晩秋にはススキの黄金色、冬には雪で覆われた真っ白な姿というように色合いが様々に変化するため、四季を通して違った姿を堪能することができます。
「米塚」の由来や歴史を解説
米塚はカルデラであり、約3000年前という比較的最近まで噴火していた立派な火山であるということをお話してきました。しかしながら、噴火のイメージとは正反対の特徴的で可愛らしい形ゆえに、地元の人々に愛され、数々の名前や歴史、伝説を生み出してきました。ここからは、「米塚」という名前の由来や、語り継がれてきた歴史を解説していきます。
名前の由来は阿蘇神話の伝説
米塚と枯れすすき
— ひいご (@nscxa) January 14, 2020
阿蘇五岳周りの小さな火山である #米塚 と #枯れ薄 を見る。 pic.twitter.com/OqO1oAtnYC
「米塚」という名前は、阿蘇神話の伝説に由来して名付けられました。昔、阿蘇神話の主人公でもある健磐 龍命(たけいわ たつのみこと)が収穫した米を積みあげていた場所であるという伝説が語られていくうち、米塚という名前がつきました。
できたのは今からおよそ3000年前
草原で米塚撮影おじさんを撮ったら盛大にフレア出て大草原 pic.twitter.com/unDSI6TflM
— たこやん14号 (@tako_yankees_14) August 14, 2020
米塚は、約3000年前の噴火によって現在の形がつくられました。火山活動としては過去1万年以内に活動があったものの1つということで、米塚の周囲の山々と比較しても、比較的新しい噴火活動によってつくられたものといわれています。
噴火によって頂上のくぼみが
ほぼ焼き上がりの米塚。 pic.twitter.com/Gjy7JuAshE
— かばきちザ・草取りモード (@tokabakichi) March 8, 2015
噴火によってできた頂上のくぼみは、阿蘇神話の神様である健磐 龍命(たけいわ たつのみこと)が山頂部から米をすくって阿蘇の人々に分け与えた跡である、という伝説となり、人々に語り継がれています。
岩塊が積もってなだらかな斜面が
朝から急に阿蘇に行く事に。雪の米塚です。チェーン無いからここまで。 pic.twitter.com/CEUYXuCGUm
— mck825 (@mck825) December 22, 2013
噴火の際に飛び散ったスコリアと呼ばれる岩塊が火口周辺に堆積していったことで、なだらかな斜面ができあがりました。上米塚では、スコリア丘の断面を観ることができます。断面の層の色の違いを観察することで、米塚がどのように歴史をたどってきたのかを知ることができます。
現在は地形と植生保護のため登山・立ち入り禁止
本日阿蘇登山道路から見た米塚。これから青々と変化していくんだろう。 pic.twitter.com/0fZs74nbXF
— masahi (@masahi_d) March 31, 2019
地元の子供たちにとっての遊びや憩いの場でもあった米塚ですが、平成13年に植生調査が行われた結果、裸地化が進んでいることが分かり、現在では植生保護のために立ち入りが禁止となっています。また、登山によって荒らされた斜面も見つかったことで、登山も禁止されています。
「米塚」のアクセスや駐車場情報
— BEAT-Rider@九州moto爺ぴぃ (@motojiipyi101) August 4, 2019
ツーリングやドライブの途中に、癒しある風景に惹かれて立ち寄られる方も多い米塚ですが、駐車場はあるのでしょうか。また、車やバスによるアクセスはどうなのでしょうか。それらも含めて、アクセス方法や駐車場の情報などをご紹介していきます。
アクセスの詳細
米塚は現在立ち入り禁止となっており、周辺にはバス停やコンビニなどのお店もありません。米塚へのアクセスとしては、阿蘇駅からバスなどで行く方法もありますが、米塚を通過するだけで下車できませんので注意が必要です。車やタクシーであればじっくり見たい方は米塚下園地に駐車して、ゆっくり眺めることができますのでおすすめです。
観光に便利な駐車場はある?
米塚の真正面には駐車場はありません。米塚の間近で車を停めようとすると路上駐車をすることになります。路上駐車のスペースは1台分程度しかなく、混雑している場合は難しくなります。
しかし、少し離れた場所(阿蘇市永草)に「米塚下園地」という場所があり、そこに比較的広く使いやすい駐車場がありますので、こちらに駐車してゆっくり楽しむのをぜひともおすすめします。
米塚下園地は無料で駐車場が利用できるうえ、時間制限もありませんので、自由に過ごすことができます。トイレも完備されているほか、遊歩道もありますので付近の散策も可能となっています。
「米塚」の基本情報
住所 | 熊本県阿蘇市乙姫 |
アクセス | JR阿蘇駅から車で約20分 |
TEL | [阿蘇インフォメーションセンター] 0967-34-1600 [阿蘇市観光課] 0967-22-3174 |
駐車場 | 米塚に路肩駐車(1台分) 米塚下園地に無料駐車場あり |
URL | 熊本県公式観光サイト |
「米塚」の美しい造形を観てみよう!
米塚夕景 pic.twitter.com/GMla6k227H
— ウルフ@α99Ⅱ🐺 (@WolfRXM2) December 2, 2019
阿蘇のカルデラのシンボル、米塚をご紹介してきました。現在は登山や立ち入りが禁止されていますが、阿蘇神話の伝説が受け継がれたり、愛称がつけられるなど、阿蘇の人々に愛されている山でもあります。
阿蘇山と呼ばれるものには他にも標高の高い中岳や杵島岳などの山々もありますので、そちらの山々を巡るついでに米塚を眺めに来ても十分楽しめると思います。
近くに米塚温泉や阿蘇リゾートグランヴィリオホテルなどもありますので、観光で阿蘇にお立ち寄りの際にも、ぜひ米塚を訪れてみてください。