秋田名物「ハタハタ」ってどんな魚?旬の時期は?おすすめ料理&レシピも!

秋田県などの日本海側を中心に古くから珍重されてきたハタハタは、秋田県の名物として広く知られています。今回はハタハタの旬や特徴などの基本情報やハタハタを使った人気料理、ハタハタのおすすめレシピ、秋田県でハタハタをおいしく頂くことができるお店などを紹介します。

秋田名物「ハタハタ」ってどんな魚?旬の時期は?おすすめ料理&レシピも!のイメージ

目次

  1. 1秋田名物の「ハタハタ」とは
  2. 2「ハタハタ」とはどんな魚?
  3. 3秋田で「ハタハタ」を使った人気の料理
  4. 4「ハタハタ」の料理に挑戦!レシピ3選
  5. 5「ハタハタ」料理が食べられるおすすめのお店
  6. 6秋田名物「ハタハタ」を堪能しよう!

秋田名物の「ハタハタ」とは

秋田県の名物であるハタハタは、日本海に広く分布しており、体長は約15~20センチほどで、水深100~400mの深海に生息しています。秋田県では、晩秋から冬にかけて産卵のために海面近くに寄ってきたハタハタを水揚げします。そのため秋田で水揚げされたハタハタは、たくさんの卵を抱えていることが特徴です。

最盛期には15,000トン以上の漁獲量

秋田県では、江戸時代からハタハタ漁が行われてきました。昭和40年代には最盛期を迎え、年間15000トン以上のハタハタが水揚げされ、値段の安い大衆魚として秋田県では広く流通していました。しかし、昭和51年以降は乱獲や海洋環境の変化などが原因となり、漁獲量が急激に減少しました。

それに伴い、値段も高騰し、大衆魚から高級魚へと変わっていきました。近年は、全面禁漁や資源保護の取り組みのおかげで、漁獲量は回復していますが、現在も漁獲量制限などを行い、秋田の食文化の継承と資源保護の連携を図っています。

塩漬けや味噌漬けにして保存食に

秋田県では古くから、旬の時期に安い値段で大量に購入したハタハタを塩漬けや味噌漬けにして冬の間の保存食にしていました。当時、ハタハタは「箱代が100円、中の魚は50円」といわれるほど非常に安価でした。現在は漁獲量も減り値段も上がっていますが、秋田の食文化として塩漬けや味噌漬けのような保存食は伝承されています。

「ハタハタ」とはどんな魚?

ハタハタは白身魚です。淡白でうまみがあり、塩焼きや煮つけ、干物など様々な料理に利用されています。ハタハタの特徴や旬、値段などを詳しく見ていきましょう。

ハタハタの特徴

秋田の郷土料理には欠かせない秋田名物のハタハタは、山陰以北の日本海側や東日本で昔から流通してきました。その見た目や生態などの特徴を紹介します。

特徴①見た目

体長は約15~20センチ、手のひらのほどの小さな魚です。深海魚であるため、うろこがや浮袋ないことが最大の特徴で、頭から胴に向かって体高が高くなり、お腹が出っ張ったような形をしています。大きな口には小さな歯が上向きにたくさん並び、オキアミや小魚を餌としています。

特徴②生態

ハタハタは、水深100~400メートルの海底の砂地や泥地を住処にしている深海魚です。主に鳥取県以北の日本海からオホーツク海に分布しており、冬になると産卵のために海面に上がってきます。産卵時期は晩秋から冬で、海藻が生息する浅い岩場で産卵します。

特徴③卵の「ブリコ」

ブリコとはハタハタの卵のことです。産卵期に水揚げされたハタハタの雌は腹にたくさんの卵を抱えています。卵の周りはネバネバとした粘液で包まれていますが、塩焼きのように生のハタハタを焼くとブリコがプチプチになり、味も食感も楽しむことができます。

ブリコを塩漬けや味噌漬けにすると、卵の膜がゴムのように硬くなります。このゴムのようになった膜を噛むと「ブリッブリッ」と音がします。これが「ブリコ」の名前の由来と言われています。秋田県では硬くなったブリコを噛み、卵からでてくる旨味を楽しんで、残った膜は吐き出すという食べ方があります。

ハタハタの旬

ハタハタの旬は身と卵で異なります。10月~11月は身の旬です。この時期のハタハタは産卵のために栄養分をたっぷりと蓄えています。卵は未成熟ですが、身に脂がのっており、柔らかく甘みがあるのが特徴です。未成熟の卵は小さいけれど柔らかく、しっとりとした食感を楽しむことができます。

卵の旬は12月以降の産卵を間近に控えたころです。成熟した卵は弾力があり硬いのですが、親魚からもらった栄養が凝縮されており甘みや旨味、しっとり感があるのが特徴です。

 

ハタハタ1kgの値段

ハタハタの値段はその年の漁獲量やハタハタ自体のサイズ、子持ちの雌か、雄かなど条件によって異なります。子持ちのハタハタの値段は、1kg約2000~3000円、雄のみとなると1kg約1500円で販売されています。

ブリコには大きな価値があり、ブリコの無いオスは、ブリコをたくさん持った雌の半額ほどの値段で取引されています。大きいもので1尾約80gなので、1kgでは約11~13尾ほどとなります。

ハタハタの選び方

ハタハタは鮮度が落ちるのが早い魚ですので、選び方には十分に注意が必要です。体表にツヤや張りがあり、ぬめりが残っているものは新鮮な証拠です。また、目は青く澄んでいて、体色が濃いものを選びましょう。色あせて白っぽくなったものは古い証拠ですので、避けましょう。

ハタハタの保存方法

ハタハタは上手に冷凍保存することでおいしく長持ちさせることができます。丸ごと冷凍保存する場合には、氷漬け冷凍がおすすめです。水をはった容器や袋に丸ごとハタハタをいれそのまま冷凍します。内臓もそのままで下処理する必要はありません。

氷漬け冷凍ができない場合には、ラップで隙間なく包み冷凍するか、袋に入れて脱泡して冷凍します。解凍する際は、容器に水をはり、凍ったハタハタを容器や袋ごと水につけて解凍します。

秋田で「ハタハタ」を使った人気の料理

秋田県ではハタハタは古くから保存食として料理され、冬の間の貴重なたんぱく源として重宝されてきました。ここからは、一般的なハタハタを使った人気料理や、秋田名物のハタハタ料理などを紹介します。

料理①塩焼き

塩焼きは、生のハタハタに塩をしみこませて焼いたシンプルで作り方も簡単な料理です。味付けはシンプルですが、身は甘く、身離れもよいので食べやすく上品な味わいです。うろこがないので調理も簡単で、作りやすいのが特徴です。

料理②三五八漬け

ハタハタの三五八漬け(さごはちづけ)は秋田県の名物料理です。塩:麹:米を3:5:8の割合で合わせた漬床に漬けることから三五八漬けと呼ばれています。漬けたハタハタは焼いて食べるのが一般的ですが、鍋に入れるのもおすすめです。

三五八漬けにすることで、魚特有の生臭さが無くなり、うま味が増したクセのない柔らかい味になります。麹の甘みと風味が口の中に広がり、塩焼きとは違った美味しさを味わうことができます。

料理③しょっつる鍋

しょっつるとは、ハタハタやマイワシなどの秋田近海で獲れる小さな魚を塩漬けにし、発酵させて作る魚醤のことです。発酵させているので少し風味にクセがあるのですが、うま味が強く、深い味わいがあります。秋田県の名物で、江戸時代から作られています。

しょっつる鍋は、うま味たっぷりのしょっつるとハタハタなどの旬の魚、白菜や春菊などの季節の野菜を使った栄養豊富な秋田県の郷土料理です。ハタハタをまるごと味わうことができる人気の一品です。

料理④ハタハタの煮つけ

ハタハタの煮つけは、生のハタハタを酒・醤油・砂糖・みりん・水などで甘辛く煮つめた料理です。作り方は非常に簡単ですが、煮込むことで淡白で甘みの強いハタハタに醤油の味が染み込み、ホクホクの身とプリプリの卵を味わうことができる人気の料理です。

料理⑤ハタハタ寿司

ハタハタ寿司は、塩漬けにしたハタハタ、麹を混ぜたごはん、千切りにしたショウガやニンジンなどの野菜を約1ヶ月漬け込み発酵させてできる、なれずしの一種です。発酵させることでハタハタのうま味が凝縮され、麹のまろやかさと野菜の甘みが相まって風味豊かな味わいになります。

古くから保存食として作られており、秋田県の沿岸部だけではなく、魚が手に入りにくい内陸部でも食べられていました。お正月や祝宴の際には欠かすことができない秋田県の郷土料理です。

作り方は難しくはないのですが、手間と時間がかかるうえ、スーパーなどで購入できるようになったので、最近はハタハタ寿司を作る家庭は減ってきています。しかし、若い世代に作り方を教える取り組みも行われ、秋田の郷土料理としてハタハタ寿司は伝承されています。

「ハタハタ」の料理に挑戦!レシピ3選

ハタハタの漁の期間は限られているので、産地以外ではスーパーなどで見つけるのは難しいかもしれませんが、インターネットが普及し、冷凍技術が発達した現在は、生のハタハタや冷凍のハタハタ、ハタハタの干物など簡単に手に入れることができます。

ここでは作り方が簡単なハタハタのレシピを3つ紹介します。ハタハタの料理に挑戦して秋田の冬の味を味わってみましょう。

レシピ①ハタハタの唐揚げ

ハタハタの唐揚げは、ハタハタを頭からまるごと揚げるだけという、とても簡単でおすすめのレシピです。頭も尻尾も食べることができるので、カルシウムもたっぷり補うことができます。

材料

材料は、ハタハタ、小麦粉、塩コショウと油だけです。食べたいだけのハタハタを準備すれば後はご家庭にあるものだけでハタハタのから揚げを作ることができます。

作り方

作り方はとても簡単です。まずは、ハタハタの腹に包丁を入れ、内臓とえらを取り出して水でよく洗います。水洗い後はハタハタについた水分をよくふき取ります。腹の中も水分をふき取るようにしましょう。次に塩コショウをふり、ハタハタに小麦粉をまぶします。小麦粉は腹の中までまぶします。

余計な粉を落としたら、180~190℃の油に投入します。水分が無くなり泡が減ってきたら、ひっくり返しながらきつね色になるまで揚げます。骨が気にならないくらいカリカリに揚げれば完成です。骨まで全て食べることができます

レシピ②ハタハタの南蛮漬け

次に紹介するのは、ハタハタの干物を使った南蛮漬けのレシピです。アジの南蛮漬けのレシピを応用した料理で、作り方は非常にシンプルです。アジとハタハタは見た目も似ており、どちらも身は淡白な白身魚なので、ハタハタの南蛮漬けも親しみやすい味わいで、簡単で美味しいおすすめのレシピです。

材料

材料は4人分で、ハタハタの干物20尾、ニンジン1/2本と玉ねぎ1個です。調味料として、お酢150cc、めんつゆ75cc、醤油大さじ1とお好みで唐辛子を使用します。唐揚げ用の小麦粉と油も準備が必要です。

作り方

まずニンジンを千切り、玉ねぎは薄切りにし水にさらして辛みを取ります。ハタハタの干物に小麦粉をまぶして油で揚げます。その間に調味料を混ぜ合わせておきます。揚げたハタハタとニンジン、玉ねぎを混ぜ合わせておいた調味料に漬け込みます。この時、ハタハタは熱いうちに調味料に漬けむようにしましょう。

5~6時間漬け込めば食べごろですが、2~3日漬け込んだ南蛮漬けは酢の酸味がまろやかになってまた違った味わいを楽しむことができます。

レシピ③ハタハタの田楽

ハタハタの田楽は、甘いみそと淡白なハタハタの味がマッチした秋田県など東北地方で人気の名物料理です。子持ちのハタハタを使用することで卵のブリブリした食感を楽しむことができます。ハタハタの田楽も作り方はとても簡単です。

材料

材料は、ハタハタ5尾と調味料として、みそ大さじ3、酒大さじ1、みりん大さじ1、砂糖大さじ1です。ハタハタは小さい魚ですので、5尾で1人前くらいの量です。

作り方

作り方はとても簡単です。まずはハタハタを水で洗いぬめりを落とします。そして頭を切り落とし内臓を取り除いて再びしっかり水洗いします。次に調味料を全て混ぜ合わせ、500Wの電子レンジで約1分加熱します。加熱後、調味料を再度混ぜて砂糖を溶かし、みそだれを作ります。

あらかじめ温めておいたグリルにハタハタを入れ、両面に焼き色がつくまで焼きます。焼けたハタハタの片面にみそだれを塗り、再度グリルで焼きます。焼き色がついたら裏返して、裏側にもみそだれを塗ります。裏面のみそだれにも焼き色がつけば、ハタハタの田楽の完成です。

「ハタハタ」料理が食べられるおすすめのお店

秋田に旅行に行ったら、名物のハタハタを一度は食べてみたいですよね。現地で食べると値段も安くおいしいものを食べることができます。秋田県で美味しいハタハタ料理を提供してくれる人気のお店を紹介します。

おすすめ①かまくら家

かまくら家はJR秋田駅から徒歩約15分の所にあり、秋田の旬の味を楽しむことができる人気の居酒屋です。店の前では大きなかまくらのオブジェが出迎えてくれ、店内にもかまくらをイメージした個室があるなど、観光客にも人気でおすすめの居酒屋です。ハタハタ寿司やハタハタの一夜干しを味わうことができます。

【住所】 秋田県秋田市大町4-2-19
【営業時間】 17:00~翌0:00(ドリンクL.O. 23:30)
【定休日】 12月31日
【アクセス】 JR秋田駅から徒歩15分
【駐車場】 無し
【HP】 https://kamakuraya-akita.owst.jp/

おすすめ②菜香亭

魚料理にこだわる菜香亭では、旬の刺身や比内地鶏、秋田名物のいぶりがっこなどを楽しむことができます。ハタハタの一夜干し、塩焼き、唐揚げなどを提供しています。値段もリーズナブルに秋田の味を満喫することができる地元民にも人気の居酒屋です。

【住所】 秋田県秋田市山王2-7-30
【営業時間】 月~土17:00~24:00 (23:00フードラスト23:30ドリンクラスト)
【定休日】 日曜日(日月連休時は日曜日営業月曜日休み)
ゴールデンウィーク中は日曜休み
【アクセス】 JR秋田駅から車で10分
【駐車場】 4台無料または近隣のコインパーキングの駐車サービス券300円分
【HP】 https://tabelog.com/akita/A0501/A050101/5000121/

おすすめ③とっぴんぱらりのぷ

とっぴんぱらりのぷは、しょっつる鍋やハタハタ寿司などを堪能できる人気のお店です。秋田の郷土料理と地酒にこだわり、秋田の旬の食材を楽しむことができます。

【住所】 秋田県秋田市千秋久保田町116-1 秋田駅前ビル 5F
【営業時間】 16:45~24:00
【定休日】 無休
【アクセス】 JR秋田駅西口より徒歩3分
【駐車場】 無し
【HP】 http://noble-creation.com/toppinpararinopu/

秋田名物「ハタハタ」を堪能しよう!

秋田県では古くから親しまれ、冬には欠かせない魚であるハタハタの基本情報やハタハタ料理、人気のお店などを紹介してきました。冬に秋田に行く際にはぜひ旬のハタハタを味わってみて下さい。値段も安くておいしいハタハタを堪能しましょう。

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