日本一寒い町「陸別町」ってどんな場所?気温や人気の観光スポットなど!

陸別町は帯広と網走の真ん中あたりにある日本一寒い町。冬の気温はマイナス30度にもなる、星空の美しい町です。極寒を耐え抜く「しばれフェスティバル」は今や名物。鉄道運転士体験のできるおすすめ観光スポットなど、ラリーの聖地とも呼ばれる陸別町の魅力をご紹介します。

 日本一寒い町「陸別町」ってどんな場所?気温や人気の観光スポットなど!のイメージ

目次

  1. 1陸別町とは
  2. 2陸別町のおすすめ観光スポット
  3. 3陸別町のおすすめイベント
  4. 4陸別町で暮らすには?
  5. 5陸別町の詳細情報
  6. 6陸別町で満点の星空に出会う

陸別町とは

北海道足寄郡陸別町は、帯広と網走のちょうど中間あたり、訓子府町と足寄町に挟まれた人口2400人ほどの町です。陸別町のホームページへアクセスすると、「日本一寒い町へようこそ」と、陸別町のゆるキャラ「しばれ君」と「つららちゃん」が迎えてくれます。

厳しく寒い冬と言うマイナス面をプラスに変えてしまう、ポジティブな陸別町の「あつさ」を少しでも多くお伝えできればと思います。

最高の星空に出会える町

陸別町の星空はとても美しいことで有名です。その美しさを作り出しているのは、町の明かりの少なさと、さえぎる物のない広大な大地、そして冬の寒さです。空気中の水蒸気が凍ってキラキラと輝くダイヤモンドダストも、陸別町ではありふれた光景なのだそう。

この寒い冬が澄み切った空気を作り出すことで、漆黒の夜空にちりばめられた星々が一層美しく輝くのです。

オーロラを観測したこともある

陸別町では、これまでに何度もオーロラが観測されています。極地でない場所で観測される低緯度オーロラは、北極や南極で見られるような色鮮やかなオーロラではなく、赤いうっすらとした光が北の空に広がります。

これも、漆黒とも言える陸別町の夜空の暗さがあってこそ。街灯りの少なかった古代には、京都や和歌山、さらに九州でも「赤気」(低緯度オーロラ)が見られたという記述が日本書紀などに残されています。

日本一寒い町

陸別町のホームページの一番上の目立つところに、今期最低気温と今期最高気温が表示されています。最低気温はマイナス30度以下、最高気温は35度以上あり、その差はなんと70度!寒いと言われる北海道の中でも特に寒く、平均気温の統計からも実証された「日本一寒い町」なのです。

冬の気温はマイナス30℃

陸別町は、十勝平野の一番奥にあり、西に大雪山国立公園、東に阿寒摩周国立公園の山々に囲まれているので、周囲からの雲の流入があまりありません。もともと気温が低いため、地表からの水分の蒸発が少なく、雲があまり作られません。

このため特に冬場には雲が少なくなり、天気の良い晴れた日が続きます。放射冷却によって明け方の気温がぐんと下がるのです。最低気温がマイナス30度を下回ることも珍しくなく、これまでにマイナス38度を記録したこともあります。

酪農と林業の町

陸別町には、町の面積の8割を占める森林があり、林業が行われています。また、人口の4倍にあたる約1万頭の乳牛が飼育されていて、林業と酪農が町の主要な産業です。

陸別町のおすすめ観光スポット

陸別町を実際に訪れて自然と親しみ、町の歴史を感じることのできるおすすめの観光スポットをご紹介します。

観光スポット①銀河の森天文台

陸別町は1996年(平成8年)から1997年(平成9年)にかけて、環境庁(現在の環境省)の呼びかけで行われた「へール・ボップすい星ライトダウンキャンペーン」での取り組みが評価され、第9回「星空の街・あおぞらの街」全国大会において「星空にやさしい街10選」に選定されました。

この陸別町の素晴らしい星空をより身近に感じられる施設として、1998年(平成10年)に開館したのが「りくべつ宇宙地球科学館(愛称:銀河の森天文台)」で、いまでは陸別町の主要なおすすめ観光スポットになっています。

町ぐるみで行っている「星にやさしい街づくり」は今も続けられていて、星明かりが降り注ぎ、天の川を肉眼でくっきり見ることのできる素晴らしい星空が、陸別町では大切に守られています。

天気が良いと昼間も星が見える

銀河の森天文台では115cm大型望遠鏡で恒星や惑星など、時期に応じてさまざまな観測が行われています。1階展示室では、オーロラや天の川の美しいパネル展示があり、2階の屋上広場は大勢で星空を楽しむ観測会などに使用されています。

陸別町の空気はとても澄んでいるので、天気が良ければなんと昼間でも明るい恒星が見られるそうです。見学の所要時間はおよそ30分から60分。ぜひスケジュールと相談して行ってみたい観光スポットです。

観光スポット②ふるさと銀河線 りくべつ鉄道

国鉄時代には帯広から池田、北見、網走と結ぶ池北線が陸別町を通っていました。のちに民営化され、さらに廃線となってしまうのですが、なんと2008年には旅客運送を行わない「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」という珍しい「鉄道会社」として復活し、いまでは陸別町の誇る観光スポットになっています。

かつて、帯広と網走を結ぶ主要路線として運行されていた鉄道の遺構を、一部ながら動かせる状態で動態保存し、その意義と歴史を後世に伝え、観光の資源として利用する取り組みです。

「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」では、駅構内を走る列車に体験乗車できるほか、イベントなどでは旧本線上を北見方面へ走る特別運行が行われています。(運行区間は変更されることがあります。)

ふるさと銀河線の運転士体験ができる

実は「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」の一番の魅力は、実際に運行に使用されていた車両を運転する体験ができること。駅構内の500mの区間を二往復するSコース、気動車の説明、点検から始まる本格的運転士体験ができるロングコースがあります。

さらに、銀河コースと言う、旧本線上を実際に1.6kmの長距離を走ることのできるコースがあるのです。勾配あり、カーブあり、制限速度、徐行区間ありと、本格的な運転士体験ができます。本当に他では味わうことができない、ここだけの超おすすめの体験コースです。

おすすめの宿泊施設

冬の寒さがマイナス30度にもなるという陸別町の宿泊施設をご紹介します。寒い寒い冬なればこそ、運が良ければオーロラが見られるかもしれません。

①銀河の森コテージ村

銀河の森天文台への途中にあり、1999年(平成11年)にオープンしたコテージ村です。陸別産のカラマツ材を使用した、10人用、6人用コテージで、サウナ付、シャワー室、ロフト付、半地下など色々なタイプがあります。

コテージの前や管理棟でバーベキューができる設備があるので、大人数で楽しむにはおすすめです。寝具は定員分しかありませんが、人数が多少オーバーしても大丈夫な場合もあるので問い合わせてみてください。

夏休み期間を除いて、連泊割引や誰でも加入できる「陸別友好町民の会」割引などがあるので、ぜひこちらも利用しましょう。

名称 銀河の森コテージ村
住所 北海道足寄郡陸別町宇遠別
TEL (0156) 27-4040
公式HP http://park19.wakwak.com/~rikubetsu/cottage/

②宿泊研修施設 オーロラハウス

宿泊研修施設オーロラハウスは、旧陸別駅の駅舎の2階に泊まれる宿泊施設で、研修室があるので各種研修にも利用されています。駐車場もWiFiも完備していているので、安心してゆっくりできます。

もともと陸別町の玄関口の駅で、いまは「道の駅オーロラタウン93」として運営され、周辺にはコンビニや飲食店、コミュニティプラザなど、陸別町と言う町を堪能できる観光スポットのひとつになっています。

名称 宿泊研修施設 オーロラハウス
住所 北海道足寄郡陸別町字陸別原野基線69番地1
TEL 0156-27-3993
公式HP https://www.rikubetsu.jp/kanko/shukuhaku/aurora_house/
駐車場 15台(無料)

陸別町のおすすめイベント

陸別町の人口は多くありませんが、一年を通じてその何倍もの人が訪れるさまざまなイベントが実施されています。

①しばれフェスティバル

北海道では厳しく冷え込んで寒いことを「しばれる」と言います。日本一寒い陸別町で、一年のうち一番寒い時期に行われる日本最寒のお祭りが「しばれフェスティバル」です。この時期の陸別町は、連日最低気温がマイナス20度を下回る寒い日が続きます。

寒い夜を飾る星空のもと、巨大ファイヤーストームで身体を温めながら雪のかまくら「バルーンマンション」で極寒の一夜を耐え抜く人間耐寒テストは、いまや知る人ぞ知る陸別町名物となっています。

②オフロードレース

陸別町には1986年(昭和61年)にオープンした北海道最大級のオフロード専用コース 「陸別サーキット」があります。町を挙げてラリー、オフロードレースの開催に力を入れており、ラリーファンの聖地と呼ばれています。

現在ではAPRC・ラリー北海道や北海道シリーズ戦の会場となっていて、春から秋にかけていくつものレースが開催されています。

③屋台村

陸別町商工会青年部が主催し、毎年7月の最終土曜日に行われているのが屋台村です。生ビールや焼き鳥など飲食店の他、いろいろなものを売る屋台が立ち並び、カラオケやビンゴ、屋台コンテストなど、毎年趣向を凝らした様々なイベントが行われています。陸別町町民も観光客も、子供からお年寄りまでみんなが楽しめるお祭りです。

④ふるさと銀河線りくべつ鉄道まつり

1910年の開通以来、およそ100年の歴史を刻んだふるさと銀河線が廃止されたのは2006年(平成18年)のことでした。その後、実際に運転ができる『ふるさと銀河線りくべつ鉄道』として鉄道が「復活」したのは2008年(平成20年)のことでした。

新しく「観光施設」として復活した『ふるさと銀河線りくべつ鉄道』を盛り上げようと、陸別町観光協会が行っているのが「ふるさと銀河線りくべつ鉄道まつり」です。

毎年7月の土日に行われるこのイベントは、花火大会やいろいろなゲームを楽しめるお祭りで、お笑いステージや豪華賞品の当たる抽選会、ビンゴ大会など、本当に誰もが楽しめるお祭りになっています。

もちろん、ふるさと銀河線りくべつ鉄道を応援するお祭りなので、花火列車など特別な列車が運行されます。鉄道ファンも北海道ファンもみんなで集まってふるさと銀河線りくべつ鉄道を応援しましょう。

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陸別町で暮らすには?

陸別町は小さな町ですが、新しい観光スポットを創り出し、さまざまなイベントを企画・実施するなど、まだまだ上を目指して頑張っているところです。その原動力となってくれる人材、仲間を求めていろいろな取り組みをしています。

酪農と林業の町陸別町は移住者歓迎

陸別町では、全国からいろいろな人に集まってもらいたいという思いから、移住希望者のサポートに力を入れています。まずは陸別町を知ってもらうことからと必要な情報はすべて陸別町公式サイトに掲載されていますので、ぜひご覧になってみてください。陸別町の本気度が伝わってきます。

移住体験ができる

移住者を募集する一環として、陸別町では移住を検討する人のための移住体験施設が用意されています。期間は6日間から30日間(施設によっては最長6か月)で、施設の利用料金が一日ごとに必要ですが、一般の賃貸住宅と同じかそれより安い金額なので気軽に利用できます。

期間中の食費や移動手段などの費用は必要ですが、なによりも実際に陸別町で生活できると言うのが移住を検討するための貴重な体験になります。

移住体験中は体験日記を付ける決まりになっていて、実際に全国から体験に来た人たちの日記が陸別町公式サイト上で公開されています。これを読むだけでも移住した気分が味わえて面白いです。

住宅補助実施中

さらに実際に移住する人のための、さまざまな住宅補助が用意されています。公営住宅、単身者用食事付き住戸、転入後の生活が安定するまでの期間利用できる定住促進住宅などがあります。他にも住宅の新築費、改修費の一部を助成する制度が用意されています。

移住後の職業は?

実際に移住し、生活して行くためには仕事が必要です。陸別町ではこの仕事を見つけるためのサポートも行っています。
 

地域おこし協力

陸別町では、いろいろな役割を担当する「地域おこし協力隊員」を募集しています。商工会での事業サポートや、酪農、農業の支援など、その時々でいろいろな人材を募集していて、いずれも町おこしに必要な役割を担って行くことが期待されます。

陸別町の臨時職員に準ずる形で3年間の任期です。任期後にはぜひとも陸別町の一員となり、地域を盛り上げてくれる人材に育ってくれることを願っています。

無料職業紹介

この他、陸別町公式サイト上に「陸別町無料職業紹介所」を設置し、町が率先して職業紹介を行っています。民間の募集が中心なので内容は常に変わりますが、林業や酪農に従事する人や、看護、介護に従事する人、建設業やコンビニ店員まで、いろいろな職業の募集があります。

本気で移住を考えるなら、きっと仕事も見つけられる。そんな町ぐるみの応援が背中を押してくれそうです。

陸別町の詳細情報

陸別町へ行くには飛行機と車がおすすめです。と言うよりほかの方法はないと言った方が良いかもしれません。陸別町への行き方と寒さ対策についてご案内します。

東京から2時間半

陸別町に一番近い、女満別空港までは車で約1時間ほど。羽田を離陸してから約2時間半で陸別町に着きます。北海道の小さな町なので、すごく遠いと言う印象がありますが、それは単なる思い込み。実際には意外と近くて、新幹線で大阪へ行くのと変わりません。

アクセスの詳細

女満別空港へは、札幌、東京、大阪、名古屋からの空路があります。(※時期によって変動があります。)自動車での所要時間は、北見まで約1時間13分、帯広まで約1時間46分、旭川まで約3時間16分、札幌まで約4時間14分です。

気温が低いので服装に注意

マイナス30度の寒さと言われてもピンと来ませんが、あの伝説となっている「バナナで釘を打つ」ことができる温度が、このマイナス30度の世界です。

この寒さではコートを着ただけでは不十分なので、スキーウェアなどの防寒着やダウンジャケットのさらに内側に暖かい服をできるだけ着込むことをおすすめします。着ぶくれして、もこもこになるくらいでやっと寒さをしのげるようになります。

さらに手袋や耳あて、またはフードやマフラーで直接肌を寒気にさらさないように工夫するのも忘れないでください。

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陸別町役場の詳細情報

名称 陸別町役場
住所 北海道足寄郡陸別町字陸別東1条3丁目1番地
電話 0156-27-2141
FAX 0156-27-2797
公式サイト https://www.rikubetsu.jp/

陸別町で満点の星空に出会う

日本で一番寒い町、陸別町についてご紹介しました。いかがでしょうか。少しでも町の「あつさ」をお伝えできたでしょうか。わずか人口2400人ほどの町でもこれだけのことができるのです。スポットライトを浴びるような華々しさや、有名観光スポットと言えるような名所、旧跡があったわけでもありません。

陸別町にあったのは、寒さと星空と自然。考えてみれば日本中の町がもともと持っていたものと大きな違いはありません。それでも陸別町には、約100年続いた鉄道さえなくなってしまい何もない状態の中から、持てるモノを活かし、新たな魅力を創り出して行く素晴らしい人々がいます。

ダイヤモンドダストが舞い、満点の星空を渡る銀河が見守ってくれている。陸別町は人の夢を叶える特別な場所なのかもしれません。

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