「遠刈田温泉」のおすすめ日帰り温泉&旅館14選！食事や観光名所も！

遠刈田温泉は宮城県と山形県に跨る蔵王連峰の東麓にある温泉地で、開湯は関ヶ原の戦いの翌年、1601年と伝わっています。江戸時代には刈田岳山頂にある蔵王権現（現在は刈田嶺神社奥宮）へのお参りに際して立ち寄る宿場町・湯治場として栄えました。

また、遠刈田温泉は土湯温泉や鳴子温泉と同じく、こけしで有名な温泉地の一つでもあり、周辺には幾つかの製造所がある他、お土産屋などでも可愛らしいこけしを購入することができます。

遠刈田温泉は標高330ｍの高原にあり、周辺には牧場や別荘地が点在しています。また、遠刈田温泉の周辺にはスキー場もあり、付近の高原地帯への観光客や蔵王連峰への登山客に加えて、冬季にはスキー客でも賑わう温泉地です。

遠刈田温泉のある蔵王には、「うなぎとカニにまつわる伝説」があります。昔、蔵王の山中にある三階滝には「大きなカニ」、不動滝には「大きなうなぎ」が棲んでいました。三階滝を手狭に感じた大カニは、不動滝を奪い取ろうと大うなぎに決闘を挑みます。

決闘の結果、大カニのハサミによって、大うなぎの体は「頭」「胴体」「尾」の3つに切られてしまいました。

大カニによって切られてしまった大うなぎの体は空を飛んで、「頭」は青根温泉に、「胴体」は峩々温泉に、そして「尾」は遠刈田温泉に落ちました。

そのため、青根温泉のお湯は頭痛、眼病に、峩々温泉のお湯は胃、腸、腎臓に、遠刈田温泉のお湯は神経痛、婦人病、足腰の病に効能があると伝わっています。

遠刈田温泉には現在、83本の源泉があります。やや茶色がかったお湯と、金気臭が特徴で、泉質は正確には「ナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉」ですが、簡単に言うと硫酸塩泉です。効能は神経痛、リウマチ、胃腸病、婦人病、慢性皮膚病などですが、古くから足腰の病に効く温泉としても有名です。

遠刈田温泉に伝わる伝説や泉質、効能などについてご紹介いたしました。続いて、解放感たっぷりの露天風呂やおいしい食事など魅力満載の遠刈田温泉でおすすめの日帰り温泉＆旅館14選をご紹介いたします。

1軒目にご紹介するのは「大沼旅館 桃の花」です。遠刈田温泉で江戸時代から続く老舗旅館ですが、リニューアルを実施して生まれ変わりました。「家族的なおもてなし」をコンセプトに、木のぬくもりと柔らかな雰囲気に心が癒される旅館です。

食事は遠刈田温泉の地元・蔵王山麓の湧水で育ったイワナの塩焼き、清流鯉のサラダなど地の食材をふんだんに使用しています。

温泉はすべて源泉かけ流しになっており、御影石の内湯、蔵王の天然石を用いた露天風呂、檜で作った貸切露天風呂・足湯と多様な楽しみ方が可能です。

総客室数11室の小ぢんまりとした雰囲気が、より静かで快適な寛ぎの時間を齎してくれます。宿泊料金は1泊2食付で1名税別9,450円から。日帰り入浴も行っており、受付時間は11時～15時、料金は大人500円、小人250円です。

2軒目にご紹介するのは「バーデン家 壮鳳」です。「バーデン」とは、ドイツ流の温泉保養施設に由来し、館主の「遠刈田温泉のお湯で健康になって欲しい」という願いが込められています。

こちらのおすすめポイントは自家源泉100％の天然温泉です。この温泉は遠刈田温泉の中でも唯一の「ナトリウム・炭酸水素塩泉」で、ほんのりと琥珀色に色づいたお湯は肌触りがよく、美肌やダイエットにも効果があると人気です。

食事は地産地消に拘り、旬のものを提供しています。宮城牛やお米も美味しいのですが、特におすすめなのが野菜です。遠刈田温泉は寒暖差の激しい高原地帯にあるだけあって野菜の旨みや甘みがより引き立ちます。これらの野菜はお土産として購入する事も可能です。

宿泊料金は1泊2食付で1名10,500円から。日帰り入浴の受付時間は11：00～20：00、日帰り入浴料金は大人800円、小人400円、1歳以下100円です。

3軒目にご紹介するのは「Active Resorts宮城蔵王」です。元々は宮城蔵王ロイヤルホテルという名前の遠刈田温泉の代表的なホテルでしたが、2019年に現在の名称に改名しました。こちらのおすすめは「親子で一緒に愉しむリゾートホテル」という点です。

ホテルの中庭は芝生が生い茂り、子供が駆け回るのに最適。春のお花見、冬の雪遊びなどを親子で自由に楽しむことができます。

木の温もりを感じるウッドデッキ調の解放感ある温泉露天風呂は、大カニと大うなぎの伝説に因んで「不動の湯」と名付けられました。日帰り入浴も行っており、受付時間は12時～20時まで、料金は1000円です。

宿泊料金は1泊2食付きで1名9,350円から。食事は和洋食バイキングで、宮城の地の食材を好きなだけ堪能することができます。特におすすめなのは朝食で作りたてを味わうことのできるふわふわとろとろの「蔵王チーズ入りオムレツ」です。

4軒目にご紹介するのは「あづまや旅館」です。素朴な雰囲気の漂う、小ぢんまりとした旅館です。温泉の色は少し茶色がかった笹緑色で、遠刈田温泉の特徴でもある金気臭がします。湯温は50度近くあることもあり、熱い温泉が好きだという方に人気です。

日帰り入浴の受付時間は11時から16時半、料金は500円です。宿泊料金は1泊2食付きで1名利用13,000円、2名利用で1名あたり9,000円、3名以上の利用で1名8,000円からです。

5軒目にご紹介するのは「旬菜湯宿 大忠」です。館内すべてが畳敷きで、和モダンな雰囲気と仄かに漂う井草の香りに心癒される旅館です。

京都のお茶屋をイメージしたダイニング「OLIOLI」では蔵王の食材を丁寧に調理したおばんざいやお酒を楽しむことができます。おすすめのポイントは「大忠書庫」。小説・漫画・雑誌などがあり、湯上りや就寝前にゆったりと読書の時間を楽しむことが可能です。

総客室数9室にも関わらず、館内には大正時代の色ガラスが美しい檜風呂や露天風呂風の庭園風呂など5つのお風呂があり、贅沢な湯浴みを楽しむことができます。

宿泊料金は1泊2食付きで1名15,000円から。日帰り入浴の受付時間は11時から20時まで、料金は大人800円、小人600円です。また、11時から14時までの間、予約制で貸切風呂に入浴することもできます。こちらの料金は50分3,500円です。

6軒目にご紹介するのは「ゆと森倶楽部」です。9名以上の団体、子供連れの宿泊を不可とし、静かに大人が寛ぐ「理想の日常」をコンセプトにしているお宿です。

食事は体にいい野菜を味わう「森のオーベルジュビュッフェ」スタイルで、野菜ソムリエが目の前で作る料理をゆったりと味わうことができます。また、「オールインクルーシブ」という考え方を実践しており、宿泊者は館内で財布を一切気にせずに過ごす事が可能です。

2本の自家源泉を持ち、露天風呂では遠刈田温泉を流れる渓流・小阿寺沢のせせらぎや木々のざわめき、小鳥のさえずりなど自然の音を楽しみながら、温泉浴・森林浴・マイナスイオン浴を一度に堪能することができます。

宿泊料金は1泊2食付で1名15,800円から。温泉だけの日帰り入浴はできませんが、ディナープランを予約すると温泉と食事を楽しむことができます。事前予約制で、利用可能時間は15時～19時、料金は1名10,000円です。

7軒目にご紹介するのは「ラフォーレ蔵王リゾート&スパ」です。森トラストグループが運営する日本最大級の会員数を持つ法人会員制度倶楽部である「ラフォーレ倶楽部」に属するリゾートホテルです。

蔵王連峰の雄大な自然やインドネシア王宮伝来の高級スパで人気を博しました。2017年9月4日以降、リニューアルのために閉館中ですが、営業再開を望む声も多いお宿です。

8軒目にご紹介するのは「旅館 三治郎」です。約300年前、山中で鹿が沐浴しているのを見て温泉を発見した大宮三治郎が開いた歴史ある旅館で、刈田嶺神社への参拝者が多く利用し、傘と蓑を着けた姿がかっぱに似ていた事から、「かっぱの宿」とも言われています。

遠刈田温泉街の中心部にある小高い丘に位置することから、遠刈田温泉の中でも最も蔵王連峰の眺めが美しい宿としても人気です。

湯治宿として栄えてきた歴史を持ち、豊富な湯量を誇る三治郎。そのおすすめポイントは、全12種類に及ぶ湯舟です。特に本館にある露天風呂付展望大浴場からは四季折々に表情を変える蔵王連峰の山並みを見晴るかす事ができ、まさに至福のひと時を味わえます。

地味豊かな地元産食材をふんだんに味わうことのできる1泊2食付きプランは1名16,720円から。日帰り入浴の受付時間は10時から20時まで、料金は大人900円、小人500円です。

9軒目にご紹介するのは「さんさ亭」です。全58室、最大収容人数400名を誇る旅館で、ファミリーなどの少人数から大人数での宴会まで、様々な要望に対応可能である点が人気の理由となっています。

遠刈田温泉のある蔵王は山深い地というイメージがありますが、海までは40㎞程と以外にも近く、食事では山の恵だけでなく、カニやアワビなど三陸の海の幸も堪能することができます。

広々とした露天風呂では、蔵王連峰の山並みを眺めながら手足を存分に伸ばすことができます。湯上りスペースでは美しい庭園を眺めながらほっとするひと時を過ごす事もでき、日頃の疲れを癒すことが可能です。

宿泊料金は1泊2食付きで1名7,700円から。日帰り入浴の受付時間は11時から17時まで、料金は800円です。また、お食事付きの日帰りプランも人気です。

10軒目にご紹介するのは「たまや旅館」です。民宿風の小ぢんまりとしたお宿ですが、随所に女将さんの心遣いが感じられる、心の落ち着くお宿です。

温泉は源泉かけ流し。どばどばと注がれる様子は湯量が豊富な何よりの証です。女将さんが丹精込めて作られる懐石料理は驚くほど品数が多く、心にも体にも優しい味が特徴的。季節によって膳に供されることのあるクマ、キジ、シカなども野趣を添えています。

予約制で1日10食限定ながら、会津坂下のそば粉と蔵王の湧水を使い、ご主人が自ら打った十割そばも絶品と人気で、そんなご夫婦の人柄を慕って、多くの宿泊客が足繁く遠刈田温泉に通うと評判です。

宿泊料金は1泊2食で1名9,660円から。日帰り入浴の受付時間は10時から15時、料金は入浴のみなら525円、休憩付きで1,050円です。

11軒目にご紹介するのは「温泉山荘 だいこんの花」です。約1万坪の広大な敷地の中に約50㎡のゆったりとした源泉かけ流し露天風呂付きの離れが点在し、豊かな自然の中にどっぷりと身を浸すことのできる旅館です。

特におすすめの季節は白銀に彩られる冬。自家源泉かけ流しの露天風呂にゆったりと身を浸せば、湯船から立ち上る湯気と雪によって、きらきらと白く輝く世界に包まれる無二の体験を味わうことができます。

食事は自家菜園や地元の新鮮な野菜を主役に据えた里山料理を、スタッフが厳選した地酒や地元産ワインとともに堪能することができます。

朝食も焼きたてのだし巻き卵や手作り豆腐、自家製のトマトジュースなど心も体も健康になれそうなメニューを堪能することが可能です。宿泊料金は1泊2食付きで1名31,000円から。日帰り入浴は残念ながら不可となっています。

12軒目にご紹介するのは「竹泉荘」です。「モダンジャパニーズ」をコンセプトに掲げ、約2万坪という広大な敷地を持つ瀟洒な雰囲気のリゾートホテルです。

2本の自家源泉を持ち、館内の温泉すべてが源泉かけ流し。ウッドデッキ調の露天風呂は解放感満点です。広さ100㎡を超えるラグジュアリースイートには専用の露天風呂やラウンジがあるお部屋など4タイプが用意されており、この上もなく贅沢なひと時を堪能できます。

食事は地元・宮城県だけでなく全国から厳選した食材を惜しげもなく使用し、本格的な日本料理を味わうことができます。特におすすめなのが、地元の農家から直接仕入れている「ひとめぼれ」を土鍋で炊き上げたご飯。馥郁とした香りと味わいに舌鼓が止まりません。

宿泊料金は約43㎡のデラックスツインで1泊2食付きで1名32,100円から。約112㎡のラグジュアリースイートは83,700円からです。日帰り入浴は残念ながら不可となっています。

13軒目にご紹介するのは「心づくしの宿 源兵衛」です。段差の少ない平屋建てのため、高齢者でも安心して宿泊することができるのに加え、遠刈田温泉でも珍しい小型犬と一緒に泊まれる宿としても人気です。

また、「日本一の兵」として名高い真田幸村の次男・片倉守信を祖とする仙台真田家が遠刈田温泉のある蔵王町の領主だった縁で、館内には真田家の甲冑や陣羽織を展示した「真田の間」もあり、歴史好きの観光客に人気です。

温泉は源泉かけ流しで、露天風呂、大浴場、小ぢんまりとした貸切風呂もあり、肌がすべすべとする美人の湯を堪能することができます。また、食事は蔵王山麓の高原野菜や仙台湾の恵みを豊富に盛り込んだ手作り創作料理で、体の中からリフレッシュすることができます。

宿泊料金は1泊2食付きで1名13,600円から。日帰り入浴の受付時間は11時から15時まで、料金は大人700円、小人350円です。

遠刈田温泉でおすすめの日帰り温泉&旅館として最後にご紹介するのは「元気荘」です。株式会社トスネットが運営する温泉保養施設で、宿泊でも日帰りでも利用が可能です。こちらの温泉はやや黄金色をしているのが特徴で、源泉成分が湯の花となって沈殿しています。

休憩施設などもあり、遠刈田温泉を観光する拠点として利用される方も多いようです。宿泊料金は1泊2食付きで1名10,000円から。日帰り入浴の受付時間は10時から16時、料金は大人600円、小人300円です。

遠刈田温泉のおすすめ日帰り温泉&旅館14選をご紹介いたしました。いずれも魅力的ですが、蔵王の魅力は何も温泉だけではありません。そこで、遠刈田温泉の周辺にあるおすすめの観光スポットをご紹介いたします。

遠刈田温泉に伝わる大カニと大うなぎの伝説の舞台となったのが、不動滝と三階滝です。蔵王山麓を東西に横断する「蔵王エコーライン」の途中にあり、不動滝は落差54ｍ、幅16ｍを誇る、蔵王山中で最大の滝です。

三階滝は後烏帽子岳東面を流れる石子沢から澄川へと三段に分けて流れ落ちる滝で、高さ181ｍ、幅7ｍ、滝つぼは12ｍあります。「日本の滝百選」にも選ばれる名瀑として、紅葉のシーズンともなると大勢の観光客が足を運ぶ名所です。

南蔵王の不忘山麓に広がる湖が、長老湖です。元々は小さな沼でしたが、発電のために拡張され、周囲2㎞の大きさになりました。

周辺には遊歩道や東北一大きい全長120mのつり橋が整備され、オンシーズンには売店も開き、初夏の新緑や秋の紅葉などが湖面に映り込む姿を楽しみながらボート遊びに興じることもできるなど、人気のスポットです。

遠刈田温泉を含め、蔵王山麓一帯の象徴とも言われるスポットが御釜です。刈田岳、熊野岳、五色岳に囲まれた円形の火山湖で、湖面は通常はエメラルドグリーンですが、太陽光線の当たり方によって色彩が変化するために「五色湖」とも呼ばれています。

神秘的な美しさを湛える湖ですが、湖水は強い酸性のため、生物が生存することのできない「死の湖」でもあります。

以上、遠刈田温泉で人気のおすすめ日帰り温泉＆旅館14選を、食事や観光名所とともにご紹介致しました。大カニと大うなぎの伝説や仙台真田家とのゆかりなど長い歴史とともに多くの魅力を今に伝える遠刈田温泉。この記事が、そんな遠刈田温泉に足を運ぶ一つのきっかけとなりましたら幸いです。