アイヌ料理って?本場・北海道や東京で食べられるお店やレシピを紹介!

北海道の先住民・アイヌ民族は独自の食文化を築いてきました。今ではアイヌ料理を提供しているお店もあり徐々にアイヌ料理が浸透してきています。そんな、アイヌ料理の魅力や特徴、レシピをまとめました。さらに北海道や東京でアイヌ料理が食べられるお店も紹介します。

アイヌ料理って?本場・北海道や東京で食べられるお店やレシピを紹介!のイメージ

目次

  1. 1アイヌ料理とは?
  2. 2アイヌ民族の歴史と文化
  3. 3アイヌ民族の食文化と料理の特徴
  4. 4アイヌ料理のおすすめレシピ
  5. 5アイヌ料理が食べられるお店
  6. 6伝統的なアイヌ料理を味わおう

アイヌ料理とは?

漫画「ゴールデンカムイ」でも話題になったアイヌ民族は、独自の食文化を持っていた事で知られています。今でもアイヌ料理は珍しいものの北海道だけでなく東京でも食べられる様になってきました。さらに東京や北海道のお店だけでくレシピがあれば自宅で作る事もできます。

この記事では、アイヌ料理の特徴やレシピ、さらに北海道や東京でアイヌ料理が食べられるおすすめのお店まで紹介します。

北海道の先住民族アイヌの伝統料理

アイヌ料理とは「北海道の先住民アイヌ民族の伝統的な料理」を指しています。アイヌ民族は狩猟で得たシカや、山菜、畑で作られた雑穀やじゃがいもを料理の材料として用いていました。調味料は塩を主に塩を用いていましたが、それだけでなく海で採れた魚や海藻を出汁として利用していました。

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アイヌ民族の歴史と文化

アイヌ料理のレシピや特徴を知る前に、アイヌ民族の歴史と文化から調べていきましょう。漫画「ゴールデンカムイ」でもアイヌ民族にスポットが当てられていましたが「ゴールデンカムイ」だけでは分からないアイヌ民族の歴史や、現在アイヌ民族はどうなってしまったのかも調査しました。

北海道を主な居住地とする先住民

アイヌ民族は北海道を主な居住地として先住民です。アイヌ民族の人数は多くはないために少数民族に分類されています。アイヌ民族は17世紀から19世紀において東北北部から北海道、樺太などの広い範囲に先住していました。

アイヌ民族の母語はアイヌ語と呼ばれるもので、外見は現在の日本人とは異なり、濃い顔立ちをしており、縄文人の遺伝子を色濃く受け継いでいるという分析がされています。

交易と狩猟採集による暮らし

アイヌ民族の生活は「交易と狩猟」を土台としていました。アイヌ民族の交易の相手は和人(アイヌ民族以外の日本人の呼称)で、和人は農耕民族であった事に対し、アイヌ民族は狩猟採取民族でした。生活スタイルが異なっていた為に、お互いに利益のあるものを交易により交換する事ができました。

アイヌ民族は主に動物の毛皮や魚を輸出し、和人の持つ米、酒、お茶、鉄器と交換し輸入していました。交易で平等な関係を保っていたアイヌ民族と和人ですが、江戸時代になり幕府が政権を持つと武力をたてにして、アイヌ民族に対して公平を欠いた交易をしいた事が歴史で明らかになっています。

同化政策で貧窮に

昔は北海道だけでなく広い地域に住んでいたアイヌ民族ですが、同化政策によって貧窮したと言われています。同化政策とは「強い民族が弱い民族に対して、自分達の文化や伝統を受け入れる様に強要する政策」を指しており、これを日本政府は19世紀当初から20世紀後半まで行い続けました。

しかし、日本が第二次世界に敗北すると同化政策の波は収まり、アイヌ民族に対しての強行は鳴りを潜めたものの、長年の同化政策によりアイヌ民族は貧窮し、1部の日本人からアイヌ民族への偏見を生じさせる結果になりました。

アイヌ民族の現在

現在アイヌ民族はどうなったのでしょうか?現在でもアイヌ民族は北海道を中心に生活しています。2019年2月15日の閣議でアイヌ民族は「先住民」として認め、同化政策ではなくアイヌ民族の文化を尊重した地域振興を行う為の交付金を創設する等の法律案が決定されました。

この法案により、今後はアイヌ民族での偏見が和らぎ、理解が得られる事が期待されています。現在判明しているアイヌ民族の人数は2013年に実施された「アイヌ生活実態調査」によると北海道野66の市町村に16786人のアイヌ民族が生活している事が分かりました。それでも実際にはく、さらに多くのアイヌ民族がいると見積もられています。

漫画「ゴールデンカムイ」で話題に

近年ではアイヌ民族が漫画「ゴールデンカムイ」でスポットが当たりました。「ゴールデンカムイ」では週刊ヤングジャンプで連載されており、2018年にはアニメ化もしています。「ゴールデンカムイ」の内容はアイヌの隠し財宝を狙って争奪戦が行われるというものです。

「ゴールデンカムイ」はアイヌ民族の文化を細かく触れており「ゴールデンカムイ」を通してアイヌ民族に興味を持った読者は少なくありません。

「ゴールデンカムイ」の様にアイヌ民族を取り上げた漫画は殆どありませんでした。「ゴールデンカムイ」では偏見や差別といった暗い部分は注目されず、狩猟を生活の基盤にしていた強いアイヌ民族が描かれています。

アイヌ民族について知りたいと思っている人にはおすすめで「ゴールデンカムイ」を見て刺激を受け、北海道を訪れている人達もいるほどです。

アイヌ民族の食文化と料理の特徴

アイヌ民族の歴史や文化や特徴を紹介してきましたが、ここからは記事のメインでもあるアイヌ民族の食文化と料理の特徴をお伝えしていきます。アイヌ料理には、他の料理には見られない特徴がありました。

シカやクマ、鮭などを捕獲

アイヌ民族は前述した様に狩猟民族でした。その為、シカや熊、鮭を捕獲していました。鮭はアイヌ民族にとって特別なもので「神の魚」「本当の食べ物」と呼ばれる程でした。クマは食料としてよりも、宗教的な儀式に使用する為に捕らえていた事が今では分かっています。食用として最も好まれていた肉はシカだったそうです。

冬に備えて保存食に加工も

秋にとった鮭は冬を乗り切る為の保存食にもなりました。鮭の保存食の加工方法は頭と内臓を取り除き、乾燥させてから燻製にするというものでした。腹の中からとれる白子や筋子も乾燥させて出汁などに利用していました。

山菜や畑で栽培したじゃがいも

アイヌ民族にとってじゃがいもはメイン食材の1つでした。その為、アイヌ料理はじゃがいもを使った料理のレシピが多くあります。じゃがいもに加えて山菜も貴重な青物の食料で、特に冬の時期は青物が不足して深刻な体調不良を招く恐れがあるので、山菜の保存は死活問題となっていたそうです。

じゃがいもの保存食「ポッチェイモ」

アイヌ料理の1つにじゃがいもを使った保存食「ポッチェイモ」があります。作り方は雪の中にじゃがいもを埋め、雪がとける頃に出てきた発酵したじゃがいもを取り出し、皮をむき、水で丁寧に洗い、乾燥させるというものです。

油脂を多く使った味付け

アイヌ料理の特徴に「油脂」を多く使うというものがあります。アイヌ料理では油脂を調味料として用いており、油はタラ、サメ、アザラシ、シカ、クマなどからとっていました。この油脂はアイヌ料理の最大の特徴と言えるかもしれません。

樹液を飲料や調味料に

アイヌ民族は植物に精通しており様々な方法で利用していました。実だけでなく樹液も賢く利用し、特にシラカバの木からは甘い良質な樹液がとれるので、飲料や調味料として用いていました。

アイヌ料理のおすすめレシピ

アイヌ料理の特徴をお伝えしてきました。ここからは自宅でアイヌ料理を作れる様に、おすすめレシピを紹介します。アイヌ料理のチタタプやシト、オハウを作って、家でアイヌを体験してみるのはいかがでしょうか?

アイヌ料理①オハウ(汁物)

最初に紹介するおすすめレシピは「オハウ」です。アイヌ料理の代表的な汁物で、じゃがいもの保存食を利用します。しかし、アイヌのじゃがいもの保存食準備するのは容易ではないので、家庭では別の食材で代用します。

作り方は昆布でだしを取り、じゃがいも、大根、人参をいちょう切りにして、玉ねぎは薄切りにして鍋の中に入れます。野菜に火が通ったら鮭を入れて塩で味を整えれば完成です。体が温まり、冬に最適のレシピです。

アイヌ料理②ラタシケプ(煮物や和え物)

次は「ラタシケプ」のレシピを紹介します。ラタシケプには「混ぜたもの」という意味があり、豆類を汁気がなくなるまで煮込んだ後に、動物系脂、魚油、塩を入れれば完成です。使う材料によって無限のレパートリーがあるのが特徴です。アイヌ民族が儀式の時に用いた料理とされています。

アイヌ料理③サヨ(粥)

アイヌ料理「サヨ」は粥です。アイヌ料理は油脂を用いているので、味が濃くい為、サヨはあえて薄味にするのが特徴です。粥なので特別なレシピはありませんが、イクラや山菜をいれると立派なアイヌ料理になります。

アイヌ料理④シト(団子)

アイヌ料理「シト」とすりつぶした生の穀物や団子をさします。材料はキビ、アワ、米で作るのがアイヌ料理です。精白された穀物類を1晩水につけ、それから1晩水を切ります。乾いた穀物を粉にして、粉と湯を混ぜて丸めます。それを茹で上げればシトの完成です。

アイヌ料理⑤チタタプ(たたき)

最後のレシピは「チタタプ」です。チタタプは「たたき」という意味があり、メニューでチタタプがあれば主に魚のたたきをさします。チタタプは、鮭のアラ、頭、白子を刻んで叩きます。ペースト状になるまで叩いたらノビルや行者ニンニクを加えて、焼き昆布と塩で味を整えればチタタプの完成です。

チタタプは鮭以外でもできますが、アイヌ民族がチタタプを作る為に狩猟していた食材の中で、現在でも比較的簡単に揃えれるのは鮭だと思われます。

チタタプは、そのまま食べる事もできますし、チタタプを団子状にすれば鍋の材料としても使用する事ができます。チタタプを現在風にアレンジするのであれば、鶏肉、鶏レバー、鶏ハツ、鶏ナンコツを使ったレシピもあります。調味料は塩だけでも美味しく仕上がります。

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アイヌ料理が食べられるお店

アレンジせずにアイヌ民族が実際に使っていた食材でアイヌ料理を作るのは簡単ではありません。自宅で作るよりも外に食べに行く方が楽かもしれません。アイヌ料理を提供しているお店は多くはありませんが、その中でも北海道、東京でアイヌ料理が食べられるお店「ハルコロ」も紹介します。

北海道「民芸喫茶ポロンノ」

最初に紹介するアイヌ料理のお店は北海道・釧路市にある「民芸喫茶ポロンノ」です。このお店は外観からアイヌ民族を思わせる作りをしており、味に期待を持たせます。ポロンノでは伝統的なアイヌ料理を忠実に再現しており、35年以上アイヌ料理を提供してきました。

元々はお土産販売の傍らの喫茶で食事を提供していましたが、そちらが話題になり今ではポロンノに北海道の外からも人が訪れるまでになっています。

おすすめメニュー①ユックセット

「民芸喫茶ポロンノ」のおすすめメニューの1つがユックセットです。これはポロンノの1番人気のメニューでユック(シカ)が使われています。シカと聞くと敬遠してしまうかもしれませんが、ポロンノのシカ肉は柔らかく臭みも全くないとの事です。アイヌ料理初心者は、食べておくべき逸品です。

おすすめメニュー②ポッチェイモ

おすすめメニューの2つめ「ポッチェイモ」は、前述したアイヌ民族のじゃがいもを使用した保存食で「民芸喫茶ポロンノ」では焼いて提供されます。バターを塗って食べればさらに美味しくいただけます。このメニューが話題になりポロンノは有名になりました。

民芸喫茶ポロンノの基本情報

【住所】 北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-7-8
【営業時間】 12:00~22:00、15:00~18:00は休憩時間
(冬期は12:30~20:30、で予約必須)
不定休
【アクセス】 道東道阿寒ICから車で50分
【駐車場】 あり(10台)
【公式HP】 https://www.poronno.com/

北海層「海空のハル」

「海空のハル」は北海道の居酒屋で、アイヌ料理を提供している事に加えて、内装もアイヌ民族を思わせる世界観になっています。かなり本格的な作りになっていますが、アイヌ民族博物館が監修したとの事です。アイヌの世界観を体験したいのであれば特におすすめのお店です。

おすすめメニュー①アイヌ伝統食セット

「アイヌ伝統食セット(1890円)」は1日限定8食のメニューで、前日までに予約する必要があります。このセットでは先ほど紹介したチタタプやオハウが食べれます。現代風のアレンジがされているので、食べやすくなっています。

おすすめメニュー②カムイトノト

「カムイノイト」は料理ではなくお酒です。アイヌ民族は儀式の際にお酒を飲んだそうです。見た目はビールですが、原材料はヒエを使用しており、アルコールも通常のビールよりも強くガツンときます。それでも口当たりがよく飲みやすいお酒に仕上がっています。

海空のハルの基本情報

【住所】 北海道札幌市中央区南3条西4丁目 J-BOXビル5F
【営業時間】 17:00~23:00
日曜定休(祝日の時は翌日休み)
【アクセス】 地下鉄「すすきの駅」から徒歩2分
【駐車場】 なし
【公式HP】 https://umizoranoharu.owst.jp/

東京「ハルコロ」

東京でも「ハルコロ」であればアイヌ料理を体験できます。ハルコロは東京の新大久保にあり、東京でアイヌ料理が食べられる貴重な場所としてハルコロが話題になりました。東京には沢山のお店がありますが、東京でアイヌ料理を食べられるのはハルコロだけとの事です。「ゴールデンカムイ」が人気になりハルコロも比例して繁盛したそうです。

おすすめメニュー①えぞ鹿ステーキ

「ハルコロ」おすすめメニューの1つがアイヌ料理では欠かせないシカを豪快に焼いたステーキです。ハルコロではシカの調理法の種類が豊富にありますが、その中でもステーキ(1350円)が人気です。臭みやクセはなく低カロリーで、高タンパク質という事もあり、女性にも人気です。

おすすめメニュー②サーモンルイべ

「ハルコロ」の別のおすすめメニューは「サーモンルイベ」です。このアイヌ料理は鮭を凍らせたもので、それをわさび醤油でいただきます。あえて鮭を凍らせるのはアイヌ料理ならではです。食感も珍しく美味しいのでハルコロで人気のメニューです。

ハルコロの基本情報

【住所】 東京都新宿区百人町1-10-1
【営業時間】 月~金
12:00~14:00
17:00~24:00
土・日・祝
17:00~24:00
木曜定休
【アクセス】 JR山手線新大久保から徒歩1分
【駐車場】 なし
【公式HP】 https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130404/13156898/

伝統的なアイヌ料理を味わおう

北海道の先住民族・アイヌ民族の伝統料理であるアイヌ料理を紹介してきました。アイヌ料理は評判はいいものの、まだまだ認知が低くアイヌ料理を食べられるお店は多くはありません。今後、アイヌ料理の評判が上がればお店も増えていくかもしれません。是非、伝統的なアイヌ料理を味わってみてください。

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この記事のライター
かかし
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