鉄道好きには堪らない!「SL人吉」の魅力や楽しみ方を徹底解説!

一度は乗ってみたい乗り物・蒸気機関車。その夢を実現できる場所が熊本県内にあります。「SL人吉」と呼ばれるその列車は、日本最古の蒸気機関車であり、現役で運行している列車です。撮影ポイントをはじめ食事やコレクションの閲覧など盛りだくさんなSL人吉の魅力に迫ります。

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目次

  1. 1「SL人吉」は現役としては最古の蒸気機関車!
  2. 2「SL人吉」の概要について
  3. 3「SL人吉」の楽しみ方を解説!
  4. 4「SL人吉」のビュッフェの魅力!
  5. 5「SL人吉」の人吉鉄道ミュージアムで遊ぶ!
  6. 6「SL人吉」で蒸気機関車の旅を満喫しよう!

「SL人吉」は現役としては最古の蒸気機関車!

日本全国に蒸気機関車(SL)が現役で運行している路線がいくつかありますが、その中でも「SL人吉」は、日本最古の現役蒸気機関車として有名です。普通の電車とは一味違うSLは、鉄道ファンでない人も一度は乗ってみたい魅力的な乗り物です。そんなSLの魅力に迫っていきます。

愛称はハチロク!

「SL人吉」は、熊本県八代(やつしろ)市から人吉(ひとよし)市を経由して、鹿児島県霧島市までを結ぶ、全長124.2kmの路線、肥薩(ひさつ)線上で運行されています。牽引する蒸気機関車は、1922年(大正11年)製造の8620形です。この形の番号から「ハチロク」の愛称が付けられ親しまれています。

また、この8620形の蒸気機関車は、国産技術で初めて大量生産され製造されたSL列車です。一時期はこのSLが全国各地の鉄道を走っていました。「SL人吉」は、明治・大正時代の日本技術にも触れることができる貴重な産業技術の資料ともいえます。

「SL人吉」の基本情報

運転区間 JR肥薩線(ひさつせん) 熊本駅⇔人吉駅
運転日 3月中旬頃から11月上旬頃まで
(詳細はHPで確認)
運転時刻 往路(熊本駅→人吉駅) 9:45発→12:09着
復路(人吉駅→熊本駅) 14:38発→17:14着
所要時間 約2時間30分
問い合わせ先 050-3786-1717(JR九州案内センター・8:00~20:00)
URL 公式URL
備考 運行日・運行時刻については変更になる場合あり。毎年確認をおすすめ

「SL人吉」の概要について

1988年(1988年)から数日限定で運行、一時運行休止時期を経て、肥薩線が開業した100周年の2009年(平成21年)4月25日から運転が再開された蒸気機関車が「SL人吉」です。現在も3月~11月の観光シーズン週末限定で運行されています。人気が高いので予約必須の列車です。

運行区間は熊本駅から人吉駅

「SL人吉」の運行区間は、JR肥薩線・熊本駅から人吉駅までになります。また、下記の駅にも一時停車するので途中下車をして駅や列車の撮影が可能です。
 

停車駅 熊本駅→新八代→八代→坂本→白石→一勝地→渡→人吉

「SLあそBOY」として運行していたことも!

「SL人吉」が復活するきっかけになったのは、1987年7月に当時の北九州市長とJR九州の社長「1989年の門司港開港100年と九州鉄道100年の記念イベントとして蒸気機関車を復活させよう」という約束からです。

その後、プロジェクトチームが発足され、矢岳駅前の人吉市SL展示館にて静態保存されていた58654(8620形)を復元した上で1988年(昭和63年)8月に熊本 - 宮地間運行の快速「SLあそBOY」として営業運転に復帰しました。人吉市に保存されていた縁もあり、年間数日程度ですが同機関車が「SL人吉号」としても人吉発着でも運行されることになりました。

2005年(平成17年)3月に老朽化が原因で車両事故が起こり、運行休止を決断をせざるをえませんでした。しかし、鉄道ファンからの熱い要望を受け「SL人吉」として、2009年に復活する運びになったのです。

客車は3車両!

客車は全部で3車両編成になっています。車両としては決して多くありませんが、座席を含めてレトロな内装デザインの車内には工夫がたくさん詰め込まれています。この車内を探索や写真撮影を行うことも旅の醍醐味としておすすめです。

【列車の概要】

1両目 座席・展望ラウンジ・ミニSLミュージアム・トイレ
2両目 座席・ビュッフェ・カウンター
3両目 座席・展望デッキ・SL文庫・トイレ

座席シートは、シート部分が革仕様・布仕様に分かれています。JR公式ページでも紹介されていますので、どの座席部分のシート部分の使用や色をチェックして見るのも楽しみの一つです。

運行日と乗車料金

「SL人吉」は、土日祝日に3月~11月までの観光シーズン期間限定運行されています。冬は運行されていませんの注意しましょう。その年の初回運行日と最終運行日についてはJR九州へ問い合わせることをおすすめします。他にも、台風や豪雨などの影響で安全を優先し、運行を休止している場合もありますので注意しておきましょう。

片道乗車料金は下記のようになります。

利用区間(熊本~人吉) 乗車券 座席指定券 合計
大人 1,850円 840円 2,690円
こども 920円 420円 1,340円

予約の方法は?

「SL人吉」は、期間限定かつ土日祝日のみの限定運行になりますので、予約必須です。予約を取るには、乗車日より1ケ月前からJR九州インターネット予約サイト・全国のみどりの窓口で予約することができます。他にも九州の主な旅行会社(JTB・HIS・日本旅行など)で予約可能です。

「SL人吉」の楽しみ方を解説!

SL人吉は、車内・途中下車する駅での写真撮影をはじめ楽しむ場所が多数あります。ここからは「SL人吉」をより楽しむためのおすすめポイントを紹介していきますので、乗車する前にチェックしていきましょう。

楽しみ方①レトロでおしゃれな車内

「ななつ星」や「或る列車」などJR九州管内の列車は、インダストリアルデザイナーの水戸岡鋭治(みとおかえいじ)氏がデザインを担当しています。在来線でも水戸岡氏デザインのスタイリッシュでおしゃれなデザインに仕上げられた列車が多数運行されています。

「SL人吉」水戸岡氏がデザインを担当しており、とてもおしゃれな仕上がりになっています。木を基調としたデザインは、大正時代を彷彿とさせるようなどこか懐かしいレトロな雰囲気を漂わせています。

楽しみ方②展望ラウンジ

車内で、必ず立ち寄ってほしいのが「展望ラウンジ」です。壁部分が全面ガラス張りになっているため、山間部の景色が楽しめます。特に上り(人吉発熊本行)では1号車、下り(熊本発人吉行き)では3号車では、最後尾になるため大パノラマビューで楽しめますのでおすすめです。

内装も、1号車では、ベージュ系の木調デザイン。3号車ではダークブラウン系の木調でサインが施されており、ここでもレトロでおしゃれな空間が広がっています。

子供用の座席もあり

展望ラウンジでの一番の特等席は、予約されたように小さな子供のための座席です。「SL人吉」は、大人の鉄道ファンだけでなく、子供も楽しめるような工夫がこの座席のようにたくさんちりばめてあるので、家族で行っても十分に楽しめます。

他にも、小さな子供向けのサービスで、駅員のコメント付きでSLの形をしたオリジナルメッセージカードがプレゼントされます。そちらも楽しみにしておきましょう。

楽しみ方③SL文庫

3号車の出入り口付近に、ベンチがあります。このベンチに座ると、左手には「SL文庫」と呼ばれる本棚に手を伸ばすことができます。ここには、鉄道やSLに関する書籍や写真集が置かれています。子供向けの絵本た、一般書籍なども置いてありますので、一度チェックして見ましょう。

楽しみ方④ミニSLライブラリー

一号車の出入り口付近には、「ミニSLミュージアム」と称して、蒸気機関車のミニ模型が展示されています。他にも、座席の仕切として棚が設けられており、その中に列車の模型を展示、ブュッフェコーナー付近の棚では、熊本県内の特産品が展示されています。

楽しみ方⑤記念撮影

「SL人吉」では、記念撮影のサービスが充実しています。人吉駅ホームでは、SL人吉をバックにした記念撮影が可能です。撮影用の記念パネルも準備してあります。車内では帽子や制服の貸し出しをしているため、子供に着せて撮影することもできます。座席ではもちろん、展望ラウンジなどでも思い出の写真を撮影していきましょう。

楽しみ方⑥途中下車

最後におすすめする楽しみ方は、「一勝地(いっしょうち)」駅での途中下車です。他の駅では5分未満での発着ですが、この駅だけ対向車線の行き違いがあるため、約10分間停車します。この駅は、その名前から縁起のいい駅として「必勝お守り記念入場券」(160円)を販売しています。子供の試合や学校の受験、資格試験などの必勝祈願などにおすすめです。

「SL人吉」のビュッフェの魅力!

「SL人吉」は、食事も魅力的です。ビュッフェと呼ばれる販売コーナーでは軽食や飲み物、オリジナルグッズが販売されています。そんな、ビュッフェで堪能できるおすすめの駅弁やデザートを紹介していきます。座席で、車窓から眺める景色を楽しみながら、球磨川の恵みがもたらした特産品を堪能しましょう。

魅力①美味しい駅弁

鉄道列車の旅で外すことができないのが弁当です。「SL人吉」でもおいしそうな弁当が数種類販売されています。どれも熊本県内や人吉で生産された食材が生かされた駅弁です。これら弁当は事前に予約いてから購入することをおすすめします。

86(ハチロク)弁当

予約限定販売「86(ハチロク)弁当」(1200円/税込)は、SL人吉内でしか食べることができない人気の弁当です。中身は熊本特産品がちりばめられた弁当です。特におすすめなのが、熊本県産のブランド牛「和王」を使用したハンバーグです。他のおかずも無添加にこだわったものばかりで満足度の高い駅弁となっています。

おごっつお弁当

SL人吉社内限定販売でもう一つ人気の駅弁が「おごっつお弁当」(500円/税込)です。「おごっつお」は「ごちそう」の意味で、人吉にある青井阿蘇神社の「おくんち祭り」の際に食べられてきた家庭の定番料理を弁当として再現されています。

竹の皮に包まれた中には、2種類のおにぎり・煮しめ・卵焼き・サバの竜田揚げなどが入っています。SL人吉の雰囲気にピッタリの素朴で優しい味がします。昔ながらの懐かしい弁当です。

魅力②ご当地食材のスイーツ

お弁当を購入してお腹が満たされたら、欠かせないのがスイーツです。駅弁同様に、SL人吉車内でしか購入できない限定スイーツが販売されています。こちらもぜひ購入して食べてみましょう。また、人吉は栗の産地であることから、栗を使ったお菓子やジャムも販売されています。日持ちできるものもありますのでお土産にもおすすめです。

焼酎アイス

食後にさっぱりしたスイーツを食べたいときは、球磨焼酎をしみこませた「焼酎アイス」(340円/税込)をおすすめです。球磨焼酎のシャーベットとなめらかなバニラアイスが2層になっています。この2つが口の中で溶け合い、すっきりした味わいを楽しむことができます。晩白柚サイダーと一緒に味わう人が多いようです。

くりり最中アイス

「SL人吉」の人気スイーツとしてもう一つ紹介されるのが「くくり最中アイス」(350円/税込)です。人吉一帯は栗の産地として有名です。この人吉山江産の栗の甘露煮が使われています。SL人吉の限定スイーツとしておすすめの一品です。

魅力③ここでしか買えないお土産

限定の駅弁・スイーツとくれば、限定グッズも欠かせません。SL人吉には、弁当やスイーツ同様に車内販売のみの限定グッズが販売されています。デザインもおしゃれなものがりですので、旅の記念に購入してみてはいかがでしょうか?

立体キーホルダー

旅先でよく見かけるご当地キーホルダーは、ついついコレクションに加えたくなります。SL人吉内でも、SL人吉を細部まで細かく再現された立体キーホルダー(740円・税込)が販売されています。電車が好きな子供や友人へのお土産に最適です。

ピンバッジセット

鉄道列車の旅で、キーホルダー以外にコレクションされているのがピンバッジです。そこでおすすめするのが、ハチロクの正面がワンポイントになったピンバッジ(530円/税込)です。JR九州管内のグッズ販売でも人気の高い鉄道グッズです。他にも、肥薩線を走行する人気のD&S列車三種類がセットになったピンバッジ(1,100円/税込)もあります。

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「SL人吉」の人吉鉄道ミュージアムで遊ぶ!

人吉駅を降りるとすぐ近くに人吉鉄道ミュージアム「MOZOCAステーション868」があります。この「MOZOCA(もぞか)」は、方言で「小さい」「かわいい」という意味があります。その言葉の通り、大人はもちろん子供が楽しめる鉄道ミュージアムになっていますので、特に鉄道ファンは訪れましょう。

入館料無料の鉄道施設

人吉鉄道ミュージアム「MOZOCAステーション868」は、入館料無料の鉄道ミュージアムですので、気軽に入館することができます。大人も楽しめますが、特に子供が楽しめる施設が多数あります。

まず、1階部分では肥薩線ゾーンと呼ばれるエリアでは、ジオラマや映像などの展示されています。子供スペースでは、プラレールや木のプールなど子供が遊ぶエリアがたくさん作られています。他にも、1回200円で制服を着用しての写真撮影も可能です。

2F部分は屋根つきのオープンスペースで、レイルバイク(1回/200円)に乗ることができます。他にもミニ図書・学習スペースがあり、子供をメインに考えられたミュージアムとなっています。

ミニトレイン

大人も子供もぜひ乗ることをおすすめするのが、「ミニトレイン」です。ミュージアム1階にある「もぞか駅」から「人吉駅」までの道のりは、片道200円で利用できます。ミニトレインに乗って、建物内から入出する体験や、タイミングが合えばSL人吉との並走することができます。とても貴重な体験ができますので、ぜひ乗車してみてください。

プラレール

「MOZOCAプラットホーム」と名付けられた、プラレールでの遊び場所もあります。棚のような場所にプラレールが置いてありますが、よく見るとプラレール用の溝が彫ってあり、その溝を線路代わりにプラレールが走ります。そばには、九州管内を走る列車と運行ルートが示されたパネルが展示されています。

展望デッキ

ミュージアムの屋上の展望デッキからは、建物のすぐそばにある日本唯一の現役石造りの機関車庫が見えます。こちらの機関車庫は1911年建造されたもので、日本の産業遺産にも指定されている貴重な建物です。

タイミングが良ければ「SL人吉」がこの機関車庫への入出する姿をみることができます。絶景の撮影スポットでもありますのでカメラを忘れずに持っていきましょう。

「人吉鉄道ミュージアム」の基本情報

名称 人吉鉄道ミュージアム「MOZOCAステーション868」
住所 熊本県人吉市中青井町343-14
開館時間 9:00~17:00
休館日 水曜日(祝日の場合は翌日休館)・年末年始(12/30~1/2)
電話番号 0966-48-4200
アクセス 人吉駅より徒歩約2分
駐車場 有(有料)・87台
URL 公式URL

「SL人吉」で蒸気機関車の旅を満喫しよう!

「SL人吉」は、熊本県内の雄大な自然や川の傍を走る蒸気機関車です。人気の高い列車のため、予約必須ですが、予約した分その満足度は非常に高い鉄道列車の旅を楽しめます。撮影ポイントも多数あるため、そのポイントを逃さないようにするのが大変かもしれません。

到着した人吉市内でも、鉄道ファンにはたまらないゆミュージアムがありますので、時間には余裕をもって計画することをおすすめします。それでは、大人も子供も楽しめる蒸気機関車の旅を人吉で満喫していきましょう!

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