アポイ岳ジオパークの登山ルートを解説!貴重な珍しい花や注意点とは?

アポイ岳は世界でも珍しい動植物や、高山植物群落などが気楽に観覧できる山ですが、それゆえに登山時の数々の遵守事項が存在します。その注意点と、アポイ岳を安心して楽しめるアポイ岳満喫コースから、登山ピンネアポイ~アポイ縦走コースなど、様々なコースをご紹介します。

アポイ岳ジオパークの登山ルートを解説!貴重な珍しい花や注意点とは?のイメージ

目次

  1. 1アポイ岳ジオパークとは
  2. 2アポイ岳ジオパークの魅力
  3. 3アポイ岳の登山ルートは?
  4. 4アポイ岳ジオパーク固有の花や虫は?
  5. 5アポイ岳ジオパーク登山の注意点
  6. 6アポイ岳ジオパークの施設詳細情報
  7. 7アポイ岳ジオパークで自然を満喫しよう!

アポイ岳ジオパークとは

「アポイ岳ジオパーク」は、2008年「日本ジオパーク」に認定され、2015年「ユネスコ世界ジオパーク」への加盟を果たした、ユネスコの定める基準に基づいて認定された高品質の自然公園です。
 
2019年現在、世界41カ国、147地域にユネスコ世界ジオパークがあり、その9地域が日本に存在し、「アポイ岳ジオパーク」エリアはその一つに数えられるジオパークです。

アポイ岳のテーマ

アポイジオパークのテーマはHPにある「地球深部からの贈りものがつなぐ大地と自然と人々の物語」で、地殻変動により地球の深部から「かんらん岩」が地上に表面化し、様似町エリアにアポイ岳が形成されたことや、そこに生息する自然や人々の共生を学ぶことです。

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アポイ岳ジオパークの魅力

アポイ岳は、約1300万年前、2つのプレートの衝突から生まれ、道南を真っ二つに分ける「日高山脈」が出没し、その最南端に姿を現したのがアポイ岳です。地球の約80%は緑色の岩石「かんらん岩」で形成されており、地中深くにあるため直接見れるのは稀ですが、その貴重な岩石が様似町エリアに存在します。
 
又、アポイ岳は、天然記念物でもある高山植物の名所で知らる標高約810mの低山で、子どもから年配者まで気軽に登れる山ですが、神秘的な「かんらん岩」が関係しているのか本来はもっと高い場所にある動植物が不思議と共存しています。

世界ジオパークに認定

冒頭でも説明しましたが、世界ジオパークネットワークによって認定された自然公園の「アポイ岳」、ジオはギリシャ語で大地や地球を表し、「ジオパーク」とは地球と人間との関わりを学べ、地質や地形を観覧できる世界で数少ない自然公園のことです。
 
ちなみに世界遺産は、世界遺産条約に基づいて、人類が共有すべき顕著な普遍的価値を持つ物や場所を言いますが、ジオパークの場合、自然遺産を保護保全するだけではなく、人々の活動が重視される教育活動や地域振興を基準にしています。

登山のおすすめ時期は?

アポイ岳の登山のおすすめ時期は、5月~9月下旬ころの時期で、5月初旬頃から植物が開花し始め、下旬頃の時期には植物が咲き乱れ見ごろとなり、この期間にアポイ岳エリアに80種類以上もある貴重な植物を観覧できます。
 
又、アポイ岳はあまり雪が積もらなく3月下旬頃の時期から山頂の残雪なども登山観覧できますが、いくら難易度が低くても岩場の雪は危険なので強くおすすめはしません。

許可なく登山はできない

アポイ岳は北海道条例により立ち入り制限区域を設定しております。理由としましては、アポイ岳エリアに生息する希少な動植物を保護するため許可なく指定山道以外の登山立ち入りを法律で禁じています。

登山口では記帳を忘れずにしよう

登山入口に上記画像にある無人の入山届所がありますので、難易度の低い気楽に登れる山といっても、万が一の事故などに備え、事故の際は遭難エリア捜索、遭難救助が円滑に行われるよう時期や難易度に関係なく、登山の際は入山届の記帳をおすすめします。

ペット連れで登山は危険

難易度が低い登山なので愛犬を連れてきたくなる気持ちもでますが、アポイ岳エリアへのペット連れでの入山は原則禁止で、他登山者の迷惑になる恐れもありますのでご遠慮ください。又、天然記念物の破損や、危険な動植物も生息していますので愛犬が危険にさらされる場合もあります。

初心者にも上りやすい

アポイ岳は標高810.5mの低山で、アウトドアが苦手な初心者の方でも難易度低く時期を気にせず気軽に登上れる山で、お子様連れのご家族も安心して気軽な登山体験ができ、貴重な高山植物なども登山観覧できるエリアで大人気です。

遠足にも使われる難易度

アポイ岳は、「国指定特別天然記念物」「日高山脈襟裳岬国定公園特別保護区」「花の百名山」「日本の地質100選」など、ユネスコ「世界ジオパーク」にも認定されてることもあり、その地質や貴重な動植物の体験学習をするため各学校の遠足時期にも利用されているほど難易度低く初心者でも登山を楽しめる山です。

アポイ岳の登山ルートは?

アポイ岳の高山植物が観覧できるルートは勿論、エンルム岬や、海岸の奇岩、日高耶馬渓、幌満峡など様似町の有名スポットを巡るルートや、北海道先住民アイヌ伝説を体感できるルート、江戸幕府によって開かれた「いにしえの道」をたどる、歴史と自然を満喫できるアクセスの良いルートを下記で紹介します。

コースを決めて登山を楽しむ

アポイ岳登山ルートは「頂上までの上り下り」と、登り途中で「幌満お花畑」に立ち寄る2つの基本ルートがあり、アポイ岳の天然記念物である動植物や「かんらん岩」などを楽しめるエリアルートや、その他「様似町」の自然豊かな環境や優雅な景色を堪能してまわるエリアルートもあります。

アポイ岳満喫コース

JR様似駅観光案内所からスタートし、アポイ岳頂上へのアクセスを目指すスタンダードな登山ルートですが、トラバース分岐からの「お花畑」エリアへのアクセスや、頂上からの吉田岳エリアへのアクセスは、通常の所要時間に各往復1時間プラスされますので、初心者には厳しいと思いますので、こちらの分岐は体力の自信のある方におすすめです。

名称 所要時間 備考
JR様似駅観光案内所スタート   ポイ岳の情報収集
ジオパークビジターセンター 10分 様似の大地、自然、歴史文化の紹介
登山口 5分 入林許可証名簿記入所で記帳
5合目山小屋 1時間15分 休憩(水分補給)、トイレブース有
馬の背 40分 遠く日高山脈の脊梁が望める
トラバース分岐 15分 左は頂上、右はお花畑(往復+60分)
アポイ岳頂上 25分 吉田岳(往復+90分)
ジオパークビジターセンター 2時間  
JR様似駅観光案内所ゴール 10分  

プチジオコース

秘境の幌満ダム、民間所有のダムでは貯水量最大規模で、下流にあるかんらん岩の採掘粉砕をしている工場への電力供給を目的として建設されたダムで、アクセスも良く時期別の景観の美しさに観光客が多く訪れます。

名称 所要時間 備考
JR様似駅観光案内所スタート   観光案内パンフ取得
エンルム岬展望台(台場) 5分 展望台絶景(岬中腹まで車可)
観音山展望台 3分 並ぶ奇岩類と様似漁港(車可)
平字の屏風崖 5分 砂岩に貝化石や岩層
ジオパークビジターセンター 5分 様似の大地、自然、歴史文化の紹介
冬島の穴岩 5分 日高耶馬渓が続き絶景
大正トンネルの花こう岩類 5分 花こう岩類観覧
ルランベツの褶曲 3分 片麻岩と角閃岩が褶曲
ゴヨウマツ記念碑 20分 天然記念物ゴヨウマツ観覧
幌満川稲荷神社 10分 白いかんらん岩景観が特徴
幌満ダム 10分 集落が湖底に眠ってる
JR様似駅観光案内所ゴール 40分  

アポイ岳ジオパークをジオ視点で満喫

エンルム岬と観音山の展望台からの眺めは絶景で、観音山からは一直線に並ぶ奇岩類と様似漁港が一望でき、時期的に春先の数多い花々を望む景観は壮大で、各展望台からは夕焼けの絶景などもおすすめのアクセスの良いエリアです。

又、ゴヨウマツ記念碑辺り一帯には北海道にしか生息していない貴重なナキウサギも姿を現わせます。自然豊富で神秘的なアポイ岳ジオパークをジオ視点で満喫してください。

様似有情コース

鎌倉時代の聖観世音菩薩像などの貴重な仏像保管されている「等澍院本堂」、アイヌの村があった場所に復元されたアイヌの伝統家屋が体感できる「岡田のチセ」、トンネルがなかった江戸時代に崖を念仏を唱えながら上り下りした「念仏坂」など、様似の歴史の詰まった魅力ある初心者用の方に向いてるルートです。

名称 所要時間 備考
JR様似駅観光案内所スタート   観光案内パンフ取得
エンルム岬展望台(台場) 5分 展望台絶景(岬中腹まで車可)
様似郷土館 1分 様似歴史資料館
等澍院 3分 江戸幕府建立の蝦夷三官寺の一つ
観音山展望台 1分 並ぶ奇岩類と様似漁港(車可)
岡田のチセ 10分 アイヌ伝統家屋
ジオパークビジターセンター 15分 様似の大地、自然、歴史文化の紹介
冬島の穴岩 5分 日高耶馬渓が続き絶景
大正トンネルの花こう岩類 5分 花こう岩類観覧
ルランベツの褶曲 3分 片麻岩と角閃岩が褶曲
念仏坂と幌満川河口トンネル 5分 崖を念仏を唱えながら上り下り
和助地蔵尊 2分 様似山道開削の地蔵尊
JR様似駅観光案内所ゴール 20分  

ピンネ~アポイ縦走コース

ホテル・アポイ山荘に宿泊し、ピンネシリ登山口から山頂まで上り、「かんらん岩群」エリアを通って、尾根伝いの最終地点アポイ岳に向かいアポイ岳ジオパークビジターセンターに向かうルートで、時期に関係なく登山後は宿泊施設でのんびりできる初心者でも安心して満喫できる魅力的なルートです。

名称 所要時間 備考
ホテル・アポイ山荘スタート   事前連絡ありはピンネシリ登山口送迎
ピンネシリ登山口 30分 入林許可証名簿記入所で記帳
ピンネシリ山頂 2時間30分 日高山脈南部の脊梁を望む
ピンネシリ~吉田中間(熊野平) 30分 道が不明瞭注意
吉田岳 1時間30分 平坦な尾根に高山植物群
アポイ岳 50分 尾根伝いの最終地点
馬の背 30分 遠く日高山脈の脊梁が望める
5合目山小屋 30分 休憩(水分補給)、トイレブース有
ジオパークビジターセンターゴール 1時間 様似の大地、自然、歴史文化の紹介

様似八景コース

無線局前から、様似市街やアポイ山塊を眺め、日高山脈岩石広場の標本ではアポイ岳の形成を学び、夏に時期は海水浴場や、漁の多い時期には漁船停泊など、様似の地元雰囲気を感じながら自然と歴史に触れる静かなる時間を感じる初心者にもおすすめのルートです。

名称 所要時間 備考
JR様似駅観光案内所スタート   観光案内パンフ取得
無線局前  6分 様似市街やアポイ山塊の絶景
観音山展望台  3分 並ぶ奇岩類と様似漁港(車可)
親子岩  6分 海水浴場
ソビラ岩  4分 多くの漁船群停泊
等澍院  4分 江戸幕府建立の蝦夷三官寺の一つ
エンルム岬展望台(台場) 3分 展望台絶景(岬中腹まで車可)
様似郷土館 2分 様似歴史資料館
かんらん岩広場 3分 日高山脈岩石の研磨標本広場
JR様似駅観光案内所ゴール  3分  

様似山道コース

こちらのルートはお車で日高耶馬渓を通り、幌満コミュニティーセンターに車を停車し、徒歩で山道東口に向かいスタートすることをおすすめします。又、山道西口ゴールに出て冬島漁港バス停まで暫く歩き、そこからバス又はタクシーをご利用し車を停車している幌満コミュニティーセンターへお戻り下さい。

山道はアップダウンの繰り返しが多くあり、深い沢もありロープ伝いに渡りますので、時期に関係なく登山に適した服装でお出かけください。

名称 所要時間 備考
JR様似駅観光案内所    
大正時代のトンネル 10分(車) 大正時代の手掘トンネル
幌満コミュニティーセンタースタート 3分(車) 車を停める場所
和助地蔵尊  徒歩 様似山道開削の地蔵尊
山道東口 徒歩 入林記帳台で記帳
断崖ポイント 徒歩 鵜の鳥岩を望む
原田宿跡 徒歩 旅籠屋跡
コトニ小休所跡 徒歩 昔の休息所
山道西口 徒歩 幌満に戻るバスまで歩く
幌満コミュニティーセンタースタート 6分(公共交通)  

登山の前には持ち物の確認

アポイ岳の登山は難易度が低いと言われていて、普段着の軽装でも大丈夫ではないかと思いがちですが、難易度が低くても5時間~8時間のコースや、アップダウンがある山道や沢を歩くコースもありますので、時期に関係なく必要最低限の準備が必要です。

【アポイ岳登山用 最低限の服装】 

名称 備考
帽子 「夏季」はハットやキャップ、「寒期」はニット帽
長袖シャツ 山の温度差は激しいのでオールシーズンおすすめ
パンツ トレッキングパンツ
手袋 寒期使用
タイツ 寒期使用

【アポイ岳登山用 最低限の持ち物】 

名称 備考
登山靴 難易度は低めでも長時間の登山
クマよけ鈴 北海道は熊が出現するため
甘菓子 チョコレートや、クッキーなど栄養補給
医薬品 体調不良の際の準備
携帯トイレ トイレがほとんど無い環境
水分補給 当然山中に自動販売機等はありません

宿泊にはアポイ山荘

宿泊・日帰り温泉施設の「アポイ山荘」、アポイ岳登山口及びアポイ岳ビジターセンターまで徒歩でいけるアクセスの良い宿で、食事も手が込んでいて時期別の地元海産物を中心にした料理が抜群です。又、アポイ岳を望みながらのお風呂は最高で登山跡の疲れも癒えます。

【名称】 アポイ山荘
【住所】 北海道様似郡様似町字平宇479番地の7
【電話番号】 0146-36-5211
【アクセス】 ・札幌から約3時間
・千歳空港から約2時間30分
・苫小牧から約2時間
・襟裳岬から約45分
・帯広から約2時間
【客室数】 和室7室、洋室12室(計19室)
【駐車場】 50台
【チェックイン】 14:00
【チェックアウト】 10:00
【クレジットカード】 JCB、VISAなど使用可能
【料金】 ※格安サイトでご確認ください
【公式HP】 https://www.apoi-sanso.co.jp/

アポイ山麓ファミリーパークキャンプ場

アポイ山麓ファミリーパークキャンプ場は、アポイ山荘からも近いアポイ山麓自然公園内にあり、キャンプ場での宿泊はテント及びバンガローがあり、キャンプ場内に炊事場やトイレも設置されています。

又、キャンプ場のある公園敷地内にはパークゴルフ、ゴーカート場、児童遊園地もあるアクセスの良い大型の公園でファミリーにおすすめで、キャンプ場の場所がアポイ登山口近くにもあることからキャンプ場からアポイ岳へのアクセスも良く大人気です。

【名称】 アポイ山麓ファミリーパークキャンプ場
【住所】 北海道様似郡様似町平宇
【電話番号1】 0146-36-2119 (様似町役場商工観光係)
【電話番号2】 0146-36-3601(アポイ岳 ファミリーパーク・ビジターセンター)
【営業時間】 キャンプ場管理棟営業時間 9:00~17:00
【アクセス】 様似駅からキャンプ場まで車で15分
【料金】 キャンプ場入場料:大人600円、小人400円 
タープ・スクリーン:各1張300円 
バンガロー:4~5人用1棟2000円
【公式HP】 http://www.apoi-geopark.jp/sightseeing/spot.html

アポイ岳ジオパーク固有の花や虫は?

アポイ岳は、「かんらん岩」からできている森林が発達しない特殊な山で、約80種類以上の高山植物が多数存在し、アポイ岳固有のヒダカソウ、アポイクワガタ、アポイマイマイ、ヒメチャマダラセセリ、エゾナキウサギなど貴重な動植物も観覧できますので下記に紹介します。

幌満お花畑

山頂の南尾根にある「お花畑」は太平洋や襟裳岬が一望できる絶景ポイントで多くの高山植物が咲き乱れ、絶景のロケーションと高山植物のコラボが大人気です。

ヒダカソウが群落していた

アポイ岳の高山植物を象徴する固有種のヒダカソウは、1980年後半頃まで「お花畑」一帯が「ヒダカソウの群生地」として有名でしたが、1990年代に入り盗掘による被害でヒダカソウは次々と減少してゆき、今ではほとんど姿を見る事ができなくなりました。

現在はほとんど見られない

現代アポイ岳のパトロールの強化もあり盗掘はほぼなくなりましたが、草木が育たなくなると言われるハイマツの発達の影響で高山植物の減少傾向人あり、「ヒダカソウ」に滅多にお目にかかれません。
 
しかし、当時の「ヒダカソウの群生地」とまではいきませんが、5月1日から15日の間に「お花畑」を根気よく観察していると目撃できるチャンスがあるかもしれません。

高山植物群落がある

大昔、日本列島は氷河期に陸続きであったため、北方の植物が南下し温帯系動植物との同居という奇妙な生態系をつくっており、「アポイ岳高山植物群落」は生物多様性の穴場となっていて大人気のスポットです。

国の特別天然記念物

アポイ岳がこれほど特異な生態系がある背景には、かんらん岩の影響など、地史、気象、地質が絶妙な条件で重なり合っているのが要因で、低山であるにもかかわらずアポイ岳ならではの高山植物が生息し「アポイ岳高山植物群落」として国の特別天然記念物に指定されています。

アポイクワガタ

紫色が特徴の「アポイクワガタ」、馬の背の辺りを中心に高山植物の姿が見られ、その中に「アポイクワガタ」も下から咲き生息していますのでよく観察してみてください。

名称 アポイクワガタ(あぽい鍬形 ゴマノハグサ科)
形 態 高さ10cm内外の多年草
葉は根際につき、縁が鋸歯状に切れ込み、裏は紫色をおびる
花は下の方から咲く
花 期 6月
生育地 馬の背と稜線上の一部
その他 固有品種
名前の由来 昆虫のクワガタムシと同じ語源で、戦国時代などの戦いの時に
かぶる兜に付ける鍬形に似ていることから付けられた

アポイアズマギク

5合目から上部岩礫地、吉田~ピンネシリ一帯に咲く紅紫色の「アポイアズマギク」、こちらも他の高山植物たちと一緒に咲き乱れていますので見流さないようにしてください。
 
又、「アポイアズマギク」の蜜を吸うアポイ岳でしか見られない蝶などもいますのでタイミングよく貴重な映像が撮れるかもしれません。

名称 アポイアズマギク(あぽい東菊 キク科)
形 態 高さ10cm内外の多年草
根生葉は倒披針形で毛は少ない
花 期 5月~6月
生育地 5合目から上部岩礫地
その他 吉田~ピンネシリには紅紫色のものも多い
固有変種
名前の由来 「東」とは、関東地方を指した関東に多いという意味

固有の生き物も生息

アポイ岳の「かんらん岩」の独特の成分は、植物だけでなく動物の進化にも影響を与え「アポイマイマイ」や「ヒメチャマダラセセリ」、「エゾナキウサギ」など、絶滅危惧種にも指定されている固有の生物も生息していますので下記に紹介します。

アポイマイマイ

アポイ岳固有種のカタツムリ「アポイマイマイ」、アポイ山塊周辺や幌満川沿いの「かんらん岩」が積み重なる隙間などに生息しています。褐色色の大きさ1cm程度で表面には細い毛が生えているのが特徴です。

ヒメチャマダラセセリ

アポイ岳7合目を越えた辺りに生息しているセセリチョウの仲間で非常に珍しい蝶「ヒメチャマダラセセリ」、黒地に白いマダラ模様が特徴で、成虫になり5月前後と短命な蝶、日本ではアポイ岳でしかお目にかかれない蝶です。

エゾナキウサギ

日本では北海道でしかお目にかかれない可愛らしさのある「エゾナキウサギ」、本来標高の高い岩石が多くある場所にしか生息できない動物、しかしアポイ岳の山麓標高50mと最も低い標高での生息が確認され記録にもなっています。

アポイ岳ジオパーク登山の注意点

「ユネスコ世界ジオパーク」への加盟を果たしたユネスコの定める基準に基づいて認定された高品質の自然公園で、アポイ岳は日高山脈襟裳国定公園内の一部です。それゆえ山全体が厳しい法律によって守られていますので、日本の貴重な自然を守るための以下注意点を紹介します。

注意点①登山道から外れない

アポイ岳の登山道以外を歩くことは法律で固く禁じられていますので、ロープの中に許可なく侵入したり、既定の登山道を絶対に外れないようにしてください。

注意点②動植物や岩石の採取は行わない

動植物や岩石などの採取は、法律で固く禁じられていますので絶対に行わないでください。近年盗掘や踏み荒らしなどによって貴重な植物が減少している悲惨な現状があります。

注意点③ストックの先端にはキャプをつける

難易度が低い登山といえどもストックは必ず持参してください。又、キャップを付けずに使用すると天然記念物など高山植物が傷ついてしまいますのでストック先端にキャップが付いているか必ずご確認ください(初心者の方は登山ショップなどでご確認ください)。

注意点④危険な動物に注意

アポイ岳が難易度が低い山といえども山には危険な生物が生息しています。熊が出現した場合に備え「熊鈴」や「熊よけスプレー」を身に付け、その他ハチやマムシなども生息してますので発見した際は絶対に近づかないでください(初心者の方は事前情報を知識として頭に入れてください)。

注意点⑤携帯トイレを持参

初心者の方には抵抗があるかもしれませんが携帯トイレは必ず持参ください。山の中で用を足されますと高山植物の成長にダメージを与えます。5合目の山小屋下に携帯トイレ用ブースがありますので、そちらでご利用ください。

注意点⑥靴の裏は洗ってから向かおう

生命力の強い外来種が登山時にアポイ岳に侵入し、高山植物の生育地を脅かす恐れがありますので靴裏を必ず綺麗にしてから登山を開始してください(初心者の方はご注意ください)。

アポイ岳ジオパークの施設詳細情報

様似町は町全体がアポイ岳ジオパークを構成しており、その拠点施設である「アポイ岳ジオパークビジターセンター」「様似観光案内所」などの基本情報を以下に紹介します。 

観光案内所に行こう

様似観光案内所はJR様似駅内にあり、各種パンフレットの提供、宿泊施設やキャンプ場、食事処の案内、その他「アポイ岳ジオパーク」「様似町」を紹介する資料展示もあり、お土産ショップ「みな様に」では様似町の特産品を販売していますので、初心者の方はまずここからスタートしてください。

アポイ岳の歴史

約2万2000年前の後期旧石器時代、北の厳しい氷河期の気候から逃れてきた動物を追って人類が北海道に移り住んできたと言われています。
 
その後、約1万2000年前ころから世界的に気候が温暖化し氷河期は終わりを告げ、日本各地で縄文式土器を使用した狩猟などを基盤とした縄文文化がおこり、アポイ岳ジオパーク内にも縄文後期を中心とした遺跡が28箇所確認されています。

アイヌ民族の言い伝えが残る地

太平洋に浮かぶ様似町のシンボル「親子岩」は、夏の昼間は多くの人で賑わう海水浴場で、夕日の絶景ポイントとも言われていますが、アイヌの神秘的な言い伝えがあり、この地で夕日を眺めながら祈りごとをすると家族が幸せになると言われています。

アポイ岳ジオパークビジターセンター

アポイ岳ジオパークビジターセンターには専門のスタッフが常駐する受付カウンターがあり、館内案内、様似町のキャンプ場など各観光情報、アポイ岳登山を安全に楽しむための高山植物や、初心者の方のためのヒグマなどに関するリアルタイムの情報提供を行う施設です。

歴史や文化・自然を紹介

アポイ岳ジオパークビジターセンターには、幅3mの巨大鳥瞰図、地形ジオラマやパネルなどが展示してあり、アポイ岳ジオパークの地形・地質、自然、歴史、文化、産業の様子が詳細にわかりやすく解説されていますので、初心者の方はアポイ岳ジオパークの情報を頭に入れてから行動することで何倍も楽しむことができます。

アクセス詳細

アポイ岳ジオパークへの車でのアクセスは、各主要エリアから2時間半と非常にアクセスが良く、北海道ののどかな風景を満喫し走行しているうちに到着しますので、レンタカー及びマイカーでの移動をおすすめします。

【レンタカー又はマイカー】 

出発 距離 所要時間
札幌南IC 176km 2時間45分
新千歳空港 148km 2時間30分
苫小牧西港 139km 2時間30分
苫小牧東港 119km 2時間10分
とかち帯広空港 116km 2時間10分
帯広川西IC 132km 2時間10分
 

下記のに札幌発、新千歳空港出発、苫小牧出発、帯広出発の電車及びバスでのアクセスを案内しましたが、詳しい時刻表及び詳細については、下記にあります「アポイ岳ジオパーク基本情報」に記載のあるアポイ岳ジオパークの公式HPで各アクセス詳細をご確認ください。

【公共交通機関 札幌出発】 

路線  のりかえ 所要時間 便数
高速バス「えりも号」 直行 3時間30分 1往復
高速バス「ペガサス号」 浦河ターミナル 4時間30分 5往復 
高速バス「ひろおサンタ号」 向別(浦河町) 4時間 1往復
JR線 苫小牧・鵡川・静内  5時間30分~6時間 4往復 

【公共交通機関 新千歳空港出発】 

路線 のりかえ 所要時間 便数
特急バス「ひだか優駿号」 役場前(浦河町) 3時間30分 1往復
札幌経由でペガサス号利用 大谷地(札幌)・浦河ターミナル 5時間 3.5往復 
JR線 南千歳・苫小牧・鵡川・静内 5時間30分~6時間 4往復

 【公共交通機関 苫小牧出発】

路線 のりかえ 所要時間 便数
JR線 鵡川・静内 4時間30分 6.5往復 
路線バス ウトナイ湖・静内・浦河 ※3 4時間~5時間 6.5往復 

【公共交通機関 帯広出発】 

路線 のりかえ 所要時間 便数
路線バス 広尾 4時間30分~5時間 平日3往復
休日2往復

「アポイ岳ジオパーク」基本情報

冒頭のアポイ岳ジオパークの施設詳細情報でも説明いたしましたが、様似町は上記画像にあります看板のあるように町全体がアポイ岳ジオパークを構成していますので、その拠点施設である「アポイ岳ジオパークビジターセンター」の基本情報を以下に記載しますのでお問い合わせ等はこちらにお願いします。

【名称】 アポイ岳ジオパーク
【住所】 北海道様似郡様似町平宇479番地7
【電話番号】 0146-36-2120(様似町アポイ岳ジオパーク推進協議会)
【営業時間】 09時00分 ~ 17時00分
【アクセス】 JR日高本線様似駅よりバス利用
【駐車場】 50台(無料)
【料金】 無料
【公式HP】 http://www.apoi-geopark.jp/

アポイ岳ジオパークで自然を満喫しよう!

豊かな自然に恵まれ「町ごと自然公園」に認定されているアポイ岳ジオパーク(様似町)、地球の深部から表面に突出した特殊な「かんらん岩」の地質からできていている神秘的なパワーに包まれた町で、初心者でも安心して自然を満喫できる登山をお楽しみください。又、ご家族やお仲間でアポイ山荘やキャンプ場での宿泊もおすすめです。

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