「致道博物館」で鶴岡市の歴史を探る!貴重な資料や駐車場&アクセスも!

幕末最強と言われた鶴岡・庄内藩の歴史を今に伝えるのが致道博物館です。この記事では致道博物館に展示されている貴重な資料や駐車場、アクセス、さらに刀剣乱舞とのコラボやドナルドに纏わる感動のエピソードなどについてもご紹介致しますので、この機会に是非ご覧ください。

「致道博物館」で鶴岡市の歴史を探る!貴重な資料や駐車場&アクセスも!のイメージ

目次

  1. 1致道博物館とは
  2. 2致道博物館の特徴と魅力
  3. 3致道博物館の見どころ
  4. 4致道博物館周辺の観光スポット
  5. 5致道博物館の詳細情報
  6. 6致道博物館で鶴岡の歴史と文化を学ぼう!

致道博物館とは

致道博物館は、旧庄内藩の藩庁があった鶴ヶ岡城の敷地内にある博物館です。致道という名前は、庄内藩の藩校であった「致道館」に由来します。

最後の藩主であった酒井忠篤の甥で、養子となった酒井忠良氏から土地・建物・文化財を寄付されて1950年に設立された財団法人以文会が母体となりました。現在は公益財団法人致道博物館が管理運営を担い、館長は酒井忠良氏の孫である酒井忠久氏が務めています。

鶴岡の歴史や文化が学べる博物館

致道博物館では国宝2点、重要文化財6点、名勝1か所、そして8種5,350点もの重要有形民俗文化財など庄内藩に伝わる様々な歴史的文化財が収蔵・展示されています。

庄内藩の歴史は1622年、信濃松代藩主だった酒井忠勝がこの地に入部した事で始まりました。酒井忠勝は徳川四天王筆頭・酒井忠次の嫡孫です。それ以降、領地替えの危機も乗り越え、1度も転封される事なく、明治の版籍奉還まで酒井氏が治め続けてきました。

庄内藩が歴史上一躍その武名を轟かせたのが幕末に起こった戊辰戦争です。この時、庄内藩は奥羽越列藩同盟の一翼を担い、新政府軍と戦いました。

中でも「鬼玄番」と恐れられたのが、庄内藩二番大隊長だった酒井了恒です。彼は北斗七星を逆さにした「破軍星」の旗を掲げ、新政府軍相手に連戦連勝を重ねます。ただ強いだけではなく、温和で慈悲深い性格でも知られ、敵兵の死骸も丁寧に埋葬したと伝わっています。

そんな酒井了恒も通った致道館は庄内藩の藩校として、7代目藩主・酒井忠徳によって創設され、8代目藩主・酒井忠器によって鶴ヶ岡城三の丸に移されました。藩校建造物としては東北地方で現存する唯一の建物で、歴史的価値から国の史跡にも指定されています。

致道博物館では酒井氏と共に時間を積み重ねてきた約400年に及ぶ鶴岡の歴史と、鳥海山や月山に囲まれ、豊かな米産地でもあるこの地に根付く文化を学ぶ事ができます。

致道博物館の特徴と魅力

鶴岡の歴史や文化を知る上で欠かすことのできないスポットとも言われる致道博物館。そんな致道博物館の特徴や魅力についてご紹介致します。

貴重な歴史的建造物が移築

致道博物館があるのは、鶴ヶ岡城の三の丸跡です。元々この地にあった「御隠殿」や「酒井氏庭園」に加え、広大な敷地を活かして明治時代の初期に建てられた「旧鶴岡警察署庁舎」「旧西田川郡役所」など貴重な歴史的建造物が多く移築・展示されています。

いずれも当時の建築様式を今に伝える貴重なもので、映画やドラマのロケ地としても度々用いられています。

文化的に貴重な資料の展示も

致道博物館の収蔵・展示品としては国宝の「太刀 銘信房作」「太刀 銘真光」という二振りの日本刀、酒井忠次所用と伝わり、重要文化財に指定されている「色々縅胴丸」、信濃藤四郎の名でも知られる「短刀 銘吉光」などが有名です。

また、酒井家伝来のものだけでなく、致道博物館が収蔵・展示する重要有形民俗文化財は数千点に及び、庄内地方に息づく文化を今に伝えています。

中心地から近く、訪れやすい観光地

致道博物館は庄内藩の藩庁があった鶴ヶ岡城の三の丸跡にある事から、現在でも鶴岡市の中心地に位置し、とても訪れやすい地であることが特徴です。アクセスが便利なだけでなく、主要な観光スポットがほぼ徒歩圏内に収まる為、時間を有効に使えるのも魅力の一つです。

定期開催のイベントも人気

致道博物館では常設展示に加え、定期的にイベントや企画展示を開催しており、魅力の一つとなっています。2019年度の1年間だけでも16ものイベントや企画展示が開催され、1度だけではなく2度、3度と足を運びたくなる工夫が為されています。

そのジャンルも歴史モノだけではなく、ドールハウスや寄せ木細工、こども体験など多岐に亘っており、様々な層の人々に楽しんでもらおうという心意気を感じます。

「刀剣乱舞 -ONLINE-」コラボ記念イベントも

従来、日本刀を愛でるのは男性が中心で、渋い趣味と考えられてきました。しかし、近年では若い女性の間にも多くのファンが増えています。そんな女性たちは「刀剣女子」と呼ばれ、各地で開催される刀剣展は若い女性たちで大いに賑わうようになりました。

このブームの火付け役となったのが、DMMゲームズが配信するオンラインゲーム「刀剣乱舞 -ONLINE-」です。

刀剣乱舞は名刀を擬人化し、歴史上の合戦場を舞台に敵を討伐しながら成長させていく刀剣育成シミュレーションゲームです。2015年にPC版が、2016年にスマートフォン版の配信が開始され、「とうらぶ」という愛称で若い女性を中心に人気を集めています。

刀剣乱舞が人気である理由として、ゲームに留まらず、ミュージカル、舞台、アニメ、実写映画化など幅広く展開している点が挙げられます。刀剣展とのコラボもその一つです。

この刀剣乱舞の中に、致道博物館に収蔵されている短刀・信濃藤四郎(重要文化財)が登場する事から、致道博物館では度々、刀剣乱舞とのコラボ記念イベントが開催されています。

2019年10月に開催された刀剣乱舞コラボ記念イベントでは、長らく所在が不明で、2018年に発見された信濃藤四郎の「黒漆塗合口拵」が初めて展示されるとあって、台風19号の通過後にも関わらず多くの刀剣乱舞ファンが訪れました。

信濃藤四郎は鎌倉時代に京の粟田口で活動していた刀工・藤四郎吉光によって作られた短刀です。吉光は短刀作りの名人と名高く、安土桃山時代には豊臣秀吉によって「天下の三名工」の一人に数えられています。

信濃藤四郎の名は持ち主であった永井尚政の官命が「信濃守」であったことに由来し、刀剣乱舞におけるキャラクターデザインにも、永井家の家紋が活かされています。

刀剣乱舞コラボ記念イベントでは、オリジナルのカード、クリアファイル、ランチトートなどのコラボグッズに加え、信濃藤四郎をイメージしたお抹茶セットも販売し、刀剣乱舞の世界観を味わう時間をゆったりと楽しむこともできます。

多くの博物館が展示内容に苦慮し、来館者の減少に苦しんでいる中、致道博物館の時流に乗る運営方法は高く注目されています。

ゲームである刀剣乱舞とのコラボ、オンラインショップでのオリジナルグッズ販売、Twitterアカウントの作成など、博物館としては異例の柔軟さを見せる致道博物館ですが、その柔軟さがドナルドに纏わる感動エピソードを生むことになりました。

ドナルドと言えば、誰もが知るアヒルをモチーフにしたディズニーの人気キャラクター。そんなドナルドは意外な理由で致道博物館におけるマスコット的な存在となったのです。

きっかけとなったのが、致道博物館の公式Twitterで呟かれたツイートです。なんと致道博物館では30年以上前に駐車場に落ちていたドナルドのぬいぐるみを処分することなく、洋服を編んだり、お風呂に入れてあげたりしながら今に至るまで大切に保管していたのです。

この忘れ物のドナルドに対する致道博物館の神対応は日本のみならず海外でも大いに注目される事となりました。

このツイートが話題になった後、さらに驚きの展開が起こります。なんとドナルドに対するクリスマスプレゼントとしてドナルドのガールフレンドであるデイジーのぬいぐるみが致道博物館に届けられたのです。

この心温まる展開にSNS上では、「感動して涙が出る」「素敵だなって思います」と言った声が寄せられ、リツイートは3万以上、いいねは6万以上に及びました。

このドナルドのエピソードをきっかけに致道博物館を知ったという方も多く、その中にはわざわざドナルドやデイジーに会うために致道博物館に遠くから足を運ぶ人もいたそうです。

残念ながら未だに落とし主の方については判明していないものの、30年間1人ぼっちだったドナルドは現在、デイジーと共に仲睦まじく、致道博物館のマスコットキャラクターとして、四季折々の衣装に身を包んで来館者を歓迎しています。

致道博物館の見どころ

落とし物のドナルドに対する心温まる神対応が話題となった致道博物館。続いては、その見所についてご紹介致します。

見どころ①旧鶴岡警察署庁舎

「旧鶴岡警察署庁舎」は致道博物館の象徴的な存在で、山形県における擬洋風建築を代表する建物として重要文化財にも指定されています。大工棟梁の高橋兼吉が設計を担いました。

ルネッサンス様式を基調としつつも、屋根の大棟、破風妻飾りなどに日本建築の要素も見られる点が特徴です。堂々たる外観には、新政府軍に対して連戦連勝を遂げた庄内藩の人々に対し、明治新政府の威容を見せつけようとの初代県令・三島通庸の意が窺えます。

見どころ②御隠殿

致道博物館のほぼ中央にある「御隠殿」は1863年に11代藩主・酒井忠発が建てた隠居所です。酒井忠発は洋式砲術の訓練や海岸警備の強化に努めた英明な君主でしたが、釣り好きで「日本最古の魚拓」を残した人物としても知られています。

御隠殿は江戸にあった中屋敷を解体し、その一部を移築したもので、現在は玄関と奥座敷が残り、館内では致道館や酒井氏ゆかりの品が展示されています。

見どころ③渋谷家住宅

致道博物館の西側にある「渋谷家住宅」は1822年に建てられた多層民家で、重要文化財に指定されています。元は出羽三山の一座に数えられる湯殿山麓にある田麦俣村にありましたが、1965年に致道博物館敷地内に移築されました。

養蚕業を生業とし、2階、3階、屋根裏などは作業場、蚕の収納場所などとして用いられていました。通風や採光を目的とした高窓が設けられた姿は、「カブト造り」と呼ばれます。

見どころ④旧西田川郡役所

致道博物館の東側にある「旧西田川郡役所」は1881年、三島通庸の命によって建てられました。中央に時計台が付いた擬洋風建築で、設計を手掛けたのは旧鶴岡警察署庁舎も手掛けた高橋兼吉と石井竹次郎です。

ルネッサンス様式と日本洋式が混在するデザインは、文明開化の新時代を象徴するものです。現在、館内では庄内の考古学資料、幕末から明治初期の資料などが展示されています。

見どころ⑤民具の蔵

「民具の蔵」は、江戸時代末期に建てられた2階建ての土蔵です。1階では庄内地方の豊かさを支えた日本海海運の関連資料や商業関係資料、2階では瓦人形や黒柿細工と言った鶴岡の伝統的な民芸品に関する資料が展示されています。

見どころ⑥酒井氏庭園

致道博物館の北側にある「酒井氏庭園」は作庭年代は不明ながら、東北地方では珍しい書院庭園として、国の名勝に指定されています。

池を隔てて築山には石が建てられて荒々しい山肌を再現し、左手には枯滝、右手には出島が設けられ、珪化木と呼ばれる名石が目を引きます。春の桜、夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季折々の風情を楽しむことのできる名庭です。

見どころ⑦重要有形民俗文化財収蔵庫

「重要有形民俗文化財収蔵庫」は致道博物館が収蔵する8種5,350点に及ぶ重要有形民俗文化財の内、7種3,550点を収蔵・展示しています。庄内地方に古くから伝わる生活の様子を今に伝える貴重な品ばかりです。

致道博物館周辺の観光スポット

致道博物館の見どころについてご紹介してきましたが、続いては致道博物館に行く際に合わせて足を運びたい周辺の観光スポットをご紹介致します。

①大宝館

「大宝館」は1915年、大正天皇の御即位を記念して建てられました。赤い尖塔と白亜の建物が織りなす優美な姿は大正初期の西洋建築の特徴の一つです。開館当時から戦前にかけて物産陳列場として用いられた後、戦後は市立図書館として多くの市民に愛されてきました。

図書館が移転し、全面的な保存修理を経て、現在は明治の文豪・高山樗牛や文学の神様・横光利一ら鶴岡出身の著名人に関する資料を展示しています。

②旧鶴岡警察署大山分署

「旧鶴岡警察署大山分署」は1885年に建てられた擬洋風建物で、長らく地元の人々に「分署」と呼ばれ、親しまれてきました。明治時代の建物が、創建当時と同じ場所にあり続ける例は非常に稀です。現在は安良町の公民館として利用されています。

真っ白な板張りの壁と淡青色の柱という洋風な意匠に、日本風の瓦葺の屋根が特徴的です。手掛けたのは、高橋兼吉の親戚で弟子でもあった高橋権吉です。

③鶴岡カトリック教会天主堂

「鶴岡カトリック教会天主堂」は1903年、庄内藩の家老屋敷があった場所に建てられたロマネスク様式の教会で、国の重要文化財に指定されています。

日本において教会堂を多く手掛けたパピノ神父が設計を手掛け、ステンドグラスとは異なる技法が用いられた「窓絵」、日本ではここにしかない「黒い聖母マリア像」、そして目にも鮮やかな高さ23.7mの「赤い塔屋」などが特徴的です。

④荘内神社

「荘内神社」は、1877年、鶴ヶ岡城本丸址に鶴岡の人々によって創建されました。祀られているのは酒井家歴代当主の内、初代・酒井忠次、二代・酒井家次、三代・酒井忠勝、九代・酒井忠徳の4人です。

特に庄内藩の初代藩主である酒井忠勝は庄内地方で穫れた米を大坂・江戸と言った大都市で販売して大きな利益を上げ、今に続く「米の国」の礎を築いた人物として人々の尊崇を集めています。

致道博物館の詳細情報

幕末から明治・大正までの建物が現存するなど、時間を巻き戻すような魅力に溢れる致道博物館や周辺の観光スポットについてご紹介致しました。そこで、続いては実際に足を運ぶ際に気になるアクセス駐車場、入館料、開館時間と言った情報についてご紹介致します。

アクセスは?

致道博物館へのアクセス方法として、電車でのアクセス方法車でのアクセス方法についてご紹介致します。

電車でアクセスする場合

東京から電車で致道博物館にアクセスする場合、山形県なのだから山形新幹線だろうと思いがちですが、致道博物館のある鶴岡市に向かう場合は実は上越新幹線を利用して新潟駅に向かい、特急いなほに乗り換える方が時間・料金ともに便利です。

東京から鶴岡駅までの所要時間は約5時間、料金は約13,000円。鶴岡駅から致道博物館までは徒歩で所要時間30分、バス・タクシーで所要時間およそ7分です。

車でアクセスする場合

自動車で致道博物館にアクセスする場合、最寄りのインターチェンジは東京・仙台・山形方面からならば山形自動車道の「鶴岡IC」、新潟方面からの場合は日本海東北自動車道の「鶴岡西IC」です。

鶴岡ICから致道博物館までの所要時間は約10分、鶴岡西ICからの所要時間は約15分程掛かります。

致道博物館の駐車場は?

約30年前にドナルドのぬいぐるみが発見された致道博物館の駐車場。第1駐車場と第2駐車場を合わせて約20台が駐車可能です。台数が少ない事から満車になる場合も多くあります。

周辺には約50台分の鶴岡公園西駐車場、約90台分の鶴岡公園中央・南駐車場、約130台分の鶴岡公園東駐車場があり、土日には鶴岡市役所の駐車場も開放されます。料金はいずれも無料です。

致道博物館の基本情報

【名称】 致道博物館
【住所】 山形県鶴岡市家中新町10-18
【開館時間】 【3月~11月】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【12月~2月】9:00~16:30(入館は16:00まで)
【休館日】 年末年始(12月28日~1月4日)
12月~2月の毎週水曜日
※展示入替に伴う一部休館の可能性あり
【料金】 【個人】大人800円、高・大生400円、小・中生300円
【団体(20名以上)】大人700円、高・大生300円、小・中生200円
【団体(100名以上)】大人500円、高・大生200円、小・中生100円
【アクセス】 【電車】JR羽越本線鶴岡駅より徒歩で約30分
【車】山形自動車道鶴岡ICより車で約10分
日本海東北自動車道鶴岡西ICより車で約15分
【公式HP】 https://www.chido.jp/

致道博物館で鶴岡の歴史と文化を学ぼう!

以上、致道博物館に展示されている貴重な資料や駐車場、アクセス、さらに刀剣乱舞とのコラボやドナルドに纏わる感動のエピソードなどについてご紹介致しました。

江戸時代を通じて酒井氏の善政によって栄え、幕末には新政府軍を寄せ付けず最強の勇名を轟かせた庄内藩。致道博物館ではそんな鶴岡の歴史や文化を学ぶ事ができます。この記事が、そんな致道博物館に足を運ぶきっかけになれば幸いです。

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この記事のライター
majisaru
はじめまして、旅行大好き、温泉ソムリエのmajisaruです。 温泉や観光地などのスポットについてご紹介させてい...

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