太宰府「観世音寺」は仏教美術が集う天台宗の寺院!御朱印や見所を解説!

太宰府にある「観世音寺」は源氏物語にも登場する、仏教美術が集う天台宗の寺院です。空海や鑑真などのゆかりのお寺で、宝蔵の収蔵庫には貴重な仏像が多数保管されています。観世音寺の御朱印や駐車場情報、見どころを詳しく解説します。

太宰府「観世音寺」は仏教美術が集う天台宗の寺院!御朱印や見所を解説!のイメージ

目次

  1. 1大宰府のおすすめスポット「観世音寺」
  2. 2「観世音寺」の歴史やご利益
  3. 3「観世音寺」境内の見所
  4. 4「観世音寺」の御朱印について
  5. 5「観世音寺」のアクセス&駐車場情報
  6. 6「観世音寺」へ貴重な仏像を見に出かけよう!

大宰府のおすすめスポット「観世音寺」

福岡の太宰府の観光スポットといえば太宰府天満宮ですが、太宰府にはそれ以外にも名勝と呼ばれるスポットがたくさんあります。「観世音寺」もそのひとつで、年間を通して多くの人が参拝に訪れます。駐車場があるので車で訪れるのはもちろんのこと、公共交通機関でもアクセスできます。

九州随一の仏教美術が集う寺院

太宰府の観世音寺の魅力といえば、九州随一の仏教美術が集っているところです。観世音寺には昭和34年に建てられた観世音寺宝蔵(収蔵庫)があり、観世音寺宝蔵(収蔵庫)の中には平安時代から鎌倉時代にかけて作られたとされている仏像や重要文化財が収蔵されています。

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「観世音寺」の歴史やご利益

太宰府の観世音寺には、立派な宝蔵があって歴史ある仏像や文化財が多数収蔵されています。また、太宰府は奈良時代や平安時代の九州の要所であったことから、観世音寺にも当時の文化が凝縮されています

「源氏物語」や菅原道真の詩にも空海ゆかりの観世音寺は登場しています。長い歴史を感じることができる観世音寺の歴史やご利益についてご紹介します。

源氏物語にも登場

太宰府の観世音寺は、紫式部の「源氏物語」にも登場する寺院です。天智天皇が、母の斉明天皇の冥福を祈るために作られました。完成したのは発願から80年後の聖武天皇が統治していた746年です。

昔は九州の中心的な存在の寺院として広く知られており、たくさんの御堂が境内に並んでいたといわれています。しかし実際のところ、観世音寺の正式な縁起については残されていません。多くの人が穏やかな生活が送れるご利益をいただきたいと参拝していたのでしょう。

空海にも縁のある観世音寺

太宰府の観世音寺は、仏教の戒律を受ける「授戒」の儀式が日本で初めて行われたと伝えられています。そのため、観世音寺は「天下の三戒壇」のひとつといわれており、鑑真や空海も観世音寺に滞在していたことがあるとされています。

空海が観世音寺に1年ほど滞在した理由は、本来20年を予定していた留学期間をわずか2年で切り上げて無断で帰国したためです。これが当時重罪にあたったため、都に戻ることが許されなかったといいます。

観世音寺の北側には、空海の石像が立つ清水の湧き水があり、地元太宰府の人からは空海を表す「弘法水」と呼ばれています。源氏物語でも空海ゆかりの水がある観世音寺が「清水の御寺」として登場します。

僧や尼に戒律を授けていた戒壇院には菩提樹が植えられており、太宰府市の指定記念物に選ばれています。菩提樹の花は毎年6月ごろに見頃を迎え、夜には戒壇院をライトアップするというイベントが開催されます。

なお、戒壇院には本尊の廬舎那仏像が安置されており、源氏物語が書かれた平安時代末期の貴重な仏像として国指定の重要文化財になっています。

観世音寺のご利益

太宰府天満宮のご利益が学問向上や厄除けであるのに対して、観世音寺のご利益は特に明らかにされていません。安置されている仏像を見てみると、どんな人も救うといったご利益があると推測できます。

観世音寺のご利益は明らかではありませんが、世界の平和や人々の安寧も願われていると考えられます。信仰する人々が極楽浄土へ行けるというご利益や、健康や諸願成就などのご利益があるかもしれません。

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「観世音寺」境内の見所

空海に縁があり「源氏物語」にも登場する太宰府の観世音寺は、空海にも縁があるお寺として知られています。かつては九州にある寺院の中でも中心的な存在で、観世音寺の周りには49か所の子院もあったと伝えられています。観世音寺の境内の見どころをお伝えします。

見所①日本最古の梵鐘

源氏物語にも登場する観世音寺を訪れたら外せないのが、日本最古の梵鐘です。観世音寺の梵鐘は奈良の當麻寺と京都の妙心寺にある梵鐘とともに最古の梵鐘のひとつです。古さと優秀さの両方において日本一と言われており、糟屋郡多々良で作られたものだと伝えられています。

菅原道真の詩に出てくる梵鐘は、観世音寺の梵鐘です。この梵鐘は「日本の音風景100選」にも選ばれており、今も昔も梵鐘の音を聞くことができます。

観世音寺の梵鐘を一般の人でも突いてよいとされているのが除夜の鐘です。大晦日の日に100回までであれば一般の人が梵鐘を鳴らしても良いとされており、300人もの人がならぶ観世音寺でも人気のイベントのひとつです。

見所②碾磑(石臼)

観世音寺の梵鐘と共にチェックしたいのが、碾磑(石臼)です。この碾磑(石臼)は、日本書紀に記載されている610年に高麗から来た僧が初めて碾磑(石臼)を動かして小麦をひいたというエピソードに登場するものです。

九州の中心的な寺院として一世風靡していた観世音寺でしたが、太宰府が力をなくしていくにつれて衰退していきました。それでも今に往時の様子を伝えているもののひとつが碾磑(石臼)だといわれています。

見所③観世音寺宝蔵(収蔵庫)の仏像

観世音寺宝蔵は別名「収蔵庫」と呼ばれており、平安時代から鎌倉時代にかけての仏像が16体保管されています。観世音寺宝蔵(収蔵庫)に収蔵されている仏像の特徴は、5m前後の大きな仏像が多いことと、樟材で作られたものが多いということです。

残念ながら観世音寺が造られた当時の仏像は残っていませんが、西日本に残っている仏像の中でも最古だとされている仏像があり仏像ファンから注目されています。観世音寺宝蔵(収蔵庫)の仏像について詳しくご紹介します。

馬頭観世音菩薩立像

観世音寺に3体並んで宝蔵に安置されている仏像のうちの真ん中が馬頭観世音菩薩立像です。高さが5.03mあり、源氏物語の舞台となった平安時代のはじめに作られたものだといわれています。頭頂部の真ん中に馬をつけているのが特徴の仏像で、その微妙な表情が人々を魅了しています。

観世音寺の馬騰観世音菩薩立像は、仏教以前のバラモン教の要素を持っている珍しい馬頭観音像です。そのため、数多くある馬頭観音像の中でも最古の部類に入るものだといわれています。

十一面観世音菩薩立像

十一面観世音菩薩立像は、宝蔵に入って左側に安置されている仏像で高さが4.98mあります。柔らかくてふくよかな印象から親しみを持たれています。十一面観世音菩薩立像は1069年に作られたもので現在も当時の美しさを保っています。

聖観音菩薩坐像

観世音寺の聖観音菩薩坐像は、大宰府でも非常に有名で地元の人からも親しまれている平安時代に作られた仏像です。座った状態の仏像でありながら高さが3.2mあるので迫力があります。収蔵庫を訪れたら間近に寄って細部まで見てみることをおすすめします。

阿弥陀如来坐像

現在は宝蔵に安置されていますが観世音寺金堂のご本尊として安置されていたのが、阿弥陀如来像です。平安時代に作られた高さ219.7cmの寄木造の像です。

大黒天像

大黒天像は、クスノキの一本造で作られて仏像で171.8cmの高さがあります。大黒天といえばふくよかな七福神のひとりとしてのイメージが強いですが、観世音寺の大黒天は本来の戦いの神様の姿をした古式の大黒天像です。観世音寺の大黒天像はレプリカがアメリカのイエール大学に保存されています。

四天王像

収蔵庫の阿弥陀如来像には、四隅を守るようにして2mを超える四天王像が置かれています。邪鬼を踏みつける四天王像は迫力満点で仏像ファン以外の人からも人気があります。

不空羂索観音菩薩立像

観世音寺にある仏像の中でも最も大きいのが不空羂索観音菩薩立像です。高さが5.71mあり、鎌倉時代に作られました。もともとは1221年に塑像の不空羂索観音菩薩立像がまつられていたようですが、後に木造で作られた不空羂索観音菩薩立像が安置されるようになったといわれています。

兜跋毘沙門天像

兜跋毘沙門天像は観世音寺にある仏像の中でも最も古いものといわれており、10世紀ごろに作られたものだと想定されています。日本三大兜跋毘沙門天像のひとつに数えられており、かつては太宰府の羅城門の楼に祀られていたのではないかという説もあります。

見所④紅葉や紫陽花

収蔵庫を囲む観世音寺の境内にはクスの樹がたくさん並んでいますが、その他にも紅葉や紫陽花など1年を通して見所がたくさんあります。紅葉と紫陽花だけでなく菩提樹や藤、南京ハゼなども有名で、季節に応じて様々な表情を楽しむことができます。

観世音寺の紅葉は、毎年11月上旬から中旬に見頃を迎えます。境内の木々が紅葉した葉で飾られ、他の季節とは違った華やかな印象になります。

その他にも観世音寺の周辺は10月下旬になるとコスモスが一面に咲き多くの人を魅了します。数えきれないほどのコスモスが風に揺れる中で散策するのはとても気持ちが良いです。南京ハゼもコスモスと同じ時期に見頃を迎えるので、一緒に楽しめます。

「観世音寺」の御朱印について

観世音寺では寺社巡りをしている人には欠かせない御朱印をいただくことができます。観光シーズンには御朱印待ちの列ができるほどなので、本来は収蔵庫など境内をお参りしてから御朱印をいただくのがベターですが、先に御朱印帳を預けるのもおすすめです。

こちらでは観世音寺でいただくことができる御朱印について詳しくお伝えします。オリジナル御朱印帳や御朱印の授与時間と場所についてもご紹介します。

観世音寺の御朱印デザイン

観世音寺の御朱印デザインは、太宰府周辺の寺社の中でも人気があります。ひとつひとつ手書きで御朱印を授与してもらうので、御朱印をいただくまでに時間がかかることもあります。境内が人で賑わっている際は先に御朱印帳を預けておくとスムーズにお参りできます。

オリジナル御朱印帳も販売

観世音寺ではオリジナル御朱印帳の販売もされています。御朱印帳の色は紺色とピンク色の2種類があり、サイズも2種類あります。御朱印帳のデザインが気に入ったら購入するのもおすすめです。

御朱印の授与時間や場所

観世音寺の御朱印や御朱印帳は入り口近くにある授与所でいただくことができます。御朱印だけでなくお守りも一緒に取り扱っているので、チェックしてみてください。授与時間は9時から16時半までなので、余裕をもって訪れるようにしましょう。

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「観世音寺」のアクセス&駐車場情報

源氏物語にも登場することで有名な福岡県の太宰府市にある観世音寺は、太宰府市の中心地に位置しているので観光しやすいです。観世音寺のアクセスや駐車場情報についてご紹介します。

アクセス情報

観世音寺へのアクセスは、西鉄「太宰府駅」が便利です。ただ駅から徒歩約20分なので、あまり歩くのが得意でないという方は、西鉄「五条駅」を利用するとよいでしょう。西鉄「五条駅」から観世音寺までは歩いて10分ほどです。

バスを利用する場合は太宰府市のコミュニティバス「まほろば号」が便利です。ワンコインで乗ることができ、太宰府天満宮など周辺も観光するなら、施設割引優待もついている1日フリー乗車券300円が便利です。「観世音寺前」のバス停を下りればすぐに観世音寺にアクセスすることができます。

観世音寺へ車でアクセスする場合は、九州自動車道の太宰府インターチェンジから約15分、福岡市都市高速2号線の水城インターチェンジから約15分です。太宰府は福岡の中でも有数の渋滞が多い場所なので、時間に余裕をもって出かけることをおすすめします。

駐車場は?

観世音寺には車で訪れる人向けに無料の駐車場を完備しています。駐車場の利用可能時間は9時から17時までで、駐車可能台数が30台ほどと少ないため、休日は駐車場が満車になっていることが多いです。

観世音寺の駐車場が満車の場合は、周辺のコインパーキングや太宰府駅近くの駐車場を利用するようにしましょう。

観世音寺の基本情報

住所 福岡県太宰府市観世音寺5丁目6−6−1
営業時間 9時~17時
定休日 なし
アクセス 西鉄「太宰府」駅下車 徒歩約20分
西鉄「五条」駅下車 徒歩約10分
コミュニティバスまほろば号「観世音寺前」下車すぐ
料金 拝観自由、宝蔵のみ料金が必要
大人500円、高・大生300円、小中学生150円
駐車場 あり
URL 「ご来福」しよう

「観世音寺」へ貴重な仏像を見に出かけよう!

https://www.photo-ac.com/main/detail/3363081?title=%E8%A6%B3%E4%B8%96%E9%9F%B3%E5%AF%BA%E3%81%A8%E6%88%92%E5%A3%87%E9%99%A2%E3%81%AE%E9%A2%A8%E6%99%AF

太宰府にある観世音寺は源氏物語にも登場する古刹で、貴重な文化財が宝蔵や収蔵庫に納められており見るだけでご利益がありそうです。駐車場完備なので、車でもアクセスできて福岡観光に便利です。空海や源氏物語ゆかりの観世音寺へ貴重な仏像を見に出かけましょう。

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この記事のライター
nanairohatch
地元奈良が大好きな東京都民です。趣味は神社仏閣巡り、今年は車で北海道キャンプ旅行を企画中!

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