「史跡 尾去沢鉱山」で坑道と廃墟を巡る!その歴史や砂金採り大会とは?

秋田県鹿角市にある尾去沢鉱山。一時代の歴史、事件を残し廃墟となりましたが、今は観光やツアーなどに人気の一大テーマパークになっています。心霊スポットとしても有名です。観光やお土産、砂金など尾去沢鉱山の歴史を振り返りながら、その魅力をご紹介していきます。

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目次

  1. 1尾去沢鉱山とは
  2. 2尾去沢鉱山の歴史
  3. 3尾去沢鉱山を見学する
  4. 4尾去沢鉱山で楽しめるアクティビティ
  5. 5尾去沢鉱山の詳細情報
  6. 6尾去沢鉱山で歴史ある行動や廃墟を見学

尾去沢鉱山とは

尾去沢鉱山は今から約1,300年前に発見された鉱山で、金、銀、銅や亜鉛の他500条からなる鉱脈が発見されています。総延長800kmにも及ぶ坑内で採掘が行われ、1978年(昭和53年)の閉山までの採掘量は金4.4t、銀155t、銅30万tと言われています。

現在では、坑内の観光や砂金採り体験ができるアトラクションなどが人気となり、秋田県屈指の観光スポットとして各メディアに紹介されています。2007年には日本の地質百選に選ばれました。

日本最大規模の鉱山跡

尾去沢鉱山は南北3km、東西2kmの山になっていますが、江戸時代以前から採掘が行われていて、何と800kmも坑道が縦横に掘られていました。明治時代以降は700km採掘されたと言われています。

江戸時代以前には金山として名を馳せましたが、金が枯渇した後も銅鉱が発見され、日本の主力銅山として歴史に名を刻んできました。そして、日本でも最大級の鉱山として、全国から鉱夫が集まってきました。

巨大な坑道と施設の廃墟を見学できる

さて、そんな尾去沢鉱山ですが、1978年に閉山となってしまいます。しかし、歴史ある鉱山は人々の注目を集めるもの。現在では廃墟となった施設や、巨大な坑道が見学できる観光スポットとして、全国から多くの観光客が訪れています。

シュリンケージ採掘法で掘られた坑道

尾去沢鉱山はシュリンケージ採掘法と言われる方法で採掘が行われていました。一般的に馴染みがない名称ですが、傾斜が急な場所によく取り入れられる採掘法です。

まず、鉱石を採掘した後、一部を下から抜き取ります。一部を除いた鉱石は切羽内に溜めます。そうする事によって足場ができて、上向きに採掘する事が可能になります。これがシュリンケージ採掘法です。

そして採掘が終了した後で切羽内に溜まった鉱石を全て抜き取ります。適切に作業できる空間を残して増加した鉱石のみ採掘していく合理的な採掘法とも言えます。

心霊スポットとしても有名

尾去沢鉱山は観光名所としても有名ですが、実は廃墟マニアや心霊マニアにも人気があります。秋田県の心霊スポットに必ず名前があがり、心霊現象が起こった。幽霊を見たなど目撃証言が多数でています。

過去の事故で300名以上犠牲者が出ていますので、やはり成仏できない霊がさまよっているのかもしれませんね。観光だけでなく、肝だめしや廃墟巡りにおすすめの場所です。

尾去沢鉱山の歴史

さて、ここからは尾去沢鉱山がどのように発展していったか歴史を探っていきたいと思います。尾去沢鉱山の繁栄から衰退まで追いかけてみる事で、観光に行った時の感動も一味違ったものになります。尾去沢鉱山が心霊スポットになった所以も紐解いていきましょう。

1300年の歴史を誇る

尾去沢鉱山の歴史は古く、発見されたのが708年、今から約1300年前と言われています。発掘された金は奈良県にある東大寺の大仏鋳造に使われたと伝えられています。

しかし、当時の秋田県鹿角地域の権力者が隠し財産として所有していたため、発掘当時の記録はほとんど残っていません。そのため謎も多く、数々の伝説が残されています。

明治以前の歴史

江戸時代以前からの尾去沢鉱山は、1062年に岩手県盛岡で滅亡したと言われている安倍家が秋田県鹿角に流れ着き、そこから統治していきました。そして、平安の終わり頃から藤原家によって築いてきた黄金文化に大きく貢献したと言われています。

江戸時代の鉱山運営

平安時代から繁栄してきた尾去沢鉱山も江戸時代に突入していきます。山師や商人が尾去沢鉱山を直接経営するようになり、藩も経営に参画してくるようになりました。

採掘は、当時としては高度な技術が要求されたため、師匠から弟子へ脈々と受け継がれていくことになります。勿論、落盤や事件・事故など危険を伴う仕事ですので鉱山で働く人々は固い絆で結ばれていました。

1612年に幕府がキリスト教の禁止を発令し、各地でキリシタンの弾圧事件が起こります。この弾圧事件を逃れた人々が尾去沢鉱山に身を寄せたと言われています。

明治以降の歴史

時代が変わり、明治時代に入ると岩崎家、現三菱財閥が尾去沢鉱山の経営に着手します。ここから閉山まで採掘はピークを迎えます。

尾去沢鉱山は、日本の産業革命においてなくてはならない存在になっていきました。特に銅などの金属類は重宝され、明治時代以後の高度成長に大きく貢献しました。

しかし、海外での大規模鉱山開発が進むにつれて価格破壊が起こります。銅の価格はどんどん下落していき、尾去沢鉱山の銅が枯渇した影響で、1978年(昭和53年)に閉山となってしまいました。

尾去沢銅山事件

尾去沢鉱山は江戸時代、南部藩が経営していましたが明治時代に鍵屋村井茂兵衛氏に経営権が譲渡されます。南部藩は江戸時代から村井氏に対して多額の借金をしていました。

商人が藩にお金を貸している事が幕府に漏れると大変な事になるので、書類上は藩から運営資金として村井氏に貸している事にしていました。

しかし、その事が事件を呼びます。国が藩の借金状況を調べていた所、藩が村井氏と交わした借用書が出てきてしまったのです。事情を知らない大蔵省は村井氏に借金返済を要求。しかし金額が金額であったため支払い不能に陥り、大蔵省は尾去沢鉱山を差し押さえてしまいます。

尾去沢鉱山を差し押さえられ、破産に追い込まれた村井氏。私物化された尾去沢鉱山を見て司法省に直談判に行きます。江藤新平氏が尾去沢鉱山差し押さえの際、汚職があったのではないかと大蔵省を追求し、当時の大蔵大臣井上肇を汚職の罪で逮捕しようとします。

しかし、当時は薩長同盟全盛期。井上肇が長州出身であったため逮捕には至らず、井上肇が大蔵大臣が辞職。江藤新平は司法省を解雇される事になります。そして江藤新平は佐賀の乱で処刑されてしまったため、事件の真相は闇に葬られる事になりました。これが尾去沢銅山事件です。

中沢鉱宰ダムの決壊

尾去沢鉱山は尾去沢銅山事件の他に悲しい歴史もあります。1936年に尾去沢鉱山で、精錬所内の鉱石から金属類を取り出して泥になったカスを貯めておくダム、中沢鉱宰ダムが決壊して氾濫、下流にあった坑夫の宿まで迫っていきます。

あっという間に宿を巻き込み、ダム下流付近の宿は壊滅的な打撃を受けてしまいます。死者は362名にも達し、更に1ヶ月後もダムが再度決壊してしまい、死者12名の合計374名の犠牲者を出してしまいました。心霊スポットと言われるのは、この歴史から始まっています。

尾去沢鉱山を見学する

尾去沢鉱山は悲しい汚職事件、ダムの事故、様々な歴史が刻まれていますが、現在では一大観光スポットとして様々なツアーなどが組まれています。心霊スポットや事件だけではなく、尾去沢鉱山の魅力を見てみようと多くの人々が観光に訪れています。

坑道内の気温は年間を通じて13度

尾去沢鉱山は山の中にあるので、気温の変化に晒される事はなく、坑内の平均気温は13度と一定の気温を保っています。夏はひんやりとしているので上着が必須アイテムとなり、冬は少し暖かくなるくらいでしょうか。夏の納涼や心霊スポットにピッタリの気温になります。

石切沢通坑道コース

尾去沢鉱山は全長約800kmありますが、全ての坑道に入れるわけではありません。観光用に設営された石切沢通坑道が展開されています。ここでは、採掘した跡の他に当時の運搬設備や坑内にあった事務所、更に江戸時代の坑道も見学できて、歴史を振り返る事ができます。

標準コースと特別コース

さて、尾去沢鉱山の石切沢通坑道ですが、2種類のコースが用意されています。1.1kmの標準コースと1.7kmの特別コースです。標準コースは約30分、特別コースは約45分ほど設定されています。

特別コースは標準コースの分岐点から奥に進み、当時のエレベーターや坑内事務所、大規模採掘の跡が見学できます。当時使われていたエレベーターとか歴史を知る上でも興味が湧いてきますね。

山の神神社

尾去沢鉱山観光ツアーで坑内に入り、中を進みます。近代坑道を抜けて先に進みますと、山の神神社が出てきます。1826年に石碑が建てられ、神社として祀られるようになりました。安全を祈願して多くの人坑夫が手を合わせていました。

向かいにはワインセラーがあり、瓶のワインと酒樽が保管されています。ワインの保管は気候や環境がネックになるので、尾去沢鉱山内はお酒の保管に最適な場所とも言えます。

江戸時代のコース

尾去沢鉱山は1300年の歴史があるため、当時の様子も観光する事ができます。中でも江戸時代の坑道が現存しており、規模としては国内最大級。当時のゴールドラッシュを肌で感じる事ができます。

予約制のガイドツアー

尾去沢鉱山では観光ツアーが組まれており、10名以上から観光することができます。ツアーにはガイドさんが同行して、観光坑道の他に廃墟などの施設やダム、国内最大級の選鉱場跡などが見学でき、ガイドさんが当時の状況を詳しく説明してくれます。

個人向けガイドツアー

尾去沢鉱山の観光ツアーですが、団体だけではなく、個人向けにツアーも組まれています。開催日程と人数が決まっていますが、カップルや家族で当時の事件や心霊体験をされたい方などにおすすめです。

坑道や廃墟、ダムを見学しながら心霊体験も良し、お昼ご飯のついでにお土産を選ぶなど快適な観光を楽しむことができます。

個人ツアーも予約制になっており、小学生1,200円、中高生・シニア1,600円、大人2,000円となっています。開催日が変更する場合がありますので、日程をホームページでチェックしたり、電話で問い合わせが必要となります。

産業遺産コース

尾去沢鉱山は金などを採掘した坑道の他に、周辺に宿や貯水ダムなど様々な施設があります。現在は廃墟となっていますが、それらを観光できる産業遺産コースがあります。

ガイドさんがツアーに同行して約2時間、坑道や廃墟、ダムなどの施設が観光できます。10名以上で予約制となっており、小学生1,200円、中高生・シニア1,600円、大人2,000円の料金になります。

尾去沢鉱山で楽しめるアクティビティ

尾去沢鉱山は坑道や廃墟、ダムなどの施設の観光の他に、様々な体験コースが用意されています。観光ツアーや廃墟、ダムなどで心霊体験も良いですが、日常では滅多に体験できないアクティビティがありますので、ぜひ体験してみましょう。

純金砂金採り

尾去沢鉱山は黄金時代を支えた金山ですので、現在でも砂金が採れたりします。これが純金砂金採り体験です。砂金は砂に混ざって中々見つけにくいものです。先人が使っていたパン(お椀)を使って選別していた貴重な体験をすることができます。

料金は中学生以下600円、大人800円です。時間は30分で100名限定、4月下旬〜11月上旬までの営業となります。

砂金採り大会も開催

尾去沢鉱山の砂金を使って、毎年11月頃に純金砂金採り大会が催されています。全国から砂金採り自慢の猛者が集まり、多くの砂金を採ろうと激戦が繰り広げられます。

ルールは30分間でどれだけ多くの砂金が採れるかを競います。参加料は小学生以下600円、中学生以上800円となっています。観光の思い出に参加してみてはいかがでしょうか。

天然石掘り

尾去沢鉱山は金だけではなく、様々な天然石が採掘できます。天然石掘り体験は、砂の中にある10種類の天然石を採掘する事ができます。この天然石はパワーストーンとしても有名で持ち帰り可能です。

料金は持ち帰るケースによって別れていて、小ケース550円、中ケース850円、大ケース1,000円、特大ケース1,500円になっています。時間は20分で通年営業しています。

天然石万華鏡作り

尾去沢鉱山観光の思い出やお土産に人気の一つでもある天然石万華鏡作り体験。様々な色の天然石から水晶、メノウなど好きな石を選んで筒に入れていきます。最後に自分好みに筒をデコレーションします。世界でただ一つのオリジナル万華鏡の完成です。

料金は750円で時間は約30分。自分だけのオリジナル万華鏡を作るも良し、大切な方へのお土産に万華鏡を作るも良し。素敵な思い出が作れますね。

パワーストーンのアクセサリー作り

尾去沢鉱山には天然石の中に様々なパワーストーンがあります。選りすぐりのパワーストーンを選んで、オリジナルのブレスレットやアクセサリーが作れる、パワーストーンのアクセサリー作り体験が女性に大変人気があります。

料金はストラップ550円、ブレスレット1,050円、プレミアムブレスレット2,550円となっています。時間は約30分で通年営業しています。世界でただ一つのアクセサリーを作って、パワーストーンの御利益をぜひ体感しましょう。

金箔貼り体験

尾去沢鉱山には、お子様連れの家族や、外国人観光客などに人気がある体験があります。金箔貼り体験です。用意された御箸やお皿にまずデザインを描きます。描いたデザインに金箔を貼り付けていくと、高級感溢れる自分だけのオリジナル作品が出来上がります。

料金は御箸750円、お皿950円。時間は約60分で10名限定です。通年営業していますので、興味のある方は早めの予約が必要です。

きりたんぽ作り体験

尾去沢鉱山は、団体の観光客向けに秋田県の伝統郷土料理きりたんぽが作れる体験を用意しています。講師が作り方をレクチャーしながら皆でワイワイときりたんぽ作りを楽しむ、良い思い出になりますね。もちろん作ったきりたんぽはその場で食べれます。

料金はみそつけたんぽ作りが300円、きりたんぽ鍋作りが1,080円。講師料金が一人5,000円で予約が必要になります。時間は約120分あり、4月下旬から10月下旬までの開催となっていますのでご注意ください。

尾去沢鉱山の詳細情報

尾去沢鉱山は魅力たっぷりの観光名所ですが、アクセスはどうなのか?お土産はあるのか?気になりますよね。ここでは、尾去沢鉱山人気のお土産とアクセス方法を詳しくご紹介していきます。

人気のお土産3選

尾去沢鉱山のお土産は、尾去沢鉱山敷地内におみやげ館があり、様々なお土産を販売しています。尾去沢鉱山の観光坑道の出口にあり、砂金採り体験やパワーストーンを使ったアクセサリー作り体験もここで開催しています。

①埋蔵金十両小判チョコレート

尾去沢鉱山観光のお土産に一番人気なのが埋蔵金十両小判チョコレートです。江戸時代の小判をモチーフに梱包してあり、中を開けると小判型のチョコレートが出てきます。少し固めで甘味を強くしてあるため、午後のおやつなどにぴったりですね。

②金箔栗ようかん

尾去沢鉱山名物の金箔栗ようかんも人気のお土産の一つです。こちらの栗ようかんは金箔が入っています。高級感を味わえて、和菓子好きにはたまらないお土産ですね。

③純金茶きのこ味

尾去沢鉱山限定の純金茶きのこ味もイチ押しのお土産です。秋田県鹿角ではお茶の栽培が盛んですが、尾去沢鉱山のしいたけ茶に金箔を入れて高級感を出しています。美味しいと評判の純金茶きのこ味、ぜひご賞味ください。

アクセスの詳細

尾去沢鉱山へアクセスするには、車かバス、電車がおすすめです。車ですと東北自動車道鹿角インターチェンジを降りて10分ほど走ったら尾去沢鉱山です。下道ですと八幡平から1時間ほどです。

バスは盛岡駅前から高速バスが出ていて、大館行きに乗って鹿角花輪駅を下車します。そこからタクシーで10分ほどです。電車もJR花輪線鹿角花輪駅からタクシーを使って10分ほどで着きます。

尾去沢鉱山の基本情報

尾去沢鉱山は年中無休で開館していますが、季節毎に開館時間が変わってきますので注意が必要です。ホームページをチェックすると割引のQRコードがありますので、ぜひチェックしてみてください。
 

名称 史跡 尾去沢鉱山(しせき おさりざわこうざん)
住所 秋田県鹿角郡尾去沢獅子沢13-5
電話番号 0186-22-0123
休館日 年中無休
開館時間 4/1〜10/31(9:00〜17:00) 11/1〜3/31(9:00〜15:30)
URL http://www.osarizawa.jp/

尾去沢鉱山で歴史ある行動や廃墟を見学

1300年もの歴史を誇る日本最大級の鉱山、尾去沢鉱山。繁栄から衰退、事件や事故など酸いも甘いも知り尽くした鉱山は形を変え、歴史を語り継ごうと一大観光地として人気を博しています。

廃墟や坑道で歴史を学び、パワーストーンで御利益に預り、美味しいきりたんぽを食べて、お土産を買って帰る。最高の観光と思い出ができますね。

秋田県にはまだまだ人気の観光スポットがたくさんあります。観光地の候補として、尾去沢鉱山坑道と廃墟巡りを候補に加えてはいかがでしょうか。

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この記事のライター
MrPatariro
サッカー、ライブ大好きで全国を飛び回っています。ついでに旅行と観光、グルメも楽しんでいます。

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