秋田「角館歴史村・青柳家」は代表的な武家屋敷!展示品や喫茶店を紹介!

秋田の角館には武家屋敷群があり、中でも名門芦名家から佐竹北家に仕えた青柳家はその展示も喫茶も見どころ満載です。秋田角館武家屋敷の中でも随一を誇る青柳家について、料金も含めて、代表的な歴史ある展示品や青柳家の歴史、中にある趣ある喫茶について紹介します。

秋田「角館歴史村・青柳家」は代表的な武家屋敷!展示品や喫茶店を紹介!のイメージ

目次

  1. 1秋田「角館歴史村・青柳家」とは
  2. 2「角館歴史村青柳家」の施設や展示品
  3. 3「角館歴史村青柳家」の見どころ
  4. 4「角館歴史村青柳家」の食事処と土産処
  5. 5「角館歴史村青柳家」周辺の観光スポット
  6. 6「角館歴史村青柳家」の施設詳細情報
  7. 7秋田「角館歴史村・青柳家」で歴史を学ぼう!

秋田「角館歴史村・青柳家」とは

秋田角館は400年前からの武家屋敷群が今も健在な場所です。戦国時代は夜叉九郎と呼ばれた戸沢盛安の居城でしたが、江戸時代に戸沢氏は転封され、佐竹氏と共に芦名氏が入府し、芦名氏の城下町となります。芦名氏は福島県会津を拠点とした大名で、当主が男系子孫を残さず没したため、女系親族である佐竹氏の次男が婿養子に迎えられ芦名義広を名乗ります。

芦名義広は坂東太郎と称された佐竹義重の次男です。しかし、摺上原の戦いで伊達政宗との決戦に敗れ、跡を継いでいた兄の佐竹義宣を頼り、佐竹氏の与力大名として角館に来たのです。青柳家は芦名氏の忠臣でした。芦名義広が嗣子なく病没。芦名氏は断絶し、角館は佐竹本家の親族で一門家老の佐竹北家領となり、青柳家は佐竹北家に仕える道を選びました。

みちのくの小京都「角館」

角館は、かつて、みちのくの小京都と呼ばれていました。今の街並みにしたのは、前述した芦名義広(佐竹義憲→芦名義広→芦名義勝)で、江戸も初期の頃です。その後の時代、佐竹北家に嫁いだ公家の娘が京都を恋しがるのを慰めるため、当時の佐竹北家当主によって、桜が植えられたり、京都らしく整備されたのです。「やま行事」も始まりました。

400年の歴史をもつ名家の武家屋敷

角館には、今も、6軒の武家屋敷が江戸当時の400年前のまま残り、1軒が復元され、計七軒の武家屋敷によってまるで江戸時代に来たかのような情緒を感じられます。秋は紅葉が美しく映え、春のシダレザクラは東北でも有名です。春と秋は、特に多くの観光客が角館を訪れ賑わいます。

国の重要伝統的建造物群保存地区に指定

江戸時代の町並みが、かなりの部分そのままに残る角館一帯は、昭和51年、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されました。「享保年間の城下絵図」に、今の町割りが、ほぼそのまま記載されているのです。

戸沢氏時代、古城山の角館城から見て、現在とは反対側の北側に城下町がありました。しかし城下町自体が狭く、大規模水害が発生していたため、芦名義広は、城の北側をあきらめ、原野だった南側を城下町にしたのです。城南に芦名氏の居館を構え、居館付近に武士を配置し、火除け地を挟み商人たちが住み、今の町割りになっていたことが分かります。

「角館歴史村青柳家」の施設や展示品

かつて芦名氏の重臣だった青柳家には、数々の貴重な品が残されています。主家芦名氏の再興を願い、かなうことなく、佐竹北家に仕え、家門を保つ道を選択した青柳家の歴史と誇りがそれらの品々に残ります。青柳家では、その多くが展示されており、別料金もなく、じっくり観覧することができるのです。

①武器蔵

この武器蔵には、青柳家の用いた鎧、兜、刀等の武具、文献などが所蔵され陳列されています。「刀」や「片刃槍」を、手に取って体験できるコーナーももうけられ、満足度の高い展示となっています。入館に追加料金は必要ありません。

貴重な武具や文献の数々

武具の中には極めて貴重な品も陳列されており、例えば、「六十二間小星兜」は青柳家の家宝です。「五輪塔旗印」は青柳家が出陣時に用いたもので「秋田郷土刀」は藤原高真作の業物です。これらは青柳家の中でも特に貴重な品であり、文化遺産でもあります。追加料金もなしに見る事ができるのが素晴らしいです。

②解体新書記念館

解体新書記念館は、その名の通り、解体新書にまつわる逸話が展示されています。解体新書は中学校の歴史の教科書にすら登場する極めて重要な文書で、日本初の西洋医学書です。翻訳した、杉田玄白、前野良沢等の名は多くの方が御存知でしょう。解体新書が日本中の人に衝撃を与えた理由は、日本で初めての精密な人体解剖図が付録としてついていたからでした。

実は、この人体解剖図を描いた人は角館藩の武士小田野直武だったのです。そして、青柳家と小田野直武は縁戚であったため、何度も養子のやり取りも含め、婚姻関係を結びました。その結果、青柳家に解体新書と小野田直武についての資料が現存するのです。すごい展示の割に、入館に追加料金は必要ありません。

解体新書の絵図が展示

この建物では、なんと解体新書の絵図が展示されているのです。まさか解体新書が角館で拝めるとは思っていませんよね?しかしあるのです。絵図を描いた小田野直武は、秋田蘭画の創始者でもあります。彼は、エレキテルで有名な平賀源内に師事し、西洋画を学びました。しかし、平賀源内の事件により最後は失脚、失意のうちに30代で亡くなってしまうのです。

③秋田郷土館

秋田郷土館は、この地域の旧家を移築したものです。1階には農具などが展示され、民俗博物館の様相です。2階には太平洋戦争時の秋田に関する展示などがあります。入館に追加料金は必要ありません。

そして骨董市場には、わらじ作りや、イタヤ細工、桜皮細工の実演も行われています。こちらで購入したわらじは足つぼを刺激してくれるので健康にとても良いです。さすが今失われつつある古代の知恵は賢いです。桜皮細工は角館の名品です。ちなみに、鑑定書付きの日本刀が売られている事もありました。料金もお手頃です。

④武家道具館

青柳家の土蔵は武家道具館となっています。館内には、当時の武士の生活を今に伝える数々の道具が展示されています。青柳家の累代の文書や文献、それに、押絵、焼物、絵皿などの陶器類。どれも見事で、見ごたえのある展示になっています。入館に追加料金は必要ありません。

「角館歴史村青柳家」の見どころ

角館青柳家は、角館藩1万5000石の中で当初60石を食む角館では当初から上級藩士でした。芦名氏無嗣改易により、石高は47石に減給されてしまいますが、幕末までに石高を元以上に回復しています。上級藩士ならではの建築様式を見る事ができます。

ちなみに、地方によって、60石だと中級藩士と言われる事もあります。例えば、紀州55万石ともなると、武家は2000家にもなり、最上級武士は万石を超え、人数割合からすると60石は中級になってしまうのです。同程度の60万石でも島津氏などでは武家の数が多く、小禄の藩士が多いため、60石は高い方になります。

見どころ①薬医門

名門青柳家の薬医門は、万延元年、角館藩へのそれまでの功績が認められ、特に許されて作られた貴重な門です。寄棟萱葺屋根を主屋とし、武器倉と簓子塀が備わる上級武家にしか許されなかった極めて格調のある門構えです。すぐ傍には、日本に一本しかない貴重なシダレザクラがあり、桜の季節は特に映えます。

見どころ②青柳家 母屋

青柳家の母屋(おもや と読みます)は、約200年前に建てられました。その当時のまま、厄除けの鬼板や懸魚で重みがある玄関を備えます。普段、表玄関は閉ざされ、勝手口から出入りしました。表玄関を使うのは、藩主や重役などの来訪時です。その他、家紋の透かし彫りがあったり、雪国の武家屋敷に特有の廻り縁が見られるなど、歴史遺産が目の前に迫ります。

見どころ③小田野直武像

前述のようい、青柳家と縁戚の小田野直武は、解体新書の付録にある大切な挿絵を描きました。後に日本の洋画界に影響を与える事になります。それは小田野直武と、小野田直武を信頼し用いた、角館藩の主家筋にあたる秋田藩佐竹本家の当時の藩主佐竹義敦によってです。その小野田直武の像が青柳家の庭に彼の生涯を伝えるパネルと共に展示されています。

見どころ④神明水

青柳家の裏にある源太寺山を源泉とし、青柳家の庭の池に流れ込む沢の水が神明水です。この水はNHKの「新日本紀行 武家屋敷残照」でも放映されました。水質が一押しで、その場で酌んで呑むこともできますよ。青柳家の喫茶ではこの水を使っています。是非喫茶にも立ち寄りましょう。

見どころ⑤青柳八重紅枝垂桜

青柳家にある青柳八重紅枝垂桜は、日本に一本しかない貴重すぎる枝垂れ桜です。農林水産省の認定も受けています。4月下旬から5月初め付近に開花するので、うまくいけば、ゴールデンウィークに見ごろを迎えます。筆者は四度目に見る事が出来ましたが、咲いている時期に訪れると景色が格別です。青柳家にはお茶席もあり、そちらで喫茶休憩したくなります。

見どころ⑥自然豊かな花木の数々

青柳家には見事な庭園が中心部にあります。池泉回遊式と言うそうですが、この青柳家の庭には様々な木々が良い割合で植えられ、しっかりと手入れがなされています。紅葉の季節も周囲の風景とマッチして美しいです。青柳家の庭園で桜と共に有名なのが、数百年の年輪を刻む巨木です。他にも600種類以上の草木があると言われています。

「角館歴史村青柳家」の食事処と土産処

青柳家は上級武士だけあって邸内は広く、食事処に喫茶、土産処が別途存在しています。喫茶はとてもおすすめなので、是非立ち寄りましょう。とてもくつろぐことができるはずです。

食事処①ハイカラ館 1F喫茶室

青柳家の喫茶室がハイカラ館です。喫茶料金も低価格でおすすめです。ショップもあり、ガラス製品やアクセサリーなどがあります。予約したい方は、0187-54-3257まで。席数が28席しかないため、喫茶室はハイシーズンには混み合います。

南蛮茶(コーヒー)が人気

ハイカラ館では、青柳家の誇る清水「神明水」を使って淹れてくれる「南蛮茶(コーヒー)」が売りです。どうして南蛮茶というのかと言えば、コーヒーは小田野直武が伝え、その当時は南蛮茶と呼ばれたのです。料金も普通ですし、この南蛮茶は是非頂きたい一杯です。

食事処②お食事処 森の食彩館

青柳家にあるお食事処は、森の食彩館と言います。稲庭うどんがおすすめで、伝統300余年と書かれています。他にも、意外と、ひきわり納豆が美味しいです。角館納豆はお土産に売られているので、是非購入しましょう。予約するには、0187-55-5241まで。座敷70席 椅子20席あります。

土産処③さくら庵

青柳家の土産処で、秋田銘菓と地酒が売られているのが、さくら庵です。山廃原酒刈穂や、高清水は、至極の一杯です。他県では飲めない味ですので、是非買って帰りましょう。若返りまんじゅうも人気です。

土産処④茶寮あおやぎ

青柳家の抹茶甘味処が茶寮あおやぎです。贅沢にも青柳家の庭を眺めつつ、抹茶などを楽しむ事ができるのです。四季を通じておすすめできるお休み処です。青柳家は広いので、こちらかハイカラ館で休憩をとることをおすすめします。また、和雑貨などもあります。

土産処⑤角館さとくガーデン

青柳家には、角館さとくガーデンもあります。こちらは、秋田の伝統工芸曲げわっぱを扱っています。秋田杉は木肌の風合いがとても良く、柾目も美しいのですが、こちらで扱う曲げわっぱは秋田杉を用いているのでおすすめす。曲げわっぱはお弁当入れです。最近はマスコット犬の武家丸が出迎えてくれます。

「角館歴史村青柳家」周辺の観光スポット

青柳家は、角館の観光地の中心に位置しているのですが、周辺には他にも六つの武家屋敷が存在し、桜の伝統工芸館や、角館町の観光協会、旧駅舎や、おみやげ物屋、みそ醸造元、春には桜、秋には紅葉、神社もあり、お祭りの季節は特ににぎわいを見せます。青柳家周辺の観光協会と武家屋敷について紹介します。

①角館町観光協会

現在は、仙北市観光情報センター「角館駅前蔵」 と言う施設名で営業しています。角館の事ならば何でも教えてくれます。訪れたら、是非、「やま行事」と「火振りかまくら」については聞きましょう。他では見られない素晴らしいお祭りです。車で来られたのであれば、「抱返り渓谷」も帰りにおすすめです。

 

住所 〒014-0369  秋田県仙北市角館町上菅沢394-2
電話 0187-54-2700
営業時間 9:00~18:00 10月~4月中旬は17時30分まで
定休日 12月31日のみ
公式HP https://tazawako-kakunodate.com/

②角館武家屋敷

青柳家について紹介してきましたが、角館武家屋敷群には、他にも、岩橋家、松本家、河原田家、外町史料館 たてつ、あきた角館西宮家 などが見学できます。西宮家はレストランにもなっており、美味しいシチューなどが頂けます。是非、他の武家屋敷も拝観してみましょう。

「角館歴史村青柳家」の施設詳細情報

青柳家を紹介してきましたが、青柳家には、武器蔵、解体新書記念館、秋田郷土館、桜皮細工かばざいく実演販売やわらじ実演販売、葉桜庵、武家道具館、冩眞館、時代体験庵、籠掻かごかき体験、ハイカラ館、山車、鎧の着用体験など、紹介しきれなかったものも、まだあります。一度足を運んで是非楽しんでみてください。

「角館歴史村青柳家」の基本情報

住所 秋田県仙北市角館町表町下丁3
電話 0187-54-3257
営業時間 9時~17時 (12月~3月は16時まで)
料金 一般:500円、中・高校生:300円、こども:200円
定休日 年中無休
アクセス JR角館駅より徒歩で約15分 仙北市田町山駐車場から徒歩10分

秋田「角館歴史村・青柳家」で歴史を学ぼう!

秋田県仙北市角館町は、かつて、「みちのくの小京都」と呼ばれた名高い城下町でした。現在にも残る黒塀づくりの武家屋敷通りには、江戸時代の雰囲気が残り、春には桜が、夏には「やま行事」のお祭りが、秋には紅葉が、冬には「火振りかまくら」があり、四季を通じて人気の観光名所なのです。

今回は、特に角館町武家屋敷の中でも、代表的な武家屋敷である青柳家について紹介してきましたが、おすすめの宿もあり、料金も安く遊べて、食事も美味しい角館を訪れ、青柳家ともども堪能してみてはいかがでしょうか。

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この記事のライター
西川知希
2019/11/20開始

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