【九重連山】久住山の登山ガイド!おすすめルートやミヤマキリシマの絶景!

大分県の百名山の一つ、九重連山の久住山はここでしか見られない美しい高山植物が咲き誇る人気の山です。今回は久住山登山のためのおすすめルートについてご案内します。高山植物や紅葉、ミヤマキリシマが美しい山ですが、初心者や子供連れでも登山できるのでしょうか。

【九重連山】久住山の登山ガイド!おすすめルートやミヤマキリシマの絶景!のイメージ

目次

  1. 1九重連山「久住山」とは?
  2. 2「久住山」の概要や天然記念物の花々
  3. 3「久住山」の登山ルートを解説
  4. 4「久住山」の四季の絶景!
  5. 5「久住山」を登山する際の注意点や服装
  6. 6「久住山」にミヤマキリシマの絶景を見に行こう!

九重連山「久住山」とは?

久住山(くじゅうさん)は大分県竹田市久住町の西部にある山です。よく「九重山」とどちらが正しいかと言われますが、久住山を含む一帯の山々を「九重連山」と呼び、その中の代表的な山のひとつを「久住山」と呼んでいます。

美しい高山植物が咲き誇る人気の山

久住山は美しい高山植物が咲き誇る人気の山です。久住山は現在も活動を続ける活火山であることから、この辺りの山一帯にしか自生しない植物もみられます。道も舗装されて初心者でも登山を楽しむことができます。

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「久住山」の概要や天然記念物の花々

九重連山で最も人気の高い久住山はどのような特徴があるのでしょうか。久住山の概要や、久住山で見られる天然記念物の花々の見頃についてご案内します。その雄大な美しさは、かの有名な文化人達を虜にしたとも言われています。

美しい情景は多くの文化人を虜にした

久住山がある九重連山の雄大で美しい情景は多くの文化人を虜にしてきました。代表的な歌人は昭和のロマン主義文学の中心的人物であった与謝野晶子氏とその夫与謝野鉄幹氏です。

与謝野夫妻は晩年に2度久住を訪れました。晶子氏は久住山を見て「久住山阿蘇のさかひをする渓の外は襞(ひだ)さへ無き裾野かな」と詠み、その雄大さをたたえています。その他、歌人の北原白秋氏や評論家の徳富蘇峰氏も久住の美しさに魅せられ、詩を詠んでいます。

日本百名山の一つ

「九州の屋根」とも呼ばれる九重連山の久住山は日本百名山の一つに認定されています。九州地方特有の高山植物が見られるほか、火山であるがゆえに低木しか育たない山頂からは360度のパノラマが見渡せます。

これまでの火山活動は?

九重連山ではおよそ100万年前から幾たびもの火山活動を繰り返してきました。古いもので時山火山群や涌蓋火山群などが記録されています。現在ある山々のうち、西側にある久住山、星生山、三俣山はおよそ13万年前から活動していました。

それに対して東側の山の噴火の記録は比較的新しく、大船山系は2万5千年前から活動していたと思われます。久住山は今でも活火山として活動しており、噴火警戒レベル1に指定されています。

天然記念物や高山植物がみられる

久住山では特有の天然記念物や高山植物が見られます。その代表的な植物の見頃について紹介します。子供連れの方はお子さんと植物について調べながら登山すると楽しみが増えるかもしれません。

天然記念物①コケモモ

久住山付近に生息するコケモモは「コケモモ群落」として、国の天然記念物に指定されています。コケモモとはツツジ科の植物で、春に紅白色の花を咲かせ、秋にはブルーベリーに似た形の赤い実をつけます。

久住山のコケモモの見頃は6月~10月で、久住山の他に稲星山・三俣山一帯でも見ることができ、これらのコケモモ群落は日本の南限にあたるものとして重宝されています。

天然記念物②ミヤマキリシマ

久住山に登るのであれば是非見ていただきたいのがミヤマキリシマです。ミヤマキリシマはツツジの一種で九州一帯の高山に自生します。ミヤマキリシマは1メートル程の低木で5月下旬から6月中旬に見頃を迎えます。

ミヤマキリシマはツツジの中でも特殊で、火山活動で荒廃した土地にしか生息しません。ミヤマキリシマが見頃の久住山は山頂一帯が薄紅色の花でピンクに染まります。これを見るためだけに久住山に登山する人が毎年後を絶ちません。

そのほかの花々と見頃は?

久住山ではコケモモやミヤマキリシマの他にも見られる植物がたくさんあります。春にはハルリンドウがコバルトブルーを色合いで登山者を和ませてくれます。また、黄色のキスミレは野焼きが行われたあとの4月頃に顔をみせてくれます。

夏にはのこぎりのようなギザギザした細長い葉が特徴のアソノコギリソウや花びらをひろげると華麗なハンカイソウ、大分県の指定希少植物に指定されているキク科のヒゴタイが花を咲かせます。

秋にはツリフネソウユキノシタ科のウメバチソウが見頃を迎えます。久住山ではいつ登山しても高山特有の植物を見ることができます。

登山時は火山ガスの要注意?

九重連山は今も活動している活火山であるため、登山からしばらく歩くと山肌から火山ガスが噴出しているのが随所で見られます。初心者の方だけでなく、ベテランの方も事前にHPや気象庁の情報などを確認してから登山するようにしてください。

「久住山」の登山ルートを解説

久住山の概要や植物について説明してきました。次におすすめの登山ルートについてご案内します。初心者や子供連れでも安心して登山可能なルートや、歩いてしか行けない秘湯に入れるルートなどをご紹介します。

登山ルート①牧ノ戸峠~久住山

久住山の代表的な登山ルートが牧ノ戸峠~久住山へ入るルートです。駐車場から山頂まで約2時間、往復で約4時間半のルートで日帰りでの登山も可能です。

ミヤマキリシマを目的に登山される方はこのルートがおすすめです。また、時間に余裕のあるときは久住山の山頂から望める御池に行ってみてください。御池は火口湖で青く澄んでとても綺麗です。

初心者にもおすすめ!子供連れもOK?

牧ノ戸峠~久住山の登山ルートは8~9㎞程の登山ルートで道もよく整備されており、初心者におすすめのコースとなっています。子供連れでもOKですので、気軽に登ることができます。

初心者の方はなるべくガイドを付けて登山されることをおすすめします。登山ルートには目印が記されていますが、ガイドがいれば怪我などの緊急事態でも安心です。

登りと下りは違う道もおすすめ

少し登山経験があったり余裕のある方は帰りは違うルートもおすすめです。山頂から長者原に抜けるルートは牧ノ戸峠のルートの次に人気の高いルートです。このルートはかつて硫黄山の硫黄を搬出するのに使われた高山道路で、ふもと付近はコンクリートで舗装されています。

やや急な坂道などもあるので牧ノ戸コースと比べると少し難易度が高くなりますが、硫黄山を間近で見られたり、硫黄山の噴煙を見ながら登山できるので見所があっておすすめです。初心者や子供連れでルートに不安のある方はガイドと相談して登るのが良いでしょう。

登山ルート②牧ノ戸峠~法華院温泉山荘~長者原

登山経験がある方におすすめのルートが牧ノ戸峠~法華院温泉山荘~長者原のルートです。このルートは1泊2日かかりますが、歩いてしか行けない秘湯に入ることができるのです。その名も法華院温泉と言います。

こちらのルートは1泊2日を要するため、初心者は単独で登らないでください。子供連れの場合はある程度登山経験積んだ子供であれば登ることは可能です。

法華院温泉とは?

法華院温泉は九重連山の坊がつるの山小屋、標高1,303mの高所にある、九州で一番高い位置にある温泉です。竹田市にある他の地域の温泉と共に竹田温泉群として国民保養温泉地に指定されています。

法華院温泉は約500年前、お寺の修行道場として開湯されたのが始まりです、明治15年には火事で建物が焼失しましたが、登山客の増加と共に山小屋となり、今に至ります。

法華院温泉の泉質は硫黄塩泉からなるカルシウム、マグネシウム、ナトリウムが主となっていますが、火山の噴火の影響で泉質が変わることもあります。法華院温泉には宿泊施設も完備されています。
 

名称 法華院温泉山荘
住所 大分県竹田市久住町大字有氏1778
料金 入場料 500円
素泊まり一泊  6,000円 他
問い合わせ先 090-4980-2810
URL 公式HP

登山ルート③牧ノ戸コース~三俣山コース

登山に自信のある方は牧ノ戸コース~三俣山(みまたやま)コースはいかがでしょうか。牧ノ戸コース~三俣山コースは工程約13.4㎞のロングコースです。三俣山は九重連山の中心に位置しており、山頂からは久住山、中岳、大船山などが一望できます。

王道のモデルコース?

牧ノ戸コース~三俣山コースは王道のモデルコースともいわれています。三俣山はその形が「山」の字の象徴と思われるほど綺麗な形をしており、久住山と並ぶ人気の高い山です。

険しい場所も歩くルートですので、子供連れや初心者の方はおすすめしません。慣れた方でも初めて九重連山を登山する方はガイドを付ける事をおすすめします。

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「久住山」の四季の絶景!

久住山では四季折々の高山植物を楽しむことができます。それぞれの季節で見られる植物を一部ご紹介します。ここでしか見られない珍しい植物もい多いですので、子供も飽きることなく楽しみながら登山できます。

四季①春は花を楽しもう

久住山の春は様々な花を楽しむことができます。長い冬を超えて訪れる春は久住山の高山植物が一気に芽を出します。高山植物を目当てに登山される方は春の久住山をお勧めします。

サクラソウやマンサクが咲き誇る

春に見頃を迎えるのはサクラソウやマンサクです。マンサクは黄色い紐状の花を着の上につける植物です。春の始まりに他の花々に先駆けて「ます咲く」ことからマンサクと言う名がつけられたと言われています。

四季②夏はミヤマキリシマ

夏は何と言ってもミヤマキリシマが見頃を迎えます。久住山でミヤマキリシマを見るためには牧ノ戸峠から沓掛山からの登るルートがおすすめです。2時間30分程の初心者向けに作られたルートなので日帰りや子供連れの登山にも向いているルートとなっています。

九州の高山にしか咲かない花

ミヤマキリシマはツツジ科の中でも火山活動で荒廃した土地にしか咲かない花です。さらに九州の高山にしか咲きません。日本で最初に霧島連山で発見されたことから「ミヤマキリシマ」と言う名がつけられました。

ミヤマキリシマが見頃の時期は久住山を遠くから見てもピンク色の傘をかぶっているように見えるほど久住山一帯に花が咲き乱れます。

四季③秋は紅葉が美しい

久住山の秋は紅葉が見所のあるスポットとなります。久住山の紅葉は大分県内の上位5位以内に入る程人気の高いスポットとなっています。久住山では10月下旬~11月上旬に紅葉の見頃を迎えます。

紅葉が見頃の時期の九重連山は山が真っ赤に染まります。登山して紅葉を満喫するのもいいですが、久住高原へは様々な方面からドライブロードが伸びており、晴れた日にはドライブしながら遠目で紅葉を楽しむのもおすすめです。

ススキも見られる

秋の久住山は紅葉だけでなくススキも見所があります。久住山のススキはまるで銀色の絨毯化のように咲き乱れます。ススキは見頃の時期を外しにくいので紅葉のシーズンに合わなかった方はススキを見に久住山へ登山してみてはいかがでしょうか。

四季④冬は雪を楽しむ!

紅葉が終りを見せて訪れる久住山の冬は高山植物を楽しむことができませんが、その代わり雪の楽しみがあります。普段雪があまり降らない九州ですが、標高の高い久住連山では一面の銀世界を見ることができます。

-20度の雪景色

久住山の冬は何と気温-20度にもなります。春には花をつける木々も一面真っ白になり、まるで白い花が咲いているかのように見えます。遠くに阿蘇の山脈も見えて圧巻です。植物を楽しむ久住山とはまた違う山の顔を見ることができますので、一度は冬の久住山に登山登されることもおすすめします。

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「久住山」を登山する際の注意点や服装

久住山の植物の見頃や紅葉、雪の情報についてご案内してきました。四季折々で見ごたえのある久住山ですが、登山するときにはどのような注意が必要でしょうか。季節に応じた服装についてもまとめましたので、登山する前にチェックしておいてください。

山小屋や休憩所はチェックが必要!

久住山を含めた九重連山に登山する際には山小屋や休憩所の位置は事前に把握しておきましょう。山小屋や休憩所は緊急時の避難先として重要だからです。久住山でメインとなる山小屋は「久住別れ」です。

久住別れは久住山、中岳、北千里浜・法華院、坊がつるの分岐点伴っており、フラットで広いスペースがあるのが特徴です。登山中に仲間とはぐれてしまった時の集合場所にしておくのもよいでしょう。

子供連れの方はお手洗いをここで促しておくことをおすすめします。山に入ると整備されたお手洗いはほとんどありません。子供は大人よりも自分自身で体調のコントロールが難しいので大人から確認してあげることが重要です。

おすすめの服装は?

気軽に登れるルートであっても、久住山は標高の高い山ですので、それなりの服装で臨んで下さい。九重連山の3月頃の平均気温は8.5℃ですが、植物が咲く4,5月頃は最高気温が20℃以上にもなります。1日の寒暖差が多きいのでウィンドブレーカーや厚手のカーディガンを用紙しておくと安心です。

夏場の6月~8月は平均20℃以上と高く、薄手のシャツで過ごすことができます。しかし、梅雨で雨も多い時期ですので雨具は必須です。雨が降ると気温も一気に下がるので防水、撥水機能のあるウィンドブレーカーを携帯していくようにしましょう。日差しが強いため帽子や日焼けも必須です。

9月~11月の秋は気温差が激しくなります。9月の中旬頃には15℃以下となってきますので薄手の長袖シャツやトレーナー、1泊する場合はジャケットやニットカーディガンが必要になってきます。

12月~2月の九重連山は最低気温はマイナスになる日もありますので真冬仕様で臨んでください。ただし、登山していると汗ばんできますので保温性がありながら通気性のあるものの着用をおすすめします。

久住山の基本情報

名称 久住山(くじゅうさん)
標高 1786.50m
所在地 大分県竹田市久住町大字久住
問い合わせ先 長者原ビジターセンター
0973-79-2154
公式HP

「久住山」にミヤマキリシマの絶景を見に行こう!

いかがでしたでしょうか。久住山を含む久住連山は山登り初心者の方が登山がステップアップを目指すのに向いています。山と山が連なっているので縦走できたり、山の中の秘湯があったり高山植物を楽しみながら登山したり。舗装されているルートもあるので、子供連れでも安心して登山できます。

特にミヤマキリシマの咲く時期は圧巻です。いつもより一味違う登山を楽しみたい方はミヤマキリシマの絶景を見に久住山へ登ってみてはいかがでしょうか。

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