「九重山」の登山コースや縦走情報を解説!大自然の絶景を拝もう!

大分県にある九重山は、日本百名山の一つとも言われている、とても美しい山です。活火山の一つでもあり、温暖な地域であることも相まって、春夏秋冬で登山客が訪れている名峰として知られています。九重山の魅力や見所、登山コース、近隣の温泉施設などについてもご紹介します。

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目次

  1. 1広大な大自然!日本百名山「九重山」
  2. 2「九重山」ってどんな山?
  3. 3「九重山」登山の見所について
  4. 4「九重山」の登山コース情報!
  5. 5「九重山」周辺のおすすめ温泉施設
  6. 6「九重山」で大自然を感じる登山に行こう!

広大な大自然!日本百名山「九重山」

大分県には、日本百名山にも数えられている名峰「九重山」という山があります。登山客にも非常に人気が高く、気候の良い春や秋だけでなく、敬遠されがちな冬であっても多くの登山者がこの山に挑戦しています。大分県はそもそも非常に自然が豊かで、登山にもぴったりの温暖な気候が特徴となっています。

この記事では、九重山がどんな山なのか、どんな登山コースが存在しているのか、ミヤマキリシマや紅葉を始めとした見所から、登山後にぴったりの温泉施設などについてもご紹介します。

大分県玖珠郡にある火山群

九重山は、大分県の南部に位置する玖珠郡九重町から竹田市久住町にかけて広がっている、溶岩ドームからなる火山群です。活火山のため、噴気が上がっていることもあり、生きている山、という迫力が伝わってくる山でもあります。

正式名称は「九重連山」

九重山の正式名称は「九重連山(くじゅう連山)」といいます。全部で10数個もの火山体が、東西南北約13kmの中に集まっていて、九州の中でも最高峰の高さを誇っています。この10数個の火山体のうち、実に7つの山が1,700m以上の高さを持っているため、登山家にとっても挑戦しがいのある山となっています。

九重と久住の表記の議論も!

ちなみに、九重山の周囲には「九重町(ここのえまち)」と「久住町(くじゅうまち)」があるため、かつては「九重山」と「久住山」、どちらの表記も使われてきていて、読み方も「ここのえさん」「くじゅうさん」の二通りがありました。

「九重町」と「久住町」が誕生した際、どちらの表記を用いるかという問題が大きくなり、現在では火山群全体を呼ぶのに「九重山」「九重連山」、その中の主峰のみを呼ぶのに「久住山」という形で落ち着いています。

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「九重山」ってどんな山?

まず、九重山がどのような山なのかを詳しくご紹介していきます。九重山は、九州地方最高峰である山を有する連山で、春夏秋冬に渡って多くの登山客が訪れています。どうしてそんなにもたくさんの人を魅了しているのか、その理由を知ってみてください。

10以上の火山体が集合

九重山は、正式名称を「九重連山」と言う通り、合計10数個の火山体が集合しています。しかも、そのうち7つの山は標高1,700mを超えているため、登山家にも非常に人気が高い山でもあります。東西南北約13kmにかけて広がっている様はかなり壮大で、景観も非常に素晴らしいのも特徴です。

最高峰は標高1791mの中岳

ちなみに、九重山に連なる10数個の山の中で、最も標高が高いのは中岳(なかだけ)です。標高は実に1,791mで、九州でも最高峰の高さとなります。次いで、主峰である久住山が標高1,787m、東側にある大船山系の大船山が標高1,786mとなっています。

中岳は日本百名山の一つ

九州最高峰の中岳は、日本百名山の一つにも数えられています。日本百名山に選ばれる理由としては、もちろん名山であることが最も重要なのですが、その他にも「背が高いこと」というのも重要なポイントとなるそうです。

中岳が日本百名山に選ばれた理由の一つには、九州最高峰であったというものもあったのかもしれません。

噴火警戒レベル1の活火山

九重山は活火山の集合体なのですが、現在は噴火警戒レベル1ですので、特に噴火に警戒する必要はありません。ですが、状況次第でこの警戒レベルは随時更新されていくことになりますので、登山を考えているのであれば噴火警戒レベルには十分注意しておきましょう。

麓にある町では、この活火山を利用した地熱発電がとても盛んに行われていて、それにちなんだ商品も多く存在します。九重山に立ち寄った際には、近隣の町でそういった楽しみ方をするのも面白いですよ。

積雪は少なく冬でも登山できる

九重山は、大分県という温暖な地域にある山なので、冬であっても積雪量は比較的少なく、冬でも天候次第で十分登山が可能です。九重山と言えば、春のミヤマキリシマや秋の紅葉が有名ですが、冬にしか味わうことのできない絶景もあります。機会があれば是非、冬の九重山にも訪れてみてください。

一帯は阿蘇くじゅう国立公園に指定

九重山は、「阿蘇くじゅう国立公園」の中に存在しています。昭和9年から存在している阿蘇くじゅう国立公園には、「九重山」や「ミヤマキリシマ」だけでなく「やまなみハイウェイ」や「ミルクロード」、「久住高原」など、様々な見所があります。さらに、宿泊施設だけでなく博物館などもあり、登山以外でも様々な目的で多くの人が訪れています。

「九重山」登山の見所について

ここでは、九重山への登山を考えている方へ、登山の際の見所をご紹介していこうと思います。九重山登山の見所は本当に多々あるのですが、ここでは特にその中でも、4つの見所を厳選して列挙しています。必ず気になる箇所が見つかると思いますので、是非参考にしてみてください。

見所①坊がつる

まず一つ目の見所は、「坊がつる」です。坊がつるというのは「法華院周辺の湿地帯」という意味の言葉で、かつて久住山を信仰していた法華院、現在の法華院温泉の周辺にある湿地帯を指しています。ラムサール条約にも登録されている湿地帯で、年間を通して多くの観光客が訪れています。

見所②ミヤマキリシマ

ミヤマキリシマというのは、九重山に自生しているツツジの一種です。ミヤマキリシマの名前の由来は「深い山に咲くツツジ」からきていて、霧島山で発見されたことから、和名には「キリシマ」の言葉が使われています。

5月下旬から6月中旬にかけて、紫紅色・桃色・薄紅色の花をつけ、時折秋にも花を咲かせることがあります。ミヤマキリシマは火山活動で生態系が崩れた山肌に生息していて、森林の中では咲き続けられなくなるため、自生している姿は登山客にしか見られない、というのが特徴です。

見所③紅葉

ミヤマキリシマと並んで九重山の見所として知られているのが、秋の紅葉です。九重山では、春にはミヤマキリシマ、秋には紅葉と四季折々の季節が楽しめるのが特徴で、特に紅葉の季節になると山の斜面が一面赤く染まる様はまさに絶景です。また、紅葉と言えば木の葉を思い浮かべますが、九重山では草原が紅葉する様も楽しむことができます。

なお、九重山は秋になると朝晩と日中の気温差が非常に大きくなるため、登山に訪れる際には服装に十分注意をしてください。

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見所④黒岳原生林

九重山の一つである黒岳には、黒岳原生林と呼ばれる一帯があります。黒岳のふもとにある原生林のことを指していて、ブナやナラ、カエデなど、様々な広葉樹林がそびえ立っています。苔むした木巨大な岩があちこちにあって、まるでもののけ姫の世界のような雰囲気が漂っているのが特徴です。

ちなみに、黒岳原生林は「男池」という登山口からすぐに向かうことができますので、登山する体力がない、という方でも気軽に楽しむことができます。

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「九重山」の登山コース情報!

では、九重山の代表的な登山コースについて説明しようと思います。ここでは、初心者向けのものから難易度が高めの縦走コースまで、全部で4つのコースをご紹介します。自分の体力や登山スキルのレベル、そしてスケジュールなどと合わせて、どのコースにするかを決定してみてください。

登山コース①牧ノ戸峠~中岳

まず、牧ノ戸峠から中岳を目指すコースです。こちらは数ある登山コースの中でも最も代表的なコースで、体力にあまり自信がないという人でも楽しむことができるのが特徴です。大体6時間程度で往復することができるので、朝から出発すれば、初心者の方でも余裕を持って挑戦できます。

また、基本的には視界を遮らない尾根道を進んでいくコースになるので、普段は非常に景色がよく気持ちが良いのですが、霧に覆われてしまうと非常に見通しが悪くなります。天候に不安があるときには、特に初心者の方はこのコースは避けてください。

高低差も少ない初心者コース

この登山コースの特徴は、標高差がそんなにない、という点にあります。最初の沓掛山までは急な坂道が続くのですが、序盤にきつい箇所を抜けてしまえばあとは楽に進むことができます。1箇所だけ、はしごを使わなければならない場面はありますが、それもそこまで難しいものではないので安心してください。

久住山も中岳も楽しめる

さらに、この王道コースでは九重山の主峰である久住山も、さらには九州最高峰である中岳も楽しむことができます。時間があるようなら、少し足を伸ばして星生山に寄ることもでき、初心者の方からベテランの方まで、幅広い層に楽しんでもらえるコースでもあります。

登山コース②赤川温泉~久住山

赤川温泉から久住山を目指すコースは、九重山の主峰である久住山を最短で目指すことができるルートです。片道約2時間程度で頂上を目指すことができ、抜群の眺望を楽しむことができます。

このコースは「赤川温泉」という登山口から入るので、こちらのルートを使用する多くの登山客は、登山後に赤川温泉で汗を流す方が非常に多いのも特徴です。ちなみに、赤川温泉の多くは金・土・日のみの営業のところが多いため、温泉を利用したいのであれば日程にはくれぐれも注意してください。

約2時間で久住山の山頂へ行ける中級者コース

なお、こちらの登山コースは約2時間で登ってしまえるのですが、急な斜面が続く岩場ばかりの道のりなので、初心者の方にはあまりおすすめできません。どちらかというと、初心者よりは中級者以上の方が挑戦するようなルートになりますので、初心者の方が無茶をしないようにしてください。

登山コース③長者原~中岳

一日かけて登山を楽しみたい初心者の方におすすめしたいのが、長者原から中岳を目指すコースです。現在王道となっている牧ノ戸峠〜中岳のコースが主流になるまでは、こちらのほうがよっぽど多くの登山客に楽しまれていました。

往復で約7時間半の道のりにはなるのですが、かつて多くの登山客に親しまれていたこともあって、標識もわかりやすく、登山道もしっかりしたものなので、初心者の方でも体力に自信があるのであれば、是非挑戦してもらいたいです。

登山の醍醐味が味わえる中級者コース

初心者でも挑戦はできると言いましたが、牧ノ戸峠〜中岳のルートに比べると標高差が大きく、所要時間も長いので、どちらかというと初心者から一歩進んだ、中級者向けのコースでもあると言えます。じっくり九重山の魅力を楽しみたい方は、是非挑戦してみてください。

登山コース④男池~平治岳・大船山・久住山

最後に、上級者向けの登山コースもご紹介します。男池から入り、平治岳→大船山→久住山と進んでいくコースとなります。このコースは、九重山に連なる山々を縦走するというルートで、たっぷり登山を楽しみたい方のための非常に長いコースとなります。

「男池」という登山口から平治岳までは森の中を進んでいくコースなので非常に涼しく、夏場でも涼しく進むことができるのが特徴です。ちなみに、男池登山口を使用する場合は入場料が必要になるので、財布を忘れないように注意してください。

1泊2日で登る縦走の上級者コース

なお、このコースは日帰りでは難しいので、1泊2日で挑戦することになります。宿泊となると装備もそれなりに多くなりますので、どうしても初心者には難しいコース取りです。縦走であることも相まって、体力も相当必要になりますので、上級者向けのコースだと理解しておきましょう。

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「九重山」周辺のおすすめ温泉施設

九重山への登山を楽しんだあとは、是非近隣の温泉施設で汗を流してさっぱりしてください。九重山の周辺には、登山客のためにホテルや旅館などの温泉施設が開放されています。もちろん、そのまま宿泊して疲れをとることも可能です。ここでは、特におすすめしたい温泉施設を4箇所ほどご紹介します。

温泉①九重観光ホテル

九重観光ホテルは、九重山のある「阿蘇くじゅう国立公園」の中にあるホテルです。ホテル内はもちろん、露天風呂からも九重山を一望できますので、制覇してきた山を見ながら、ゆったりと温泉に浸かることができるという魅力があります。こちらの温泉は掛け流しとなっていて、気持ち良さも一入です。

特に、紅葉の季節は景観の美しさだけでなく温泉の気持ち良さも楽しむことができます。また、冬であってもこちらの施設は車で訪れることのできる場所にあるので、気軽に立ち寄りやすいというのもポイントです。

名称 九重観光ホテル
住所 大分県玖珠郡九重町田野230牧の戸温泉
お問い合わせ先 0973-79-2211
URL 公式サイト
アクセス 九重ICより車で約30分
入浴料金 大人:500円 子供(4〜12歳):400円
入浴可能時間 12:00〜20:00

温泉②法華院温泉山荘

法華院温泉山荘は、かつて天台宗の霊場として栄えていた場所で、九重連山の中心にある宿泊施設です。ログハウスやバンガローなど施設にも様々な種類があって、さらにテントを張って寝ることができる場所もあります。まさに登山客向けの宿泊施設で、車ではたどり着くことができない、九重山の秘湯です。

こちらの温泉は、主に九重山を縦走する方たちが、1泊する宿として利用しています。しかし、各登山口から約2時間程度でたどり着くことができる場所ということもあって、九重山の景色を楽しみたい方も訪れています。ミヤマキリシマや紅葉を楽しむことができますので、是非一度は訪れてみてください。

名称 法華院温泉山荘
住所 大分県竹田市久住町大字有氏1778
お問い合わせ先 090-4980-2810
URL 公式サイト
アクセス 九重ICより車で約45分
入浴料金 500円

温泉③寒の地獄旅館

長者原にある、一風変わった名前の温泉が「寒の地獄旅館」です。西暦186年から存在している歴史ある温泉地で、温泉だけでなく冷泉も湧き出ているという、面白い温泉施設でもあります。

温泉と冷泉を交互に入浴することで血行が促進され、さらに温泉の効果を強く感じることができるのが特徴です。なお、冷泉は水着着用が必須なので、こちらの温泉に訪れる際には水着を忘れないようにしてください。

名称 寒の地獄旅館
住所 大分県玖珠郡九重町田野257番地
お問い合わせ先 0973-79-2124
URL 公式サイト
アクセス 九重ICより車で約25分

温泉④星生倶楽部

九重山で少し贅沢な時間を楽しみたいのであれば、是非「星生倶楽部」を訪れてみてください。春はミヤマキリシマ、夏は青々した緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々の景色を楽しめるこの宿は、特に露天風呂が一番の見所です。

自慢の露天風呂からは、秋の紅葉と冬の雪景色を楽しむことができるということもあって、登山客以外にも雄大な自然を楽しみたい方にもおすすめです。食事メニューも充実しているので、温泉だけでなく一泊するほうがより楽しめますよ。

名称 星生倶楽部
住所 大分県玖珠郡九重町大字田野228-314
お問い合わせ先 0973-79-3316
URL 公式サイト
アクセス ・JR久大本線・由布院駅より、亀の井バスで約50分
 ※土日祝のみの運行、12〜2月は運休
・由布院駅バスセンターより
 九州横断バス別府・油布院・熊本駅行で約50分

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「九重山」で大自然を感じる登山に行こう!

九重山の魅力について、しっかりお伝えできたでしょうか。九重山では、このあたりだけにしか自生していないミヤマキリシマ見事な紅葉を楽しめるというだけでなく、春夏秋冬それぞれの見事な景色に出会うことができます。

また、九州最高峰の名峰を登山という形で楽しむための様々なコースもご紹介できたと思います。大分を訪れる際には是非、九重山に足を運んでみてください。

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この記事のライター
ゆきえ
三児の子育てをしながら兼業ライターをやっています♪ 趣味は旅行で、独身時代は海外もちょこちょこ行っていましたが、...

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