「鳥海山」の登山を完全ガイド!初心者でも安全な全てのルートを解説!

修験道の中心だった霊峰鳥海山。時期に応じた顔を見せてくれるため登山客に人気の山です。山頂には出羽国一宮が鎮座し、上級者にも初心者にも登山客に人気です。鳥海山は、上級者向けですが、御朱印目当ての初心者でも安心できるようにルートを徹底解説します。

「鳥海山」の登山を完全ガイド!初心者でも安全な全てのルートを解説!のイメージ

目次

  1. 1日本百景に認定される「鳥海山」
  2. 2日本百名山「鳥海山」の登山時期
  3. 3鳥海山の全登山ルートを完全ガイド!
  4. 4鳥海山の詳細情報&山小屋情報
  5. 5美しい景観が望める「鳥海山」登山に挑戦!

日本百景に認定される「鳥海山」

鳥海山は、平野から見た山はとても美しく、日本百景に選ばれています。山の中の風景は、登っていくに連れて変わり飽きる事はありません。山頂に着くと、鳥海山大物忌神社の立て札と、少し小さめの神社本殿が出迎えてくれ、山形県と秋田県にまたがる屈指のパワースポットでもあります。鳥海山は、出羽三山と並び、旧出羽の国の修験道の中心だったのです。

別名「出羽富士」と呼ばれる

鳥海山は、出羽三山と共に、古くから東北地方随一の修験道の聖地としてあがめられ、その形が富士山のようにも見える事と旧出羽国(現在の山形県と秋田県)にあるから、出羽富士と言われ、親しまれてきました。標高2,236mと非常に高い山で、美しい稜線も魅力です。夏でも雪が消える事はありません。

なお、古くは鳥見山とも呼ばれ、秋田県では秋田富士、山形県では庄内富士とも呼ばれています。ただ、鳥海山は山形県飽海郡遊佐町・酒田市、秋田県由利本荘市・にかほ市に跨がり、山頂は山形県飽海郡遊佐町になっていますので、どちらかと言えば、観光名所案内的には山形色の方が強いです。

地質百選に選定

出羽富士鳥海山は、平成19年に地質100選に選定され、平成21年には、国指定の国史跡に指定された霊峰です。鳥海山は火山であり、現在も活動しています。最近の噴火は1974年にあり、紀元前466年の噴火によって、周辺の平野に堆積物がまき散らされた事が分かってきています。鳥海山は地質学的にも大切な山なのです。

日帰り登山が可能!

鳥海山は、朝早くに出発すれば、日帰り登山も可能な山です。ただし、日帰りは、上級者か、健脚の方向きです。歩いているとどこまで続くのか分からない石段が続き、途中、幾つか谷を降りては、また、登り、最後には、大岩のゴロゴロした地帯があるので、精神修行になります。事故の危険もあるので、鳥海山には時期と時間に気を付けて登山しましょう。

初心者向けコースも有

鳥海山には初心者向きのコースもありますが、やはり足腰は立たなくなるほど疲れます。とにかく、石段が多いのと、谷の下り上がりで、体力を奪われます。しっかりと準備をして、ゆっくりと休憩を取りながら登る事をおすすめします。ただし、雄大な自然や星空は素晴らしいく、おすすめの山です。山頂で御朱印を頂戴できるのは登った人のみの特権です。

様々な高山植物が鑑賞できる

鳥海山は標高が高く、そのため、登山の道中、様々な高山植物と出会えます。タカネアオヤギソウ、イワギキョウ、ハクサンフウロ、ミヤマキンバイ、ミヤマリンドウ、ハクサンシャクナゲ、シラネアオイなど、です。また、なぜか分かりませんが、八丈島特産の明日葉と思われるものが結構群生している箇所があり、注目していると面白いかもしれません。

頂上には神社も有る

鳥海山は、旧出羽の国の修験道の中心に位置する日本百名山の一つです。修験道と言えば、出羽三山が有名ですが、ここもその一つ。山頂には、出羽の国一宮の本宮である鳥海山大物忌神社があり、毎年多くの人がこの神社に参拝するためにも登山に訪れます。登山時間は早い人でも3時間程度。石段が延々と続いた後は、谷を下り登り、岩地帯を抜け、山頂です。

日本百名山「鳥海山」の登山時期

鳥海山は修験道の聖地だったこともあり、基本的に修行用の険しい山です。一年を通じて登山自体は可能ですが、冬季は雪に覆われ、晴れる日の方が少ないです。山頂も9月中に小屋仕舞いをし、雪に備えて、山小屋の一部は避難小屋になります。しかし、雪に覆われてしまうのです。神社参拝も9月初頭くらいまででしょう。中・上級者向けの山です。

1年中登山自体は可能

鳥海山は修行の山であり、今でも、一年中、届け出を出せば、登山は可能です。時には、山頂の神社や山小屋の営業がされていない季節に登っている上級者の登山客も見かけますが、上級者登山客でも事故の危険があり、初心者には非常に事故の危険が高いですので、季節を選んで安全で楽しい登山をしましょう。

登山に適しているのは6月頃から

鳥海山では、毎年、早ければ五月下旬、遅ければ六月中旬頃に、小屋開きが行われます。それはつまり、登山開始の合図。登山に適している季節がやってきたという事です。6月でも、登っていくと、山頂に近づくに連れ雪が残り、雪道を踏みしめて歩くことになると思います。日帰り登山客も宿泊登山客も登り始めます。

最も登山客が多いのは7月から10月中旬

鳥海山の登山に最も適している時期が7月から9月です。日の落ちるまでの時間も長く、初心者でも事故の危険が少ないからです。紅葉が見れると言う事で、10月頃まで登山客の足が途絶える事がありませんが、10月は上級者向けになりますので、注意が必要です。初心者には7月、8月が鳥海山登山の時期だと覚えておきましょう。

9月~10月には紅葉が楽しめる

鳥海山は山の裾野に、数々の木々が生い茂ります。標高が高いため、早めに紅葉が始まり、9月と10月が紅葉のシーズンになります。9月初旬であれば、初心者の方でも紅葉を楽しみながら、事故の危険少なく、登山できるくらいですし、10月以降は中級車以上、上級者向けですが、紅葉を楽しむことができますよ。

11月からは上級者向けの雪山に

鳥海山の冬は、厳冬です。深い雪に覆われ、登るにつれ気温は低く、事故の危険がぐっと高まります。初心者には事故の危険しかありません。上級者でも、事故の危険が高い危険な山です。10月には冠雪が始まり、11月には雪に覆われていきます。登頂にも時間がかかり、初心者が登る時期ではありません。上級者でも時間を考え安全に登山しましょう。

鳥海山の全登山ルートを完全ガイド!

鳥海山は、古代の修験道からはじまり、初心者から上級者まで、様々な人が登り続けてきた山です。神社目当ての人もいれば、登山目当ての人、そして、写真目当ての人もいて、その分、登山コースも数多く存在し、登頂時間も違います。時期によってもおすすめルートは変わると思いますよ。

登山ルート①象潟口ルート

象潟口 鳥海山登山コースをガイドします。()内は登り目安の時間です。初心者や健脚ではない方は更に時間がかかります。また、下りは多少早まる場合も逆に遅くなる場合もあります。日帰り客にも宿泊客にも人気のルートです。

羽越本線象潟駅

鉾立駐車場
↓(90分)
六合目賽の河原
↓(30分)
七合目御浜神社
↓(30分)
御田ヶ原
↓(35分)
七五三掛
↓(80分)
鳥海山大物忌神社
↓(20分)
新山(三角点)

登山ルート②吹浦口ルート

吹浦口 鳥海山登山コースをガイドします。()内は登り目安の時間です。初心者や健脚ではない方は更に時間がかかります。また、下りは多少早まる場合も逆に遅くなる場合もあります。なお、吹浦口には山頂にある神社の里宮があります。なお、もう一つの蕨岡口の里宮と併せて、一宮なのです。先に参拝するのも一つです。日帰り客にも宿泊客にも人気のルートです。

羽越本線吹浦駅

四合目大平
↓(10分)
登山口
↓(30分)
見晴台
↓(30分)

↓(70分)
七合目御浜神社
↓(30分)
御田ヶ原
↓(35分)
七五三掛
↓(40分)
文珠岳
↓(10分)
九合目伏拝岳
↓(30分)
鳥海山大物忌神社
↓(20分)
新山

登山ルート③長坂口ルート

長坂口 鳥海山登山コースをガイドします。()内は登り目安の時間です。初心者や健脚ではない方は更に時間がかかります。また、下りは多少早まる場合も逆に遅くなる場合もあります。日帰り客にも宿泊客にも人気のルートです。

JR羽越本線 遊佐駅

長坂口
↓(40分)
山ノ神 
↓(55分) 
堅餅岩 
↓(40分)
ガラ場 
↓(100分) 
笙ヶ岳 
↓(50分)
七合目御浜神社

他のルートに合流

登山ルート④万助口ルート

万助口 鳥海山登山コースをガイドします。()内は登り目安の時間です。初心者や健脚ではない方は更に時間がかかります。また、下りは多少早まる場合も逆に遅くなる場合もあります。

JR羽越本線 遊佐駅

中村
↓(45分)
一ノ浜 
↓(75分) 
渡戸 
↓(90分) 
万助小屋 
↓(80分) 
仙人平(千畳ヶ原)

他コースへ合流

登山ルート⑤二ノ滝口ルート

二ノ滝口 鳥海山登山コースをガイドします。()内は登り目安の時間です。初心者や健脚ではない方は更に時間がかかります。また、下りは多少早まる場合も逆に遅くなる場合もあります。

JR羽越本線 遊佐駅

一ノ瀬駐車場 
↓(20分) 
ニノ滝 
↓(100分) 
森ノ清水 
↓(60分)
不動滝 
↓(50分)
仙人平(千畳ヶ原)
↓(40分)
鳥海湖 
↓(25分)
御田ヶ原 
↓(30分)
七五三掛

他ルートに合流

登山ルート⑥湯ノ台口ルート

湯ノ口 鳥海山登山コースをガイドします。()内は登り目安の時間です。初心者や健脚ではない方は更に時間がかかります。また、下りは多少早まる場合も逆に遅くなる場合もあります。日帰り客に人気です。

羽越本線酒田駅

鳥海高原ライン終点駐車場
↓(20分)
滝の小屋
↓(45分)
七合目河原宿
↓(135分)
九合目伏拝岳
↓(30分)
鳥海山大物忌神社
↓(20分)
新山

登山ルート⑦百宅口ルート

百宅口 鳥海山登山コースをガイドします。()内は登り目安の時間です。初心者や健脚ではない方は更に時間がかかります。また、下りは多少早まる場合も逆に遅くなる場合もあります。

由利高原鉄道矢島駅

百宅
↓(200分)
大清水
↓(60分)
タッチラ坂
↓(60分)
唐獅子平
↓(40分)
霧ヶ平
↓(30分)
外輪山
↓(20分)
新山
↓(16分)
鳥海山大物忌神社

登山ルート⑧矢島口ルート

矢島口 鳥海山登山コースをガイドします。()内は登り目安の時間です。初心者や健脚ではない方は更に時間がかかります。また、下りは多少早まる場合も逆に遅くなる場合もあります。日帰り客に人気です。

由利高原鉄道鳥海山麓線矢島駅

祓川
↓(40分)
賽の河原
↓(20分)
御田
↓(30分)
七ツ釜
↓(50分)
氷ノ薬師
↓(40分)
舎利坂
↓(30分)
七高山
↓(30分)
新山
↓(15分)
鳥海山大物忌神社

登山ルート⑨猿倉口ルート

猿倉口 鳥海山登山コースをガイドします。()内は登り目安の時間です。初心者や健脚ではない方は更に時間がかかります。また、下りは多少早まる場合も逆に遅くなる場合もあります。

由利高原鉄道鳥海山麓線矢島駅

四合目駐車場 
↓(30分)
棚池 
↓(30分)
見返り坂 
↓(25分) 
鶯谷 
↓(20分)
七ツ釜

他ルートに合流

熊による事故のため現在入山禁止

鳥海山には熊が普通に出没します。ここ猿倉口で、二頭の熊に登山客が襲われた事件が発生して以降、この猿倉口は現在閉鎖されています。このルート以外は閉鎖はされていませんが、熊には十分に注意しましょう。

鳥海山の詳細情報&山小屋情報

鳥海山は、出羽国一宮の鳥海山大物忌神社が管理しています。途中にある山小屋も、鳥海山大物忌神社に電話がつながり、ここで宿泊客の管理も行っています。何かあれば、鳥海山大物忌神社にアクセスしましょう。

鳥海山の基本情報

鳥海山大物忌神社・山頂御室小屋・御浜小屋(鳥海山御浜神社)
 

所在地 〒999-8521 山形県飽海郡遊佐町吹浦1
電話 0234-77-2301
収容 山頂御室小屋 200名 御浜小屋 50名
営業 7月上旬 ~ 9月中旬
WEB http://www9.plala.or.jp/thoukai/lodge.html

鳥海山で宿泊可能な山小屋

鳥海山は修験道の修行の地であったように険しい山です。初心者でも日帰り登山も可能ですが、事故の危険を少しでも減らすため、山小屋で宿泊しゆっくり登るのも良いかもしれません。上級者でもそれは同じです。鳥海山の山小屋についてガイドします。山小屋は二か所しかありません。

山小屋①山頂御室小屋

鳥海山大物忌神社に隣接する山頂にある小屋が山頂御室小屋です。ここでは200名が収容可能で、ここに宿泊して、星空を写真撮影に訪れる人もいるほど、夜景が美しく見えます。夕焼けと日の出のスポットでもあります。初心者、上級者関係なく、宿泊してみてもいいかもしれません。

山小屋②御浜小屋

御浜小屋は鳥海山御浜神社の御本殿でもあり、御朱印も頂戴できるスポットです。登山の無事を祈念して参拝しましょう。山小屋としても稼働し、50名が収容できます。足に自信が無い方はこちらで宿泊する方もおられます。ここからは頂上はまだまだ先です。

鳥海山登山の注意点

鳥海山登山にはガイドなどは途中にいません。そのため、自分の身は自分で守らなければなりません。山に登る基本的な装備もさることながら、鳥海山特有の注意点をここでは紹介します。第一に良い登山靴をはきましょう。石段が多く、足裏も膝もダメージを負います。第二に防寒具と雨具、第三に栄養補給用の軽い食糧と水です。最低限この三点は必須です。

日没時間は要確認

鳥海山登山は上級者でも、それなりに登るのに時間がかかる登山です。初心者は時間管理に要注意です。時期によっては、気が付いたら登ってる途中に日暮れなんて事にもなり得かねません。様々なサイトや情報に掲載されている目安の時間は基本的にオーバーするものと考えておいた方が良いです。時期と時間をしっかり考えて登山しましょう。

水は多めに持参を!

鳥海山登山で気を付けたいのは水です。途中、水を販売している場所は、ほぼありません。水不足にすぐ陥ります。山頂が稼働している時期であれば、山頂に行けば水が補給できますが、山頂まで非常に時間がかかりますよ。水の確保について、富士山登山よりも厳しいです。注意しましょう。不安がある人は御浜に寄って補給していきましょう。

熊除け対策を万全に!

鳥海山は、熊の生息地で、しばしば事件がおきています。途中の看板にも熊が噛んだ痕があったり、最近では熊が出没したため、猿倉口ルートが閉鎖になったりもしています。熊対策の笛や音の出るものなどは必須です。特に冬眠から覚める時期と冬眠に向かう時期の鳥海山登山は要注意です。

美しい景観が望める「鳥海山」登山に挑戦!

鳥海山は時期によってさまざまな顔を見せてくれる雄大な美しい山です。修験道の聖地でもあり、山頂の神社は出羽国の一宮の本宮です。こちらで御朱印を頂けるなど、パワースポットとしても良い山です。日帰りでも、宿泊でも、鳥海山登山は美しい景観を楽しめるので、是非、鳥海山登山に挑戦してはいかがでしょうか。

おすすめの関連記事

Thumb初心者にもおすすめの八剣山登山!ルートの注意点やアクセスまとめ!事故は?
程よい疲れを感じながら達成感を味わえる登山。札幌市内中心部からのアクセスが良く、登山デビュー...
Thumb「岩木山神社」は狛犬が珍しいパワスポ!恋愛運&金運UPの人気神社!
岩木山神社は恋愛に金運、各種運気が上昇するパワースポット。カップルで家族で楽しめる文化財の多...
Thumb秋田の有名な神社&お寺ランキングTOP25!御朱印やパワスポ巡りに!
伝説の物語や歴史の中心に登場することが多い「秋田県」、東北最大の「文化の都」でもある自然豊か...

関連するまとめ

Missing
この記事のライター
西川知希
2019/11/20開始

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ