「土門拳記念館」は日本初の写真美術館!約7万点にも及ぶ作品を鑑賞!

土門拳記念館は、日本で初めての写真専門美術館です。日本一のあじさいの名所である飯森山公園内にある土門拳記念館は、その珍しさだけでなく建築の美しさやアクセスのしやすさも相まって、多くの観光客が訪れています。その魅力についてご紹介します。

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目次

  1. 1土門拳記念館とは
  2. 2土門拳記念館の特徴と魅力
  3. 3土門拳記念館の見どころ
  4. 4土門拳記念館周辺の観光スポット
  5. 5土門拳記念館の詳細情報
  6. 6土門拳記念館でアートの魅力を感じよう!

土門拳記念館とは

土門拳記念館は、山形県にある写真専門の美術館です。1990年でその生涯を終えた、「土門拳」という写真家の巨匠作品を展示している美術館で、日本初の写真専門美術館でもあります。

写真愛好家であれば知らない人はいない、というほどの巨匠である土門拳の美術館が、どうして山形県酒田市に建築されたのでしょうか。その歴史や見どころにアクセス方法、さらには周辺の観光スポットまで、土門拳記念館の情報についてお伝えします。

日本で最初の写真美術館

冒頭で述べたように、土門拳記念館は日本で初の写真専門美術館となります。土門拳は、戦後の日本を代表する写真家の一人ですが、1974年に故郷である酒田市から名誉市民という称号を授与された際に全作品を酒田市に寄贈することを決めたそうです。

その際、収蔵庫は立派なものにしなくて良い、という土門拳自身の謙虚な言葉に感動した当時の市長が、記念館を建設するために奔走した結果、現在のような立派な美術館が飯森山公園内に建築されることになりました。

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土門拳記念館の特徴と魅力

そんな土門拳記念館ですが、現在では多くの人たちが彼の作品を鑑賞するためにこの美術館がある飯森山公園を訪れています。一体、土門拳記念館のどんなところが、お客さんを魅了しているのでしょうか。

実は土門拳記念館に収蔵されている作品そのものだけでなく、美術館そのものや周辺に咲くあじさいの素晴らしさなど、様々な魅力に溢れているのです。

巨匠「土門拳」約7万点の作品を収蔵

まず一つに、巨匠である「土門拳」の作品が約7万点も収容されている点です。土門拳は、名誉市民の称号授与式の際、「全作品を酒田市に寄贈したい」と発言しています。

これだけの巨匠の作品を見ることができるのが土門拳記念館しかない、という事実が、多くの写真愛好家を惹きつける要因となっているのは間違いありません。

現代的で洗練されたコンクリートの建物

次に、土門拳のために建設された記念館という建築そのものの美しさです。土門拳記念館は、昭和の名建築家である谷口吉郎の息子、谷口吉生が手掛けました。彼自身も有名な建築家で、この洗練された建築は、土門拳自身の生き様を反映させたものでもあるそうです。

飯森山公園内にひっそりと静かに佇む姿は非常に洗練された建築物で、そのものが現代的なアートの一つとして公園の景色に溶け込んでいます。さらに梅雨の時期には、土門拳記念館の横にある白鳥池の周囲に多くのあじさいが咲き誇り、そのコントラストを楽しむ観光客で溢れかえります。

親交のあったアーティストが建築に協力

なぜ谷口吉郎の息子が土門拳記念館の建築に携わったのかというと、土門拳が谷口吉郎と深い親交を持っていたからだと言われています。

他にも、中庭に彫刻家イサム・ノグチの彫刻が、正面にある銘板、そしてポスターやチケットはデザイナー亀倉雄策が、庭園はいけばな草月流創始者である勅使河原蒼風の息子の勅使河原宏が手掛ける、というように、彼と深い関わりを持った人たちが建築に協力していました。

オリジナルグッズが買えるミュージアムショップも

また、土門拳記念館のミュージアムショップでは、土門拳や記念館に由来する商品を多く購入することができます。中には、このショップでしか購入することのできない、カレンダーなどのオリジナルグッズも販売されています。

ちなみに、日本国内であればネットでグッズを購入することもできますので、購入し忘れた、現地には行けないけれどどうしても購入したい、という方は、ネットショップを利用するのもいいかもしれません。

飯森山公園のあじさいは日本一の品種数

なお、土門拳記念館がある飯森山公園は、日本有数のあじさいの観光名所でもあります。植えられているあじさいの品種数では日本一だとも言われていて、あじさいが咲く時期になると、1万株以上のあじさいを見るためだけに、飯森山公園自体にも多くの観光客が訪れるほどです。

せっかく土門拳記念館を訪れるのであれば、是非一緒に、飯森山公園のあじさいの美しさも堪能してみてください。きっと、想像以上のあじさいの種類の多さと美しさに、息を飲んでしまうこと間違いなしです。これまで知らなかったあじさいの魅力にも、触れることができます。

土門拳記念館の見どころ

土門拳記念館には多くの土門拳作品が収容されていますが、中でも特におすすめの作品や、巨匠として名を残すきっかけとなった代表的な作品というのがあります。また、土門拳作品以外にも素晴らしい作品が展示されており、その作品も多くの人たちに愛されています。

そんな、土門拳記念館の見どころとも言える作品たちを、今回は7つご紹介しようと思います。是非、あなたのお気に入りを見つけてみてください。

見どころ①古寺巡礼

古寺

まず、土門拳作品の中でもかなり代表的な作品群である「古寺巡礼」です。写真集として刊行された「古寺巡礼」は、土門拳のライフワークとも言える傑作で、昭和38年に初めて観光した第1集から昭和50年に刊行した第5集まで、実に12年かけて完結させた、巨匠らしい大作でもあります。

ただ、実際に土門拳自身が初めてお寺を訪れて写真を撮影したのは昭和14年からで、最後の写真集を発行し終えた昭和50年以降も撮影は続けられており、写真集には収まりきらなかった作品もこの土門拳記念館では見ることができます。

見どころ②風貌

土門拳の代表作の一つとして有名なものとして「風貌」があります。これは、土門拳自身が撮りたい人物の肖像写真を集めて昭和28年に刊行された写真集の一つですが、実はこの写真集に収められた肖像写真以外にも、土門拳は多くの人の肖像写真を残しています。

どんな相手であろうとあまりに執拗な写真の撮り方をするため、時には撮影相手を怒らせるなど、数々の巨匠らしい逸話を残しているのもこの作品の特徴で、土門拳がどうして巨匠と呼ばれるまでになったのかを垣間見ることができます。

見どころ③勅使河原宏「流れ」

こちらは、いけばな草月流の三代目である勅使河原宏が手掛けた、土門拳記念館の庭園です。初代家元である勅使河原蒼風は、土門拳とは兄弟と言われるほど仲が良かったということから、息子である宏が初めて土門拳記念館で、作庭を手掛けました。

庭園をじっくり眺めることができるよう、館内には庭園に面するように椅子が置かれており、水も流れていないのに、その名の通り様々な「流れ」を感じさせる作品となっています。

見どころ④勅使河原蒼風の彫刻

土門拳記念館には、土門拳自身と深い絆で結ばれていた勅使河原蒼風の作品も、もちろん展示されています。特に代表的なものが、勅使河原蒼風が手掛けた3体のオブジェです。

いけばな草月流の初代家元として有名な蒼風ですが、こうした彫刻作品も手掛けており、そのうちの3体が土門拳記念館に展示されています。

見どころ⑤イサム・ノグチ「土門さん」

土門拳と親交が深かったと言われているロサンゼルスの彫刻家、イサム・ノグチの作品も、土門拳記念館に展示されています。館隣に流れる水辺に配されている彫刻は、館内から眺めていると、まるでこちらをじっと見つめているような、圧倒的な存在感を持っています。

作品名が「土門さん」というように、まさに生前の巨匠・土門拳を思わせる佇まいが、見る人の心を惹きつけてやまない要因かもしれません。

見どころ⑥銘石 草野心平「拳湖」

若かりし頃の土門拳と深い親交のあった詩人の草野心平も、土門拳記念館に作品が展示されています。土門拳記念館の隣には「白鳥池」という大きな池があるのですが、別名「拳湖」とも呼ばれており、その名を刻んだ銘石が、池の横に展示されています。

見どころ⑦銘板 亀倉雄策

土門拳記念館の正面に配されている銘板は、日本のグラフィックデザイナー界の巨匠として長い間第一線を走り続けてきた、亀倉雄策の作品です。

彼も、勅使河原蒼風と共に三兄弟と呼ばれるほど親交が深く、過去には1964年の東京オリンピックや大阪万博ポスターを手掛けるなど、多くの有名作品に携わっています。

土門拳記念館周辺の観光スポット

土門拳記念館は、もちろん多くの人が訪れる有名な観光スポットですが、実はこの美術館のある飯森山公園周辺にも多くの観光スポットが存在します。土門拳記念館を訪れる際には、是非合わせてそちらのスポットも訪れてみてください。

①山居倉庫

「山居倉庫(さんきょそうこ)」というのは、酒田市に古くからある米を保管するための倉庫のことで、1893年に建設されたものです。現代の米穀倉庫と比較しても遜色のないほど優れた構造を持っている「散居倉庫」で保管された米は、当時から「日本一の米」と称されるほど保存状態が良かったそうです。

なお、山居倉庫は現在でも現役の米穀倉庫として使用されています。そのうち一部は歴史資料館や観光物産館としても活用されており、多くの人が訪れる観光名所の一つとなっています。

②最上川スワンパーク

「最上川スワンパーク」は、別名「水辺ふれあい公園」としても地元の人々に親しまれている、最上川河口に位置する公園です。この公園は、特に冬に多くの観光客が訪れているのですが、その理由が公園の名前にもなっている「白鳥」にあります。

実はこの公園は、冬になると白鳥の飛来地の一つとなり、多くの白鳥がこの水辺に訪れるのです。現在では日本一の白鳥飛来地であると認定され、約1万羽の白鳥が飛来しているとも言われています。

③酒田市美術館

「酒田市美術館」は、土門拳記念館から徒歩数分のところにある、酒田市が運営している美術館です。1997年に建設されたこの美術館はまだ新しく、酒田市を一望できる美しい景観が特徴的でもあります。

常設展では、文化勲章を受賞した洋画家の森田茂氏、酒田市出身の洋画家である斎藤長三氏、そして彫刻家の高橋剛氏の作品を楽しむことができますし、その他にも頻繁に特別展が展開されていて、見る人を飽きさせない工夫がされています。

④日和山公園

春になると桜の名所として多くの地元民・観光客が訪れる「日和山公園(ひよりやまこうえん)」は、日本海に面したとても美しい公園です。特に、夕日が落ちる時間になると日本海に太陽が沈むその様を見るために多くの観光客が足を止めると言われています。

公園内には、約1.2kmにもなる散歩道が整備されていて、合計29基もの文学碑が建てられています。これは、江戸から昭和にかけて酒田市を訪れた芸術家が紹介されていて、当時の酒田に思いを馳せる人が多く歩いているそうです。

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土門拳記念館の詳細情報

山形県酒田市を代表する観光スポットである土門拳記念館の魅力が十分に伝わったところで、ここでは実際に土門拳記念館に足を運ぶためのアクセス方法や、入館料金などについてご説明します。

アクセスは?

土門拳記念館へのアクセスには、車やタクシー、もしくは福祉乗合バスを利用がとても便利です。特に福祉乗合バスの場合、誰でも乗車することができて1回の乗車料金は100円という手軽さがあります。

タクシーと違って多少時間がかかる、という面倒さはあるかもしれませんが、時間に余裕のある方は、是非バスでのアクセスが便利なのでおすすめです。

JR線で向かう場合

JR線を利用したアクセスの場合、福祉乗合バスもしくはタクシーでのアクセス方法があります。タクシーであれば、JR酒田駅から約10分程度で到着できますし、福祉乗合バスであれば、「るんるんバス酒田駅大学線」を利用すれば約16分で到着します。

バスは基本的に1回の乗車料金100円で利用でき、未就学児童や運転免許証の自主返納者は無料で乗ることができるので、時間に余裕がある方は是非バスを利用してみてください。

飛行機で向かう場合

飛行機でのアクセスの場合も、タクシーもしくはリムジンバスというアクセス方法があります。庄内空港からであれば、タクシーで約20分、リムジンバスを利用しても約30分で土門拳記念館付近にたどり着くことができます。

リムジンバスの場合は、「東北公益文科大学」バス停で下車し、徒歩約5分程度の道のりとなります。土門拳記念館からバス停までもそんなに遠くありませんので、安心してください。なお、リムジンバスで土門拳記念館まで行く場合、乗車料金は670円となります。

車で向かう場合。駐車場は?

最後に、自家用車でのアクセスの場合です。土門拳記念館はすぐ近くにICがありますので、東北自動車道を利用してやってくるのがおすすめです。酒田ICで降りていただき、約5分程度で土門拳記念館に到着します。

なお、土門拳記念館のある飯森山公園には無料駐車場が整備されていますので、こちらに駐車していただき、飯森山公園内の多目的グラウンド前の道をまっすぐ進んでいただければ、右手に土門拳記念館が見えてきます。

入館料金は?

なお、土門拳記念館への入館料金は、特別展が開催されている期間か否かによって金額が変わってきます。基本的な料金は、大人が440円、学生が220円、中学生以下は無料となっていますが、特別展が開催されている期間になると、大人が800円、学生が400円となります。

決して高い料金ではありませんが、酒田市内の指定施設に宿泊している場合や、20名以上の団体で入館する場合はさらに割引が適用となります。また、学習活動での入館であれば、学生の方でも料金は無料となります。

土門拳記念館の基本情報

【名称】 土門拳記念館
【住所】 山形県酒田市飯森山2-13(飯森山公園内)
【公式HP】 http://www.domonken-kinenkan.jp/
【お問い合わせ先】 0234-31-0028
【開館時間】 9:00〜17:00
※最終入館時間は16:30
【休館日】 ・4月〜11月:無休
・年末年始休業
・12月〜3月:毎週月曜日
 ※月曜祝日の場合、翌火曜日
【入館料金】 ▼特別展期間中の料金▼
 一般:800円 学生:400円 小・中学生:無料

▼その他の期間の料金▼
 一般:440円 学生:220円 小・中学生:無料
【駐車場】 あり(公園内無料駐車場)
【アクセス】 ▼JR線をご利用の場合▼
・酒田駅よりタクシーで約10分
・酒田駅よりるんるんバス酒田駅大学線にて約16分

▼飛行機をご利用の場合▼
・庄内空港よりタクシーで約20分
・庄内空港よりリムジンバスで約30分

▼車をご利用の場合▼
・東北自動車道酒田ICより約5分

土門拳記念館でアートの魅力を感じよう!

土門拳記念館が、日本最初の写真専門美術館としてどれだけ魅力的な美術館であるか、おわかりいただけたと思います。また、建築そのものや、記念館がある飯森山公園、そして梅雨の時期になると公園内に咲き誇るあじさいも、多くの惹きつけてやまない要因となっています。

これだけ地元の人たちに愛された写真界の巨匠である土門拳自身のことも深く知ることができる土門拳記念館に、あなたも是非足を運んでみてください。

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この記事のライター
ゆきえ
三児の子育てをしながら兼業ライターをやっています♪ 趣味は旅行で、独身時代は海外もちょこちょこ行っていましたが、...

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