北海道でオーロラを見る方法!観測できる場所や時期は?発生条件も解説!
人生で一度は見てみたい現象「オーロラ」それを見られるのは海外でのツアーだけだと思ってはいないでしょうか。実はそんなオーロラ北海道でも見られるのです。この記事ではそんな北海道で見られるオーロラについて紹介していきたいと思います。

目次
海外ツアー以外でもオーロラを見られる?
「オーロラ」と聞いたら海外の寒い場所に行き雪の上で長い間待ちながら観測する。海外に行くのはハードルが高いし海外ツアーはお金もかかるその考えを持っている方は多いと思います。ですがオーロラは時期と条件合えば北海道でも観測の確率はあります。
北海道の一部ではオーロラが観測されている
オーロラが見られる場所、そのように聞くとオーロラを見られる時期や条件が揃っていて確率が高いのはカナダのアラスカ、北欧のフィンランドやアイスランドで行われているツアー。そういった方は非常に多いのではないでしょうか。
オーロラは一回でいいから見てみたいけど海外ツアーに行くのはお金がかかるし英語も出来ない。そのように考え断念する方は多いと思います。ですがオーロラは海外ツアーだけではなくしっかりと情報を集め、条件と時期が合えば北海道でも見られる確率はあるのです。
北海道で見られるオーロラについて、また見える場所など北海道で見られるオーロラの画像を交えながら時期、条件や確率をこの記事では見ていきたいと思います。
北海道で見られるのは低緯度オーロラ
北海道は地球上では低緯度の地域です。通常オーロラはツアーが行われているカナダや北欧などの高緯度地域で見られるものです。ですが高緯度の地域ではない北海道でもオーロラは見られます。低緯度で見られるオーロラのことを「低緯度オーロラ」とよばれています。
観測される地域が違うということは、北海道で観測されるオーロラ、更には発生する条件や確率、色や形にも違いがあります。
北欧やカナダのオーロラとは色が違う
高緯度の地域(カナダや北欧でのツアー)で見られるオーロラはエメラルドグリーンやブルーのような鮮やかな色を発し、カーテン状に発生します。その神秘的な発光や発色の様子はテレビや雑誌などの情報メディアによく取り上げられています。
北海道で見られるオーロラは海外ツアーで見られるものと違い「低緯度オーロラ」と呼ばれるもので宇宙からの電子が弱まり発生したものです。赤色やピンク色のような色を発し、靄のように発生します。条件が揃えば、黄色のオーロラが見られることもあるそうです。
北海道では毎年冬になるとサリハン北東部で発生した流氷がオホーツク海に流れ着きます。そしてそんな流氷を一番近くで見ることが出来るものが北海道にはあります。それが北海道綱走市から出ている「砕氷船おーろら号」です。
砕氷船とはその名の通り氷を砕きながら進む船のことです。北海道綱走市では「おーろら号」と呼ばれる砕氷船がありその大きな船体で氷を砕きながら海を進む姿は迫力満点といってもいいでしょう。
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北海道でのオーロラ観測記録
オーロラの観測は遠い昔、推古天皇(620年)のころから観測されています。以下の表でわかるように、オーロラはかなりの頻度で発生しており、同じ年に何度も発生していることもあります。更にこの表から北海道で発生する時期や条件、確率をくみ取ることができます。
発生年 | 発生場所 |
1990.3.30 | 稚内市 |
1991.6.5 | 陸別町 |
1991.10.29 | 陸別町 |
1992.2.9 | 陸別町 |
1992.5.10 | 陸別町 |
2004.11.08 | 陸別町 |
2015.3.18 | 名寄市 |
北海道では近年2015年にオーロラが観測されました、またこの表には載っていませんが同年にて同じく北海道でオーロラが観測され、1年に2度オーロラが観測された珍しい年になりました。残念ながら2018年、2019年に北海道ではオーロラの発生は確認されませんでした。
オーロラについて
北海道で見られたまたは見られるオーロラと高緯度地域でのオーロラの違いに関して見ました。そんなオーロラとはなんなのか、その仕組みや発生する確率、条件や色、形等とともに、高緯度地域、低緯度地域で見られるオーロラの違いに関して見ていきたいと思います。
オーロラとは何なのか
オーロラ(Northern Lights , Southern Lights)とは宇宙からやってきたプラズマと呼ばれる電子や陽子が空気にぶつかりその影響で空気が発光発色し観測される現象です。極光(Polar light)とも言います。
プラズマシートと呼ばれる地球の磁気圏のある場所にプラズマや陽子が溜まり地球の大気中の粒子と衝突することでオーロラが発生します。ですがその詳細については科学技術が発達した近代でもいまだに不明な点が非常に多いです。
オーロラの発生条件
オーロラが発生するうえで最も関わりがあるのが太陽です、北海道でのオーロラもおなじです。太陽が発する太陽フレアや太陽風が密接に関係しています。太陽フレアの活動が活発になり爆発し、磁気嵐と呼ばれる現象が起きた時にオーロラが観測されやすくなります。
平均で一か月に一回ほど磁気嵐は起き一度起こると1~2日間続きます。カナダや北欧では12月から4月の冬の時期になるとオーロラが見られる確率が上がります。ですが未だにオーロラは謎が多く1年に3回見られる可能性もあれば10年に1回の時もあります。
How Auroras are formed 💗 pic.twitter.com/qCFxesnSJI
— Scott Hefti 📓 (@Havenlust) November 28, 2019
オーロラは冬だけに見られるというわけではありません。季節と太陽活動が活発な時期は関係性がないため、チャンスは冬だけでないためしっかりと情報を集め強運の持ち主でしたらどの季節もオーロラを見ることができる確率はあります。
太陽からは、太陽風という風が吹いています。地球には太陽風から地球を守るために「磁場」と呼ばれる場所が存在します。太陽風が磁場に衝突すると磁場が乱れエネルギーが変換し蓄積されそのエネルギーが放出されることにより、北海道でオーロラが観測されます。
実は気温は関係無い
オーロラは寒いところにしか発生しないだから北海道やオーロラツアーをやっている海外ツアーは高緯度地域にしかない。そのように考えている方は多いと思います。ですが実はオーロラの発生確率に気温はあまり関係はしていません。
オーロラは宇宙で起きている現象です。なので地球の気温が直接オーロラに影響を及ぼすことはあり得ません。地球上で地磁気緯度が高い地域に高緯度地域が被っているだけです。なのでオーロラツアーをやっているところは北海道などの寒い地域に限定されます。
北海道でオーロラを観測する際は寒い時期に寒い地域に行くというのは皆さんご存じだと思います。そんなときに冷えた体を癒すために北海道川上郡標茶町にオーロラ温泉「オーロラファームヴィレッジ」があります。
北海道の大自然を味わえる露天風呂がここにはあり、夜に行けば星空を見ながら疲れた体を癒すことが出来ます。もし運が良ければ同時に北海道のオーロラ観測も夢ではありません。
昼間にも発生はしている
オーロラは暗いところにしか発生しないと思っている方は多いでしょう。ですが実はオーロラは昼間の明るい時間にも発生しているのです。オーロラの発光は明るくありません。なので、日中は太陽光の影響により見ることは難しいです。
また、オーロラには地球の夜中側のほうが昼間側のほうより出現しやすいというメカニズムを持っています。ですがオーロラの出現している数、時間を平均で表すと4-5時間に1度世界のどこかで発生していることになります。
オーロラの色や形
北海道で見られるオーロラは高緯度地域で見られるものとはまた違う色や形をしています。高緯度地域で見られるオーロラはエメラルドグリーンやブルーのような鮮やかな色を発し、カーテン状に発生します。
北海道で見られるオーロラは海外ツアーで見られるものと違い「低緯度オーロラ」と呼ばれるもので宇宙からの電子が弱まり発生したものです。赤色やピンク色のような色を発し、靄のように発生します。
オーロラ帯に発生する
オーロラは通常オーロラ帯といわれるところに発生します。オーロラ帯とはオーロラが発生する場所のことで、帯状でドーナツ型の地帯のことです。地磁気の緯度を北半球でいえば、北緯65度から78度付近にかけてのあたりを指します。
日本人の感覚では、日本でオーロラを見られる可能性のある北海道は地球上でかなり北に位置しているように思われています。ですが北海道最北端に位置する北緯45度の稚内ですら、オーロラ帯に含まれない低緯度地域なのです。
北海道がオーロラ帯に入っていないとはいえ、諦めることはありません。実際に過去に何度もオーロラは見られており、近年(2004年、2015年)でも観測されています。オーロラを見れる確率は十分あるといってもいいでしょう。
以前は不吉の象徴とされていた
オーロラが世に知れ渡ったのは17世紀ごろだと言われています。オーロラが世に知れ渡ると、欧州の研究者がローマ神話に登場する暁の女神アウロラ(Aurora)の名前が付けられました。しかし、そのころ低緯度オーロラと分かる研究や情報などはありませんでした。
現在と同じで時期も時間も未確定のため珍しく、何か災いが起きる前兆、凶兆として捉えられていた頃もあったそうです。
日本書紀におけるオーロラ
日本でも古くからオーロラは知られており、日本書記には推古天皇の代に記述が残されています。日本は昔から赤色に見えるオーロラを赤気(せっき)と呼び、まれにこの現象が起きていたようです。
北海道で見られるオーロラや大気の発光現象を主に研究している大学チームがあります、その中でも明治大学理工学部物理学科は研究キーワードオーロラ、大気光、夜行雲などをもとにオーロラの歴史や仕組みを研究しています。
北海道でオーロラを見られる可能性がある場所
北海道でオーロラが見られる場所、もしくは見られた場所はいくつか存在します。オーロラを見られる可能性のある場所、さらにその場所の特徴も含めて紹介したいと思います。
日本では稀にしか見られない
北海道は日本でもオーロラが見られる場所ですが、日本のどこでも見られるのかとなるとそうではありません、残念ながら北海道でさえオーロラを見られるのは極稀なことなのです。
オーロラを見られる可能性が高い地域
北海道のなかでもオーロラの観測が過去に何度もされ、尚且つこれからも観測が期待できる地域を町の特徴とともに紹介していきたいと思います。
①陸別町
陸別に、ついに雪が降りました。
— 北海道_陸別町 (@rikubetsu) November 18, 2019
しばれシーズンの始まりです! pic.twitter.com/mmeg0uviT6
北海道東方面十勝の最北端に位置する陸別町は寒暖差がとても激しく、日本で一番寒い街と言われています。その温度差は70度あるとも言われ、冬の平均気温は-11.4度にもなり1978年2月に過去最低気温を非公式ながら-38度を観測しています。
オーロラ観測で有名なカナダ・イエローナイフの気温は12月から3月までの平均最低気温が-27度(JATA調べ)、陸別町とほぼ変わらない寒さです。
②名寄市
今日は北海道名寄市の名寄教会に行ってきました。今現在の気温は+3度でみぞれ(霙)風の雨が降ってきました。今晩から-気温のなる予報です。 pic.twitter.com/8VH8fYRhDX
— ニック小向 (@nikku_komuk) December 1, 2019
北海道の北に位置する名寄市は、天塩川と名寄川が豊かな恵みをもたらす自然豊かな街です。冬の平均気温は-9.4度過去最低気温は-15.8度が記録されました。2015年3月18日(水)11年ぶりに低緯度オーロラが観測されました。
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③稚内市
日本最北端の碑 (2016年2月16日 北海道稚内市 宗谷岬) pic.twitter.com/X2I4MPfF74
— 旅行写真bot (@pic_travel) November 20, 2019
日本国内の最北端に位置している稚内市、宗谷地方の行政・経済の中心地、ロシアサハリン州をはじめとする北方圏への玄関口になっています。冬の平均気温は-4.7度、過去最低気温は-18.3度が記録されました。
北海道稚内市で2015年6月23日に低緯度オーロラが観測されています。同年に北海道名寄市でも低緯度オーロラが観測されたため、年に2度も観測された珍しい年になりました。
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北海道のオーロラを見るためには運も必要
北海道でオーロラを見るためにはもちろん事前の情報収集などをしっかりして、条件が合う日や確率の高い日を選ぶのが一番です。ですがそんな日でも絶対に見られるというわけではありません。その他にも運が必要なのです。
太陽活動は11年周期
太陽活動周期は太陽の活動情報(物質の放出、太陽放射のレベル等)や見かけ(黒点の数やフレア等)の変化のことを言います。その活動周期は約11年周期だと言われていますが、その謎はいまだにわかっていません。
1610年にかの有名なガリレオ・ガリレイが作った望遠鏡で黒点の観察を始めて以来、400余年あまりにわたり人類は太陽を観察してきました。ですが、なぜ太陽に活動の周期があるのか解明されていない謎多き現象なのです。
北海道で見られる時期は9月~4月
北海道で1年のうちにオーロラが出やすくなるのは春分や秋分の時期だと言われています。9月から4月にかけて、時間は20:00から23:00ごろに条件が合うと2,3回1日でオーロラが見られるときもあります。
事前の情報収集を忘れずに
北海道、または海外のオーロラ観測に行かれる方には事前の入念な情報収集がとても重要になります。ここからはどんな情報を集めればいいのか見ていきたいと思います。
①太陽活動情報
オーロラを見るには太陽の活動情報が大切になってきます。太陽の活動は約11年周期ともいわれていますが、近年(2003年、2004年、2013年、2015年)にオーロラが観測されています。11年周期でしか見られないというわけでもないのかもしれません。
②科学ニュース
Northern Lights Alaska 🌹 pic.twitter.com/y9lPLHq650
— 🏔️Simmi🏔️ (@Shadow135Simmi) November 29, 2019
オーロラの発生を予測することに大きく役に立つのが、常のニュース記事チェックだけでなく「科学ニュース」をチェックすることです。さらに科学専門雑誌や記事を確認することで、大気の状態やオーロラをキレイに観測できる情報をそろえる事が出来ます。
したがってオーロラ観測をする際は海外国内問わずに集められる情報はできるだけ欠かさずチェックすることをおすすめします。
③天気予報
今日の全国天気を出しときます。
— ΔゆうまΔ (@0ey326092ty1t3p) December 2, 2019
札幌は大雪、東京は晴れ、大阪は曇りのち晴れです。
札幌の最高気温は1度、大阪は12度、東京は17度です。#NHK#おはよう日本#天気予報#気象情報 pic.twitter.com/UsqOSOwEQv
オーロラ発生の大切な要因でもあるのが天気や気候・気温の影響となります。オーロラが発生する可能性がどれだけ高まった日でも天気が悪く雲行きが怪しければキレイなオーロラを観察することは難しくなります。ですので天気予報をしっかりと確認しておきましょう。
オーロラ観測の事前に準備をしておきたいもの
オーロラ観測は自然との闘いになります。準備を怠ってしまいせっかくの観測がつまらないものになってしまってはとても残念なものです。ここからは何を準備すればいいのか見ていきたいとおもいます。
カメラは高性能なものを
北海道では何年かに一度しか見られないからこそ、その瞬間、その現象をずっと残しておきたいものです。ぜひともカメラは高性能のもの、もしくは高性能ではなくともオーロラ用設定が出来るものを用意しましょう。
オーロラの光の特徴として光が弱い、波のような特徴的な動きをするこの2つがあります。街の明かりを撮影したり、明るい部屋で撮影をするのとは勝手が違います。残念ながら、一般的なデジカメやスマホのレンズの写真では、キレイに映らない状態になってしまいます。
オーロラをキレイに撮影したければ、シャッタースピードを10~15秒程度まで落とせる、光を捉える能力(ISO感度)を高く調節できる、広角の明るいレンズを選ぶこと、この3つに対応できるカメラを選びましょう。
防寒具
北海道陸別町や名寄市などのオーロラ観測時は気温が低く底冷えするような場所での観測となります。その為、しっかりとした防寒具を準備していくことが楽しいオーロラ観測をするうえで大切になります。
出来れば動きやすく防風のものを選びましょう。場所によっては標高が高く、雪が深く積もっている場所が存在する可能性は十分あり得るため、油断大敵です。
陸別の冬はー30℃に達することも
北海道東方面十勝の最北端に位置する陸別町は日本で一番寒い街と言われ寒暖差がとても激しくなっています。冬の平均気温は-11.4度にもなり1978年2月に過去最低気温を非公式ながら-38度を観測しています。
また、その温度差は70度あるとも言われています。オーロラ観測で有名なカナダ・イエローナイフの気温は12月から3月までの平均最低気温が-27度(JATA調べ)、陸別町とほぼ変わらない寒さです。
【陸別町】耐寒生活体験2020 参加者募集中!!!!
— 北海道_陸別町 (@rikubetsu) November 18, 2019
日本一の耐寒生活体験ではしばれフェスの準備作業が目玉となっております!氷点下10度以下の中、町民の一人になって体験!
陸別町民になると毎年恒例の行事です。寒さを楽しみに変えてしまいましょう!
※体験の詳細は陸別町HPをチェック! pic.twitter.com/dNNkL0Ys62
北海道陸別町では、日本一寒い夜を過ごす「人間耐寒テスト」が開催されています。このコンテストは、陸別町のお祭り「しばれフェスティバル」の一環で、参加者は午後9時~翌朝7時までを会場内で過ごします。
寝泊まりはかまくら型の住居「バルーンマンション」と呼ばれる「氷のかまくら」で過ごします。参加者は唯一の暖である「命の火」で暖を取ります。参加の申し込みは1月11日~1月14日まで受け付けられています。
北海道のオーロラは出会えたらラッキー
北海道のオーロラは様々な条件が重なり、さらには強運の持ち主でないと見られることはできませんたとえ確率がどれだけあってもです。ですが北欧やカナダなどのオーロラとはまた違った魅力が秘められています。
情報収集をしっかりとすれば、何年かに一回は見られるオーロラを見られる確率は格段に上がります。ぜひとも日ごろから情報収集をして、一生の思い出として記憶、記録をしてみてはいかがでしょうか。