「金鶏山」は平泉を守る伝説の小さな山!登山情報や名前の由来まで解説!
奥州藤原氏の歴史が残る金鶏山は、岩手県の平泉にある小さな山です。2011年6月には中尊寺や毛越寺とともに世界遺産へ登録されました。今回は金鶏山にスポットを当てて、名前の由来からアクセス方法、登山情報などを紹介していきます。
金鶏山とは
平泉の金鶏山、無量光院の背後に位置する。夕日の景色が素晴らしいらしい。 pic.twitter.com/L6TpxvHnhj
— ほや (@mrhoya) January 9, 2017
「金鶏山」と聞いて、聞き慣れないかたも多いかもしれません。金鶏山は「きんけいざん」もしくは「きんけいさん」と呼び、岩手県にある山のことです。大きな山ではありませんが、歴史的にとても重要で2011年には世界遺産に登録をされています。今回は金鶏山について注目し、特徴や登山情報をご紹介していきます。
平泉を守る伝説の小さな山!
金鶏山は標高が98mと小さな山で、岩手県西磐井郡平泉町にあります。かつて奥州藤原氏が平泉の都市構想を考えた際に、中心的な役割となるよう考えられた山です。平泉には中尊寺や毛越寺などがありますが、金鶏山との位置を考慮して建設されました。平泉へ訪れた際には、欠かしてはいけない観光スポットと言えるでしょう。
金鶏山の基本情報
名称 | 金鶏山 |
住所 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉字花立地内 |
料金 | 無料 |
HP | 公式サイト |
アクセス方法
金鶏山へアクセスする方法は2つあります。1つめは、公共交通機関を使用したアクセスです。最寄り駅はJR平泉駅で、そこからバスに乗り換え鈴沢バス停で下車をします。鈴沢バス停から金鶏山までは徒歩5分ほどで到着します。
2つめは、車を使用したアクセスです。平泉前沢ICを降りて、中尊寺方面へ15分ほど走らせると金鶏山へ到着します。ただし、金鶏山には専用駐車場がありません。そのためなるべく公共交通でアクセスするのがおすすめです。
金鶏山の特徴や歴史
金鶏山は平泉の伝説が残る宗教的にも深い山です。その歴史はとても深いことが分かっていて、観光名所としても魅力的です。そこで、ここからは金鶏山の特徴についてまとめていきます。
特徴①中尊寺と毛越寺の中間に位置する小さな山
まずは金鶏山の位置についてです。金鶏山は金色堂で有名な中尊寺と、庭園が有名な毛越寺の中間地点にあります。山の麓と山頂の高さはたった60mしかありませんが、急斜面となっているのが特徴です。
特徴②平泉の世界遺産
【日本/岩手県】中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山の5資産からなる「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」はこの地の豪族であった奥州藤原氏の遺産。 pic.twitter.com/YIGfCzeBgh
— 世界遺産好き! (@fsc7777) August 11, 2016
金鶏山の最大の特徴は、2011年に世界遺産へ登録されていることです。正確には「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の中の1つとして、金鶏山があります。
金鶏山と一緒に世界遺産へ登録されたのは、中尊寺や毛越寺、藤原基衡の妻が建てたと言われている観自在王院跡、巨大な寺院があったと言われる無量光院跡です。
特徴③金の鶏を埋めたことから「金鶏山」と呼ばれる
台密では「中尊志神伝。人魂魄也。但頂鶏戴事。僧正本命曜之金曜也。」…中尊が人の魂魄であり、中尊の頭部の鶏冠は僧正の本命曜が金曜星であるとしている。恐らく奥州藤原氏の築いた中尊寺の名は、ここからきている。金鶏山に黄金の雌雄の鶏を埋めたという伝説は、この星の信仰に基づくだろう。 pic.twitter.com/C8YY8l5Ln7
— 岩手のGO (@IwatenoGO) February 8, 2018
金鶏山と呼ばれるようになったのは、「平泉を守っていくために、山頂部分に金色の鶏を埋めた」と言い伝えられていることからです。
昭和初期にはこの伝承の真偽を確かめるために、発掘調査も行われました。なお、発掘調査によって壺などの陶器類が発見されています。また歴史的に見ても大変貴重なため、発掘類は東京国立博物館や千手院で保管されています。
特徴④源義経公の妻子の墓がある
金鶏山登山口の近くにこんなものが。
— サトーマン (@msakura51) June 30, 2019
源義経妻子の墓#平泉 pic.twitter.com/xuFEBWqzb5
そして金鶏山の麓には源義経公の妻子の墓があります。妻子の墓は金鶏山の入り口にあるため、非常に訪れやすいです。元々は金鶏山に墓がありましたが、現在の位置に移動されました。
金鶏山の登山情報と注意点
無量光院跡から金鶏山を望む。 #平泉
— 右衛門尉 (@yamashiro90) July 30, 2016
春分秋分には金鶏山の山頂に日が沈む pic.twitter.com/ZJaFk2iKM2
世界遺産へ登録されている金鶏山は、登山が可能です。もし登山する場合は、注意点がいくつかあります。ここからは登山情報について詳しくみていきましょう。
登山適期は4月上旬~5月中旬〜10月中旬~12月上旬
金鶏山は標高が高くはありませんが、冬になると雪深くなるため登山するにはある程度の危険が伴います。そのため推奨時期は、雪が溶けた4月上旬~10月中旬くらいです。12月上旬くらいまでは登山可能ですが、紅葉の時期は景色が綺麗なので秋の終わりくらいまでをおすすめします。
入山についての注意点
「27」金鶏山は登山禁止とされているが、私は看板のきまりを守るし岩場を登る事はしない。散歩がてらに登る方も居たので便乗して登山開始。千手堂と源義経公妻子の墓に手を合わせ、道なりに頂上へと歩みを進める。妻子の墓から頂上へは、ここから約170㍍先であり、少しづつ勾配がキツくなって行く。 pic.twitter.com/Tw6cWLXJaR
— 【心霊スポット】ancestor (@27ancestor) August 31, 2018
2011年に世界遺産へ登録されたこともあり、金鶏山に登るためにはいくつか注意点があります。当たり前ですが、入山した際には喫煙やゴミの放置は禁止です。他にも、ペットと一緒に登ったり、金鶏山に生息する植物は採取したりしてはいけません。金鶏山の入り口には注意看板があるので、よく読んだ上で登りましょう。
群馬県にある金鶏山(妙義山)は登山禁止
金鶏山は岩手県の他に、群馬県や宮城県に同名の山があります。特に群馬県の金鶏山は、白雲山、金洞山を含め妙義山と位置付けられているため有名です。金鶏山の名前をネット上で調べると「妙義山」や「筆頭岩」とヒットしますが、混同しないように注意しましょう。
左奥は妙義山の一部の金鶏山。古い火山の削り残しという風貌。登山禁止らしい。 pic.twitter.com/9xzWjRJkWX
— 東播磨ゴードン (@godon_) November 3, 2015
ちなみに妙義山の金鶏山は「日本三大奇勝」と呼ばれ、絶景を望むことが出来るのが特徴です。そして妙義山の金鶏山には、ロッククライミングで名前が知られている筆頭岩があります。ただし筆頭岩を含め妙義山の金鶏山は落石が多いこともあり、現在は登山が禁止されています。筆頭岩や妙義山の金鶏山の登山は自己責任となるので、要注意です。
ちなみに金鶏山は麓から250mと書いてあるが、あまり登る人もいないからか落ち葉などがかなりあり、何気に坂道も続くので街歩きの足元での登山はお勧めしない。 pic.twitter.com/hyGYH7hQdl
— 畠山重忠 (@Shigetada_bot) March 30, 2014
一方で今泉にある金鶏山は、標高が高くないためとても登りやすい山です。麓から山頂までは整備された道が続いており、急坂ながらも10分ほどで登れます。そして山頂には祠があり、平泉の歴史や伝説を感じられます。
伝説が残る金鶏山に行ってみよう!
次に金鶏山(きんけいざん)
— CubeLeo (@CubeLeo_qma) August 7, 2017
清衡が平泉の繁栄を願って金の鶏を埋めたという逸話に由来。ロマンありますね。各寺院が建てられる際、この山との位置関係を重要視していたそうです。
写真は金鶏山入り口。奥に義経と妻子のお墓があります。神聖を通り越してちょっと不気味でした( ̄▽ ̄;) pic.twitter.com/A85joDC9FG
平泉の世界遺産へ登録された金鶏山について紹介しました。金鶏山は中尊寺や毛越寺などと比べて、有名ではないかもしれません。しかしながら、奥州藤原氏の歴史を学ぶ上で非常に重要なスポットです。ぜひ金鶏山を訪れ、悠久の歴史を感じてください!