「口取り菓子」って何?その意味や由来を解説!北海道の正月には欠かせない!

北海道には「口取り菓子」と呼ばれるお正月に欠かせない食べ物があります。北海道と一部地域にだけの定番として有名な「口取り菓子」とはどんなものでしょうか。テレビでも紹介され有名になった北海道特有の「口取り菓子」について、その意味や由来を解説しています。

「口取り菓子」って何?その意味や由来を解説!北海道の正月には欠かせない!のイメージ

目次

  1. 1北海道では有名な「口取り菓子」とは
  2. 2北海道の「口取り菓子」定番の形
  3. 3「口取り」の意味・由来
  4. 4北海道内で口取りが買える場所!
  5. 5口取り菓子は北海道特有の食文化!

北海道では有名な「口取り菓子」とは

おせち

「口取り」という言葉を茶道やおせち料理などに関係する言葉として耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。

テレビ番組などで紹介され北海道の食文化として有名になったのが「口取り菓子」と呼ばれるもの。本州にも「口取り菓子」と呼ばれるものはありますが、北海道のとは少し意味が変わってきます。

「口取り菓子」は北海道ではお正月に欠かせない縁起物です。北海道の子供たちはお年玉と同じようにこの「口取り菓子」を毎年待ちわびています。この北海道の「口取り菓子」とはどういったものなのか、意味や由来などを解説していきます。

北海道のお正月の大定番!

一般的に「口取り」はおせちなどの本膳料理に添えて出す甘味のある勝栗(くりきんとん)、熨斗鮑、昆布などをお盆に乗せたものを意味しています。

本州とは違った独特の食文化や風習ができてきた北海道で、「口取り菓子」は定番の正月のお菓子を意味しています。口取り菓子は、北海道ではお正月に食べる大定番でコンビニやスーパーマーケットなどどのお店でも必ず見かけるお菓子の一つです。

北海道民はこの口取り菓子は全国的に食べられていると思っている人がほとんどで、他県に移住した人などは正月にこの口取りが売っていないことに寂しさを感じるのだとか。

青森の一部でも

北海道はとても有名な「口取り菓子」ですが、青森の一部地域でもこの「口取り菓子」が正月に食べられています。北海道特有と言われている「口取り菓子」は青森の一部地域で正月の定番として家庭に親しまれているようですね。

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大晦日の供え物の役割も

本来はおせち料理を神棚や仏壇に挙げてから食べる風習がありましたが、それを簡略化させたものが「口取り菓子」ではないかと言われています。この風習の名残で北海道では「口取り菓子」をまず神棚や仏壇に挙げてご先祖様にお供えします。

おせち料理は豊作などに感謝してその作物で作った料理を神様に供えたのが始まりで、その献立の一つ一つに意味があります。また、その年の幸せを願いながらおせち料理を食すのが正月の風習でした。

祝箸と呼ばれるおせちを食べるための箸は両端の先端が細くなっていて、大晦日には箸袋に名前を書いて神棚に置く風習があります。その箸を使うことで年神様と一緒におせちを食べて縁起を担ぐことができる、ということです。

北海道では「口取り菓子」を神棚に上げるのはこのおせち料理の由来から大晦日にお供えする供え物の役割ではないかとされています。

中身はあんこの練り菓子

色々な形に形取られた「口取り菓子」ですが、和菓子の練り切りと同じ素材で作られています。和菓子の練り切りは白あんを練って形を作っています。

かまぼこにも見える「口取り菓子」ですが、本体は白あんで中にこしあんが入っているものもあります。形については後ほどご紹介する定番の形のほかに、羊羹が入っていて全体的に甘いお菓子という印象です。

おせちの合間や食後に食べる

日本茶

あんこで作られている口取り菓子ですが、おせちを食べる合間のお口直しとして食べたり、食後に食べたりしています。甘くておいしいので北海道の子供たちには特別なお菓子としてケーキなどと並んで人気です。

お茶のお供が定番

抹茶

北海道の定番として有名なカラフルで見た目も可愛い「口取り菓子」。今では仏壇などに供えたあと、お茶のお供として家族や訪れるお客さんとのお茶の時間にお茶のお供として食べるのが定番となっています。白あんの和菓子ですが優しい甘さでコーヒーや紅茶などにも合います。

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北海道の「口取り菓子」定番の形

北海道の子供たちにも人気の「口取り菓子」。このお菓子にはいつの頃からか定番の形が存在します。縁起を担ぐという日本の文化に添った北海道の「口取り菓子」ですが、一般的に売られている「口取り菓子」はどのような形が定番なのでしょうか。

口取り菓子の定番の形①鯛

まず定番の形として上げられるのが「鯛」。縁起物の定番として「口取り菓子」に必ずと言ってよいほど入っているのが鯛の形の「口取り菓子」です。

”おめでたい”という言葉を絡めてお祝いの席でも実際に鯛の塩焼きを食べることもありますが、その紅白の色合いも縁起が良いとされ日本では重宝されている高級魚です。

口取り菓子の定番の形②松竹梅

定番の形の二つ目は「松竹梅」です。”松”は寒い季節でも枯れない常緑樹として「長寿」の象徴の縁起物とされ、”竹”は地に根を張ってまっすぐに伸び新しい芽をどんどん出すので「子孫繁栄」の縁起物として、梅は「気高さ」の象徴として古来から日本人に愛されてきました。

口取り菓子の定番の形③海老

定番の形の3つ目は”海老”。腰が曲がっても元気でいる姿から「腰が曲がるまで丈夫で元気でいられるように」と願いが込められた縁起物です。おせち料理に海老が入っているのも長寿の願いがこもっています。

口取り菓子の定番の形④干支

定番の形四つ目は「干支」。やはりお正月の縁起物のお菓子なので干支が加わります。自分自身の干支をお守りやお札などを見につけると「無病息災・厄除け」として縁起が良いとされています。

ほかに家庭に飾っておくと「家内安全」、人に授けると「招福祈願」や「安寧長寿」をもたらす物としてその縁起を担ぐとされています。お店では十二支揃って売っていることもあるそうです。

「口取り」の意味・由来

黒板

「口取り」の似たような言葉を探すとすれば、「口直し」でしょうか。ただ実は、「口取り」の由来はよくわかっていないそうです。「口取り」という言葉はかなり昔からあるそうですが、江戸時代以前からあるというのがわかっているだけで由来はわからないといわれています。

北海道は色んな地域の文化が集まってミックスされ、環境の中で簡略化されていることも多く、「口取り」もそんな状況からから生まれた由来があるのではないかとという説もあるのだそうです。

「口取り」の由来は口取り肴から

「口取り」の由来ははっきりとはわかっていませんが様々な説がこの「口取り」という言葉にはあります。有名なところでは「口取り」の由来のひとつに、「口取り肴」という言葉があがります。

口取り肴とは

日本酒

「口取り肴」とは、正月に訪れたお客さんにおせち料理を出す前のお酒のおつまみとして昆布や勝栗、かまぼこ、ごまめなどを盛り合わせたものを指します。一般的には奇数が縁起を担ぐとされていて、「口取り肴」は3品~9品の奇数の品数を盛り合わせています。

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一般的な「口取り菓子」の意味

抹茶

「口取り菓子」というと、北海道ではお正月に食べる縁起物の形をしたお菓子のことを指します。本州にももちろん「口取り菓子」という言葉が存在しますが、北海道以外の地域では「口取り菓子」は茶道のお茶のお供に出すお盆に乗った和菓子のことを意味しています。

おせちの代用品だったとの仮説が!

おせち料理はそもそも新しい年と迎える際に、神様にお供えする料理でした。おせち料理を模して作った縁起物の鯛や海老の形をしているお菓子をおせち料理の代用品として神棚に上げたという仮説もあるそうです。

北海道内で口取りが買える場所!

袋

北海道ではどのこの商店でも「口取り菓子」を購入することができます。クリスマスが終わると一斉に店頭に並びだし、山ほど積み上げている売り場もあるほどです。

口取りが買える場所①スーパー

北海道のスーパーマーケットとして有名なのがコープをはじめラルズやラッキー。北海道に根差した地域密着型のスーパーです。このほかにも北海道のどのスーパーでも口取りが販売されています。

口取りが買える場所②コンビニ

北海道のコンビニといえば、セイコーマート!道民が愛するコンビニの大手はもちろん、他のコンビニエンスストアでも口取りは販売されます。

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口取りが買える場所③和菓子店

口取りは和菓子なのでもちろん和菓子屋でも購入できます。豪華なものになるとおせち料理のようにお重に入った「口取り菓子」も販売されているのだとか。

また、和菓子屋ならではの技術で定番の形以外の口取りも販売されています。可愛いらしい口取りは食べるのが勿体ないと感じてしまうほどです。札幌の人気和菓子店はこちらでご紹介していますので併せてご覧ください。

口取り菓子は北海道特有の食文化!

北海道では超定番の正月のお菓子「口取り菓子」。北海道特有の食文化としてテレビ番組でも紹介され、他の地域でも有名になってきました。

お正月限定で食べられるお菓子としてスーパーに習う様子は本州ではなかなか見られない独特の風景です。その数も膨大で旅行の土産話にもきっといい話題になるのではないでしょうか。ぜひお正月時期に北海道に訪れた際にはこの「口取り菓子」をお試しください!

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この記事のライター
ぶんゆみ
一人旅、時々現地集合な旅が好きです。海外・国内・ご近所も暇さえあれば飛んでいきます。

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