登山者必見！東北の1度は登りたい山BEST16！難易度や見所は？

東北地方は北アメリカプレートの上に在り、東から太平洋プレートが潜り込んでいます。その境界線上には「那須火山帯」が走っており、北から恐山、八甲田山、八幡平、岩手山、栗駒山、蔵王連峰、吾妻連峰、安達太良山、那須岳などの火山が連なっています。

また、日本海側のユーラシアプレートとの境界には「鳥海火山帯」が走り、北から岩木山、鳥海山、月山が居並ぶなど、東北地方は火山の多い日本列島の中でも屈指の火山地帯となっています。

悠久の歴史の中で火山活動によって形成された東北の山々。初心者から上級者まで多くの登山者を惹きつける山の中には、世界遺産や日本百名山に認定されている山もあれば、古くから修験道の霊場などとして信仰される山、絶景や温泉など様々な魅力を持つ山もあります。

この記事では、東北地方に300座以上ある人気の山の中から、特におすすめの山を16座選び抜き、おすすめのポイントや標高、難易度、登山の安全確保には欠かせない山小屋の有無などとともにご紹介いたします。

それでは早速、東北のおすすめ登山ランキングBEST16をご紹介していきます。まずは16位から7位までのご紹介です。

東北のおすすめ登山ランキング第16位は「太白山」です。宮城県仙台市にある標高320mの山で、「仙台富士」もしくは「名取富士」とも呼ばれています。縄文時代から信仰されてきた歴史ある山で、山名は「太白星（金星）」が落ちてできたという伝説に由来します。

登山の難易度としては初心者向けで、登山道の歩行距離は約6㎞、山頂までの所要時間は約2時間半です。山頂には807年に建立された貴船神社が鎮座しています。

東北のおすすめ登山ランキング第15位は「大高森」です。宮城県東松島市の宮戸島にある標高106mの山で、古くから日本三景・松島を眺望する地として有名です。

その眺めは「壮観」と呼ばれ、大仰寺の「麗観」、扇谷の「幽観」、多聞山の「偉観」と併せて「松島四大観」の一つに数えられています。表登山口からの歩行距離は約700m、所要時間は15分ほどですので、旅行の立ち寄り先としても気楽に足を運ぶ事が可能です。

東北のおすすめ登山ランキング第14位は「早池峰山」です。岩手県にある標高1,917mの山で北上山地の最高峰、日本百名山にも選ばれています。六角牛山、石上山とともに「遠野三山」と呼ばれ、古くから山岳信仰が盛んな山でした。

また、全山がかんらん岩や蛇紋岩と言った超塩基性岩でできており、ハヤチネウスユキソウ、ナンブトラノオなど固有種を含む高山植物が生育しており、高山植物のファンにとっては憧れの山ともなっています。登山口からの歩行距離は約7㎞、所要時間は約6時間で、難易度は上級者向けです。

東北のおすすめ登山ランキング第13位は「一切経山」です。福島県にある標高約1,949mの山で、吾妻連峰を構成する山の一座です。山名は、内閣総理大臣・安倍晋三の祖先とも言われる安倍貞任が仏教の経典である一切経を埋めたという伝説に由来します。

コバルトブルーの水面が美しい五色沼は「魔女の瞳」や「吾妻の瞳」とも呼ばれ、旅行客にも人気の絶景スポットです。

一切経山の歩行距離は約8㎞、所要時間は約2時間半、難易度は初心者向けとされています。しかし、一切経山を登る際には今尚活動を続ける火山である事を忘れてはいけません。

実際に、1893年には噴火によって2名の死者が出ています。その為、登山道には避難所も兼ねた山小屋が5か所程整備されています。山小屋には有人の山小屋と無人の山小屋がありますが、一切経山の場合は「吾妻小屋」以外の山小屋は無人です。

東北のおすすめ登山ランキング第12位は「駒ヶ岳」です。秋田県と岩手県に跨る標高1,637mの活火山で、日本二百名山に選ばれています。地元では「秋田駒」とも呼ばれ、かつては女人禁制とされた信仰の山でした。

山頂一帯にはヒナザクラやタカネスミレなどの高山植物が咲き、1926年には国の天然記念物にも指定されています。遠くに田沢湖を望む絶景でも人気です。

八合目まで車で乗り入れることができるため、歩行距離は約7㎞、所要時間は約3時間半ほどです。難易度は中級レベルとなっていますが、初心者が中級レベルの山に挑む最初の山としても人気です。

また、乳頭山から小白森、大白森を越えて八幡平にも繋がっています。尾根が登山道となっており、途中に避難用の山小屋なども整備されているため、縦走に挑戦する上級者にも重宝されています。

東北のおすすめ登山ランキング第11位は「蔵王山」です。宮城県と山形県の県境に位置します。山名は蔵王権現がこの山に祀られたことに由来しますが、実際に蔵王山という山はなく、熊野岳、刈田岳、屏風岳などの山を総称して「蔵王連峰」と呼ぶのが一般的です。

刈田岳から望む御釜や日本の滝百選にも選ばれた三階の滝などの絶景や麓にある遠刈田温泉など多くの名所があり、初心者や旅行客にも人気の山です。

日本百名山や東北百名山にも指定され、周辺の観光開発も進んでいることから人気の観光地となっており、夏場を中心に多くの登山者で賑わいます。

一般的な登山道であれば歩行距離約10㎞、所要時間約4時間半、難易度は初心者向けです。登山道の途中、熊野岳と刈田岳に避難用の山小屋がある他、蔵王ハイラインの終点地点には土産屋やレストランも併設する蔵王山頂レストハウスなどもあります。

東北のおすすめ登山ランキング第10位は「磐梯山」です。福島県にある標高1,816mの山で、「会津富士」とも呼ばれます。日本百名山の一つにも選ばれ、福島県の象徴的な山として地元住民は元より、旅行客にとっても人気のおすすめ定番スポットです。

長年の火山活動によって、南側から見る表磐梯と北側から見る裏磐梯で全く山の姿が異なるのも特徴です。また、眼下に広がる猪苗代湖の絶景も登山者に人気です。歩行距離は約14㎞、所要時間は約6時間、難易度は中級レベルです。

東北のおすすめ登山ランキング第9位は「高尾山」です。秋田県にある標高383mの山で、征夷大将軍・坂上田村麻呂が夜叉鬼という鬼を退治したという伝説が残り、山頂には坂上田村麻呂が715年に創建したと伝わる高尾神社が鎮座する信仰の山です。

この山で旅行者に人気なのが、早朝に現れる雲海です。この絶景を求めて多くの旅行者が高尾山を訪れます。駐車場からの歩行距離は約2㎞、所要時間は約1時間と登山には多少物足りないかもしれませんが、難易度は初心者向けで、旅行途中の立ち寄り先としても人気です。

東北のおすすめ登山ランキング第8位は「西吾妻山」です。山形県と福島県の県境にある標高2,035mの山で、山頂北側にある天狗岩には吾妻神社が祀られ、古くから修験道の霊場とされてきました。

歩行距離は約10㎞、所要時間は約5時間、難易度は中級レベルですが、高原地帯の木道、避難用の山小屋、天元台口からのロープウェイなどが整備されており、初心者や旅行者でも比較的気軽に楽しめる山としても人気です。

東北のおすすめ登山ランキング第7位は「岩手山」です。標高2,038mの成層火山で、岩手県の最高峰であり、シンボルとも目されています。日本百名山にも選定されており、「厳鷲山」とも呼ばれています。

古くから信仰の対象とされてきました。今なお現役の活火山で、2004年までは入山規制も行われていました。八合目と不動平に避難用の山小屋が整備されています。歩行距離は約17㎞、所要時間は約9時間、難易度は上級者向けです。

東北のおすすめ登山ランキングBEST16を7位までご紹介いたしました。古の伝説に彩られた山や絶景を拝める山、百名山に選ばれる名峰など、いずれも魅力的な山ばかりです。続いて、BEST3直前の6位から4位までの山をご紹介いたします。

東北のおすすめ登山ランキング第6位は「泉ヶ岳」です。宮城県仙台市にある標高1,172mの山で、東北百名山にも選ばれています。山名は豊富な湧水に由来し、仙台平野を潤す水源として古くから大切にされてきました。

仙台中心部から車で1時間ほどと近い事から登山者にも人気です。歩行距離は約8㎞、所要時間は約4時間、難易度は中級レベルです。

東北のおすすめ登山ランキング第5位は「八甲田山」です。八甲田山という名前の山は存在せず、18の成層火山などで構成される火山群の総称です。標高は1,585mで日本百名山にも選定されています。

周囲は世界でも有数の豪雪地帯とされ、1902年に陸軍第5連隊が雪中行軍途中に遭難した「八甲田山雪中行軍遭難事件」はあまりにも有名です。また、現役の活火山でもあり、山中には火山ガスが噴出するポイントもあり、1997年と2010年には火山ガスによる死亡事故も起きています。

八甲田山という名前には、「沢山の峰と湿原がある」という意味があり、その名の通り、周囲にはいくつもの湿原が広がっています。秋には湿原に生える植物が紅葉し、他の山では見られない素晴らしい錦秋を呈します。また、冬季の樹氷も見どころの一つです。

歩行距離は約9㎞、所要時間は約5時間ほどです。登山道自体は整備されており、歩きやすい事から難易度は初心者向けですが、天候の変化には十分留意する必要があります。登山道には、避難用の山小屋なども整備されています。

東北のおすすめ登山ランキング第4位は「八幡平」です。岩手県と秋田県に跨って位置し、約4万haの広い高原の各所に火山を起源とするピークがいくつも存在し、その周囲に無数の沼や湿原があります。標高は1,614ｍで、十和田八幡平国立公園に指定されています。

複数のトレッキングコースが整備されている他、周辺には蒸ノ湯温泉などもあり、登山者だけでなく旅行者にも人気のスポットです。歩行距離は約8㎞、所要時間は約3時間、難易度は初心者向けです。

東北のおすすめ登山ランキングBEST16を4位までご紹介いたしました。残すはいよいよBEST3のご紹介です。八甲田山や八幡平と言ったメジャー級のスポットを抑えて1位の栄冠を手にするのはどの山なのでしょうか。

東北のおすすめ登山ランキング第3位は「栗駒山」です。宮城県、秋田県、岩手県の三県に跨る標高1,626mの山で、日本二百名山にも選定されています。山名は山頂西側の斜面に初夏になると馬の雪形が現れることに由来します。

栗駒山は特に紅葉が美しい山として知られ、シーズンともなると多くの登山者で賑わいます。歩行距離は約8㎞、所要時間は約4時間、難易度は初心者向けです。但し、活火山ですので、火山情報や避難できる山小屋の場所を事前に確認しておく必要があります。

→名峰・栗駒山の紅葉は日本一！絶景の見頃やドライブコースを徹底解説！

東北のおすすめ登山ランキング第2位は「旭山」です。宮城県石巻市にある標高174mの小さな山です。現在は県立自然公園の一部となっており、頂上一帯を覆う芝生や松、桜が美しく市民の憩いの場となっています。

中腹には坂上田村麻呂が創建したと伝わる朝日山計仙麻神社や旭山観音堂もあり、山頂からは牡鹿半島や金華湾だけでなく、栗駒山などを一望のもとに見渡すことが出来ます。ゆっくり散策しても1時間もあれば十分に堪能できる気軽なお出かけスポットです。

東北のおすすめ登山ランキング、堂々の1位に輝いたのは「岩木山」です。青森県の最高峰にしてシンボル。日本百名山にも選定されている標高1,625mの成層火山です。その美しい山容から「津軽富士」と呼ばれる他、地元の住民は崇敬の念を込めて「お岩木さん」「お岩木様」とも呼びます。

古くから山岳信仰の対象とされ、山頂には岩木山神社奥宮があります。また、この地には丹後国の大江時廉によって滅ぼされた岩城正氏の子・安寿が祀られており、丹後の人が立ち入ると神が怒って悪天候になるという伝説があります。

独立峰であるために山頂からは360度の眺望を楽しむことができ、山麓には嶽温泉、湯段温泉、百沢温泉と言った温泉地があり、湿地帯にはミズバショウの大群生地が広がっています。また桜の名所としても知られており、春にはオオヤマザクラやソメイヨシノが咲き誇ります。

江戸時代には藩主のみが山に入ることを許されましたが、現在では一般の登山者でも入山することが出来ます。登山道には3か所に避難用の山小屋があり、歩行距離は約11㎞、所要時間は約6時間半、難易度は上級者向けです。

以上、東北のおすすめ登山ランキングBEST16をご紹介いたしました。初心者向けの山から上級者向けの山まで、四季折々に素晴らしい絶景を堪能させてくれる山ばかりです。冬が終わり、春を迎えれば絶好の登山シーズンの到来。すでに心躍らせている方も多いのではないでしょうか。この記事が、東北の山に足を運ぶきっかけになりましたら幸いです。